- 全10回
- 2021年2月3日公開

「難民」というと、シリアをはじめどこか遠い存在の人たちだと感じるかもしれませんが、ここ日本にも毎年多くの人が難民として逃れてきています。難民とは、人種・宗教・政治的意見を原因とする迫害などからやむを得ず故郷を追われ、逃れざるを得ない人たちのこと。現在、世界には約8000万人もの難民の人たちがいるとされ、その中には幼い子どもも多く含まれています。
そんな危機に瀕しながら日本に逃れてくる難民の人たちですが、日本の受け入れ状況について、皆さんはどのくらい知っていますか?
実は、日本では、多数の人が難民申請をするも(2016年以降、1万件以上。但し、2020年はコロナ禍の影響で大幅に減少している可能性があります)、その約99%が難民認定されないという、国際水準と比較しても非常に厳しい現実があります。そのため日本に逃れてきたにもかかわらず、最低限の衣食住もままならいまま、時には医療にもつながれなかったり、ホームレス状態になってしまう人たちもいます。
難民問題は日本社会で十分に知られておらず、無関心が生む誤解や偏見も、現状の厳しい受け入れ状況を後ろ支えしているかもしれません。そんな「日本の中にある難民問題」について、日々、難民支援に携わる弁護士の駒井知会さんから学びます。
■講師
駒井 知会
弁護士(東京弁護士会所属)
東京大学教養学部教養学科第三(国際関係論)卒、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程卒(法学修士号取得)、オクスフォード大学・クイーンエリザベスハウス、難民研究プログラム、修士課程卒(強制移住学修士号取得)、London School of Economics and Political Sciences 法学修士課程卒(LLM取得)。2007年10月弁護士登録、2013年1月現在の職場である、マイルストーン総合法律事務所に入所。日本弁護士連合会 人権擁護委員会内 入管法プロジェクトチーム等所属、関東弁護士会連合会 外国人の人権救済委員会 2014年度委員長、東京弁護士会 外国人の権利に関する委員会 2016年度委員長。
教養としての「社会課題」入門シリーズ(全10回)
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第1回
LGBT入門——性における認識をアップデートする(一般社団法人fair 松岡宗嗣)
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第2回
はじめての不倫学——「社会課題」として考える(一般社団法人ホワイトハンズ 坂爪真吾)
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第3回
ホームレス問題から「貧困」について考える(ビッグイシュー日本 佐野未来)
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第4回
「子どもの貧困・教育格差」に大人はどう向き合うべきか(チャンス・フォー・チルドレン 今井悠介)
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第5回
アメリカ大統領選を前に考える「黒人差別問題」の本質と行方(ニューヨークから現地レポート:HSWジャパン渡邊裕子)
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第6回
薬物、ギャンブル、アルコール……「依存症」という社会課題の捉え方(ギャンブル依存症問題を考える会 田中紀子)
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第7回
誰もが「生き直せる」社会を目指す——2人に1人が再犯者となる刑務所出所者の更生支援
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第8回
日本の中にある「難民問題」——日本で生きる難民たちの今を知る
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第9回
3.11被災者たちが見る「亡き人の夢」の意味——遺族たちの「夢」を思考する
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生放送授業(無料)第10回
4月16日 (金) 20:00
“おっちゃん”たちに誇りを取り戻す——ホームレス問題に挑む社会起業家が見つけた「働く意味」
担当の先生
受講生代表
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徳田 葵
スクー放送部