新入社員研修でおすすめのグループワーク4種類とポイントを解説

新入社員研修では、社会人の基礎を身に着けてもらうことが主な目的となるため、新入社員はどうしても受け身になりがちですが、そこで取り入れたいのがグループワークです。 しかし、グループワークと言ってもどんな内容があり、どのような効果があるのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、グループワークを行う目的から適切な実施内容について詳しく紹介します。
01グループワークとは
グループワークとは、グループでの議論を通じて、最終的にプレゼンや成果物の作成といったアウトプットを作成することを指します。社内研修のみならず、学校の授業や新卒の就活における選考でも実施されています。作業形式のものやプレゼン形式のもの、ゲーム形式のものなど、グループワークを通して養いたい能力によって実施するべきグループワークの種類は異なります。なお、似たものとして「グループディスカッション」がありますが、グループディスカッションの場合、資料作成や成果物の作成がなく、お題に対する結論を出すことがゴールとなります。
02新入社員研修でグループワークを実施するメリット
新入社員研修でグループワークを実施することによって、新入社員側と研修担当者側の双方にメリットがあります。例えば、新入社員側であれば座学で身につけにくいスキルを養うことができたり、研修担当者側であれば座学では見えにくい新入社員の能力を発見できたりします。この章では新入社員研修でグループワークを実施するメリットにつて詳しく紹介します。/p>
新入社員側のメリット
グループワークは限られた時間制限の中で一定の成果を出さないといけないわけですから、実施の仕事と似た環境で、様々なスキルを養うことができます。 例えば、自分から意見を出したり相手に働きかけたる主体性や、論理的に最適解を考えるロジカルシンキング、チームとして動くために必要な傾聴力・柔軟性などがあります。 また、その他にグループワークの内容によっては参加者の前で発表するプレゼンテーション能力を身に着ける機会にもなります。 このように、グループワークは単純な座学で身に着けづらいスキルを養えるメリットがあるのです。
研修担当者側のメリット
研修担当者側のメリットとしては、新入社員の業務に活かせそうな個性をより明確に把握できることです。例えば、メンバーをまとめるリーダーシップや他者の意見を聞くための傾聴力など、面接や座学の研修では見えづらい新入社員の能力を発見することができます。 そしてその発見は、今後の配属先の決定などに役立てることができるため、グループワークを取り入れるメリットは大いにあると言えます。
03新入社員研修におけるグループワークの種類
一口にグループワークと言ってもその種類は様々です。新入社員研修でよく取り入れられているグループワークには主に、プレゼン型・ビジネスケース型・作業型・ゲーム型の4種類があります。この章では、新入社員研修におけるグループワークの種類について詳しく解説します。
プレゼン型
グループワークとして最も良く取り入れられているのはプレゼン型が多いのではないでしょうか。 プレゼン型では一つのテーマについてグループで意見を出し合い、結論をまとめて全員の前で発表します。いわゆるグループディスカッションです。 限られた時間の中で自分の意見を出すとともに、相手の意見にも耳を傾け、最適な意見を出さなければなりません。そのため、積極性や傾聴力、時にはリーダーシップも必要となるのがこのグループワークの特徴です。
ビジネスケース型
ビジネスケース型では一つのお題について意見を出し合い、結論を導き出すという点という内容で、プレゼン型のグループワークと行うことは同じです。 ただし、プレゼン型とは異なる点は、お題が実際のビジネスに関する内容であるということです。アイデアを出すだけでなく、それが実際のビジネスの現場にも通用するのかどうかまで考えなければならないため、本格的な思考力が求められます。
作業型
作業型は文字通り、手や体を動かすグループワークです。意見を出し合うだけではなく、成果物を作り上げるのがこのグループワークの特徴です。 例えば、「新商品のお菓子を提案してください」というテーマの場合、ターゲットとする人物像は議論を行い決定します。次に決定したターゲットはどのようなニーズを抱えているのか、競合他者はどのような商品を提供しているのかは手を動かして調査が必要です。 そして調べ上げたデータなどをもとに新商品のデザインや味などの詳細を詰め、プレゼン資料を作成、発表します。 各作業にかかる工数を計算し、適切な役割分担を行い、効率的に作業を行うことが求められるため、プレゼン型のよりは難易度が高い一方、より実践的なグループワークとなります。 グループワークに使える時間が少ないという場合には、より簡単な内容を取り上げるのでもよいでしょう。
