デジタル技術の進歩により、私たちが日々やりとりする情報量は飛躍的に増加しました。一方、ディープフェイク動画の拡散や、無自覚のうちにフィルターバブル内で孤立してしまうリスクなど、以前はなかったコミュニケーション上の混乱が起きている面も否定できません。
今のところデジタルで共有できるのは映像と音声、つまり、視覚と聴覚の情報がほとんどですが、メタバース市場の急成長などにともない、触覚の情報を共有する技術の開発も加速しています。そこで、「触覚情報のデジタル共有で、私たちのコミュニケーションはどう変わるのか」について考える、そんな授業を開講します。
■先生
渡邊淳司さん
NTTコミュニケーション科学基礎研究所 上席特別研究員
人間の触覚のメカニズム、コミュニケーション、情報伝送に関する研究を人間情報科学の視点から行う。触覚や身体感覚を通じて、自身の在り方を実感し、人と人との共感や信頼を醸成することで、様々な人のウェルビーイングが実現される方法論について探究している。また、Ars Electronica Prix審査員、文化庁メディア芸術祭(アート部門優秀賞受賞)、日本基礎心理学会「心の実験パッケージ」開発研究委員会委員長等、美術館や科学館での表現・体験領域の設計にも関わる。
著書・共著
「情報を生み出す触覚の知性」
「情報環世界」
「わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために」
「見えないスポーツ図鑑」
「表現する認知科学」
など。
みなさんからの質問を受け付ける時間をたっぷり設けています。また、触覚情報を共有するデバイスも披露していただきますのでお楽しみに!