新入社員に教えるべきビジネスメールの基礎とは?書き方・添削・研修で教える際のポイントを解説

ビジネスメールは新入社員にとって身に付けるべきビジネスマナーの1つです。いくら学生時代に就職活動等で企業とメールのやり取りをしていたとしてもまだまだ不十分です。利用頻度の高いメールを使いこなし、1人前の社会人になるためには、正しいビジネスメールのルールとマナーを習得する必要があります。 では、習得するためにはどのような項目を教えればいいのでしょうか。この記事では、新入社員に教えておきたいビジネスメールの研修の内容や方法などをご紹介します。
01新入社員がビジネスメールを学ぶ有用性とは
新入社員はデジタルネイティブだと言われています。しかし、SNSやチャットツールに慣れ親しんだ結果、逆に苦手意識を持つ社員もいます。取引先にLINE等で送る感覚でメールを送ると、とんでもないことになりかねません。よって、新入社員研修等で、ビジネスメールの基本をしっかりと教える必要があります。では、ビジネスメールを学ぶと具体的にはどのように役立つのでしょうか。
仕事の効率化
部署によっては、仕事でメールを使わない日はないところもあります。毎日多くのメールを適切に処理する必要があります。ビジネスメールの書き方が分からないと、メール1通作成するだけで、かなり時間を要してしまうでしょう。また、何を伝えたいか分からない、情報が不足しているメールを送ってしまうと、受信者が、質問しないといけない、理解するのに時間がかかるという手間が起こってしまいます。 近年リモートワークが進む中でメールというテキストでのコミュニケーションの重要性が高まっています。リモートでのコミュニケ―ションでは、テキストでいかに的確に伝えられるかが求められます。 したがって、適切なビジネスメールの作成方法を身に付けると、効率化に繋がります。
会社のイメージアップ
メールは受信者が印象のすべてを決めます。例え、新入社員が送ったメールだとしても、その会社の代表として受け取られ、会社のイメージが決められてしまう恐れがあります。メールは対面と異なり、表情も見えず、声のトーンも伝わりません。見えない相手のことを考えて作成する必要があります読みやすく、伝わりやすいメールは会社のイメージアップに繋がります。
02新入社員にビジネスメールを教える方法
新入社員に人に伝わるビジネスメールの作成方法を教えるにはどのような方法があるのでしょうか。集合研修で扱うだけでは不十分です。配属後も継続的に指導していく必要があります。ここでは、新入社員にビジネスメールを教える具体的な方法をご紹介します。
新入社員にビジネスメールを教える具体的な方法は、主に以下の5つです。
- 1:内定者研修で扱う
- 2:社内のメールマニュアルを作成する
- 3:新入社員の集合研修で扱う
- 4:OJTで実践的に教える
- 5:オンライン研修で個々に習得する
1.内定者研修で扱う
内定者時代から育成はすでに始まっています。内定者とのやり取りはメールを主に使用する企業も多いでしょう。学生からのメールに対して、正しい書き方をレクチャーしていくと効果的です。また、時間のある学生のうちに基本的なビジネスマナーのテキストを読んでおいてもらうのもいいでしょう。
2.社内のメールマニュアルを作成する
社内と社外ではメールの書き方も変わってきます。社内メールの場合、敬称のつけ方や、件名、ファイルの添付の仕方等その会社独自のルールもあるでしょう。定型的なものをマニュアル化し、社内で共有しておけば、効率的にメールを作成することができます.