ゲーム型
最後にご紹介するのがゲーム型のグループワークです。他のグループワークとは異なり、内容はカジュアルなものが取り入れられることが多いです。 ゲームを通じて新入社員同士の親交を深めたりできるだけでなく、学びの要素を取り入れることもできる点が特徴です。 ゲームの種類としては、新聞紙やクラフト紙などでより高いタワーを作ることを競うペーパータワーや、ウソつき当てゲームのような比較的簡単にできるものまで様々です。 研修の目的に合わせて取り入れてみてはいかがでしょうか。
リモートでもゲーム型のグループワークを実施するには
ゲーム型のグループワークは楽しさがあるためよく取り入れられる内容ではありますが、 リモートで研修を行っている場合には実施が難しいものが多いことに注意が必要です。 理由として、対面で物を使ったりすることが多くなるためです。 ただし、せっかくの新入社員研修なので社員同士仲良くなってもらいたいという目的からゲーム型をどうしても実施したい場合もあるでしょう。 その場合には、「NASAゲーム」というものもおすすめです。これはコンセンサスゲームの一種で、マシントラブルによって母船から離れた場所に不時着した宇宙船の船員になったつもりで、重要度に応じて物品の順位づけをするゲームです。全員の生存や通信手段等をチーム内で合意が得られるまで、話し合いをして決定します。オンラインでのNASAゲームも提供されているので、リモートでも実施が可能です。
04タイプ別グループワークの種類20選
前項で、グループワークには大きく4つのタイプがあることを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。具体的にどんなグループワークがあるのか気になった人も多いのではないでしょうか。ここでは、それぞれタイプ別に具体的なグループワークについて解説していきます。これからグループワークの実施を検討している人はぜひ参考にしてみてください。
プレゼン型の具体的なグループワーク
プレゼン型のグループワークは最終的なプレゼンがゴールです。そのため、チーム内でのディスカッションが大きなポイントとなります。具体的に挙げられるものとしては次のようなものが挙げられます。
- ・課題解決型:出された課題に対してグループで話し合いをおこない、解決策を導き出すグループワーク
(例)日本人の出生率を上げる方法を提案してください - ・選択型:議論を通して、選択肢を1つに絞っていくグループワーク
(例)仕事とプライベートどちらが重要か - ・自由討論型:抽象度の高いテーマに対して、議論をおこない、結論を導き出すグループワーク
(例)営業職に求められるスキルとは何か - ・フェルミ推定型:フェルミ推定を用いて抽象度の高い問いを解決していくグループワーク
(例)日本にサッカーボールは何個あるか
プレゼン型のグループワークにもさまざま種類が存在します。それぞれアウトプットや進行にあたっての立ち回りが異なります。アウトプットを出すまでの過程で新入社員の何を見ていきたいか、養っていきたいかを元に選定していきましょう。
ビジネスケース型の具体的なグループワーク
ビジネスケース型のグループワークは実際のビジネスで起こりうる課題や売上を伸ばすための施策など、現場に近いイメージで取り組んでもらうものです。新入社員の場合は、事前の知識が十分でないことから、主催側が前提などを丁寧に解説することが重要です。
- ・弊社のビジネスモデルを用いて新規事業を立案してください
- ・弊社の新規ブランドを企画してください
- ・昨年対比で地方企業の売上をアップさせる施策を教えてください
- ・Webからの申込率を上げるための施策を提案してください
- ・弊社が新しい領域に進出するなら、どの領域でどんなサービスを提供するべきか提案してください
作業型の具体的なグループワーク
作業型のグループワークは大きく「プラン形成型」と「実物作成型」の2つに分けられます。それぞれ、グループ内のメンバーと協力して作業し、成果物の作成を目指していくものです。
- ・プラン作成型
(例)弊社サイトのキャッチコピーを考えてください / 弊社の魅力を紹介するムービーを作成してください / CM以外を使った広告手段を考えて、形にしてください - ・実物作成型
(例)A4の紙を使って、できるだけ高いタワーを作成してください / できるだけ高いタワーをトランプで作成してください
ゲーム型の具体的なグループワーク
ゲーム型のグループワークはチームメンバーで協力し合って、一つの成果物やゴールを達成するものです。チーム同士で競い合うので、良し悪しが数字など目に見える形で測れるのが特徴です。主なグループワークは次のようなものが挙げられます。
