部下の指導・育成のポイントとは?4つのタイプ別指導法を紹介

部下の指導や育成を行う中で、より効果的な方法を知りたいというのはリーダーやマネージャーなど部下を持つ方には多い悩みではないでしょうか。今回は、部下のやる気を引き出すという観点から部下の指導・育成のポイントをいくつかご紹介します。
- 01.指導の基本
- 02.部下の特徴を把握する
- 03.部下との信頼関係を築いた上で指導しよう
- 04.部下のタイプ別指導法
- 05.部下に寄り添う指導・育成を
- 06.Schooビジネスプランの特徴
- 07.まとめ
01指導の基本
まず始めに、部下を指導・育成する上で上司として心がけたい基本的なことがあります。それは、自分の考えや意向を部下に押し付けないということです。
上司と部下という関係上、議論などではどうしても上司の意見が強くなり、部下は自分の考えや意見を言い出しにくくなる傾向にあります。自分が部下として働いていたときに上司と対等な立場で意見交換ができたという記憶がある方もあまり多くはないはずです。
このように、立場が違うということを上司が自覚しなければ、指導ではなく意見の押し付けで終わってしまい、やる気を引き出すこと以前に部下のモチベーションを低下させる原因になってしまいます。
そこで、やる気を引き出すための重要なポイントは『部下の話に耳を傾ける』という意識です。
『部下の話に耳を傾ける』を強く意識
現在より少し前の日本では、部下は上司の指示や指導に必ず従わなければならないという風潮が多くありました。しかしそれは昔の話で、徐々に変わりつつある雰囲気を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
もし今、昔ながらの押し付け型の指導をすると部下はどのように感じるでしょうか。部下のやる気が出るどころかむしろ士気が下がり、更にはパワハラ問題へと発展していく可能性も出てきます。
このようなリスクを回避し、かつ部下のやる気を引き出すためには、まずしっかりと『部下の話に耳を傾ける』というスタンスが非常に重要です。
実際にその意見を取り入れるかどうかは部署などの外的要因で難しい部分もあるかと思いますが、そのような状況でもしっかりと部下の話に耳を傾けましょう。部下としても、自分の意見を聞いてもらえているのだという安心感を持つことができます。
部下の意見を尊重し、実行のサポートをする
部下からの意見の中で良いものがあれば、ぜひその実行を積極的にサポートしましょう。部下の意見を部署運営や業務に取り入れてみる寛容さがあれば、より良い部下の指導や育成につながりますし、部下との関係性も良好なものになります。
時には部下の意見が間違っている場合でも、そこで否定するのではなく、前向きに『一回それでやってみよう!』と受け入れてみることも重要かもしれません。上司としても、自分の経験上、ある程度うまくいかないことが目に見ている場合には、上司の責任であるマネジメントの一つとしてリスク回避を先に行って部下をしっかりサポートしましょう。
実際に部下の意見を取り入れてうまくいかなければ、そこで初めて部下は自分の誤りに気がつくということもあるかもしれません。上司が先回りして自分の間違いからなる失敗を最小限に食い止める動きをしてくれていたと分かれば、これも指導や育成になりますし、部下の今後の業務につながる経験になります。
最近では部下の指導・育成の手法として、OJTがありますが、OJTは実業務を通して経験を得るという意味合いが強く、今回ご紹介したやり方もOJTの一つです。
02部下の特徴を把握する
引き続き、部下の指導・育成の現場で良く用いられるマトリックス表を使ってあなたの部下の特性を大まかに分類し、部下の特徴を把握する方法をご紹介します。
指導をする前に部下の特徴を把握し、部下の性格や考え方に合った指導を心がけより効果的な関わり方を検討していきましょう。
マトリックス表は縦軸が『やる気・モチベーション』で横軸が『能力・ポテンシャル』です。このマトリックスに自分の主観で構いませんので、それぞれの部下がどこにプロッティングできるか記入し、可視化してみてください。
やる気はあるけど、能力が低い部下
マトリックス表で検討した結果、やる気はあっても能力が低いという部下がいたとします。
このタイプの部下は、努力しようとする前向きな気持ちはありますので、冒頭でご紹介した基本的な指導方法だけではなく、まずは、上司であるあなたのやり方でやってみようと進めるのもの一つの方法です。ただし、その時の伝え方には十分に注意しましょう。
上から目線な命令口調ではやる気にマイナス影響を及ぼす可能性がありますので、丁寧な口調で伝えることを心がけましょう。
能力は高いけど、やる気がない部下
次に能力は高いけど、やる気がないという部下についてです。
仕事以外でもそうですが、能力があってもやる気がないという人材は、やる気を引き出させることが必要になりますが、やる気を引き出す指導は多くの時間や労力を要します。また、やる気の問題は、部下自身に起因することが大きく、本人ではない上司が介入しても簡単にやる気を引き出せない場合が多々あります。
