1978年生。中央大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程単位取得退学。博士(心理学)。法政大学キャリアデザイン学部 助教・講師を経て、現職。 主著に『詳解 大学生のキャリアガイダンス論-キャリア心理学に基づく理論と実践-』(金子書房・共著・2012年)『社会性発達支援のユニバーサルデザイン』(金子書房・共著・2013年)『大学生活をゆたかにする心理学』(福村出版・共著・2013年)『大学生の学びとキャリア:入学前から卒業後までの継続調査の分析』(法政大学出版局・共編著・2013年)など。 大学院時代より学校から社会の移行に関わる研究をしてきた。最近では、幅広く若年雇用の問題に関心がある。若年無業者向けの就労支援施設(地域若者サポートステーション)で総合相談スタッフを担当(2007年~2013年)。社会への移行に困難を示す若者にもさまざまな背景を持つ者がいることを知る。大学、大学院では「教育心理学」「教育相談」などを担当。
フリーターやニートや非正規雇用の問題が荒れ狂う2000年代になって、教育に突如課せられた大きな使命、「キャリアデザイン」。でもそこには、たくさんの落とし穴があることに、私たちは少しずつ気づき始めている。 例えば、やりたいこと探しのキャリア教育って、本当に役に立つの? ——夢のとおりに仕事してる人ってそんなに多くないはずです。 やりたいことが見つからなくて焦ってる私って、変なの? ——やりたいこと以前に、やれることが何なのかって話ですよね。 私たちの生き方(キャリア)は、私たちのデザイン(設計)できる範囲をはるかこえて、制度や文化や生得的特性の文脈に埋め込まれている。日本で唯一の「キャリアデザイン学部」(法政大学)の教育学担当教員(教育心理学、臨床教育学、教育社会学)が、文脈に埋め込まれた私たちのキャリアというこの重い事実と、そこからできることを見つめなおし、いま流行りの「明るい」キャリアデザインのウラ・オモテに迫ります。