3.新入社員の集合研修で扱う
集合研修とは、業務から離れて行う対面式の研修です。講義形式の研修や参加型のグループワーク研修があります。多くの企業が新入社員を集めて一定期間、集合研修を実施しています。基本的なビジネスメールの作成の仕方をビジネスマナー講習の中で教えましょう。
4.OJTで実践的に教える
OJTとは、実際の業務を行う中で上司や先輩が指導役となり、必要な知識が技術を身に付ける教育方法です。研修プログラムの一環として、意図的・継続的・計画的に実際されます。入社してからすぐの集合研修では、非常に多くの内容を扱います。いくらビジネスメールの基本の型を頭に入れたとしても。時間が経てば忘れてしまうかもしれません。また、実際の業務では、研修で習ったことを応用して進める必要もあります。配属されてから、実際の業務の中で先輩社員がその部署の実情に応じて教えていくといいでしょう。
5.オンライン研修で個々に習得する
近年では、オンライン研修を導入する企業も増えてきています。オンライン研修とは、WEB会議システム等を用い、PCやスマホを通じて受講できる研修のことです。通信環境さえ整えば、全国どこでも受講できる、受講者ごとに応じたプログラムを選べるというメリットがあります。ビジネスマナーのオンライン研修の中にビジネスメールを扱ったものも多くあるので、うまく利用するといいでしょう。
03新入社員ビジネスメール研修のポイント
新入社員に対してビジネスメールの研修を実施する際には、どのようなポイントをおさえればいいのか、悩まれる担当者の方も多いのではないでしょうか。
新入社員ビジネスメール研修のポイントは、以下の5つがあります。
- 1:ビジネスメール基本の型を身に付ける
- 2:マナーとして敬語の基本知識を身に付ける
- 3:社内メールやパソコンの決まりを身に付ける
- 4:読みやすく返信しやすいメールを理解する
- 5:情報保護に留意する
1.ビジネスメール基本の型を身に付ける
ビジネスメールには基本の型があります。型にあてはめて作成することで、分かりやすく読みやすい文章になります。次のような型を押さえておきましょう。
- 宛先:宛先や宛名は省略せず、正式名称を書きましょう。複数名に送る場合は、役職の高い順に記載します。
- 挨拶:お世話になっておりますなどの挨拶の後に、社名や名前を書きます。社内の場合には挨拶は省きます。
- 内容:簡潔に書きましょう。最初に結論を持ってくると、趣旨が伝わりやすくなります。要件が複数ある場合は箇条書きにすると分かりやすくなります。
- 結びの挨拶:メール本文の結びに「何卒よろしくお願いいたします」などの挨拶を添えるようにします。
- 署名:メール本文の下部に署名を必ず入れるようにしましょう。チャットと同じノリで要件だけを送る新入社員がいることがありますが、ビジネスメールではマナー違反です。社名、部署、担当者名、メールアドレス、電話番号等を記載しましょう。
2.マナーとして敬語の基本知識を身に付ける
尊敬語と謙譲語を使い分ける、学生言葉を使わないなど、マナーとして敬語の基本知識を身に付けておきましょう。ただし、丁寧すぎて回りくどくならないように気をつける必要があります。
3.社内メールやパソコンの決まりを身に付ける
新入社員が失敗してから、ルールを教えていなかったという事態にならないよう、メールを使用する前に、社内のメールやパソコンの決まりを教えておきましょう。例えば、私用のパソコンには転送しない、私的に利用しない、メールに添付できるファイルの容量はいくらまで、みだりに社外のサービスにアクセスしない等です。これらをマニュアル化しておくことも重要です。
4.読みやすく返信しやすいメールを理解する
読みにくいメールは、情報のやり取りに漏れやズレが生じやすくなります。一目で見て読みやすいメールを心掛けましょう。読みやすく、返信しやすいメール作成の方法としては次のようなものがあります。
- ・一目で要件が分かる件名にする 人によっては、1日に何十通とメールのやり取りをする人もいます。分かりにくい件名だと重要な内容でもその他のメールに埋もれてしまうことがあります。短く簡潔に「何の」「いつの」要件か分かる工夫が必要です。
- ・20文字~30文字で改行する 改行する目安は、「20文字~30文字」です。一文がこれ以上になる場合には、区切りの良い文節で改行する必要があります
- ・行間を意識する 話を切り替えるときに行間を使いましょう。相手が読み返しやすくなります。
5.情報保護に留意する
近年、情報の流出に向けられる目が厳しくなっています。送信する前に、個人情報や機密情報を流出させるメールになっていないか、必ず確認しましょう。特に、CCの使い方や添付ファイルに留意する必要があります。
そもそもメールを使う場面なのかどうか判断できるようになることも大切です。電話や対面で直接話した方がいいことをメールで伝えようとすると、作成に時間がかかり非効率です。例えば、30分後の会議の場所が変更になった等、急を要することや、丁寧な謝罪が必要なこと等は、メールで伝えるべきではありません。メールで来たからといって、メールで返す必要はなく、重要度や緊急度等によって使い分けるように教えましょう
