ウェブのデザインをするためには、ウェブというメディアの特性を理解して、ウェブならではの表現を追求することが必要ですが、その反面、ウェブの世界だけしか見ていないとアイディアの範囲が狭まってしまうこともあります。
人は昔から、絵を描いたり、物を作って装飾したり、建物を建造したりというように、視覚的な表現を行なってきました。 そこには、さまざまな工夫があり、表現手法の変化、スタイルの変遷があります。 比較的新しいメディアであるウェブのデザインも、俯瞰してみれば、こうした大きな流れのなかに位置づけることができます。
昨今のフラットデザインの流行といったことも、ウェブデザインのなかだけで考えるよりも、グラフィックデザインやプロダクトのデザイン、あるいは絵画なども含めた視覚的な表現の歴史の文脈を見ると理解しやすいという面もあります。
日々の仕事のなかでは、俯瞰した視点で考えることは、なかなかむずかしいですが、他のデザインの分野や、さまざまな表現の分野の歴史を知っておくことも、デザイン的なアイディアをの原泉として、またデザインのこれからを考えるうえで重要です。
この授業では、ウェブデザインとも関わりの深い、20世紀のグラフィックデザインの流れを実例を見ながら、どのように視覚的な表現がどのように構成されているのかを分析的に見ていき、また、ディスカッションを通じて、デザインを分析的に見ることのトレーニングを行ないます。
■この授業で学べること
・20世紀のグラフィックデザインの大きな流れ
・デザインを分析的に見る考え方
・タイポグラフィのさまざまな可能性