大公開!過去授業レポート

第8回
イケダハヤトと考える、ソーシャルウェブ時代
ソーシャルウェブ時代の生き方とは何か
4分
ソーシャルウェブ時代の生き方とは何か
イケダハヤト 先生
ブロガー
実施日
2012年3月1日(木) 20:30〜21:00
タグ
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授業レポート

これからの時代を生き抜く「6つの価値観」

「ソーシャルウェブ時代の生き方」というテーマで、これからの時代を生き抜くために考えておきたい「6つの価値観」についてお話したいと思います。今後の10年、20年がどのような生き方をしていけば良いのか、ということについて皆様と一緒に考えられればと思っています。

1.シェア

「シェア」という概念は、近年一般的に使われるようになった単語です。Facebookでも「シェアボタン」がありますから、日常的に使われる言葉になりました。まさしく、ソーシャルメディアが普及することによって、様々なものを共有することが可能になるということは、皆様も御存知かと思います。これはモノの共有だけではなく、ライフスタイルや、価値観の共有も含まれると考えています。実際に例を見ながら説明していきましょう。

「CaFoRe」は、カーシェアリングといって、自動車を「シェア」するサービスです。レンタカーのようなものですね。これは自動車という「モノ」のシェアです。一方、「colish」は、シェアハウスのアイデアと、それに共感する住人を集めるサービスです。このサービスからは「ライフスタイルをシェア」というコンセプトを読み取ることが出来ます。例えば、ゴルフ好きばかりが集まるシェアハウスや、シングルマザーが集まるシェアハウスを企画するなど、コンセプトを実際に形にしてくれます。

▲ 生活を楽しくするシェアハウスのアイデアを投稿して共感する住人を集める場所「colish」

私が「シェア」という価値観が非常に重要になっていくと考えているのは、今後、高コストなライフスタイルを維持していくのが難しい社会がやってくるのは間違いないという実感があるからです。「シェア」という考え方が浸透すれば、低コストで豊かに暮らせる可能性が高くなります。先程例に挙げた車の共有サービスを利用すれば、車を所有するコストを抑えることが出来ます。所有から共有へ、シフトしていくことが出来れば、自分の人生に掛かるコストを抑えながら、共有するところは共有可能な部分はシェアをしていくことで、生活を豊かにしていくことが出来るかもしれません。私が考える非常にベーシックな思考として一番初めに紹介しました。

2.クラウドファンディング

「READYFOR?」や、「CAMPFIRE」など、クラウドファンディングサービスは日本でも認知され始めました。クラウドファンディングとは支援したいアイデアやコンセプトに対して少額から支援することが出来るという考え方です。クラウドファンディングでは、共感されるコンセプトを打ち出すことが出来れば、ある程度の金額は集める事が可能になって来ています。例えば、これまでどれだけ持っているアイデアが素晴らしくとも、フリーランスや、企業準備中の若者は銀行からは借りることが難しいというのが実情です。しかし、「共感・応援・評価をお金に換えるサービス」だと言えるクラウドファンディングがあれば、より早く、アイデアやコンセプトを実現することが可能かもしれない。これは一過性のものはなく、今後も変わらず残っていく概念となると思います。資金調達のあり方が変わってくるかもしれませんね。

3.創作

前項の「クラウドファンディング」と関連しているのですが、自分で何かを創りあげるということは非常に重要になってくると思います。その土壌はかなり充実してきていると言えます。更に言うと、自分で創作をして発信することによって、ソーシャルメディア的なものの恩恵を受けることが可能になるのではないでしょうか。自分を振り返ると、自身のことをブロガーだと名乗って、組織に属することなく、フリーランスとして活動をしています。私のブログには、月間累計で1000本以上の記事がアップされ、25000人以上のアクセスが集まっています。これは私の例ですが、自分の知識や創作物にアクセスしてもらう機会は、ここ数年で圧倒的に増えてきていると思います。発信しないのは損だと言っても良い状況は来ていると思います。私は中学生の頃からホームページを管理しており、そこでブログ形式でニュースなどを配信していました。そのバックボーンはありますが、現在、私の仕事のきっかけとなったのは、会社員時代に担当したソーシャルメディアの仕事で、2009年当時にfacebookページを制作したことです。その経験もあり、海外のソーシャルメディアの活用事例などをブログで発信して、自分の知識をオンラインに出したところ、たくさんの人に注目していただけるようになりました。私の場合はブログでしたが、「創作」の形態は人それぞれの形があると思います。

「信頼」が「評価資本」を構築する

4.評価資本

「評価資本」という言葉は私が今、注目している言葉です。別の場面では、「ソーシャルキャピタル」と呼ばれたり、webマーケティングの専門家である、タラ・ハント氏によって提唱された「ウッフィー」と呼ばれたりもする概念のことを総称して「評価資本」と呼ぶようにします。つまり、オンライン上の対象者の評判や信頼、共感や賞賛を通貨などで定量化して捉える概念です。わかりやすく言うと、「オンラインのツールによって影響力や評価が可視化されるという考え方」です。例えば、「KLOUT」という単語を聞いたことがある方も多いと思います。これはオンライン上の影響力を評価するための指標になっています。発信力が高ければKLOUT数も高くなる。その評価基準には色々なバリエーションが存在するので、一概に規定してしまうのは難しいのですが、KLOUT数も、ひとつの評価指標だと言うことが出来ます。

