公開日:2022/03/11
更新日:2023/02/25

SDGs人材を育成するには?その方法とメリットや事例について解説する

SDGs人材を育成するには?その方法とメリットや事例について解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

マスメディアで取り上げられるようになったSDGs。自社に取り入れたいと検討されている人事担当者・経営者は多いのではないでしょうか。持続的な活動を行うには、まずは人材育成が必要不可欠です。 本記事では、SDGs人材の育成方法からそのメリット、事例まで解説します。

 

01SDGsとは

SDGsについて、外務省のホームページでは下記のように紹介されています。

  • 「SDGsとは、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の略称で、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されている、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。

17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます」

出典:外務省「SDGsとは?」

▼SDGsについて詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】SDGsとは?社内に浸透させるポイントを解説

 

02SDGs人材を育成するメリット

SDGs人材を育成することは、SDGs活動を円滑に進められるだけでなく、さまざまな波及効果をもたらします。どのようなメリットがあるのかそれぞれ解説していきます。

優秀な人材の確保に繋がる

近年は売り手市場で求職者に有利な状況が続いています。優秀な人材は待遇の良い大手企業に流れてしまうため、採用に苦しんでいる中小企業の人事担当者は多いはず。 SDGsに取り組むことで、公正で平等な雇用と差別のない労働環境を提供してくれるのだと求職者は認識します。優秀で若い人材は先進的な取り組みを行う企業に関心を寄せる傾向にあり、SDGs人材の育成は採用ブランディングの向上にも繋がるため、検討をおすすめします。

企業イメージの向上

SDGsに取り組む企業は、クリーンなイメージを持たれやすく、社会問題に対して積極的に対策を実行している姿勢から、求職者・地域住民からの評価も高まります。 社内の問題にもメスを入れてくれるだろうという客観的な評価も高く、企業イメージ向上とともに、人材採用にも好影響をもたらします。

投資家からの認知度向上

ここ数年で急激に注目されはじめた投資に「ESG投資」があります。 ESG投資とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の略称で、環境・社会貢献・企業統治の3つの要素を評価項目として投資先を選別し投資することを指します。ESGの3要素に取り組んでいる企業は、中長期的に持続性のある企業だと投資家から評価される傾向があり、資金調達のためにESG活動に取り組む企業が増えています。 SDGsの一部の目標とESGは内容が類似しているため、SDGsに取り組むことで、ESG投資の対象先としての知名度の向上が期待できます。

▼ESG投資について詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】ESG投資とは?代表的な手法から課題、企業事例まで解説

 

03SDGsに取り組む前に育成が必要な理由

SDGsを取り入れる企業は増えているため、周りの企業に遅れまいと急いで取り掛かる担当者は多いですが、それは早とちりです。なぜSDGsに取り組む前準備として教育が必要なのか解説します。

SDGsは歴史の浅い理念

SDGsは2015年に国連サミットで採択された、比較的歴史の浅い理念です。ここ数年で日本でも広まってはいますが、まだまだ歴史は浅く、実際にSDGs活動に取り組めているのは大手企業が中心で、中小企業ではほとんど浸透していません。 そのため、従業員はおろか、経営層でもSDGsに対する知識が身についていないのが現状です。この状態でいきなり取り掛かっても「SDGsって具体的に何をすればいいの?」と担当者は困惑し、持続的な活動は行えません。 まずはSDGsの基本的な理念から学習することをおすすめします。

効率的かつ効果的なSDGs活動が行える

前述のとおり、まだ知識が身についていない状態でのSDGs活動は反って逆効果です。多くのお金と時間を無駄にしてしまいます。 事前に学習をしておくことで、自社には何ができるのか、何を目標とすべきか、各部署でどのような取り組みを行うべきかなど、SDGs活動を実行する上で決定が必要な事項を迷うことなく的確に定められるでしょう。

