公開日:2021/04/30
更新日:2023/01/17

マインドセットとは?意味からビジネスにおける活用法まで詳しくご紹介

マインドセットとは?意味からビジネスにおける活用法まで詳しくご紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

マインドセットとは、人が持つそれぞれの「無意識の思考・行動パターン」のことを指します。ビジネスシーンでも、このマインドセットがどうあるかによって、仕事での成果にも影響を与えることがわかってきました。具体的には、どういったマインドセットの持ち方が求められるのでしょうか。本記事ではマインドセットの意味からビジネスにおける活用法まで詳しく解説します。

 

01マインドセットとは?

マインドセット(mindset)を直訳すると人の考え方や好み、習慣ですが元々は心理学の用語で人間が持つそれぞれの「無意識の思考・行動パターン」「固定観念や思い込み」「物事を捉える時の思考の癖」を意味する言葉です。 ビジネスにおけるマインドセットの意味もほぼ同じですが、考え方の基本的な枠組みを指します。 人間のマインドセットは今までの経験や持っている知識、先入観、信念、両親との関係性などさまざまな要素から成り立ち、その人の思考や行動の根幹を形作っているのです。 人間の成長や仕事での成功が見込めるかどうかは、このマインドセットの状態によって変わると言えます。 遺伝的なものではないので、意識や習慣化によって後天的に変えることのできる思考だと覚えておきましょう。


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02心理学におけるマインドセットの種類

心理学におけるマインドセットの種類は2種類あり、いずれもアメリカの心理学者であるキャロル・スーザン・ドウェックにより提唱されました。 多くの人はこの両方を持っているとされるので、それぞれご紹介します。

成長型マインドセット(growth mindset)

しなやかマインドセットとも呼ばれ、人間の能力や資質は努力次第で成長させることができるという考え方です。 このマインドセットを持つ人は物事を潜在的に前向きに捉えるので、挑戦する、努力する、粘り強く頑張るといった行動を取ります。 また無理難題に直面した時でも絶好のチャンスと考えることができるでしょう。 成長型マインドセットを持つ人は、問題が解決できなくてもそこから何かを得られることを喜びとし、少しずつ修正しながら前進していく傾向にあるでしょう。

停滞型マインドセット(fixed mindset)

硬直・固定マインドセットとも呼ばれ、人間の能力や資質は一定で決められており変わることはないという考え方です。 このマインドセットを持つ人は周囲に有能さを示そうとしますが、挑戦せず、学習せず、何よりも失敗を恐れます。 停滞型マインドセットを持つ人は、問題を解決できない場合自分にダメだという烙印を押し、今の状態にこだわり続けてなかなか先には進もうとはしない傾向にあるでしょう。

 

03ビジネスにおけるマインドセットの種類

ビジネスの場においても、マインドセットは2種類に分類されます。

個人のマインドセット

その人の信念、経験、成長してきた時代背景などから形成される、個人が持つ思考の傾向を指します。 成長型マインドセットの人、停滞型マインドセットどちらかを持つ人もいますが、両方持ち合わせている人が大半でしょう。

新入社員

新入社員が持つべきマインドセットには次が挙げられます。

  • ・ビジネスパーソンとしてのマインドセット
  • ・仕事を教わるうえでのマインドセット

新入社員は、ビジネスパーソンとしてのマインドセットを身につけ、学生や消費者の状態から脱却する必要があります。また、仕事を教えてもらう立場として、自ら質問しにいく主体性やもらったフィードバックに対して真摯に受け止める素直さなどを身につけていくことが必要です。

若手社員

ひととおりの経験や業務知識がついた若手社員が求められることは、結果や成果です。そのため、結果や成果を出すことに必要なマインドセットを身につけていく必要があります。具体的には次のようなものが挙げられます。

  • ・任せられた仕事をやり抜く責任感
  • ・知識や経験を積み重ねる積極性

中堅社員

中堅社員は若手社員と同様に結果や成果を求められますが、次のステージである管理職に向けてのマインドセットや新人・若手と管理職をつなぐパイプ役になる必要もあります。そのため、求められるマインドセットには次のようなものが挙げられます。

