3/29(Wed)
【先生紹介】
マーケティングスペシャリスト マーク加藤先生
マーケティング及びビジネスデ・ベロップメントの専門家。主にアメリカの大企業に従事し、日本で12年、シリコンバレーで25年以上のビジネス経験あり。現在Silicon Valley-Japan Business ConsultingのCEOとして日米間のビジネスに関するコンサルティングをアメリカおよび日本企業に対し実施。
<学べるポイント>
高い技術を持っていても売れない日本のビジネスモデルを3Dテレビを例に解説。それとは対象的にシリコンバレーで行われているバリューから考えるビジネスモデルをApple社を例に解説し、成功するビジネスモデルのポイントを学べます。
<動画内容>
これは私の古いコトラーの教科書から取ったので40年前の教科書なのですが、まだまだ日本ではやられていないですね。
例えば上半分は80年代のやり方なんですね。日本が成功したのはこうした80年代の物なんですけれども、日本は先ほど言いましたみたいに、テクノロジーは世界一です。ですから、まずいい物を作ってしまうんですね。いい物を作ってから、セールスに丸投げで売ってこいという形で出すわけですね。
赤い矢印の「Make the Product」をして「Sell the Product」売ってこいとなります。これが未だに多くの企業がやっている日本のやり方なんですね。
しかし、これですともう時代に合わないですよね。今は下の時代。
バリューの時代なんですけど、まず何処にバリューがあるか選んで「Choose the Value」、バリューをプロバイド「Provide the Value」して、3つ目に「Communicate the Value」これが今流行っているやり方なんですね。
例えば、上の「Make the Product」の例でいきますと3Dテレビというのがありますが、あれは技術的に作ることが難しいんですね。ですが日本は技術力があるから作ってしまうんです。作ってしまってから売りにいきます。おそらく今、ヨドバシカメラとかコジマとかで3Dテレビって見られますかね?最近見ないですよね。
下のやり方というのは「Choose the Value」で行っています。iPodがいい例ですね。ウォークマンだとカセットですから何曲も入らないわけですね。しかも重いですから。スティーブ・ジョブズは、「小さいところに1000曲俺は欲しいんだ」と思ったわけです。それが彼の「Choose the Value」なわけです。
まず、自分が欲しいと思ったということなんです。で彼が天才なところは、「自分が欲しいんだから世界中の誰もが欲しいんだ」って誤解したところなんですよ。これが彼の天才なところなんです。そのようにまず「Choose the Value」して、今度は「Provide the Value」ですね。作るんじゃないんですよ。
そして、あの中に入っているテクノロジーというのはiPodもiPhoneもそうですが、ほとんど日本のテクノロジーなんです。日本はテクノロジーが素晴らしいんですよ。
本を読んだのですが、スティーブ・ジョブズもあちこち旅をしていますけれども、彼が訪問しているのはほとんど日本なんです。あの方は寿司が大好きなんですよ。他の国にはあまり行っていなくて、このiPodに入っているのもほとんどが日本のテクノロジーなんです。
だからよくAppleはイノベーティブな会社だとか、ハイテクの会社とか言っていますけれども、私は全然そう思わないです。あの会社はハイテクでもイノベーティブでもないです。
日本の会社なんですよ。イノベーティブでハイテクなのは。ただ残念ながら外に出てこない。iPodに入っているのはほとんど日本のテクノロジーなんですね。で彼は「Provide the Value」しただけなんですよ。日本の優秀な技術を一つにまとめた。それを供給しているだけなんです。
だから僕に言わせると誰にでもできるわけですよね。大したことやってないんですよ。だから日本人の皆さんにぜひ頑張ってもらいたいと思います。
そして、最後は「Communicate the Value」。シリコンバレー、サンフランシスコにモスコンセンターというのがありまして、そこで彼が出てきて1時間「今度こんなの出したよ」というと世界中のみんながAppleStoreの前に夜中の零時に行って、「売ってください」というのがAppleですよね。
多分みなさんの中で、Appleから「今度iPhoneを出しました。買ってください」と電話がかかってきた人はいないと思うんですよ。日本は「買ってください、買ってください」と言わなきゃ買ってもらえないというのがあるので、そういうAppleのようなビジネスをしてみたいと思いませんか?