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『日産vs.ゴーン 支配と暗闘の20年』著者:井上久男さん

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授業の概要

今回取り上げる書籍は『日産vs.ゴーン 支配と暗闘の20年』(井上久男著)です。

【書籍紹介】

独裁、ゴマスリ、権力闘争……
強欲と収奪の内幕を克明に描くノンフィクション!

「日産・ルノー提携」の特ダネを1999年にスクープして以来、カルロス・ゴーンを見つめてきたジャーナリストが、その栄光と墜落の軌跡、そして日産社内の権力闘争の実態をあますところなく描いた経済ノンフィクション。
倒産寸前まで追い込まれた日産にルノーから送り込まれたゴーンは、トップ就任からわずか1年半後、過去最高益を叩き出す。
だが、ゴーンには別の顔があった。寵愛する「チルドレン」で配下を固め、意見する者は容赦なく飛ばす。部下に責任を押しつけて更迭し、自分は地位にとどまった。
そして、私物化。ゴーンは私的に購入した金融商品がリーマンショックで18億円もの損失を出した際、一時的にそれを日産に付け替えた。約20億円もの報酬のうちの約半分を退任後に受け取ることにし、有価証券報告書には10億円分しか記載してこなかった。会社のカネで購入した豪華邸宅を私的に利用するなど、公私混同は枚挙に暇がない。
いったいなぜ、ゴーンは道を誤ってしまったのか?
ヒントは「歴史」にある。
日産は創業以来、ほぼ20年周期で大きな内紛を起こしてきた。そのつど、「独裁者」と呼ばれる権力者があらわれ、制御不能のモンスターと化した。その独裁者を排除するために新たな権力者を必要とし、新たな権力者がまたモンスターと化していった。
そうした構図が繰り返される背景には、日産が抱えるガバナンスの問題点、そして独裁者をのさばらせた側にも大きな責任があることが浮かび上がってくる。
企業ドキュメントとしての魅力もさることながら、人物ドラマとしても抜群に面白い。
フィクションをしのぐ驚愕の展開!

 

井上 久男

ジャーナリスト
1964年生まれ。
88年九州大学卒。
NECを経て朝日新聞社に入社。
経済部で主に自動車を中心とする製造業を取材する。
トヨタ自動車の担当を経て1998年から日産を担当、ルノーとの資本提携後のカルロス・ゴーン氏主導のリバイバルプランなど経営改革の現場を取材してきた。
04年に独立してフリーに転じた後も自動車産業をウオッチしている。
ゴーン氏への単独インタビューを何度も行っている。
現在は、自動車産業に加えて、様々な中小企業や農業なども取材するほか、シリコンバレーや深センにも出向き、文藝春秋や講談社などの各種媒体で執筆する。
主な著書は『自動車会社が消える日』(文春新書)、『メイドインジャパン驕りの代償』(NHK出版)、『会社に頼らないで一生働き続ける技術』(プレジデント社)、『トヨタ愚直なる人づくり』(ダイヤモンド社)。

こんな人にオススメ

ビジネス書の積読が慢性化している方