このタイプの部下の場合、先述のようにまずは部下の意見や主張を聞き入れ、部下がやりたいようにやらせてみるということも一つの大きなポイントでしょう。
03部下との信頼関係を築いた上で指導しよう
部下を指導する際には、「信頼関係」が非常に重要です。信頼関係がないと、いくら部下のためを思って指導しても部下は聞く耳を持たないでしょう。そこで今回は、信頼関係を構築するために意識すべき3つのポイントをご紹介します。
1:相手の「関心」に関心を持つ
相手自身に関心を持つだけでなく、相手の世界観や興味の対象に対しても関心を持つことが大切です。部下は、自分に興味を持っていない上司よりも、興味を持っている上司の方が話しやすいでしょう。部下の関心ごとに対して上司が興味を持って話ををすることで、お互いの壁がなくなり、部下としては「この人の話なら聞こう」というような心情になるのです。
2:共通点を見つけよう
自分の趣味や、好きな食べ物など、自分と相手の共通点を見つけることで、お互いの距離はグッと近くなります。例え内容がとてもプライベートでカジュアルなこと出会っても、共通の話題に関して雑談をして盛り上がることで、お互いに打ち解けることができるため、積極的に話すようにしましょう。上司の方から積極的に心を開いていくことで、部下の方も心を開いてくれるようになるのです。
3:部下の「できていること」を承認しよう
ビジネスシーンでは、「できていないこと」の反省や、原因追及をすることがよくあります。もちろんできなかったことに対する反省や振り返りはとても重要なことですが、できないことばかりを追求する上司に対して、部下はあまり好感を持ちません。そのため、できないことを指摘するばかりではなく、「できていること」を積極的に承認するように心がけましょう。
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04部下のタイプ別指導法
ここでは部下のタイプを4つに分け、それぞれの特徴とタイプ別の効果的な指導法について解説します。

タイプ1:アチーバー
アチーバータイプは、特徴として「他者からの影響を受けにくい」「目標達成がモチベーション」などがあります。また、達成意欲がとても強く、困難なことに挑戦することを好むと言う傾向があります。このようなタイプの部下には、少し困難な仕事を与えて挑戦させて、大きく成長させるきっかけを与えたり、困難なことに挑戦する過程でどのような度量をしたのか、と言うことを正当に評価する指導法が有効です。
タイプ2:エクスプローラー
エクスプローラータイプは、「自分の興味」をモチベーションとし、他者と比べることなく自分のペースで仕事を進めることができるのが特徴です。そして、未知の仕事、まだ自分が経験したことのないことに強い興味を示す傾向があります。このようなタイプの部下には、できるだけ部下自身の好きなことをやらせて、最大限に成果を引き出すようにしましょう。また、エクスプローラータイプは相対評価に興味がなく、自分の行った努力、成果が絶対的に評価されることでモチベーションが上がります。
タイプ3:キラー
キラータイプは他者のことを強く意識し、「勝ち負け」がモチベーションの源泉となります。部下自身がライバルだと認めている他者との競争を強く意識し、相手に勝つために努力をすると言う特徴があります。また、ライバルに差をつけた時に強い優越感を感じて、さらにモチベーションが高まります。このようなタイプの部下には、常にライバルを意識させ、そのライバルとの競争の中で成果を挙げ、成長させると言う指導法が効果的です。また、相手との差を意識するので、相対評価で評価することでモチベーションアップに繋がります。
タイプ4:ソーシャライザー
ソーシャライザータイプは、「仲間との関係」がモチベーションの源泉となります。目標達成の難易度や、目標達成できたかどうかに関わらず、「仲間と一緒にどれくらい努力したか」と言うことを強く意識します。そして助け合いや新たな気付きなど、小さな喜びが大きな満足感につながると言う点もこのタイプの特徴です。ソーシャライザータイプの指導には、信頼できる仲間と仲間意識を持って目標達成に向かうことができるような環境で、協働させる指導法が効果的です。
05部下に寄り添う指導・育成を
上司には、業務の指導だけ行い『あとはやっておいて』という指導・育成方法を行う人がいますが、言葉で指導をした後は、一緒に部下とその業務をやってみましょう。
また、口頭で指導する前に自分がその業務を実際にやってみて、それを部下に見せてから行う方がより具体的に業務内容が部下に伝わるため、望ましい指導・育成方法と言えます。 いずれにしても、口頭指導だけで終わらせるのではなく、どんなときでも部下へ寄り添う優しさを持ち指導・育成を行う必要があります。
