公開日:2020/05/01
更新日:2023/01/22

人材育成とは|効果的に社員を育成して組織に定着させる3つの方法

人材育成とは|効果的に社員を育成して組織に定着させる3つの方法 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

「人材が育たない」という課題は、どの企業どの組織にも共通するものです。優秀な人材を確保することが難しいと言われる昨今、社内の人材育成に力を入れる企業が増えてきています。この記事では、人材育成を組織に定着させる方法について紹介していきます。

 

01人材育成とは

人材育成とは、企業の成長に貢献できる人材を育成することです。社員にスキル・知識・経験を与えることで、企業の持続可能な成長を可能にします。一方で、人材育成と似たような言葉に人材教育や人材開発、能力開発などがあります。まずは、これらの違いをご紹介いたします。

人材育成と人材教育の違い

まず人材育成を考える際には、新入社員や中堅社員、管理職といった階級別に考えられます。人材育成の目的は、それぞれの階級に沿って求められる知識やスキルを身につけさせること。階級ごとに育成を行うので、効率的に必要なスキルを身につけさせることができます。 一方人材教育は、文字通り人材を教え育てていくことを意味します。人材育成とは異なり、一般的に新入社員や中途社員などに対して社会人として必要なスキルを確認したり、業界で必要な知識やスキルを教育したりする場となります。

人材育成と人材開発の違い

前述の人材育成や人材教育という用語のほかに、人材開発という言葉もあります。人材開発は、階級別ではなく全社員を対象にして行われ、人・企業の成長や業績を支える思考や行動力が身につくように教えられます。それぞれの企業の方針や将来ビジョンに合わせて、ふさわしい人材を育てていくという考えです。人材育成と異なる点は、対象者が全社員であること。そして実施される目的が、階級としての役割を全うするためではなく、企業の一員として力を発揮できるようにするという点です。

【関連記事】人材開発とは?人材育成との違いやその課題、手法について解説

人材育成と能力開発の違い

つづいて人材育成と能力開発の違いについても簡単に説明します。上では、人材育成は階級別に実施されるものであり、その目的は、それぞれの階級に沿って求められる知識やスキルを身につけさせることであると述べました。それに対し能力開発とは、階級などは関係なく個人の持つ能力を向上させることを目的とします。業務に直結するかしないかは重要でなく、あくまで個人のスキルアップをサポートさせることが重視されます。

【関連記事】能力開発とは?自己啓発との違いや効果的な育成方法について紹介
 

02人材育成の重要性

人材育成の重要性は昨今さらに増しています。人口が減り続ける日本にとって、これまでのように人材は常に増え続けるものではなく、減っていくもので貴重な資本となっているのです。

最大の経営資本は「人」である

人を育て成長させていくことは、企業の成長や発展に結びつくものです。時代の変化などの影響から企業の業績は左右されることもありますが、変化や改革が求められる際にどのような動きができるかは、中にいる「人」の力にかかっています。まさに、「人」が社運を握っているのです。そう考えると、人を育てることがいかに大切であるかがご理解いただけるのではないでしょうか。

ドラッカーの人的資源

経営学者として有名なピーターF.ドラッカーは、著書の中で人的資源のことを「最も生産的、変化しやすい、大きな潜在能力」だと位置付けています。ドラッカーのこの言葉からは、企業活動の全ては人によって決まるということがわかります。

組織を作るのは人であり、人が組織を大きくする

組織としての大きな人のまとまりがどのような行動を繰り返していくのかによって、その組織が大きくなるのかまたは離散してしまうのかが決まっていきます。一人の力はそこまで大きな影響を持っていなくても、集団になれば大きな力となります。企業を成長させていきたいのであれば、企業を成長させるためにどのような組織であることが望ましいかという点で様々な取り組みを考える必要がありそうです。

 

