許容力とは?高い人・低い人の特徴や身につけるポイントについて解説

許容力を高めることで部下が仕事で失敗しても感情的にならず、部下に的確に指導することができるようになります。許容力が高い人ほどマネジメント職の才能があると言えるでしょう。本記事では許容力とは何か、許容力が高い人・低い人の特徴、身につけるポイントについて解説していきます。
- 01.許容力とは?
- 02.許容力が高い人の特徴
- 03.許容力がない人の特徴
- 04.許容力を身につけるためのポイント
- 05.部下が仕事でミスした場合の対処方法
- 06.許容力を向上させるSchooのオンライン研修
- 07.まとめ
01許容力とは?
許容力とは、何らかの問題が発生したことを許して認める力のことです。許容力が高い人は部下の失敗を認めてあげることができ、感情的に怒るなどせず改善点などを適切に示すことができます。また、トラブルや障害が発生した場合も、パニックにならず落ち着いて対応することが可能です。そのため、特に管理職やマネジメント職を目指す方は許容力を身につけることが重要と言えるでしょう。失敗に対して寛容でいられるかどうかは、性格の問題であり変えようがないと思う方もいるかもしれません。しかし、許容力は考え方を変えるだけで誰でも身につけることが可能です。
02許容力が高い人の特徴
許容力が高いと人間関係が円滑になり、仕事の質も高めることができます。許容力の高い人の特徴として次の4つが挙げられます。
- 1.自分の責任を認めることができる
- 2.多様な価値観を受け入れられる
- 3.些細なことは気にしない
- 4.相手の気持ちを考えることができる
1.自分の責任を認めることができる
許容力が高い人は他人を責めることなく、自分の責任や問題点を素直に認めることができます。例えば自分の言った通りに仕事をこなさずにミスした際も、「説明の仕方に問題あったのかもしれない」と振り返ることができます。そのため、許容力が高い人の方が管理職としてのスキルが成長するスピードが早くなります。また、自分の責任を認めることで、部下からも信頼されやすくなり、さらにメンバーも着いて来てもらいやすくなるメリットもあるでしょう。
2.多様な価値観を受け入れられる
許容力の高い人は、多様な価値観を受け入れることができます。例えば部下が打ち合わせで突拍子もないことを発言したとしても、すぐには否定しません。「そういう意見もあるか」と一度受け入れて考えたうえで、もっと良い案を提案するなどします。多様な価値観を受け入れる姿勢を持つことで部下が安心して意見を発言できるようになるでしょう。また、多様な価値観を受け入れられる人は多様な人間に受け入れられる傾向が強くなります。様々な価値観を持つ部下をまとめあげなくてはいけない管理職にとって、必須の能力と言って良いでしょう。
3.些細なことは気にしない
許容力の高い人は些細なことは気にしない傾向があります。例えば、あまりにも細かな指摘をしすぎなかったり、結果を出すためにやり方を制限しすぎなかったりするなどが挙げられます。もちろん、必ず遵守しなければならないことや、育成を考慮した指摘などをおこなうことは管理職にとって重要なことです。本当に許容力がある人は状況を俯瞰的に見て、細かいことを気にすべき場面・しなくて良い場面を区別して対応することができます。
4.相手の気持ちを考えることができる
許容力のある人は相手の気持ちを考えることができます。「これを言ったら相手がどう思うか」を想像することができるため、感情的に怒ることを抑えることができます。部下の気持ちを汲み取れることは管理職にとって重要な能力です。例えば、部下が仕事に対する意欲が下がってしまっている場合、なぜ意欲が下がっているのかを見抜き、割り振るべき仕事を変更するなどの対処が可能になります。
03許容力がない人の特徴
続いて、許容力がない人の特徴について解説します。特徴は次の3つです。自分がこれらに該当している場合、意識して改善していくことが必要でしょう。
- 1.感情的に怒ってしまう
- 2.理詰めで説教してしまう
- 3.突発的な事態に慌ててしまう
1.感情的に怒ってしまう
許容力がないと感情的に怒ってしまいがちです。場合によっては机を叩くなど物に当たってしまうこともあります。部下を怒鳴りつけたり、人格を否定するような説教を行ったりしてしまう方もいます。部下とそのようなコミュニケーションを取り続けてしまうと、信頼関係が壊れてしまったり早期退職されてしまったりしてしまいます。感情的な説教はそもそも部下に響かないことが多いです。聞いている相手は早く終わって欲しいと思いながら聞いており、説教の内容から改善点を抽出するなどはしないでしょう。また、怒鳴りつけると萎縮してしまい、部下が自分で考えて行動できなくなることもあります。感情的に怒ることにはデメリットが多いと言えるでしょう。
2.理詰めで説教してしまう
感情的に怒るだけでなく、理詰めで説教するのもあまり好ましくありません。感情論を排除して論理的に正しいことを説き続けることは、相手を追い詰める原因にもなります。また、部下が萎縮してその後の発言がしづらくなったりと、関係性が悪化してしまいかねません。
3.突発的な事態に慌ててしまう
許容力のない人は突発的な事態に慌ててしまうことも多いです。急なトラブルが発生するとパニックになってしまい、つい感情的に怒鳴るなどしてしまう人はいます。普段は穏やかに振る舞えてても、緊急時にこのような態度を取ってしまうと、部下からの信頼を失ってしまいます。管理職には何があっても動じないメンタルが求められると言えるでしょう。
04許容力を身につけるためのポイント
