- 全9回
- 2020年12月8日公開

数ヶ月に1回の周期で著名人が薬物所持などで逮捕され、たびたび話題になる「依存症」という問題。
それらのニュースは大々的に報じられるものの、視聴者や読者にとっては“消費”の対象でしかなく、社会として解決に結びつく報道がなされていないどころか、誤解や偏見を助長するような報道のあり方を問題視する指摘も多くあります。
薬物のみならず、ギャンブル、アルコールなどの依存症の問題については、道徳観やモラルの観点から捉えようとするのでは正しい認識や解釈をすることはできません。いま社会に求められているのは、依存症という問題に対する「捉え方」のアップデートです。
本授業では、自らもギャンブル依存症だった過去を持ち、現在は依存症当事者への支援活動を行う田中紀子さんに、依存症という社会課題に対する「捉え方」のアップデートについて伺います。
■講師
田中 紀子
公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会 代表
国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部 研究生。祖父,父,夫がギャンブル依存症者という三代目ギャンブラーの妻であり、自身もギャンブル依存症と買い物依存症から回復した経験を持つ。全国各地で家族相談会やギャンブル依存問題の普及啓発のための講演を行っている。2018年12月 ローマ教皇主催「依存症問題の国際会議」に招聘され,我が国のギャンブル依存症対策等の現状についてバチカンで報告をした。著書に「三代目ギャン妻(高文研)」「ギャンブル依存症(角川新書)」がある。
教養としての「社会課題」入門シリーズ(全9回)
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第1回
LGBT入門——性における認識をアップデートする(一般社団法人fair 松岡宗嗣)
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第2回
はじめての不倫学——「社会課題」として考える(一般社団法人ホワイトハンズ 坂爪真吾)
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第3回
ホームレス問題から「貧困」について考える(ビッグイシュー日本 佐野未来)
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第4回
「子どもの貧困・教育格差」に大人はどう向き合うべきか(チャンス・フォー・チルドレン 今井悠介)
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第5回
アメリカ大統領選を前に考える「黒人差別問題」の本質と行方(ニューヨークから現地レポート:HSWジャパン渡邊裕子)
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第6回
薬物、ギャンブル、アルコール……「依存症」という社会課題の捉え方(ギャンブル依存症問題を考える会 田中紀子)
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第7回
誰もが「生き直せる」社会を目指す——2人に1人が再犯者となる刑務所出所者の更生支援
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第8回
日本の中にある「難民問題」——日本で生きる難民たちの今を知る
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生放送授業(無料)第9回
3月8日 (月) 20:00
3.11被災者たちが見る「亡き人の夢」の意味——遺族たちの「夢」を思考する
受講生代表
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徳田 葵
スクー放送部