- ・営業疑似体験ゲーム
企業の営業マンという設定で顧客にとって最適な商品を提案することを目的としたゲーム - ・レゴブロックゲーム
レゴブロックを用いて、提示されたお題に対して作品を作るゲーム - ・NASAゲーム
惑星に不時着してしまった宇宙飛行士という設定で、手元に残った15のアイテムに各自生存に必要な優先順位をつけ、グループで話し合いながら、優先順位を決定するゲーム - ・ヘリウムリング
1グループにつき5〜10人で1本のフラフープを人差し指に載せて落とさないようにしゃがむゲーム - ・ジェスチャーゲーム
言葉を使わず手振り身振りだけで特定のお題を表現し、見ている側が何を表現するか当てるゲーム
05グループワークの事前準備
グループワークを新入社員研修として導入するうえで事前に実施するべきことがあります。ここでは事前に準備するべきことについて解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
メンバーが積極的に参加できる環境を作る
グループワークは基本的に全員参加して進めることで実施の効果が高まります。そのため、メンバーの偏りが出ないようにバランスよくグループ分けをする必要があるのです。メンバーの人数は1グループあたり、4〜5人が最適です。それぞれのグループにリーダーシップを取れるメンバーを配置していくようにしましょう。また、付箋やホワイトボードなどアイデアや意見出しをする際に活用できるツールも事前に準備してください。
無駄な時間がないようにする
グループワークでは役割決めや議論のフレームワーク、テーマの解釈、時間配分等、グループ内でそれぞれ定義するべきものが存在します。特に新入社員を対象にする場合、これらに多くの時間を割いてしまうことがあるかと思います。先ほど解説したように新入社員のグループワークでは議論を通じたロジカルシンキングやプレゼンテーションスキルを伸ばしていくことが重要です。そのため、役割決めや議論のフレームワーク、テーマの解釈、時間配分等は事前に指定してしまっても良いでしょう。また、話し合いに停滞や混乱が生じたチームは、場の空気を読んだうえでヒントを与える等のサポートをしてあげることもおすすめですよ。
実施後のフィードバックの準備をする
グループワークは実施して終わりではありません。適切なフィードバックをすることで参加者が内省ポイントや気づきを得ることができます。フィードバックは事実に基づいて実施することが重要です。そのため、進行中はグループワークを観察し、進行のポイントや気になった瞬間を逐一メモに書き留めておきましょう。人事など主催側で全体へのファシリテーションと記録を1人で並行することが難しい場合は、人員を調整することも検討してください。
06新入社員研修でグループワークを実施する際のポイント
多くの企業で取り入れられているグループワークですが、実施には新入社員研修ならではの押さえておくべきポイントがあるのでここで解説します。
グループワークを行う目的は明確にしてから内容を決める
新入社員同士の親交を深めてもらうためなのか、ビジネス感覚を身に着けてもらうためなのか、目的によって実施するグループワークの内容も変えていく必要があります。 また、内容によっては適切な実施タイミングも変わってきます。 そのため、グループワークを行う目的が最も重要になると言っても過言ではありません。 そのため、あらかじめ研修担当者同士で目的をしっかりと定め、有意義なグループワークができるように準備しておきましょう。
グループワークのテーマは新入社員の年代に合わせたものを取り入れる
プレゼン型のグループワークなどで取り入れるテーマによっては新入社員の年代になじみのないものである可能性が考えられます。それでは、活発な議論は生まれにくく、グループワークの効果も薄くなってしまいます。 逆に、新入社員の年代や傾向に合わせたテーマを取り入れることで、議論が盛り上がりやすくなります。 もし、どうしても馴染みのないテーマを取り上げる場合には事前に資料を配布しておくなどの手配が必要になります。
即戦力となる新入社員を育成
・社会人基礎力をきちんと身につけられる
・現場に即した実践的なスキルアップも可能
スクーの資料をダウンロードする
■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

07Schoo for Businessの新入社員研修
Schoo for Businessでは約8,000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。
1.研修と自己啓発を両方行うことができる