  • ・周囲に働きかけをするリーダーシップ
  • ・周囲の話に耳を傾ける傾聴力
  • ・次のステージに向けて取り組む成長意欲

管理職・リーダー

管理職は人を動かして組織として成果を上げていくことが求められます。そのためには、次のようなマインドセットが求められます。

  • ・自ら仕事を作り、最適解を生み出せるようにする
  • ・広い視野・視座で物事を考える

管理職・リーダーはフィードバックをおこなう側に立つため、プレイヤー時代同様に誰かからフィードバックをもらうという機会は少なくなります。マンネリ化や成長の停滞を防ぐためにも、広い視野と視座で物事を考え、組織や個人の未来のために自走していくマインドセットが必要になるのです。

組織や企業のマインドセット

組織や企業にもマインドセットは存在します。 組織や企業の戦略、組織構成、歴史、理念、ビジョン、成功体験、経営スタイル、販売している商品やサービスの特性などにより形成され、社風や組織文化となって現れることが多いでしょう。 市場やターゲット顧客が変化すれば、組織や企業のマインドセットもそれに合わせて変わっていく必要がありますが、人材の出入りが少ない組織や企業ほど難しいと言われます。

事業特性

取り扱っている商品やサービスなど、事業の特性によって、組織の価値観は大きく異なります。そのため同じ会社においても、扱うサービスの異なる事業間では風土が異なることがあります。例えば、A事業では時代に左右されない商材を扱い、B事業ではトレンド性の高い商材を扱っていたとすると、B事業においてはよりスピード感を持って時代を先取りすることが重視されるので、組織としての基盤の考え方も変化してくると考えられます。

理念・ビジョン

経営理念やビジョンは、もともと組織を一つの方向性に導くために設定されるものです。そのためこれらも組織のマインドセットに大きく影響を与えます。例えば、「常に業界を牽引する」という理念を持つ企業は新商品開発を強化していく必要があります。一方で、「常に最高の品質を届ける」という理念であれば、既存の商品に対して、商品管理や宣伝を強化していくことを重視するかもしれません。このように企業が何を目指していくかによって、組織が持つべきマインドは異なります。

企業の史実

企業がどのような歴史を辿ってきたかで組織のマインドセットは異なります。たとえば、過去に大きなインシデントがあった企業は、過去の出来事を踏まえて、特定の分野においての社内規制やリスク対策が整っていたり、会社としてもリスクはあまり取らないというマインドを持っているかもしれません。一方で歴史の浅い企業であれば、挑戦的なマインドである程度のリスクに対しては許容できるというマインドを持っているなど、過去に企業が経験してきた出来事が組織のマインドに影響を及ぼします。

 

04ビジネスにおいてなぜマインドセットが重要なのか

心理学において最初提唱された成長型マインドセット、停滞型マインドセットはビジネスにおいても個人のマインドセット、企業や組織のマインドセットという形で現れますが、なぜビジネスにおいてマインドセットが重要視されるのでしょうか。 2つご紹介します。

1.成長のスピードが早くなるため

ビジネスにおいてはマインドセット次第で成長のスピードが変わります。 例えば新しい業務を同じボリュームで成長型マインドセットの人と停滞型マインドセットの人両方に依頼したとすると、成長型マインドセットの人は「おもしろそうだ」と感じて積極的に取り組みますが、停滞型マインドセットの人は失敗を恐れてなかなか手をつけようとはしないでしょう。 また組織や企業でPDCAサイクルを回す上でも、成長型マインドセットを持つ人が多い場合はスムーズに、そして素早くPDCAサイクルが回りますが、停滞型マインドセットを持つ人が多い場合は長期的にPDCAサイクルを回し続けることに困難を感じるため、途中で頓挫してしまうことがあります。 このようにビジネスにおいてはその成長スピードに大きな影響を与えるため、マインドセットが重要視されるのです。

