「なんでいまさら、古臭い古典を?」そんなふうに思われる方もいるかもしれません。でも、こんな変化の大きい先の見えない時代だからこそ、長い年月を耐えて読み継がれた古典から学べることは多いのです。
先生は、能楽師の安田登さんです。
安田さんは能楽師として活動する傍ら、日本と中国の古典に描かれた”身体性”を読み直す試みも長年継続しています。
”身体性”とは、AIの文脈で昨今よく聞かれるようになった言葉です。さまざまな定義がありますが、ここでは「機械にはない、いきもの特有の肉体由来の知恵」という意味だと思ってください。
安田さんは、「対象を観察するようにではなく、身体感覚を使い、その中に入って古典を読むことでより理解が深まり、古典を自分のものにすることができる」と言います。
安田さんと一緒に、自分の身体感覚に耳を澄ませながら、古の知恵を学びましょう。
古文や漢文の授業が苦手だった方にこそ、受けていただきたい授業です。
■先生
安田登 さん
能楽師(ワキ方下掛宝生流)。全国各地の舞台出演や海外での公演も行う。また、神話『イナンナの冥界下り(シュメール語)』でのヨーロッパ公演や、金沢21世紀美術館の委嘱依頼による『天守物語(泉鏡花)』の上演、島根の神楽を取り入れた『芸能開闢古事記』など、能・音楽・朗読を融合させた舞台を数多く創作、出演する。100分de名著『平家物語』講師・朗読。関西大学特任教授(総合情報学部)。
著書:
『野の古典』(紀伊國屋書店)
『身体感覚で『論語』を読みなおす。』(新潮社)
『能 650年続いた仕掛けとは』(新潮社)
『三流のすすめ』(ミシマ社)
『あわいの力 「心の時代」の次を生きる』(ミシマ社)
『イナンナの冥界下り』(ミシマ社)など多数。