社内研修のために抑えておきたい3つのポイント|実務に活きる研修とは

社内研修の実施を検討している場合、社外研修との違いを理解しておきましょう。また社内研修を実施するまでにポイントを抑えておかないと、研修企画の予算や時間が無駄になるかもしれません。
- <目次>
- 社内研修と社外研修の違い
- ポイント1)課題から必要な研修内容を考える
- 目的と目標の違い
- 目的と目標の作り方「SMARTの法則」
- ポイント2)社内研修の設計方法
- 研修の外注するメリット・デメリット
- 研修を内製でつくるメリット・デメリット
- ポイント3)研修の効果測定を行う
- 社内研修終了後のテスト・アンケートによる調査
- 受講者による研修受講報告書の提
- まとめ
社内研修と社外研修の違い
社内研修と社外研修の大きな違いは、専門性が高くなるほど、実務への貢献度が高くなることでしょう。社外研修だと高度な内容であっても、他社の一般的な例などを議題にして話を進めます。しかし社内研修であれば、自社内での例を使えるため、高度な内容でも実務に落とし込みながら理解できるのです。ただし社内研修は、過去に研修を行った事例がない限り、新たに研修を作ることになります。そのため資料やスライド作りのため、予算や時間を必要とします。多くの会社で共通するようなマナー研修といった場合には、社外研修を受けてもらうほうが、時間や予算の節約になるかもしれません。
ポイント1)課題から必要な研修内容を考える
社内研修の実施を検討する場合は、まず課題についてしっかりと理解しておき、目的・目標を明確に設定すべきでしょう。目的・目標が曖昧なままで研修を行ってしまうと、受講している人は何を学べばよいのかわかりません。また研修の目的・目標については、研修を行う前に共有しておくことが有効です。研修の目的・目標が共有されていることによって、それに向けて研修を受けることになります。受講者が要点やポイントをつかみやすくなり、より充実した社内研修になることが期待できるでしょう。
目的と目標の違い
研修における目的と目標の違いは、最終的なゴールか、中間の指標か、という点にあります。例を含め、以下を参考にしてみてください。
意味 | |
目的 | 最終的に達成すべき課題、求めるべき結果 例)プロジェクトの遂行と売上の最大化、○○社との契約締結など |
目標 | 目的達成のために追うべき中間指標、目的達成のために目指す状態 例)プロジェクト遂行のためのタスク進捗、○○社との商談アポなど |
たとえばマナー研修の場合、最終的な目的は「マナーを身に着けることによって相手に不快感を与えない」ですが、目標は「マナーを身に着けること」にあります。
目的と目標の作り方「SMARTの法則」
目的と目標を作る場合、「SMARTの法則」を利用すると良いでしょう。SMARTの法則とは、以下の言葉の頭文字からできた言葉です。
解説 | |
Specific (具体的) |
目的・目標は明確に定義付けられていないと、研修の受講者がなにを目指せばよいのかがわかりません。どんな数値を達成すべきか、どんな状態になっているべきか、具体的に示しましょう。 |
Measurable (測定可能) |
測定可能な目的・目標でなければ、達成できたかどうかを測ることができません。計測できる数値目標が理想的ですが、数値ではない場合も誰かが判断できることを前提としましょう。 |
Achievable (達成可能) |
達成可能な目的・目標でなければ、設定する意味がありません。むしろ机上の空論のような目標を設定することで、モチベーションが下がる場合があります。できることをすれば届く目標を設定しましょう。 |
Related (上位目標と関連) |
目標は、さらなる上位目標を関連している必要があります。多くの企業の場合、最上位の目標は「売上」にあるはずです。どの目標であっても、上位目標をたどれば「売上目標」にたどり着く状態でなければいけません。 |
Time-bound (期限がある) |
期限が決まっていないことは後回しになる恐れがあり、また適切なタスク配分も難しくなります。必ずどんな目標であっても、期限を設けるようにしましょう。 |
これらの指標に従った目標を設定することで、効果的に課題解決にアプローチした研修を設定できるでしょう。