2.仕事で成果を出しやすくなるため

成長型マインドセットを持った人は、波長の合わない顧客や社内の人とも積極的にコミュニケーションを取るようになるので、ビジネスチャンスが増えます。 またその過程においてこなせる仕事も増えていくので、自然とスキルアップするでしょう。 このような行動をたくさん積み重ね、チャレンジし続けた結果、最終的に成長型マインドセットを持った人は与えられた仕事を成果に結びつけることが多いのです。

 

05マインドセットを変える方法について

それでは、停滞型マインドセットを持つ人が成長型マインドセットに変わるためには、どのようなことをすればよいのでしょうか。 5つご紹介します。

1.自分のマインドセットを自覚する

最初に自分のマインドセットがどのような状態かを自覚しましょう。 ほとんどの人は成長型マインドセットも停滞型マインドセットも両方持っていますが、自分の不得意な分野において停滞型マインドセットとなっている場合が多いのです。 例えばビジネスにおいて自分のマインドセットがどのような状態かを考えるなら、自分の業務を整理してメモなどに書き起こし、どの分野において停滞型マインドセットとなっているのかチェックしてみましょう。 自分のあまり良くない面と向き合う必要もあるので無理をし過ぎる必要はありませんが、少しずつ分析しマインドセットを自覚するのが望ましいでしょう。

2.環境や人間関係を変える

マインドセットは周囲の環境や人間関係の影響を少なからず受けます。 これについては「アメリカの起業家ジム・ローンが「あなたは、最も一緒に過ごす時間の長い5人の友達の平均になる」という格言を残しています。 この格言の内容を活かして、停滞型マインドセットの人は同じように停滞型マインドセットを持つ人とばかりお付き合いをしていないか考え、少しずつでも成長型マインドセットを持つ人と関わりを持つよう努力してみましょう。 また住む場所や毎日のルーティーンを変化させ、新しい価値観や生活パターンに触れることでもマインドセットは変わります。 自分がまず一歩を踏み出し、行動を変えてみることで周囲も少しずつ成長型マインドセットへと変化していくでしょう。

3.読書を習慣化する

マインドセットを変えるには、読書を習慣化するのも近道です。 もちろんマインドセットについての本を読むことや、自分の興味があるビジネスの成功体験に触れるといったことも大切なのですが、まず読書をインプットとして習慣づけることに意味があります。 最初は自分の好きなジャンルの本からで構わないので、時間を決めて読書に取り組みましょう。 そして読書をして考えたことを手帳にメモするなど、アウトプットする習慣をつけるとなお良いでしょう。 アウトプットすることで学んだことを行動にすぐ活かせるので、成長もしやすくなります。

4.すぐに行動する癖をつける

ビジネスでもプライベートでも、すぐに行動を起こすことで難題を解決に導いた経験を持つ人は比較的多いのではないでしょうか。 これは素早く行動することで解決のタイミングを見誤らずに対処できたり、成功へと立ちはだかる壁の数を減らすことができたりするからなのです。 これと同じで、気づきを行動に繋げ、習慣化すれば早く成長できます。 あれこれ考えるより体を動かしたい人が停滞型マインドセットから成長型マインドセットへと変えたい場合、まずこの方法から試してみましょう。

5.ビジュアル化する

1972年に出版された「産業教育機器システム便覧」では、人間の五感による知覚の割合が「味覚1.0%、触覚 1.5%、臭覚 3.5%、聴覚 11.0%、視覚 83.0%」とされています。 現在ではこの学説の数値が確実に正しいとはされていませんが、意識に上る感覚の世界ではやはり視覚が圧倒的に優位だと言われています。 このためもし自分が思い描いたゴールやはっきりとした目標があるのなら、それを画像や動画にして毎日見る習慣をつけましょう。 手帳などに書くことでも振り返りができ、少しずつ成長型マインドセットへの変化が促せるでしょう。 参考:加藤宏「視覚は人間の情報入力の80%」説の来し方と行方

 