部下に対して上司である前に人間的な優しさや魅力を感じさせることが、指導者としては必要です。人間的に魅力ある上司に部下はついていきますし、極論、何も指導しなくても部下は上司に魅力を感じ、自らやる気を持って業務に取り組み始めるでしょう。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

06Schooビジネスプランの特徴
Schooビジネスプランでは約8,000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schooビジネスプランの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。
1.研修と自己啓発を両方行うことができる
schooビジネスプランは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。
2.部下の指導法を学びたい/学ばせたい方におすすめのコーチング研修パッケージ
部下の指導法を学びたい/学ばせたい方には、Schooのコーチング研修パッケージがおすすめです。コーチング研修パッケージでは、コーチングの基礎からコーチングに必要なコミュニケーションスキルまで、カリキュラムを組み合わせて網羅的に構成されており、部下の指導に必要なコーチングスキルをおよそ3時間(各60分)で体系的に学ぶことができます。
さらに、社員に研修動画を受講してもらった後に、意見の共有会やディスカッションを行うことで、学んだことをより効果的に定着させることができます。
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マネージャー向けのコーチングを学べるカリキュラムです。チームで成果を出すために必要なコーチングについて学べる内容となっています。
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コーチングの基礎については習得しているけれど、さらにスキルアップしたいという方向けの研修パッケージです。コーチング時に必要となる質問力や課題解決力を磨くことができます。
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コーチングスキルを磨く上で必要なコミュニケーション力について学べる研修パッケージです。他社との信頼関係の築き方や、ほめる力などを身につけることができます。
3.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる
Schooビジネスプランには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。
まず、Schooビジネスプランの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。
この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。
07まとめ
- 部下はそれぞれに個性を持ち合わせており、そのことを理解し一人ひとりの部下の特徴を見極めることが上司として部下を指導・育成する際に重要である。
- 部下の意見に耳を傾け、押し付けにならない指導を心がける。
- 部下それぞれに合わせた指導・育成方法を検討する際に、マトリックス表での分析が役立つ場合も多い。
上司の指導・育成による部下の成長は、部署の成長であり、企業の成長でもあります。管理職である上司の企業内での部下指導の役割や責任は非常に大きく、将来的な企業の繁栄にも繋がって行きます。
ぜひ今回ご紹介したポイントを一つの例として、部下の指導・育成に役立ててみてください。また、schooビジネスプランでは、部下の指導・育成の方法が学べるオンライン動画を提供しております。
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登壇者:高木 一史 様サイボウズ人事本部 兼 チームワーク総研所属
東京大学教育学部卒業後、2016年トヨタ自動車株式会社に新卒入社。人事部にて労務(国内給与)、全社コミュニケーション促進施策の企画・運用を経験後、2019年サイボウズ株式会社に入社。主に人事制度、研修の企画・運用を担当し、そこで得た知見をチームワーク総研で発信している。
社員研修を加速させる。
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動画学習を活用することで事前に業務に関する知識をインプットをした上で、集合研修やOJTに臨むことができます。
それにより集合研修やOJTの場は知識の定着を図ったり疑問点を解決したりといった時間に充てることができ、 研修をより効果的に行うことが可能です。
ビジネスマナーやコミュニケーション力などの基本スキルから、営業・プログラミング・デザインなどの実務スキルまで学べるので、自発的に学び成長していける人材の育成促進につながります。