04新入社員のビジネスメール添削のコツ
ビジネスメールは書けば、書くほど上手になっていきます。しかし、伝わりやすいメールを作成するためには、添削してもらい、どこを改善すればいいか理解することが大切です。
新入社員のビジネスメール添削のコツは、以下の3つです。
- 1:指摘すべき事項を明確にする
- 2:具体的にアドバイスをする
- 3:視覚的にわかりやすく伝える
1.指摘すべき事項を明確にする
新入社員のメールを読んでみると、多数の指摘事項が見えてしまうかもしれません。しかし、毎回すべてを指摘すると、指摘事項が多すぎて混乱します。また、新入社員のやる気をそぐことになりかねません。今回伝えるポイントを絞り、指摘すべき事項を明確にしましょう。指摘すべき事項を絞り、明確にすれば次回以降メールを作成したときにチェックもしやすくなります。
2.具体的にアドバイスをする
新入社員は、改善すべき箇所が分かっても、具体的にどう改善すればいいか分からないこともあります。例えば、「言葉遣いに気をつけて」と指示しても、どう気をつければいいか分からないため、結局行動に移せないということも考えられます。最初のうちは、どのように改善すべきか具体的に伝えてあげましょう。
3.視覚的にわかりやすく伝える
言葉で伝えるだけではなく、実際のメールを利用し、視覚的にわかりやすく伝えてあげましょう。記号や箇条書きを使って視覚的に分かりやすくする、新入社員のメール文章を引用し、改善点を書くなどの方法があります
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05ビジネスメールの書き方を紹介
この章では、ビジネスメールの書き方を紹介します。社内研修の講師を担う予定の方は、ぜひ参考にしてみてください。
件名の書き方
ビジネスメールの「件名」は、わかりやすく書くことが重要です。メールを受信した人が、一目で要件を理解できるように書きましょう。後で検索をしやすいように、他社に送る場合は(〇〇株式会社 〇〇)のように企業名と名前を記載する人も多くいます。
宛先の書き方
ビジネスメールの最初は、宛名を記載します。宛名の記載は、送信先が「社内」か「社外」かで異なります。 社外の場合は、会社名・部署名・氏名の順に記載するのがルールです。また、相手が役職者であれば「役職」を部署名の後ろに書くこともあります。 一方で、社内の場合は部署名・氏名だけで問題ありません。重要なことは、送付先として間違っていないことを伝えるということです。例えば、同じ会社に複数人いるような苗字である場合、「田中さん」と記載しても相手は自分で合っているのか不安に感じてしまうこともあります。そのため、部署名+氏名で書くなどの工夫をしましょう。
挨拶と書き出し
宛名の次は、挨拶と自身の所属、氏名を記載しましょう。ビジネスメールのあいさつ文は、定型文で、「お世話になっております。〇〇株式会社(企業名)の〇〇(名前)です」と記載するのが一般的です。 状況によって、「お世話になります」であったり、「〇〇と申します」など工夫をすると良いでしょう。
本文の書き方
ビジネスメールの本文は、簡潔に書くことが重要です。まず結論から記載し、その後に詳細や補足を加えると良いでしょう。 例えば、「本日は〇〇をお願いしたくご連絡させていただきました。」と結論から先に記載し、その後に背景や補足情報を記載すると、読み手に伝わりやすい文章になります。また、依頼や確認事項が複数ある場合は、箇条書きを用いるとわかりやすくなります。箇条書きを用いる際は、「以下、3点ご確認いただけますと幸いです。」のように、いくつ確認事項があるかを記載すると、さらに読みやすくなるはずです。
メールの結び
メールの最後には、結びの言葉を記載します。「何卒よろしくお願いいたします」・「引き続きよろしくお願いいたします」・「今後ともよろしくお願い申し上げます」などを記載しておくのが一般的です。 上級者になると、季節も取り入れながら「暑い日が続きますが、ご自愛くださいませ」など相手を労う文章を含めたりしますが、最初は気にしなくても良いでしょう。
署名
本文が終わったら、署名を記載して終了です。署名は企業ごとにフォーマットがあることもあるので、フォーマットがある場合はそれに準ずるようにしましょう。 一方でフォーマットがない場合は、企業名・部署名・役職・名前・メールアドレス・電話番号などを記載しておくのが一般的です。
06ビジネスメールの細かな注意点
ビジネスメールを送る際の細かな注意点があります。具体的にはCCとBCCの違いや返信・全員に返信・転送のルール、添付ファイルについてです。どれも抑えておくことで、メールでのやり取りにおけるミスを防ぐことができるので、ここで詳しく解説します。
CCとBCC
CCとBCCの違いを理解していない人も、たまに見かけることがあります。新入社員にビジネスメールを教える際は、CCとBCCの違いについても教えておきましょう。
CC
CCは、カーボンコピー(Carbon Copy)の略称です。Toに記載した相手と同時にCCを含めた人にもメールが同時に送られるため、情報共有をしたい時に使うことがほとんどです。
BCC