03人材育成における4つの目的

人材育成における4つの目的

人材育成における目的は、以下の4つです。

  • 1:離職率を下げる
  • 2:生産性の向上
  • 3:自己実現の達成
  • 4:キャリアデザインの設計と実現

目的1:離職率を下げる

人材不足が叫ばれる昨今、優秀な人材を確保することは容易ではありませんし、その傾向はますます強くなっていくことが考えられます。ですから、できる限り入社した人には離職せずに在籍してもらい、自社の中で成長してもらえるように環境を整えていくのがよいでしょう。離職する原因は様々ありますが、「教えてもらえない」という人材育成や教育の機会不足によって社員の満足度が上がらないという事態を防ぐことができます。

【関連記事】離職率を低下させるメリットとは?離職率の平均値や低下させる方法を解説

目的2:生産性の向上

人材育成を行うことで、業務改善の方法や効率的な仕事の仕方などが身につけば、社員一人ひとりの生産性が向上することが期待できます。同じ労働時間の中でも、効率的かつ内容の濃い仕事がこなせる人が増えれば増えるほど職場は活性化していきます。

【関連記事】生産性を向上させるには?生産性の定義と算出方法、取組事例を紹介

目的3:自己実現の達成

企業での仕事を通して、人は自己実現を達成させようとします。一人ひとりの社員のしたいこと・なりたい姿は当然違いますが、自分が描く理想の姿が実現できる環境があると感じれば、人はその企業から離れていくことはないでしょう。育成を通して、自己実現の達成を早めるサポートができるよう環境を整える必要があります。

目的4:キャリアデザインの設計と実現

自己実現の達成と似ていますが、自己実現という広い範囲での理想に比べ、キャリアに限定した理想を指します。例えば女性社員であれば、出産や子育てなどライフスタイルの変化にも柔軟に対応しながらキャリアを築いていけるかを重視する人も多いでしょう。長く広い視点で考えた時、将来的にどのようなことが求められるのか、そうした気づきを与えることもできます。

【関連記事】キャリア研修の内容とは?|キャリアデザインを人材育成に落とし込むための6つの工程
 

04人材育成に必要な準備

人材育成を行うには、次の3つの準備が必要です。

  • 1:課題点を見つける
  • 2:現状を把握する
  • 3:理想を整理する

1.課題点を見つける

人材育成を行うには、まずどのような内容が求められているかを知り、整理する必要があります。例えば、立場の違う管理職とチームメンバーでは、人材育成で求めることが異なります。どちらの意見が正しいかではなく、課題やニーズとしてどのようなものが潜在的に存在するのか、リサーチするのがよいでしょう。

2.現状を把握する

課題やニーズが把握できそれぞれ整理できたら、各職場がどのように運営されているのか現場をきちんと把握しなくてはなりません。その職場の生産性や人間関係など様々な視点から現場を観察します。あるいは、その職場の管理職や若手社員など立場の異なる人から直接ヒアリングを行うのも有効です。

3.理想を整理する

現場からすくい上げたニーズなどをもとに、人材育成を通してどのような職場へ導いていきたいのか、理想を整理しておきましょう。経営陣などへのヒアリングもあればより焦点が定まっていくでしょう。ここで定まった理想は、人材育成を行う目的であり、目指すゴールとなります。

 

05人材育成にはスキルマップの作成がおすすめ

人的資本経営が注目を集める中、スキルマップの作成に取り組む企業も増えています。各業種・階層のスキルマップを作成することは、かなり骨の折れる作業ではありますが、その労力に見合ったメリットがあります。

スキルマップを作成するメリット

人材育成を行うには、スキルマップを作成するのがおすすめです。スキルマップとは、職種ごと、あるいはそれぞれの階級ごとなどにできていないと困る、あるいはできていてほしい業務を洗い出し、マッピングされたもののことを指します。スキルマップを作成することで、それぞれの年次でやっておくべきことが明確になり、明確になることで目標も立てやすく主体的な行動に移しやすくなるというメリットがあります。

スキルマップの作成方法

スキルマップは、以下の4つの手順で作成することができます。

  • 1:現場の管理職へのヒアリング
  • 2:必要なスキルの洗い出し
  • 3:時間軸の設定
  • 4:具体的な人材育成方法の立案

1.現場の管理職へのヒアリング

スキルマップを作成するには、まず現場や経営者へのヒアリングを行います。直接現場の声を聞くことで、現場の実情とマッチした“使える”スキルマップを作成できます。

2.必要なスキルの洗い出し

そしてヒアリングから、年次や役職によってどのようなスキルが求められているか、またどのような能力が必要なのかをまとめていきましょう。スキルを整理していき、抜け漏れなどがないかチェックします。