SDGsウォッシュを回避できる

SDGsウォッシュとは「実態以上にSDGsに取り組んでいるように見せかけること」を指します。SDGsの社員教育を十分に行わずに取り組んだことが原因で、SDGsウォッシュに陥っている企業は少なくありません。 実態が伴っていないにも関わらず、嘘の内容を公表することは、株主・地域住民・求職者からのイメージダウンを招きかねません。 SDGsとは相反する行為となるので、十分に注意が必要です。事前に教育を行なっておけば、SDGsウォッシュも回避できます。

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このコースでは「SDGsとは?」の基本知識から「企業とSDGs」、「消費者とSDGs」のそれぞれの関係性や昨今の変化について説明し、企業としてなぜ「SDGs」に取り組む必要があるのかを解説していきます。そして最後に、自社でこれからSDGsを推進していく方に向けて、SDGsの取り組みをスタートさせるにあたり素地となる考え方についてお届けします。

「企業のSDGs推進への基礎理解」

企業のSDGs推進への基礎理解

  • 株式会社Drop SDGsコンサルタント

    新卒より8年間働いた会社でインド、インドネシア、タイなど7カ国の販路開拓し、海外展開に奔走。2019年8月に退職。翌月よりサハラ以南の現状を自分の目で確かめたく、アフリカのセネガルに1ヶ月滞在し、プラごみ問題の解決に奔走。帰国後は社会課題を解決するスタートアップ企業 株式会社Dropの創業メンバーとしてジョイン。 これまで企業・青年会議所・教育機関などでSDGs研修を開催し、これまで計40万人のビジネスパーソン向けにSDGs研修を実施。YouTuberとしても、ビジネスパーソン向けにSDGsの基本知識から取り組み方法について発信中。

 

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04SDGs人材を育成する際の注意点

SDGs活動に取り組む前には、教育はもちろん注意点を把握しておくことが肝要です。 どのような注意点があるのか把握しておくことで、躓くことなく教育と実行を行うことができます。どのような注意点があるのか確認していきましょう。

従業員の負担にならないように注意する

SDGsに取り組むということは、これまでなかった新たな事業を行うということです。 従業員の業務にこれまでにない負荷がかかるため、常に従業員のケアとサポートが必要です。働き方改革を通じた労働時間の軽減も検討している企業は、SDGs活動と日頃の業務のバランスに注意しましょう。既存の事業にSDGs活動を組み入れることで、負担は軽減するのでおすすめです。

経営層と従業員で価値観を共有する

経営層は同業他社よりも先駆けてSDGsに取り組みたい気持ちが強く、担当者や従業員に活動を強要する事例が見受けられます。しかし、これでは実際に動く従業員は「上から言われたけど何をどうしたらいいの?」と困惑してしまいます。 まずは、経営層がどのような会社にしたいのか、そのためにSDGsで何をしたいのか、従業員に価値観を共有しましょう。そして、担当者と従業員は、経営層の考えに対して率直な意見を発信しましょう。経営部隊と実働部隊の価値観が一致したSDGs活動を行うことが、持続的かつ効果的な活動に繋がります。

<SDGs人材育成についてのSchooおすすめ授業>

世界的に広がっているSDGsの取り組みはただのトレンドではなく、経済やビジネススキームそのものを転換させるような大きな潮流となっています。しかし一方で、日々を忙しく暮らしている多くの人にとって、まだまだSDGsは関心の大小はあっても「どこか遠い絵空事」のようにとらえられることも少なくありません。本授業では、世界の問題と私たちの生活がどのようにつながっているのかを知り、自分ごと化できるようになる視点を学んでいきます。

