10/12(Sat)
デザインやコンサルティングを通じてWebの仕事に携わる活動家。 アメリカの大学にてビジュアルコミュニケーションを専攻後、マルチメディア関連の制作会社に在籍。日本に帰国後、数々の制作会社や企業とコラボレーションを続け、現在はフリーで活動。自身のブログとポッドキャストではWebとデザインをキーワードに情報発信をしているだけでなく、各地でWebに関するさまざまなトピックで講演を行ったり、多数の雑誌で執筆に携わる。 著書に『スタイルシート・スタイルブック』『Web Designer 2.0』など。 (http://www.yasuhisa.com/could)
2010年くらいからゲーミフィケーション(Gamification)という言葉を国内外で耳にするようになりました。ポイントやバッジといったゲーム要素をアプリや Web サイトに取り入れることによって、楽しみながらツールの利用や課題の解決ができるとされていますが、実際のところどうなのでしょうか。より多くの方がゲームに注目するキッカケを与えてくれたゲーミフィケーションですが、表層的な要素を組み込めば楽しく使えるものなのでしょうか。 ポイントやバッジを取り入れる前に、私たちはゲームと人との関わりに注目しなければいけません。ゲームは既に映画以上に楽しまれているエンターテイメントの柱であり、世界規模の産業です。しかし、ゲームは他の産業とかけ離れた存在でもありません。Webサイトやアプリといったコンピュータ上で動く製品やサービスを作っているデザイナーであれば、同じようにコンピューターと人間の関係が生まれているゲームに注目するのは必然のことでしょう。生まれた頃からゲームがある今の若い世代が理解しやすい形を模索するのであれば無視することはできません。 ゲームはかけ離れた世界でもありませんし、要素を取り入れれば良いというほど単純なものでもありません。デザインも同じようなことがいえます。テクニックを真似たり、流行している色・形を真似れば良いものができるわけではありません。ゲームもデザインも、作ったものを使う人に注目することで、はじめて良いものが作れるようになります。 ポイントやバッジのようなゲーム要素の奥には何が隠されているのでしょうか。人に注目したデザイン思考とは一体どういうものなのでしょうか。様々な事例も見ながら、正しくゲーム要素を取り入れるためのヒントを紹介します。