4/29(Mon)
ITエンジニアに求められるスキルはエンジニア職に関わらず、組織で働くうえで必要になるポータブルスキルと、業務で求められる専門的なスキルに分けられます。まずは、ITエンジニア全般に求められるスキルを見ていきましょう。
システム開発において、ほとんどの場合は、システムエンジニア(SE)プロジェクトマネージャー(PM)などが顧客との窓口になります。しかし、プロジェクトによっては、プログラマーが顧客とコミュニケーションを取ったり、細かい調整を行ったりする場合もあります。 また、大規模な開発プロジェクトでは、複数のプログラマーやシステムエンジニアがチームを組んで開発を進めます。チームワークが求められますが、さまざまな立場の人と円滑なコミュニケーションが取れなければ、開発にも大きな支障をきたしてしまいます。
プログラミングスキルは、ITエンジニアを目指すうえでの基礎となる必須のスキルです。特に、エンジニアの場合は、プログラムの完成度がクライアントからの評価に直接つながります。 ただし、システム開発に用いるプログラミング言語は、開発領域や案件によって異なります。領域別に使われる主な言語は、以下の通りです。
ロジカルシンキングは、論理的に物事を分析して考える思考法です。ロジカルシンキングが身につけば、実現したい機能を構成するコードを、順序立てて順番に作成できるようになります。また、作りたいシステム案から逆算して細かい仕様やスケジュールを考えられるため、最終的な目標を達成しやすくなります。
IT技術は、スキルの移り変わりや情報のスピードが速いものです。次々に新しい言語や技術が台頭するため、それらの技術や情報をいち早くキャッチアップし、習得しなければなりません。そのため、新しい知識を学び続ける学習意欲も、ITエンジニアに欠かせないスキルのひとつと考えられています。
システムの開発や運用を進めるにあたって、必要なドキュメントが多く存在することから、それらの資料を作成することもITエンジニアの大きな仕事のひとつです。またITエンジニアは、システムについて文章で説明したり、口頭で発表したりする機会もしばしば訪れます。そのため、分かりやすい資料や書類が作成できる人材は重宝されます。
ITエンジニアのキャリアを積んでいくなかでは、マネジメントを担当する従業員も出てくるでしょう。該当の従業員へマネジメントスキルの教育を行うことで、プロジェクトがスムーズに進みやすくなります。また、チームメンバーの適性を正しく見抜き、一人ひとりを適材適所に配置できます。
ITエンジニアと一口に言っても、ネットワークエンジニアやセキュリティエンジニアなど、さまざまなエンジニアが存在します。また、実際に担当業務が異なれば、必要とされるスキルも変わってきます。ここでは、ITエンジニアの主な種類を紹介します。
ネットワークエンジニアとは、ネットワーク関連を主な担当業務とするエンジニアです。 具体的には、システム全体のネットワークの設計やロードバランサー、スイッチ・ルータといった、ネットワーク専用機器の設定を行います。 ネットワークエンジニアに求められるスキルには、ネットワークやクラウドに関する知識などがあります。
セキュリティエンジニアとは、その名の通り、セキュリティ関連を主な担当業務とするエンジニアです。企業が保有する重要な情報を守ることで、セキュリティの脅威からシステムを守るのが役割です。 セキュリティエンジニアに求められるスキルには、セキュリティや法律関連の知識などがあります。
システムエンジニア(SE)とは、システムの設計をメインに行うエンジニアです。企業によっては、設計だけではなくシステム構築を行うこともあります。 システムエンジニア(SE)に求められるスキルには、IT全般の知識やプロジェクト管理能力などがあります。
プログラマーとは、システムエンジニア(SE)などが作成した仕様書に基づき、実際にシステムの開発を行うエンジニアです。 プログラマーに求められるスキルには、プログラミング能力、ハードウェアやネットワークに関する知識などがあります。
Webエンジニアとは、Web上でサービス展開できるよう、ネットワークの構築や保守監視、サーバー構築などを担当する職種です。 Webエンジニアに求められるスキルには、HTML・CSSについての知識やGitを操作する技術などがあります。
サーバーサイドエンジニアとは、ITインフラ基盤の要であるサーバー関連を主な仕事とするエンジニアのことです。 サーバーサイドエンジニアに求められるスキルには、開発フレームワークや問題解決能力などがあります。
社内でITエンジニアのスキルを育成する方法は、主に以下の3つです。
それぞれについて、詳しく紹介します。
eラーニングとは、パソコンやスマホを通して学ぶ学習形態です。インターネット環境さえあれば、時間や場所の制限を受ける心配がないため、業務の隙間時間に自分のデスクで学習してもらうことが可能です。また、自分のタイミングで受講できるため、業務を滞らせることなく、従業員に研修を受けてもらえます。
業務内容に関連する資格を取得してもらうことで、専門知識を身に付けてもらうことも有効です。さらに、資格を取得した従業員に資格手当を支給することで、モチベーションアップや、学習意欲の向上にも大きく寄与します。
スキルマップを人事評価に活用することも、ひとつの手です。スキルマップを活用することで、個々の従業員が保有しているスキルや、目標達成のために必要なスキルを可視化することができます。また、スキルアップの進捗度が目に見えて分かるため、透明性の高い評価を実現できます。
ITエンジニアのスキル育成を成功させるためには、以下の3つのポイントに注意することが重要です。
後悔しないためにも、ここでそれぞれのポイントについて理解を深めましょう。
まずは、自社において必要なエンジニアスキルを明確にします。この際、経営戦略や事業内容、将来的な企業のビジョンなどを考慮したうえで、求めるエンジニア像を導き出すことがポイントです。さらに、従業員が今保有しているスキルと理想像を比較して、育成する必要があるスキルを洗い出します。
ITエンジニアとして育成する従業員は、業務が多忙であったり、人間関係が険悪だったりすると、勉強に実が入らないおそれがあります。さらに、慣れない勉強や業務からストレスを感じ、離職につながってしまう可能性もないとは言い切れません。 そのため、1on1ミーティングを定期的に実施して、従業員の悩みや不満をヒアリングし、寄り添っていく姿勢を示すことが重要です。従業員が相談しやすい環境を整えて、スキル習得に集中してもらえるよう工夫しましょう。
「ストレッチ目標」は、個人や組織において、背伸びして工夫することで初めて手が届くような難易度に設定された目標のことです。 現状のスキルでも簡単に手の届く位置より、さらに達成が難しい位置で目標を設定することで、より大きな成果が生まれます。また、ストレッチ目標を設定することで、目標達成には相当量の努力が不可欠だと従業員自身が理解できるため、従業員の能力向上にもつながります。
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・自己啓発への活用方法 など
ITエンジニアの重要性は、これからさらに増していくことが予想されています。実際に採用市場においても、ITエンジニアの有効求人倍率は高く、特に優秀なITエンジニアであれば、複数の企業が取り合いをしている状況です。ITエンジニア経験者の採用が難しい市況のため、自社でITエンジニアを育成し、人手不足を補うことがポイントです。