06マインドセットを定着させるために注意するべきこと

マインドセットはさまざま種類があり、定着までに時間を要するものばかりです。ですが、定着するにあたって注意するべきことが存在します。次では、注意点について解説していくので、定着できずに悩んでいる人は参考にしていきましょう。

停滞型は挫折感を感じやすいことを理解する

停滞型のマインドセットを持つ人は、挫折を感じやすい傾向にあります。また、マインドセット自体、すぐに定着するものではなく、時間をかけて修正、定着していくものです。そのため、この事実を理解したうえでさまざまな工夫を凝らしていく必要があります。

小さな成功体験を積み重ねる

小さな成功体験を積み重ねることで、自己肯定感や自己効力感は上がります。最初から高い目標を立てて、それを達成することでマインドセットが変わることもありますが、まずは再現性の高い目標から着手、一歩一歩クリアしていきながら、小さな成功を積み重ねていくと徐々にマインドセットが変化していきます。

ミッション・ビジョンを意識する

再現性のある目標を成功させていくことが重要ですが、全て成功するとは限りません。そのため、中長期的な個人のミッションやビジョンを明確にし、そこを意識しながら進むことでマインドセットの定着、促進を図ることができます。また、挫折や失敗をプラスに転じて前に進むことができるのです。


 

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07人材育成の手法としてのSchooビジネスプラン

Schooビジネスプランでは約8,000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schooビジネスプランの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。

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1.研修と自己啓発を両方行うことができる

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2.自発的に学ぶ人材を育成できるSchooの講座

上記でも説明したように、Schooでは約8,000本もの動画を用意している上に、毎日新しいトピックに関する動画が配信されるため、研修に加えて自ら学び、成長する人材の育成が可能です。近年の社会のグローバル化やテクノロジーの進化などにより、企業を取り巻く環境が刻々と変化しています。それに伴い、社員の業務内容や求められるスキルも早いスパンで変化しています。このような予測のつかない時代の中で会社の競争力を維持するためには、社員一人一人が自発的に学び、成長させ続けることができる環境、いわば「学び続ける組織」になることが必要です。

Schooビジネスプランの講座では、体系的な社員研修だけでなく、自己啓発を通じて自発的に学び、成長できる人材を育成することが可能です。

3.受講者の学習状況を把握し、人材育成に役立てることができる

Schooビジネスプランには学習管理機能が備わっているため、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、受講者がどんな内容の講座をどれくらいの長さ見ていたのかも把握することができるため、社員のキャリアプランの傾向を掴むことも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面の使い方2

管理画面では受講者それぞれの総受講時間を管理者が確認できるようになっており、いつ見たのか、いくつの講座を見たのか、どのくらいの時間見たのか、ということが一目でわかるようになっています。

管理画面の使い方1

さらに、受講履歴からは受講者がどのような分野の動画を頻繁に見ているかが簡単にわかるようになっており、受講者の興味のある分野を可視化することが可能です。これにより、社員がどのようなキャリアプランを持っているのかを把握できるだけでなく、社員のモチベーションを高めながら人材育成するためのヒントを得ることができます。

さらに、社員に自己啓発を目的として受講してもらっている場合、社員がどのような内容の授業を受講する傾向があるのかを把握できるため、社員のキャリアプランを把握することができます。

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08まとめ

マインドセットとは元々は心理学の用語で、人間が持つそれぞれの「無意識の思考・行動パターン」「固定観念や思い込み」「物事を捉える時の思考の癖」を意味し、成長型マインドセットと停滞型マインドセットの2種類があり、ビジネスの上では成長型マインドセットを身に付けるようにすることが大切だとわかりました。 マインドセットは人間の心の持ち方なので、すぐに変えようと思う必要はありません。 そしてうまくマインドセットができない時があっても、立ち止まって冷静になり、再びどのようなマインドセットが望ましいのかを考え直せば良いのです。 時間をかけてゆっくりと成功体験を積み重ね、少しずつ成長型マインドセットへと変化していくように努力しましょう。

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