BCCはブラインド・カーボンコピー(Blind Carbon Copy)の略称です。CCと同様にToに送ったメールが、BCCに含めた人にも送信されます。一方で、ToやCCに含められた人はBCCに指定された人を見ることはできません。また、BCCで送られている人同士も、誰に送られているかを確認することはできません。
返信・全員に返信・転送
ビジネスメールに返信するときには、基本的に「全員に返信」を用います。「全員に返信」であればCCに含められた人にも返信することができるので、状況報告や進捗把握も楽になります。特に意図がない場合は、基本的に「全員に返信」で返信することを癖づけておきましょう。 一方で「転送」は基本的に社内限定の情報共有が目的で使用されます。ToやCCに含まれていた人には転送したことが知られることはありません。転送すると、件名の冒頭に「Fw:」という文字が自動で付与されます。
添付ファイル
メールにファイルを添付する際は、ファイルの容量に注意しなければなりません。 相手が大容量の添付ファイルを受け取れない設定になっていたり、セキュリティの観点でファイル転送サービスを使うのが社内ルールとなっている企業もあります。ファイルを添付する際のルールが社内にあるかをまず確認し、なければ上司や先輩がどのような対応をとっているか確認しましょう。
07Schoo for Businessのビジネスマナー研修
Schooビジネスプランでは、約6000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schooビジネスプランでビジネスマナー研修を行うメリットや、Schooの特徴についてを解説します。
Schooのビジネスマナー研修の特徴
1.ビジネスマナーの基本を全て身につけられる
Schooでは、社会人として身につけておくべき基本的なビジネスマナーに関する授業が揃っています。身だしなみやあいさつなどの第一印象、電話応対や報連相などの社内マナー、訪問や名刺交換などの社外マナーのほか、プレゼンやクレーム時のマナーなど、新入社員研修に必要なビジネスマナーを網羅的にSchooでは学ぶことができます。
2.実践で活用できる力が身に付く
Schooの授業は、ケーススタディを通して学べるものも多くあります。例えば、適切な敬語についてケーススタディを通じて学んだり、名刺交換について実演を見ながら学んだりと、活用場面をイメージしたり実際の振る舞い方を見て学ぶことができるので吸収しやすい上に、実践で使える力を習得できます。
3.オンラインで効果的に学べる
Schooの研修動画は全てオンラインで受けることができます。1,600社以上のオンライン研修を支援させていただく中で得てきたノウハウから、効果的に学べる研修動画の作成や学び続けるための仕組みづくりを行ってきました。
4.テレワークにおけるビジネスマナーカリキュラムもご用意
最近ではリモートワークの企業も増え、オンライン上でのビジネスマナーも重要視され始めています。Schooでは5800本以上のアーカイブに加えて月に50本以上の新しい動画を公開しており、テレワークにおけるビジネスマナーなどこれからの時代に必要なスキルについても学ぶことができます。
5.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる
Schooビジネスプランには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

まず、Schooビジネスプランの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。

この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。
Schooのビジネスマナー研修パッケージ
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新社会人のためのビジネスマナーの基本を学ぶカリキュラムです。第一印象の磨き方(身だしなみ・挨拶・敬語)や、社内マナー(ホウレンソウ・名刺交換・電話応対など)について解説しています。
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テレワークの普及が進む中、必要性が増しているのがテレワークマナーについての研修です。この研修パッケージでは、テレワークならではのマナーやデジタルコミュニケーション力について学ぶことができます。
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グローバルマナーについて学べる研修パッケージです。海外の人と関係を築く上でのビジネスマナーやコミュニケーション方法、メールの書き方などを学ぶことができます。
08まとめ
この記事では、新入社員がビジネスメールを学ぶ有用性、新入社員にビジネスメールを教える方法、新入社員ビジネスメール研修のポイント、ビジネスメール添削のコツをご紹介しました。 現代では、ビジネスにおいてメールはなくてはならないコミュニケーションツールになっています。メール1つで会社の信用を左右することもあります。ぜひ、早い段階で新入社員に身に付けさせましょう。