ポイント2)社内研修の設計方法
社内研修を行うためには、研修の設計期間としてある程度の時間が必要です。流れとして、以下を参考にしてください。
- 1.受講者のレベルから研修の目的を設定
- 2.(長時間かかる場合)研修のための期間を確保
- 3.研修の方法を設定
- 4.研修のプログラム・レジュメ作成
- 5.研修の通知・案内
- 6.研修を実施する
- 7.(内容によって)研修後のテストを行う
- 8.研修の振り返り・研修報告書の作成
社内研修の実施までには、さまざまな準備が必要とされます。また研修のプログラム・実施を外注するか内製にするかも、この段階で決める必要があるでしょう。それぞれのメリットとデメリットを、以下から確認してみてください。
研修の外注するメリット・デメリット
研修を外注で行うメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・研修の質が一定程度担保される ・専門性が高い研修が受けられる ・資料作成の時間を短縮できる |
・コストが高くなる可能性がある ・ニーズに完全にマッチした研修にならない可能性がある |
コストを抑えるために、受講生を一般公募して行うものがありますが、研修のニーズへマッチする可能性がさらに低くなります。逆に完全にニーズにマッチさせるため、社内研修を最初から作ってもらう場合、コストが高くなる可能性があるでしょう。また講師を呼ぶ場合には、その分の費用もかかります。
研修を内製でつくるメリット・デメリット
研修を内製で行うメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・自社に合わせた研修を行える ・講師役の社員のスキルアップにつながる ・人材教育のノウハウを培える |
・時間・費用ともにコストがかかる ・研修の質が一定とはいえない ・異業種・他社の情報は取り入れづらい |
研修を内製で作ると、社内業務を前提とした研修を作れるため、ニーズにマッチした内容の研修が可能です。ただし内製で資料やカリキュラムを作るため、時間・人件費・コストがかかります。また社内の人材が講師を務める場合には、研修の質にムラが出る可能性があるでしょう。
ポイント3)研修の効果測定を行う
社内研修を行った場合には、必ず研修終了後に効果測定を行いましょう。効果測定を行わないと、研修の成果が測れず、無駄な研修を続けてしまったり改善の機会を逃してしまう可能性があります。ポイント1に記載してある「SMARTの法則」に則っていれば、ここでの効果測定は難しいことではありません。
社内研修終了後のテスト・アンケートによる調査
社内研修の終了後にテストやアンケートを行うことで、受講者の理解度を把握することはもちろん、社内研修そのものの精度も測れます。受講者の理解度が低かった場合、社内研修を見直したり、外注業者への依頼を検討したりすることが可能です。どんな社内研修でも、必ず誰かの人件費や予算、時間を割いているので、こうした調査で少しでも無駄なく活かされる研修を目指しましょう。
受講者による研修受講報告書の提出
社内研修に限らず、研修後には研修受講報告書の提出をお願いしましょう。研修受講報告書を書くこと自体が研修内容の整理につながるうえ、整理した結果として要点をつかめれば、学んだことの実践計画を建てることもできます。研修報告書の内容としては、「目的・目標」、「要点」、「理解度・達成度」、「実践計画」が盛り込まれていると、理想的といえるでしょう。目的・目標は理解度・達成度の向上が期待できますし、要点は実践計画を立てやすくなります。また理解度・達成度を充実させるには、目的・目標を理解する必要があり、目的・目標の理解は課題の発見にもつながるのです。
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まとめ
社内研修はいくつかのポイントを抑えておくことで、非常に高い効果が見込めるでしょう。ハッキリとした課題と目的から研修の内容を考え、ニーズにマッチした研修方法を選択して、研修の効果測定を行ってください。こうした社内研修を何度か積むうちに、自社にとって最適な研修の形が見いだせることがあります。なによりも受講した人たちに研修を受けてもらわないと、社内研修のためのコストが無駄になってしまうのです。