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Tグループで体験する7つの局面とは?メリットや注意点を解説

公開日:2021/09/10
更新日:2021/09/11
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Tグループで体験する7つの局面とは?メリットや注意点を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

Tグループは、対人関係の仕事をする人向けの学習方法として活用されていますが、人間関係の構築やコミュニケーションスキルの向上が期待できることから、多くの企業に注目されています。本記事では、Tグループで体験する7つの局面と、メリットや注意点について解説します。

 

Tグループとは?エンカウンターグループとの違い

まず、Tグループの概要とエンカウンターグループとの違い、そしてTグループが注目される背景について解説します。

心理学者のクルト・レヴィンが提唱した学習方法

Tグループは、「トレーニング・グループ」のことで、心理学者のクルト・レヴィンらが提唱した学習方法です。1946年にアメリカのコネチカット州で、マサチューセッツ工科大学集団力学研究所と、コネチカット州教育局人種問題委員会の共済ワークショップが開催されたのがはじまりと言われています。 当時は、ユダヤ人とアメリカ人の雇用差別が問題となっており、それを撤廃して公正な雇用を実現するためのリーダーを養成することを目的に、地域のソーシャルワーカー、教育関係者、一般市民らが集まりました。そして、研究者と観察者がスタッフミーティングでディスカッションをする機会を設けましたが、ある晩、ひとりのメンバーが異議を唱えたことをきっかけに、「今ここ」で起こっていることが焦点となる意義深い討議が行われました。 これを衝撃的な出来事と捉えたレヴィンらは、同じトレーニングスタッフを集めて3週間の「基礎的技能トレーニング」を開催し、その後「Tグループを中心とする人間観察ラボラトリー」へと発展しました。この体験学習は、アメリカから日本を含む世界中へと広がり、現在は「Tグループ」として知られています

グループで議題なしの対話を繰り返す人間関係のトレーニング

Tグループは、5~10人ほどのグループを作り、議題なしの対話を繰り返すことで人間関係に関するトレーニングを行います。研修施設で1週間くらいの合宿を行い、「今ここ」で起きていることを話し合います。 Tグループを開催する団体のひとつである南山大学人間関係研究センターは、自由な雰囲気での対話が続くと、「自己理解や他者理解、受容や共感、傾聴や援助関係、コミュニケーションやグループプロセス、などにかかわる様々な現象」が起こり、「気づいたことや感じたことをお互いにフィードバックしあうことによって、生の人間関係から学ぶことが可能になる」と説明しています。
参考:南山大学人間関係研究センター

エンカウンターグループとの違い

エンカウンターグループは、アメリカの臨床心理学者カール・ロジャーズが提唱した集団心理療法のひとつです。Tグループとほぼ同時期に始まり、アメリカでは「感受性訓練」と呼ばれ、やがて同じものと認識されるようになりました。 たしかに、10人前後がグループになって話し合い、人間関係を改善させたり自分の考えを見直したりする点で類似点はありますが、エンカウンターグループはより治療的な方向性を持っています。それで、グループを促進する者を「トレーナー」ではなく「ファシリテーター」と呼んでいます。

Tグループが注目される背景

Tグループが注目される背景には、職場内におけるコミュニケーション不足が関係しています。HR総研の「社内コミュニケーションに関するアンケート」によると、「社内のコミュニケーションに課題がある」と答えた企業は74%にも及ぶことがわかりました。 コミュニケーション不足は、職場環境の悪化だけでなく、部署内外での連携にも悪影響を与え、企業活動の生産性や効率化の要因のひとつになると考えられます。そこで、職場内の人間関係を改善し、コミュニケーションを促進するための手法のひとつとして、Tグループが注目されるようになりました。 Tグループとエンカウンターグループを、まとめて「感受性訓練」と呼ぶことがありますが、実は、日本でも1960~70年代に頻繁に活用されていた時代があります。しかし、本来の意味合いから外れて、企業戦士を作り出すためのスパルタ社員研修となり果ててしまいました。時代が変わり、感受性訓練は衰退することとなりましたが、本来のTグループの実践と研究が継続的に行われ、昨今において見直されるようになっています。
参考:社内コミュニケーションに関する調査

 

Tグループの参加者が体験する7つの局面

南山大学人間関係研究センター紀要の「Tグループにおける他者との関わりを通した在り方の変容の過程(1)」には、Tグループの参加者が体験する7つの局面について解説しているので、ここで紹介します。
参考:Tグループにおける他者との関わりを通した 在り方の変容の過程(1)

出来事中心のやり取り

Tグループの参加者が体験する最初の局面は、「出来事中心のやり取り」と表現されています。自己紹介とともにセッションは始まるものの、取り組み方が参加者それぞれで異なり、積極的にチャレンジする者と、緊張の中恐る恐る発話する者、自分を出さずに何となくグループにいる者などが見受けられます。 なお、トレーナー(ファシリテーター)がいますが、会話の流れを作るのではなく、セッションに関する注意事項と「メンバーのための時間を過ごしてください」と言うだけで、グループの進行はメンバーに任される形となります。

自己直面と取り乱し

次の局面は「自己直面ととり乱し」です。自分に対するイメージと現実の自分のギャップに気づく段階に入ります。まず、グループの進行を任されることで、トレーナーが権威を振るわず、何をしていいのか分からないことへの戸惑いなどにより、取り乱しが生じると考えられます。 また、グループ内における自分の存在が、他者に影響を与えていること気づき、沈黙をしていても、発話をしても、何かしらの印象を与えてしまうことへの戸惑いが生じるようです。そして、他者がいてこそ自分らしさを発揮できることに気づき、自分を解放しようという気持ちに繋がります。

