キャリア教育のウソとホント

キャリア教育のウソとホント

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コース概要

キャリア教育とは,本来,どういうものなのか,キャリア教育をどう理解し,どのように推進していけばよいのかを考えてみることが,この授業のねらいです。

キャリア教育という言葉が,日本の教育界で一気に脚光を浴びるようになったのは,2003年に政府の若者自立・挑戦戦略会議が「若者自立・挑戦プラン」を策定して以降のことです。文部科学省は,このプランの中で,小学校・中学校・高校を通じた「キャリア教育の推進」を謳いあげ,その後は,キャリア教育の推進施策を精力的に展開してきました。

それから十年あまり。——少なくとも教育現場においては,キャリア教育への取り組みが普及しました。学校でカラスの鳴かない日はあっても,「キャリア教育」という言葉を聞かない日はありません(たぶん)。

そういう意味で,「キャリア教育的なもの」は普及したのですが,人々がこの言葉によって何をイメージするのか,キャリア教育をどう理解し,どのように教育課程や日常の教育実践に落とし込むのかに関しては,教師たちの間でも,いや,教育行政関係者や研究者の間でさえ,かなりの差異があるのが現実です。

バリエーションがあると言えば,格好いいかもしれません。しかし,「キャリア教育」として想定しているものが相互に異なっていると,議論は,当然にもすれ違います。時には,不毛な言い争いになることもあります。そうした“混乱”や“すれ違い”を解きほぐし,これまでの“誤解”や“曲解”にも挑みつつ,キャリア教育のウソとホントに迫っていきます。

こんな人にオススメ

キャリア教育に興味がある方

担当の先生

児美川 孝一郎

児美川 孝一郎

法政大学キャリアデザイン学部教授

1963年生。東京大学教育学部卒,東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。法政大学文学部教育学科専任講師,助教授を経て,2003年より,キャリアデザイン学部助教授,教授(現職),学部長(2009年~2011年)。現在,教育開発支援機構FD推進センター長。 日本教育学会理事,日本キャリアデザイン学会副会長。 著書に,『若者とアイデンティティ』(法政大学出版局)『権利としてのキャリア教育』(明石書店)『若者はなぜ「就職」できなくなったのか』(日本図書センター)『「親活」の非ススメ』(徳間書店)『キャリア教育のウソ』(ちくまプリマー新書)等。 編著に,『昭和教育史事典』(東京書籍)『これが論点!就職問題』(日本図書センター)    『キャリアデザイン学への招待』(ナカニシヤ出版)『地域・労働・貧困と教育』(かもがわ出版)。 共著に,『現代教育のキーワード』(大月書店) 『ニート・フリーターと学力』(明石書店)『キャリア研究を学ぶ:25冊を読む』(泉文堂) 『よくわかる教育原理』(ミネルヴァ書房)『高校・大学から仕事へのトランジッション』(ナカニシヤ出版)等。 大学2年の時,天からの「啓示」を受けて教育学への道を志したが,現在は,教育学をベースにしたキャリアデザイン研究への転身を模索中?「50にして天命を知る」とはほど遠いけれど。