3.時間軸の設定

スキルの洗い出しを行った後は、それらに時間軸を加えます。例えば、入社後半年以内、一年後以内、2年目以内というように時間を区切ることでやるべきことが明確になります。

4.具体的な人材育成方法の立案

スキルマップが作成でき、求めるスキルが明確になったら、求めるスキルをどのような形で社員に身につけてもらうか、育成方法について考えていきます。育成方法には、集合研修やOJT、自己啓発など様々な手段がありますが、コストや現場への負担などを考え、最適な手段を選択しましょう。

【関連記事】スキルマップとは|メリット・デメリットと作成方法を紹介
 

06人材育成の手法

人材育成の手法は多岐に渡りますが、概ね以下の3つに分けることができます。

  • 1:OJT
  • 2:Off-JT(研修)
  • 3:SD(自律的な能力開発)

OJT

OJTは「On the Job Training」の略で、実際の業務を通じて必要な知識やスキルを身に着けていく手法のことをいいます。多くの企業では、OJTが人材育成の中心とも言えるほど、取り入れられている手法です。OJTのメリットは、実務に本当に必要な知識やスキルを実務を通じて会得することができるため、人材の即戦力化を期待できることにあります。その反面、デメリットは教育担当者によって成長度合いが大きく左右されてしまう点にあります。教育担当者についた人があまり仕事ができない人だと、その人のやり方が踏襲されていくので、下の世代も誤った仕事の方法を学んでしまうという悪循環から抜け出せなくなる可能性があります。

また、働き方改革でリモートワークを取り入れる企業が増えたことにより、OJTの効果が薄れているという事実も見えてきました。これまでのように出社が当たり前であれば、不明点や直面している壁についてOJT担当者に気軽に声をかけることができたり、その逆にOJT担当者から「大丈夫?」のような声がけも行うことができました。しかし、リモートワークではこのような問いかけがしにくい環境にあり、本当にOJTによって実務に必要なスキルを習得できているか判断しにくいという懸念も上がってきています。

【関連記事】成功するOJT研修とは?

Off-JT(研修)

OFF-JTは「Off the Job Training」の略で、基本的には研修の意味として使われます。Off-JTのメリットは、教育担当者が同一であることがほとんどであるため、質がOJTと比べて一定に保たれやすいという点にあります。 一方でデメリットは、実務から離れた状態で行われるため、実務に即していない内容を学ぶことがほとんどである点にあります。Off-JTは基本的に階層別で行われることが多く、業種・部門に特化した内容にすることはできず、どのような社員にも求められるポータブルスキルが中心となります。そのため、Off-JTを実施したからといって、すぐに実務に役立つ内容でOff-JTの効果を可視化し、実感できるわけではありません。

【関連記事】OFF-JTとは?OJTとの違いやメリット・デメリット、活用方法を解説

SD(自律的な能力開発)

SDは「Self Development」の略で、社員が自律的に自身の能力を高めることをいいます。OJTが機能しにくくなり、ダイバーシティが重要視されている昨今の日本企業にとって、SDの重要性は数年前と明らかに高まっていると言えます。

SDのメリットは、自分が描いているキャリアデザインに沿ったスキル・知識を身につけることもできれば、今まさに抱えている課題に対しての解決策を学ぶこともできるという選択の幅にあります。一方、これまでOJTとOff-JTを中心とした人材育成によって成長し、それが当たり前と思っている社員にとって、あくまでもSDは希望者のみが行うものであるという認識がまだ強いです。しかし、日本を代表する大手企業が終身雇用の崩壊やジョブ型雇用の導入を宣言している中で、このSDへの注目度はさらに増してくることでしょう。そして、このSDの充実度・社員それぞれの実施度が将来的な企業の差となる日も遠くないかもしれません。