自己理解

他者との関わりを通して自分に焦点が当たることにより、「自己理解」の局面を経験します。しかし、これは自身が他者にとって持つ意味や価値についての正しい自己理解のことではなく、これまで当たり前だと思っていた既成概念を見直し、自身の在り方への気づきを得ることです。 そして、全く新しい自分を発見するのではなく、今まで受けてきた自分の歴史に今の状況を書き足すような感覚です。しかし、感情面で感じていることをそのまま表現するには至りません。

同一化と公約

「同一化と公約」の局面では、自身の中で起きていることを率直に伝えたり、「これまで気づかなかったけど、自分はこうして来たかった」という自己概念を口に出したりして、これからの自分について約束することもあります。また、他者からのフィードバックを受け入れて、自分に同一化させたことを表明することでもあります。 本音による対話で、自身の感情を自由に表現するようになり、その自分に驚くこともあるようです。

他者からの受容

自身の本音を包み隠さず話したところで、次の「他者からの受容」という局面に入ります。これは、自分が他者に受け入れられたのか、どう感じて理解されたのかを伝えてもらう段階です。誤解されていることがわかれば、再び弁明しながら自己開示や公約を行います。 この局面では、他者との信頼関係が築かれており、他者にありのままに共感してもらえるものの、本当にそれでいいのかと問いかけれて自身の発言を吟味させられることもあるようです。

自己受容

「自己受容」の局面では、自己理解の局面で気づいたことが、自身にとって何を意味するのかを理解し、感情と思考、表現が一致する段階に入ります。また、自己概念の公約と他者からのフィードバックが一致していると、自分自身の中で納得感が得られるようになります。 しかし、自身の公約と他者からの受容が一致していないと、感情的に敏感になってしまうこともあり、最初の局面に振り出しに戻ることになります。

出会い

ここで紹介した6つの局面を経て、最後に「出会い」の局面に入ります。そこには本音を隠すことなく自己開示する自分がいて、他者が人格となり自分の前に立つ経験をします。他者を受け入れられる構えになっていて、そこには、相互に関わり合って影響を与え合う出会いが生まれています。

 

Tグループを受講するメリット

ここでは、Tグループを受講するメリットを大きく3つに分けて解説します。

日常から離れた環境で集中して学べる

Tグループのセッションは、基本的に郊外の研修施設などで泊まり込みで行われます。日常から離れ、自然に囲まれた環境で集中して学べるため、個人差はあるものの成果を得やすい状態になると考えられるでしょう。そして、集団的集団体験を通して、深くて豊かな学びを得ることに繋がるでしょう。

コミュニケーションスキルが向上する

Tグループを受講することにより、人はひとりで生きることはできず、他者とともにそれぞれの価値を認め合うことが大切であることに気づかされます。また、仲間を信頼することの重要性も実感することでしょう。この体験を通して、他者とのコミュニケーションスキルを向上させることができます。

リーダーシップの習得に繋がる

Tグループは、カウンセラーや教師など、対人に関わる仕事をする人に向けて積極的に活用されてきました。より良い対人関係を構築するという意味では、リーダーシップの習得にも繋がるというメリットがあります。管理職を対象にした研修だけでなく、新人研修やチームビルディングにも活用できると言えるでしょう。

 

Tグループを受講する際の注意点

Tグループの受講にはデメリットもあります。ここでは、受講の際の注意点を2つ解説します。

参加者が不在中の業務日程の調整が必要

企業としてTグループ研修を実施するには、参加者のスケジュール調整を行う必要が生じます。約1週間の期間を要するため、参加者が不在中の業務日程を調整し、業務が滞りなく進行するように予定を立てる必要があるでしょう。

自身の印象や欠点に気づいて傷つく場合がある

Tグループで参加者が経験する局面には、他者からの受容があり、本音による対話で自身の印象や欠点を指摘される場合も考えられます。受け止め方によっては傷つく場合もあるため、一定の覚悟が必要になります。落ち込むことがあっても、それを乗り越えることで、受講から多くの益を受けることができるでしょう。

 

Tグループの受講ができる団体を紹介

最後に、Tグループの受講ができる団体を2つ紹介します。

一般社団法人日本体験学習研究所

一般社団法人日本体験学習研究所(JIEL)は、Tグループの基礎的な研究と、学校教育や企業組織など、さまざまなフィールにおける応用研究を行う団体です。人の潜在能力や可能性をフルに生かせるような関係づくりをサポートし、「私の人生を生きる」「イキイキしたチームや組織作り」「つながりのある地域づくり」を3つの柱として活動しています。

南山大学 人間関係研究センター

南山大学 人間関係研究センターは、人間関係に焦点を当てた研究と、さまざまな取り組みにより地域社会に成果を還元する団体です。誰もが人間関係について学べる場を提供し、2019年までの修了者数は8,490名にのぼっています。Tグループの宿泊制プログラムを、自然豊かな山梨県の清里にて開催しています。

 

まとめ

Tグループの概要や参加者が体験する7つの局面、受講のメリットや注意点をまとめました。社内コミュニケーションの不足が課題となりがちな現代社会において、コミュニケーションスキルの向上に向けての取り組みは、多くの企業にとって重要事項と言えるでしょう。そこで、ひとつの施策として、Tグループの受講を検討してみるのも良いでしょう。

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