4/19(Fri)

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【先生紹介】

岩瀬 大輔

岩瀬 大輔先生 ライフネット生命保険株式会社 代表取締役社長兼COO

1976年埼玉県生まれ、幼少期を英国で過ごす。1998年、東京大学法学部を卒業後、ボストン・コンサルティング・グループ、リップルウッド・ジャパン(現RHJインターナショナル)を経て、ハーバード大学経営大学院に留学。2006年、副社長としてライフネット生命保険を立ち上げる。2013年6月より現職。世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ 2010」選出。株式会社ベネッセホールディングス社外取締役。


<以下書き起こし全文>

単純作業こそ大切に、ということがあります。
コピーこれしといてとか、データこれ打ち込んどいて、っていう時になんでこんなにつまらないことずっとやらされるんだろう。って思う方も多いと思うんですね。

僕結構逆で、単純作業が割りと好きなんですよ。
今でも例えば、保険会社45社ほどありますが、生命保険会社の業績を打ち込む時、全部手で入力していたんですね。これって誰かに頼めばデータ入力はできますが、自分で数字を入れて触っているうちに数字の感覚みたいなのがすごく肌感覚でわかってくるんですね。

そうすると単に目で追っていただけではわからない、いろんな気付きがあります。そういった意味で例えばデータ入力する作業って一見単純作業に見えてすごく大事だったりします。

後ですね、コピーなんかも一見誰がやっても同じかに見えますが、結構人によって違うんですよ。
雑な人もいるし、すごく綺麗に、頼んでない部分でもあったらいいものまで付け加えてコピーしてくれる人もいるし、すごく差が出るんですね。

例えばですよ、コピー頼まれた時に「これは何に使いますか?」と一言聞いてみましょう。その用途によってコピーの仕方が変わってくるんですよね。単純にその社内の身の回りの人だったら少し雑でもいいかもしれない、お客さまに持っていくものであれば綺麗にしていかなくてはいけない。

例えば我々ですと、取締役会に出す資料で取締役の皆さんが高齢だと、フォントを少し大きめにコピーしようと思うかもしれない。
そういった意外とシンプルなことの中にも奥が深かく、いい仕事ができるので、単純作業を頼まれた時につまんない仕事だなって思うかチャンスだって思うかで全然違うんですよね。

そういえば、まだライフネット生命が小さな準備会社だったころに、ある学生の人がどうしてもインターンしたいって言って来たんです。で、断ったんですけど、どうしてもしたいと言ってドアの前で待ちぶせされるぐらいだったので、しょうがないからちょっとだけ手伝っていいよって言ったんです。

それでとりあえず僕の名刺を全部Excelに入力してと言ったんですね。今だと名刺管理ソフトがあるんですけど、当時はそういうのあんまりなかったので、お願いしたんです。そしたら、2週間ぐらいして辞めたいと言ってきたんです。
自分はマーケティングとかそういう仕事をしったかったのに、なんでこんなに名刺を入力しなきゃいけないんだ、という風に言って辞めていったんですね。

僕はこれ、すごくもったいないなと思います。僕の名刺っておもしろいんですよ。いろんな面白い人と会ってるじゃないですか。
そうするとその中でもこんな会社があるんだとか、こんな組織になってるんだとか、こういうオフィスなんだとか、こんな名前あるんだとかこんな有名な人がいる、とか多分いろんな気付きがあるとおもうんですね。

その中で単に入力するだけではなくて、自分でこう整理してみて地域別と、業種別と組織別に分けておきました。とかあいうえお順にできます。とかいろんな工夫が出来たと思うんですね。

でもその人にとっては世の中には面白い仕事とつまらない仕事があって、これはつまらない仕事っていう風に定義してたと思うんですよ。でもここで言いたいのは、面白い仕事なんてないんですね。仕事は全部一緒なんですよ。ただそれを面白くできるかどうか、自分で工夫できるかってということだと思います。

同じことを結構偉い方がみんな言っていて、楽天の三木谷社長も本の中で若いころはコピーばかり頼まれてずっとコピーばかりやっていたけど、すごく工夫してやってた。という話をしていました。


ちょうどスクーの近くの「伊藤真の司法試験塾」という弁護士で有名な先生がいらっしゃるんですけど、伊藤先生も本の中で弁護士になって一年目でコピーばかりやらされていたと、でもすごく自分で工夫していて面白くコピーをとったと、たまたま2人の偉い方が全く同じことを言っていたんです。
なのでこういったことが実はすごい大事じゃないかな、と思っています。

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