深層学習の登場で、機械学習型AIは、識別・予測・実行能力が急速に成長し、すでに人を超えている領域もあります。
しかし、人には程遠い面がたくさんあります。AIには、意思・願望・欲望・好み・価値観・性格がない、疑問をもたない、人を動かすリーダーシップがないということがありますが、これらはないほうが人工知能を利用する人間には都合がよさそうです。
一方、できたほうがよさそうですが、まだ難しいことがあります。
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1. 文脈・意味を人のようには理解できない
2. 人工知能自体には身体がないので、人のように知覚できない
人が共通して気持良いと感じる状態は認識できても、人の身体が生み出す物理量ではない質感の理解をAIには期待できない
3. 事例が少ないと対応できないので、個人の好みに寄り添えない
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この講義では、2と3の課題について、坂本教授が「オノマトペ」に着目して取り組んでいることについて、お話しいただきます。
オノマトペとは、自然界の音・声、物事の状態や動きなどを言葉の音で象徴的に表した言葉で、擬音語・擬声語・擬態語などのことです。キラキラ、ふわふわ、スベスベ...幼いころから日常の会話の中で使用しているこれらは、すべてオノマトペです。
私たちは、物の質感を、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚を通して知覚し、オノマトペで表現していますが、このプロセスを数値化できれば、「フワフワしたものがほしい」という一言で、求める質感のものを提案してくれたり、「モフモフだね」と伝えると、「マフマフかも」と答えてくれる、人の感性に寄り添う人工知能が実現できるかもしれません。
オノマトペという視点から、現状どこまで発展しているのか・未来にはどういった活用が考えられるのかを聞いていきます。
■授業の流れ
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30分 / 語る
・そもそもオノマトペとはどういった分野なのか
・日常のどういった箇所でオノマトペは役立っているのか
・オノマトペに関する進捗レポート
20分 / 聞く
・技術は将来どのように活用されていくのか
・研究の進捗からみて、現在予想されている方向に本当に進んでいくのか
“聞く”のパートでは、受講生の皆さんからのコメント・質問をもとに、研究者が答えディスカッションしていきます。
「ニュースで流れていることは実際どうなのか」等疑問に思っていることや「こんな風に活用される未来はあり得るのか」などたくさんの投稿をお願いいたします。
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※上記は予定です。変更になった場合は、このページで随時更新します。
■今回の先生
坂本 真樹 先生
電気通信大学情報理工学研究科/人工知能先端研究センター 教授
1998年3月東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了(博士(学術))。1998年4月同専攻助手,2000年4月電気通信大学電気通信学部講師、准教授を経て、2015年4月同大大学院情報理工学研究科教授。2016年8月同大人工知能先端研究センター教授を兼務。
2016年10月よりオスカープロモーション所属(業務提携)。人工知能学会、情報処理学会、認知科学会、VR学会、感性工学会、広告学会等各会員。