「SDGsを自分ごと化するための3個の視点」

SDGsを自分ごと化するための3個の視点

  • フリーランス国際協力師

    1994年生まれ。フリーランス国際協力師。早稲田大学卒。フィリピンで物乞いをする少女と出会ったことをきっかけに、学生時代から国際協力活動をはじめる。これまでウガンダの元子ども兵や南スーダンの難民を支援してきた。大学在学中にNPO法人コンフロントワールドを設立し、新卒で国際協力を仕事にする。出版や講演、ブログを通じた啓発活動にも取り組み、2018年3月小野梓記念賞を受賞した。 大学卒業後に適応障害を発症し、同法人の活動から離れる。半年間の闘病生活を経てフリーランスとして活動を再開。ウガンダのローカルNGOと協働し、北東部で女子児童に対する生理用品支援などに従事。他にも講演やブログ、YouTube、オンラインサロンの運営にも携わるなど、「フリーランス×国際協力」という新しい働き方を追求している。著書『世界を無視しない大人になるために』『あなたとSDGsをつなぐ「世界を正しく見る」習慣』
 

05SDGs人材の育成のための取り組み

次に、SDGs人材を育成するために人事部ができる取り組みについて紹介します。会社の経営層を筆頭に取り組むだけでなく、人事ではどのようなことができるのか確認しておきましょう。

SDGsを打ち出した採用活動

採用活動にSDGsを打ち出すことで、SDGsに関心のある社員が自社に関心を示してくれます。多様な価値観を持った求職者が集まるため、入社後にこれまで自社になかった新たな考え・事業案の提案が期待できます。

SDGs人材育成の環境整備

人材育成のための環境整備も人事の役割です。 まだSDGsが浸透していない企業は、自社で教育を完結させることは困難です。外部講師の招待、通信講座をおすすめします。まずは通信講座で従業員全員にSDGsとは何か、目標には何があるのか学んでもらい、基礎が身についた段階で、専門的な知識を外部講師から学ぶと良いでしょう。

労務関連の整備

人事がSDGsに取り組むにあたって、労務関連の整備も大切な仕事です。 働き方改革やジェンダーレス、男女平等など、労働関連法の遵守がSDGsに繋がっています。SDGsには「人や国の不平等をなくそう」という目標があり、全ての人が能力強化や社会的、経済的、政治的な包含を促進することを掲げています。 人事だからこそできる役割と言えるでしょう。

 

06SDGs人材の育成に成功した企業事例

最後に、SDGs人材の育成に成功した企業の事例を紹介します。重点的に取り組んだ点や、その課題についてもそれぞれ公表しているため、ぜひ参考にしてみてください。

旭化成

旭化成グループは、サステナビリティ推進委員会を設置し、「健康で快適な生活」と「環境との共生」をグループビジョンとして事業を通じて、SDGsの実現に貢献しています。 具体的には、環境との共生をテーマに、脱炭素社会の実現や水の汚染防止に向けてGHG排出量、環境汚染事故数をKPIとし、関連部署で取り組んでいます。 既存部署によって得意分野があるため、それを最大限に活かした取り組みを実施している点は、参考にすべきです。

参照元:「旭化成公式ホームページ、サステナビリティ・マネジメント」

山翠舎

山翠舎は、古民家の解体から設計、施工まで手がけている会社です。「古木」の移築・再生を中心とした事業を行なっており、自然の循環による持続性向上に貢献しています。その取り組みが評価され、2019年には環境に配慮した企業として、長野県SDGs推進企業に第1期登録されました。 また、自然の再利用による環境保全活動に取り組む一方で、古木を活用した住みやすく居心地の良い空間の創造プロデュースにも力を入れており、SDGsの8番目の目標である「働きがいも 経済成長も」についても達成しています。 さらに、長野県の本社にはSDGsを説明できる空間「SDGs交流スペース」を新設し、定期的にセミナーを開催することで、SDGsに興味を持っている事業者に山翠舎のノウハウを還元しています。 自社にとどまらないSDGs活動は、応用編ではありますが、地域社会に大きく貢献できる活動で、イメージ向上にも繋がるでしょう。

参照元:「山翠舎公式ホームページ、SDGs持続可能な社会の実現に向けて」


 

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07まとめ

SDGs人材の育成方法と注意点、メリットから実例まで解説しました。 SDGsはこれからさらに日本国内で浸透し、スタンダードな理念になると考えられています。本記事がこれから自社にSDGsを取り入れたいと検討している担当者の参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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