公開日:2022/03/11
更新日:2022/05/13

SDGsとは?社内に浸透させるポイントを解説

SDGsとは?社内に浸透させるポイントを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

近年耳にするようになったSDGs。大企業を中心にSDGs活動に取り組む日本企業が増えています。しかし、いざ社内で取り組もうと思っても「どうやって浸透させればいいの?」と悩んでいる企業担当者は多いはず。本記事では、SDGsが社内で浸透しない理由や取り組むメリット、浸透させるためのステップについて解説します。

 

01SDGsとは

SDGsについて、外務省のホームページでは下記のように紹介されています。 「SDGsとは、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の略称で、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されている、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます」

引用:「外務省、SDGsとは?」

 

02SDGsが社内で浸透しない要因

SDGsは2015年に世界的に採択された国際目標ですが、ここ数年で急激にマスメディアで取り上げられる機会が増え始めました。このことが要因で、日本でも認知度が高まっています。自社に取り入れるために動いている企業担当者も少なくありません。 しかし、企業担当者の大半がSDGsの社内浸透を困難に感じており、苦戦しています。 なぜ浸透が上手くいかないのか、次にその要因を解説します。

担当者の知識不足

社内で浸透しない大きな要因として、企業担当者のSDGsに対する知識不足が挙げられます。   SDGsは前述のとおり2015年に採択されたばかりの歴史の浅い目標です。さらに17のゴールと169ものターゲットで構成されているため、非常に幅が広く、一朝一夕で理解できるものではありません。どれから手をつけて良いのか分からずに悩んでいる方も多いでしょう。 また、中小企業でSDGs活動に取り組んでいる日本企業はまだまだ少数で、参考例が身近にいないことも要因の一つです。 理念を理解しないままでは何を行なって良いのか分からない状態に陥り、多くの時間とお金を無駄にしてしまう恐れがあります。まずはSDGsの基本的な部分を理解するところから始めましょう。今は書籍やeラーニング教材が充実しているので、社内で共有・受講するなどの活用をおすすめします。

経営層と社員の価値観のずれ

中小企業の経営層は、周りの企業と差をつけるために、チャンスを逃すまいと積極的にSDGsの採用を検討しています。しかし、実際に社内で活動をするのは担当者を中心とした社員で、経営層は実務に参加しないケースがほとんどです。これではただ任命された担当者は何をしたら良いのか分からず、社内浸透を進めることはできません。経営層は担当者に何を目標・目的にSDGsに取り組むのか、お金はどこまで使用していいのか、勉強は内部でやるのか、外部講師を雇うのかなど、ある程度裁量のある経営層がトップダウンで価値観の共有を図りましょう。他の業務でも言えますが、経営層と担当者が互いに当事者意識を持ち、主体性を持ってコミュニケーションを取ることで初めて社内浸透が進められます。

 

03企業がSDGsに取り組むメリット

社内でSDGsを浸透させるには、方針設定から社員教育まで、やらなければいけないことが多く時間もかかりますが、見合ったメリットも享受できます。 特に中小企業にとって大きなメリットを3つご紹介します。

新事業の創出

SDGsに取り組むことでSDGs起点での新事業創出が可能です。SDGsは新しい理念であるため、既存事業として取り組んでいる企業は少なく、これまで盲点だった観点も含まれています。新規事業の立ち上げを検討している企業は、SDGsをきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

企業イメージの向上

SDGsが掲げている目標は、貧困や健康、教育、開発途上国に対する支援、働きがいや経済成長に関するものなど多岐にわたります。共通して言えることは、どれも社会全体で取り組むべき地球規模の課題であるということです。そうした課題にいち企業が真摯に向き合う姿は、地元市民や求職者、株主、投資家に高く評価され、企業イメージの向上につながります。SDGsの取り組みは一種のブランディングになります。

投資先としての知名度向上

近年注目されている投資に「ESG投資」があります。 ESG投資とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の略称で、環境・社会貢献・企業統治の3つの要素を評価項目として投資先を選別し投資することを指します。ESGの3要素に取り組んでいる企業は中長期的に持続性のある企業だと投資家から評価される傾向があり、資金調達のためにESG活動に取り組む企業が増えています。 SDGsの一部の目標とESGは内容が類似しているため、SDGsに取り組むことで、ESG投資の対象先としての知名度の向上が期待できます。

 

04SDGs活動に取り組む際のポイント・注意点

SDGsの活動に取り組むことは、会社のあらゆるステークホルダーに向けたメリットがあります。しかし、実際に取り組む上では中期的な視点を持って取り組む必要があります。そのポイントや注意点について紹介します。

持続性のある取り組みを行う

SDGsは「持続可能な開発目標」です。リスクと成長性を鑑みて事業を撤退することは、企業にとって当たり前のことかもしれませんが、SDGs関連の事業の場合は注意しましょう。 持続性がなければならない事業にも関わらず、すぐに撤退すると反ってイメージが悪くなります。企業としての地力も疑われかねません。 事業の立ち上げ段階で十分に検討していれば、撤退を余儀なくされる可能性は低くなるため、目標設定や手法の選定時は注意しましょう。