【関連記事】自己啓発とは?社内で実施するメリット・デメリットや効果的な方法について解説
 

07人材育成を組織に定着させる方法

人材育成を組織に定着させるには、以下の3つの方法があります。

  • 1:評価制度とスキルマップを連動させる
  • 2:成功事例を作る
  • 3:効果測定をしっかりと行う

1.評価制度とスキルマップを連動させる

スキルマップは作成しただけではなかなか活用できません。既にスキルマップが活用されている職場であれば、スキルマップの内容を再検討するだけで済むかもしれませんが、スキルマップを新たに導入しようとするのであれば、きちんと活用されていくための仕組み作りが欠かせません。スキルマップは、評価制度と連動させ、人事考課が行われる時期に活用されるよう制度を検討しましょう。

2.成功事例を作る

評価制度とスキルマップを連動させ、最初の成功事例を作りましょう。一つの成功事例が出ると、仮に取り組みに対して難色を示していた人がいても納得する材料となります。

3.効果測定をしっかりと行う

スキルマップと評価制度を連動させ、活用し続ける仕組みを作るべきだと述べましたが、活用を始めたら定期的に効果測定も欠かさず行いましょう。スキルマップ導入前後でどのような変化がもたらされたのか、見えない変化を見える化することで、課題や改善策が浮かび上がってきます。


 

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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
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08Schooを活用して人材育成を行う

Schoo for Businessでは約7,000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。

1.研修と自己啓発を両方行うことができる

Schoo for Businessは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約7,000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。

2.自発的に学ぶ人材を育成できる

上記でも説明したように、Schooでは約7,000本もの動画を用意している上に、毎日新しいトピックに関する動画が配信されるため、研修に加えて自ら学び、成長する人材の育成が可能です。近年の社会のグローバル化やテクノロジーの進化などにより、企業を取り巻く環境が刻々と変化しています。それに伴い、社員の業務内容や求められるスキルも早いスパンで変化しています。このような予測のつかない時代の中で会社の競争力を維持するためには、社員一人一人が自発的に学び、成長させ続けることができる環境、いわば「学び続ける組織」になることが必要です。

Schoo for Businessでは、体系的な社員研修だけでなく、自己啓発を通じて自発的に学び、成長できる人材を育成することが可能です。

3.受講者の学習状況を把握し、人材育成に役立てることができる

Schoo for Businessには学習管理機能が備わっているため、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、受講者がどんな内容の講座をどれくらいの長さ見ていたのかも把握することができるため、社員のキャリアプランの傾向を掴むことも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面の使い方2

管理画面では受講者それぞれの総受講時間を管理者が確認できるようになっており、いつ見たのか、いくつの講座を見たのか、どのくらいの時間見たのか、ということが一目でわかるようになっています。

管理画面の使い方1

さらに、受講履歴からは受講者がどのような分野の動画を頻繁に見ているかが簡単にわかるようになっており、受講者の興味のある分野を可視化することが可能です。これにより、社員がどのようなキャリアプランを持っているのかを把握できるだけでなく、社員のモチベーションを高めながら人材育成するためのヒントを得ることができます。

さらに、社員に自己啓発を目的として受講してもらっている場合、社員がどのような内容の授業を受講する傾向があるのかを把握できるため、社員のキャリアプランを把握することができます。

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09まとめ

人材育成は、それぞれの階級に沿って求められる知識やスキルを身につけさせることを目的としており、階級ごとに育成を行うため効率的に必要なスキルを身につけさせることができます。

人材育成が重要だと言われる理由には、離職率の改善、生産性の向上、自己実現の達成、キャリアデザインの支援などがあり、昨今では人的資本経営の流れもあり注目がさらに高まっています。

人材育成を考える上で、現場の課題やニーズを抽出し、理想とする姿やあるべき姿についてきちんと定めることは非常に重要です。近年ではタレントマネジメントシステムを導入する企業も増え、スキルマップを活用する企業も増えています。職種ごとあるいはそれぞれの階級ごとに求められるスキルを整理することができるスキルマップで可視化をし、社員が保有しているスキルをアセスメントで把握、そのギャップを人材育成プランに織り込むといった取り組みをしている企業もあります。

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