大阪大学薬学部卒業後、病院薬剤師を経て米国留学。ハーバード大学公衆衛生大学院、メリーランド大学薬学部大学院にて疫学とアウトカムリサーチを学ぶ。帰国後、外資系製薬会社に入社。疫学や医療保険データベースを用いた研究に従事する。薬剤治療における経済的・社会的影響や、患者さんの主観的評価から薬剤の価値を説明しうるエビデンス創りに励んできたが、予防医学の重要性を再認識し中医学や心理学を勉強するようになる。病気を治療することから未病改善およびWell-beingへフォーカスをシフトし、2021年に退社。習慣的に心身のメンテナンスをして自分を丁寧に扱えば、豊かに社会生活を続けることができる。現在、これまでの経験と知識を活かし、この考えを実践すべくコーチング活動を展開中。2023年より株式会社LifreeにWell-beingフェローとして参画している。
みなさんは「社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)」という言葉とその概念をご存知でしょうか? この言葉の意味は、とても簡単にいうと「つながり」のことです。 さまざまな種類のアクター(個人、地域社会、国、組織、集団)が他のアクターとつながること、社会的な関係への影響やつながりを通して得られるさまざまな資源、諸利益の価値の合計のことを言います。 言葉でわざわざ定義し説明すると難しく感じるかもしれません。 普段から意識しなくても、みなさんがその中にいるからです。 言葉自体は19世紀から存在しているものの、「物的資本(Physical Capital)」や「人的資本(Human Capital)」と並んで、最近話題に上がって来ています。 企業では社会的資本が醸成されると、事業を円滑に進められることとなり、人間関係が改善されることで働く人が優れたパフォーマンスを発揮できることとなります。 今回の授業では、社会的資本という学術的に研究が進められいているお話しを、私たちの日常にはどう影響するのかや社会全体にとってどんなことが起こりうるのかという身近な視点と大きな視点で解説していただきます。