3/28(Thu)

今日の生放送

【先生紹介】

「WEBサービスの利用規約」の正しい作り方~最低限おさえたい3つの注意点

弁護士 菅原 稔先生 

1987年宮城県生まれ。2012年弁護士登録。2013年AZX Professionals Group入所。AZXではITベンチャーを中心に、各種契約書や利用規約等のレビュー及び作成、ビジネスモデルの適法性審査などに携わる。ベンチャーの役に立つ法務・税務等の情報を配信するAZXブログの管理人。


<学べるポイント>
企業のサイトには「利用規約」がよく書かれています。なぜ「利用規約」が必要なのか、利用規約の中でも一番注意するべき項目について学びます。

「WEBサービスの利用規約」の正しい作り方~最低限おさえたい3つの注意点

<以下書き起こし全文>

【先生の回答】
利用規約を作らなければいけない、という法律はないんですね。では、なぜ皆利用規約を作っているのか。

経営者の方に聞くと、「皆が作っているから利用規約って用意しなければいけないんですよね?」と最初に言われることがすごく多いんですよね。一昔前は利用規約を作っていなかった時代もあったので、それに比べれば皆が作るようになったから作るというだけでも進歩だと思うんです。

それでもやはり、何のために作るのかが分かっていないと、結果として作るものも良いものにならないので、今回こういう質問をさせていただきました。

利用規約を作る目的として、下の3つ(資料参照)は、どれも正解だという風に思っています。ただその中で特にわたしが言いたいのは、真ん中の部分「不適切な行為やユーザーに対応しやすくするため」ということですね。もちろん、会社の権利を確保するということもすごく大事なのですが、これは皆大事だということが分かっているので、利用規約にしっかり書いてあることが多いんですね。

また「裁判の有力な証拠とする」というのも必要なのですが、ベンチャーの皆さんは中々裁判になることは多くないので、もちろん大事ではありますが、日常のオペレーション的な話をすると「不適切な行為やユーザーからのクレームに対応しやすくする」というところが利用規約では重要なところだったりします。

そういう意味で利用規約は”防具”だという言い方があります。しかしここで勘違いしてほしくないのは、防具といってもユーザーさんは敵ではなく、皆さんの仲間であったり皆さんの大事なサービスの利用者です。

ここで言う防具というのは悪質なクレーマーだったり、皆さんのサービスを荒らすような違法な利用の仕方をしている人から皆さんのサービスを守る、という意味で防具という言葉を使っています。

また一口にクレーマーと言っても、じつは熱心なユーザーさんが「こうしてほしい」とか、「これを改善してほしい」と言っているだけということがあるので、何でもかんでもクレーマーとして片付けてしまってはいけないということを一応念頭に置いていただければと思います。

また、「防具だったらとにかく沢山付ければいいんじゃないの?」ということで「これについてはうちの会社は一切責任を負いません」「一切責任を負いません」と各条文ごとに書いてある利用規約がありますが、一切責任を負いませんという書き方をしていても、「消費者契約法」という法律で全部責任を負わない、ということが無効になってしまうんですね。

なので防具だから身に付ければいい、というものではなく適切な防具を身に付けて適切な利用規約を作っていただきたいと思っています。

それが今回授業のメインテーマだったりします。


利用規約を作成する際のポイントについてはこちらをご覧下さい

弁護士が教える利用規約を作る時に準備するべき2つのポイント

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