この授業では、行動経済学という新しい経済学を学びます。
『経済学』に『行動』とついているだけですが、実は、従来とは全く異なる発想(パラダイム)の経済学です。人間は合理的に意思決定して行動する、と考える従来の経済学に対して、行動経済学では、人間は感じたまま行動するから、必ずしも合理的ではないと主張します。
■ どちらの状況で従業員は頑張るのか?
例えば、同じ給料をもらうのにも、そのもらい方で従業員の喜びは全然違います。社長さんが工場の従業員に、『仕事頑張って、生産目標を達成してね。達成してくれた暁には、月給を3割アップしますからね』と励ます場面を想像してください。
よくあるお金を対価として部下を鼓舞するやり方です。
でも、同じお金を使うのでも、『皆さんは頑張って生産目標を達成してくれると思うので、先に月給を3割増しで払いますね。でも、もし達成できなかった場合は、申し訳ないですが、返却してくださいね』と鼓舞するやり方もあります。
さあ、どちらの方が従業員は頑張るでしょうか?
答えは授業でお教えします。これはプロスペクト理論という新しい経済理論で説明できます。授業では、行動経済学をつかって、株価から異性の選択まで様々な非合理的選択を解説します。
■ この授業で学べること
プロスペクト理論について、様々な実験に触れながら学ぶ
■ どういうことを授業で取り扱うか
・行動経済学の領域で実際に行われた実験について取り上げる
・ビジネスの現場で考えられる状況を元にプロスペクト理論について説明する