Schoo for Businessは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。
2.新入社員研修におすすめのSchooの研修パッケージ
様々な研修に対応できるSchoo for Businessの研修パッケージですが、もちろん新入社員研修にも対応しています。Schooの新入社員研修パッケージには、新入社員がまず身につけなければならないビジネスマナーや報連相に関する知識から、ビジネスパーソンとして必要なOAスキルやコミュニケーションスキルまでがラインナップされており、新入社員に必要なスキルや知識をこの新入社員研修パッケージで網羅できます。
さらに、社員に研修動画を受講してもらった後に、意見の共有会やディスカッションを行うことで、学んだことをより効果的に定着させることができます。
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新社会人のためのビジネスマナーの基本を学ぶカリキュラムです。第一印象の磨き方(身だしなみ・挨拶・敬語)や、社内マナー(ホウレンソウ・名刺交換・電話応対など)について解説しています。
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社会人としてのマインドセットを習得するためのカリキュラムです。「思考」「実行」の2つの視点で、すぐに現場で実践できるビジネスに必要な力を学びます。
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見やすいグラフやスライド資料の作成方法を学ぶカリキュラムです。独学で悩みがちの本テーマを、具体例や実践例を交えながらお伝えします。
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若手社員向けのロジカルシンキングに必要な思考法について学ぶカリキュラムです。論理性を高めて業務を遂行していく際に必要な思考法について解説していきます。
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Excelを活用したデータ分析について学べる研修パッケージです。データ分析をする際の考え方から、「並べ替え」「オートフィルタ」「ピボットテーブル」などのExcel分析に必要な機能について学ぶことができます。
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ビジネス文書やメール作成ついて学ぶカリキュラムです。社会人として求められる文章能力について詳しく解説していきます。
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若手社員向けのロジカルシンキングに必要な思考法について学ぶカリキュラムです。論理性を高めて業務を遂行していく際に必要な思考法について解説していきます。
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Wordの基礎技術を学習するためのカリキュラムです。Wordの操作方法や文書作成の基礎などを学ぶことができます。
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Excelの基礎技術を学習するためのカリキュラムです。新入社員や若手社員が知っておくべき基本スキルについて学ぶことができます。/div>
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ファシリテーショングラフィック(グラレコ)のスキルを磨きたい、トレーニングをしたいという方向けの実践的な研修パッケージです。
3.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる
Schoo for Businessには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

まず、Schoo for Businessの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。

この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。
08まとめ
グループワークとい一口に言ってもその種類は様々で、それぞれ得られる効果が異なることはおわかりいただけたでしょうか。 リモートワークを新入社員研修に取り入れている場合には、実施が難しい内容もあるかと思いますが、そのうえで目的を設定し、適切なグループワークの実施を検討してみてください。