10/6(Sun)
北海道生まれ。幼少の頃から歴史好き。しかし「歴史では食べていけない 」といわれ工業高校に進学。上京し郵便局員として仕事をしつつ、大学で日本中世史を専攻。大学院進学にあわせて公務員を辞め、それからは持って生まれた器用貧乏さで、さまざまな領域に迷い込む。2012年より本学専任講師。編著に『金沢北条氏編年資料集』(八木書店)、『日本文化の源流を探る』(幻冬舎)など。
19世紀末に「Le Japon Artistique (芸術的日本)」という雑誌が英仏独の三カ国語で出され、日本の芸術と産業の精華をヨーロッパに広く知らしめました。もちろんこれは西洋から見た日本でしかありませんが、しかし文化的なアイデンティティが外国との接点において強く意識されるということも事実です。この授業では国際的な視点から日本の文化や芸術を見つめ直すことが目標です。クリエイターを目指すかたにも、芸術的な日本の特色を知ることは大いに役立つことでしょう。 【スクーを通じて、もう一度大学へ】 スクーでは全国10の大学と連携し、ビジネスパーソン向けに、大学ならではの授業を開講しております。早稲田大学・関西学院大学・法政大学などはじめとする日本全国の大学が誇る名授業を通じて、仕事に活きる教養を身につけられます。 スクー×全国10大学(2015年版)はこちら https://schoo.jp/campaign/2015/univ_2015
日本の伝統的な文化はどのような社会的環境で生み出され、今日まで引き継がれたのでしょうか。 文化の創出から今日までの経緯を知るために、歴史を紐解きます。はじめに文化・芸術が伝えられた歴史とはどのように理解すればよいのかからスタートし、歴史は何で出来ているのかを理解します。そして、日本の様々な文化・芸術が生み出された歴史的背景を知るため、日本文化の源流の一つである宗教文化をとりあげます。 1限目 歴史を復元する身近な史資料 文化の形成を知るために歴史の理解は必要不可欠です。では、その歴史とは何で出来ているのでしょうか。歴史を遡るためには、当時記された古文書や古記録、金石文や、また口頭で伝わる口承文芸などを紐解く必要があります。またこれらの史資料も、日本の社会環境の中で生み出され今日まで遺された文化といえます。歴史を復元するための史資料をご紹介しつつ、どのように復元するのかを学びます。 2限目 日本文化の源流である宗教文化の形成 日本の伝統的な文化として神社神道があります。コンビニの総数よりも多くの神社が全国に存在し、地域の人々によって守り伝えられています。神道には、他の宗教と異なり開祖や宗祖といった人物や、教義そのものが存在しません。日本古来の信仰をきっかけとし、時代に合わせて変容していったものです。日本的な文化の最たるものといえる、神道文化はどのように形成・維持されたかを学びます。 3限目 講や祭礼の文化の源流を知る 社会的環境といった風土の他、人と人のつながりであるコミュニティは、文化を生み出し、また維持・変容させた要因の一つといえます。日本の歴史を紐解くと、神仏に関わるコミュニティが多く見られます。それらは、社会集団を形成しつつ、さまざまな日本の文化を生み出しました。どのようなコミュニティがあるのか、京都の松尾大社で行なわれる松尾祭を事例にして、日本のコミュニティ文化がどのように維持・継承されているか考えてみたいと思います。 4限目 年中行事の変化ー上巳・端午・七夕ー 日本の芸術文化には、四季の変化が大きく影響しています。昔の人々の四季の認識の仕方として、代表的なものに年中行事があります。季節ごとの歳事や行事には本来、機能や役割があり大切にされており、いまに受け継がれているものもあます。今回は現代でも行なわれている節供を中心に見ていきながら、年中行事が日本の文化芸術に与えた影響を考えます。