若手社員の意見を取り入れる

SDGsは相対的に新しい世界的な取り組みです。数ある目標の中には、これまで日本の高度経済成長を引っ張ってきた経営層では考えたことのないような目標もあるでしょう。これからの日本を担っていく若手社員だからこそ思いつくSDGs活動はあります。 実際に活動を引っ張っていくのも若手社員なので、立ち上げの段階から若手社員の意見を取り入れることをおすすめします。自分たちで立ち上げから関わった事業であれば、その後も主体的に動いてくれるでしょう。

 

05企業がSDGsを取り入れるためのステップ

SDGsの採用を検討していても具体的なステップが分からずに悩んでいる企業担当者は少なくありません。最初のステップについて解説します。

1.SDGsを理解する

前述のとおり、まずは経営層・担当者がSDGsを理解するところから始めましょう。 社員に方針を示す担当者が理解できていないと、適切な手法を打ち出すことができないだけでなく、士気が下がって出鼻をくじいてしまいます。周りの企業より先にSDGsに取り組み差をつけたいと考えるのは大切ですが、焦らずに基礎を固めましょう。

2.課題を設定する

SDGsの大枠・理念が理解できたら次は課題の設定を行いましょう。 SDGsには「17のゴールと169のターゲット」が定められています。全てを把握すること、自社の事業に取り組むことは不可能です。 自社であればどの課題に挑戦できるか、社会に貢献できるか検討が必要です。経営層は今後会社をどのように成長させていきたいか将来像を持っているはずなので、その将来像を元に設定する方法もあれば、これから始めたい事業に絡める方法もあります。既存事業に取り組むこともできるでしょう。課題の設定は担当者に任せるのではなく、経営層が中心となって行いましょう。

3.数値目標と方法を設定する

営業部で売上目標を設定するように、SDGs推進部でも数値目標を設定しましょう。 SDGsの一般的な活用目標としては、

  • ・企業イメージの向上による人材の確保
  • ・地域からの信頼獲得
  • ・新たな事業機会の創出

などがありますが、これでは抽象的です。数値化することで進捗が可視化でき、改善を行いやすくなるので「3年以内にSDGs起因の新事業を立ち上げ〇〇円の売上を達成する」など、具体的なものにしましょう。 そうすることで方法の設定もスムーズに適切に行えます。

 

06SDGsの社内浸透・実施事例

SDGsの社内浸透事例を紹介します。どのようなSDGs活動を行えば良いのか具体的なイメージが湧かない方は参考にしてみてください。

アイシン

愛知県に本社を構え、自動車部品、エネルギー・住生活関連製品の製造販売を行なっているアイシンは、社員にSDGsの重要性に気付いてもらうために、世界が直面する社会課題、グループのSDGsの取り組みや職場での好事例を分かりやすく解説したコンテンツを発信する活動を行なっています。また、教育にも力を入れており、eラーニング・階層別研修会の実施、音声ガイド付き基礎教育資料の展開など、挫折しないための基礎教育を行なっています。

参照:「アイシンホームページ、サステナビリティの社内浸透の取り組み」

ミウラグループ

機器類の製造・販売を行なっているミウラグループは、SDGsに対して、会社として、部署として、個人として、何ができるかを「自分ごと」として取り組むことに重きを置いた活動を行なっています。「MyGs(マイジーズ)」という社内浸透活動に取り組んでおり、ミウラグループの部門ごとで、業務とSDGsがどのような関わりを持つのかを話し合い、その結果をポスターとしてまとめ、社内イントラ等で公開することで理解・浸透を推進しています。 このことで社員全員がSDGsについて常に考える機会が生まれ、普段の業務ひとつでも社会のためになにかできないか考える癖が付いていきます。

参照:「ミウラグループホームページ、ミウラのSDGs社内浸透活動「MyGs(マイジーズ)」をご紹介 ~4言語に翻訳して世界の従業員へ発信~」


 

研修をしてもその場限り」「社員が受け身で学ばない」を解決!
研修と自己啓発で学び続ける組織を作るスクーの資料をダウンロードする


■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など


Schoo_banner
Aa
 

07まとめ

新しい理念とはいえ、日本でも確実に根付いてきており、今後のスタンダードな理念になる可能性を秘めています。 今のうちに社員教育や事業構成を検討してみてはいかがでしょうか。

  • Twitter
  • Facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE

20万人のビジネスマンに支持された楽しく学べるeラーニングSchoo(スクー)
資料では管理機能や動画コンテンツ一覧、導入事例、ご利用料金などをご紹介しております。
デモアカウントの発行も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

お電話でもお気軽にお問い合わせください受付時間:平日10:00〜19:00

03-6416-1614

03-6416-1614

法人向けサービストップ