▲ ソーシャルメディア上での影響力を可視化する「Klout」

興味深いのは、企業が、これをマーケティングの指標に使い始めているということです。ヴァージン・アメリカという航空会社が「KLOUTスコア」が高い人に無料の航空チケットを配るというキャンペーンがありました。これはすごく面白い考え方だと思います。20世紀の経済は、金とモノの交換から始まったと言われていますが、21世紀の経済は、情報でその評価を得ることが出来る。たとえば「KLOUTスコア」のように、その人の「評価」が高ければ「評価指標」が高まり、サービスなどと価値の交換を行うことが出来る時代がくるのかもしれません。やや飛躍しますが、信頼が無い場合にはお金を投下してその信頼資本を買うという時代が来るのかもしれません。この「評価資本」は一朝一夕で評価が高まるものではありません。いわば、蓄積されていくものです。

5.二足のわらじ

「公共の崩壊」という言い方があります。例えば、「もう若年者は年金を貰うことが出来ないんじゃないか」というのが、一般的な感覚として「公共の崩壊」を感じる瞬間なのではないでしょうか。社会保障が成り立たなくなるのではないか、という指摘です。私達はそのような中でどのように公共を作って行かなければならないかについて、具体的なアクションプランを提示せよ、というところに来ていると思います。そこで、私は「二足のわらじ」というものを提言したいと思います。

たとえば、

100%の努力で500万の利益
80%の努力で500万の利益
60%の努力で500万の利益

というように考えてみたとします。

自身のビジネスがうまくいっているという前提の下、同じ利益をより少ない労力に変えていくことが出来る、その余剰の時間で誰かのためになる仕事を行う、つまり「二足のわらじ」を行うことで公共を創ることが出来るのではないか、という提言です。私の場合だとNPOのソーシャルメディアの活用に費やしたりすることが、これに当てはまります。

このようなライフスタイルを取る人が増えれば、「公共の崩壊」から「新たな公共」を作っていくことができるかもしれない、と考えています。私たちの手で公共をどのように創っていくのか、というのがいまの私の興味です。

お金にするのではなく、誰かのためになる仕事を行うことで評価資本の蓄積を行うことが可能です。評価資本を蓄積していくことが可能になれば、それが「個人のセーフティネット」になるのではないかと考えています。私はこれを実験的にやっていますから、誰にでもこの方法をお勧めするわけではありません。もちろん、これを実行することが出来る人は、人口ピラミッドの1%くらいの人だと思います。皆さんにおすすめするわけではありませんが、一度考えてみて欲しいと思います。

新しい価値観を提示するのは、若者の任務だと思います。一方、私達よりも年上の人たちは、若者にはない実力があります。更に年上の人たちはお金という資本があります。それらを全て使って今後の社会を創っていくというフェイズに来ているのではないかと思います。

一度、旗を立てよう

6.旗を立てる

最後に、私が非常にソーシャルメディアを考える際にキーワード、「旗を立てる」ということについてご紹介します。「SOCIAL CONFERENCE」というソーシャルメディアを考えるカンファレンスがあって、300人を超える参加者が集まったイベントでした。このイベントは、大元隆志さんというブロガーの方の投稿から始まりました。大元さんが開催を宣言したことをきっかけとして、会場を提供する方や、登壇者などがソーシャル上で拡散されて、web上で実現に向かっていったという状況がありました。いわば、「想い」と「facebookに投稿したコメント」しか無い状態から、大きなイベントが形成されていくという過程を見た時に、「旗を立てる」ということの重要性を感じました。大元さんは他の人に比べて有名だったかもしれませんが、「旗を立てて」共感を募ること、これは誰でも出来ることなのではないでしょうか。

「旗を立てる」際に必要になること、ソーシャルウェブ時代を生き抜く「究極の問い」について考えてみたいと思います。その問いとは「世の中のどんな問題を解決したいのか?」です。それぞれの分野や興味がありますから、唯一の正解が存在するわけではありません。しかし、各々の中で、この問いに対して明確な解答があればあるほど、周りのコミットを得やすいのではないかと思います。「旗」の例を使うと「旗に集いやすい」状態を作りやすいのではなでしょうか。

「ソーシャルメディア時代の生き方」ということでここまでお話をしてきましたが、「ソーシャルメディア」は社会変革のツールだと考えています。もし、ソーシャルメディアが無かったら、ということは想像するのが難しいのですが、確実に変革のスピードが遅くなっていくのではないかと思います。今、私たちの暮らす社会は激動のまっただ中にいます。今日お話した「6つの価値観」はあくまで、その変革しつつある社会におけるひとつの問いかけにすぎないかもしれませんが、皆様の思考のきっかけになればと思います。

<第8回:ソーシャルウェブ時代の生き方とは何か レポートおわり>
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先生プロフィール

イケダハヤト
ブロガー
1986年神奈川県生まれ。2009年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、半導体メーカー大手に就職。と思いきや会社の経営が傾き、11ヶ月でベンチャー企業に転職。ソーシャルメディア活用のコンサルタントとして大企業のウェブマーケティングをサポートし、社会人3年目に独立。会社員生活は色々と辛かったので。2011年からはブロガーとして、高知県を中心にうろうろしています。著書に「年収150万円でぼくらは自由に生きていく(星海社)」「武器としての書く技術(中経出版)」「新世代努力論(朝日新聞出版)」などがある。
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