許容力がない人は、どのように身につければ良いのでしょうか。以下で、主なポイント3つについて解説します。
- 1.自分の感情をコントロールする
- 2.相手の言い分をしっかり聞く
- 3.段取り力を身につけ突発的な事態に備える
1.自分の感情をコントロールする
許容力を身につけるためには、自分の感情をコントロールすることが重要です。部下がミスをしたときも感情的にならず、一度落ち着く必要があります。特にコントロールすべき感情は、思わぬトラブル時に出てきやすい「怒り」の感情でしょう。怒りをコントロールすることはアンガーマネジメントと呼ばれ、身につけるためのハウツーや研修プログラムも存在します。また、自分の感情をコントロールできるようになるにはマインドフルネス瞑想が効果的です。マインドフルネス瞑想によって感情を客観的に把握できるようになれば、感情的になってしまった場合もそのことを自分で自覚できて抑えることが可能です。
2.相手の言い分をしっかり聞く
許容力を身につけるには、相手の言い分をしっかり聞くことも大切です。許容力がない人の場合、部下が仕事で失敗したのかを説明した後に耳を傾けなかったり、何が問題だったのかを一緒に導き出したりしないケースが考えられます。しかし、相手の言い分は言い訳と捉えず、まずは受け入れることが大切です。そのうえで、もっと良い案を提案したり、何が問題であったのかを一緒に考える方向に話をまとめられると良いでしょう。
3.段取り力を身につけ突発的な事態に備える
緊急時につい感情的になってしまう方は、段取り力を鍛えることをおすすめします。段取り力とは、物事がスムーズに運ぶようにあらかじめ手順を整えておく力のことです。トラブルのタイプ別の対処フローを整理しておくことで、緊急時にまずは何をすべきか明確になるため、現状を把握した後に上司として部下に的確な指示を与えることができます。
05部下が仕事でミスした場合の対処方法
許容力が発揮される代表的な場面と言えば、部下が仕事でミスをしてしまったときでしょう。そこで、部下が仕事でミスした場合の対処方法4つについて解説します。以下の4つをミスの種類などに応じて使い分けることが重要です。
- 1.部下への期待や思いを伝える
- 2.改善に向けて考える場を作る
- 3.チェック体制を万全にする
- 4.指示の出し方に問題はなかったか振り返る
1.部下への期待や思いを伝える
部下を指導する際は、相手への期待や思いを伝えることが大切です。相手のミスを指摘しながらも「ここは良かった」と褒めたり、「本当はもっとできるはずだ」と期待していることを示したりすることで、部下も素直に上司の意見を受け入れることができます。
2.改善に向けて考える場を作る
改善策を与えるだけでなく、部下に自分で考えさせることも大切です。そこで改善に向けて考える場を作る必要があります。例えば1to1ミーティングを導入し、仕事の課題に対して重点的に考える時間を設けるなどが方法として挙げられます
3.チェック体制を万全にする
部下がミスをしたときは、仕事のチェック体制を見直してみることも重要です。 教育担当者などがチェックしやすい環境を作りましょう。例えば、報告書はある程度フォーマット化させたり、仕事を行った側だけでなくチェックを行った側も褒めるようにしたり、などです。
4.指示の出し方に問題はなかったか振り返る
上司として指示の出し方に問題はなかったか振り返ることは大切です。例えば、専門用語を多用しすぎていて新人にとって分かりにくくなかったか、大事な箇所は口頭でさらっと言うだけでなくドキュメントに残すようにしていたか、などです。
06許容力を向上させるSchooのオンライン研修
Schoo for Businessは、国内最大級7,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。
Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessには主に3つの特長があります。
【1】国内最大級7,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実
許容力を向上させるSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、7,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、許容力を向上させる授業を紹介いたします。
怒りをコントロールするための「アンガーマネジメント」入門
この授業では、累計100万部を突破した「怒らない技術」(フォレスト出版)シリーズの著者、嶋津良智先生をお迎えして、いまだからこそ学ぶべき「アンガーマネジメント」について深ぼっていきます。 怒りに任せた発言をしてしまい、部下の生産性を下げたり、家族から信頼を失ったりと失敗を繰り返していた自分とは決別し、周りと上手く付き合える自分へと成長しましょう。
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(社)日本リーダーズ学会代表理事 リーダーズアカデミー代表
都市計画コンサルタント会社、NPO法人理事、会社経営等を経て、株式会社クオリアを設立。 長年女性の能力開発、キャリア開発、組織活性化などのコンサルティングを実践。 1996年、米国訪問時にダイバーシティのコンセプトと出会い、以降、組織のダイバーシティ&インクルージョン推進を支援している。意識や行動変容を促進するプログラムには定評があり、アンコンシャス・バイアストレーニングや女性のリーダーシップ開発など高い評価を得ている。 2017年、世界94ヶ国1400人の女性リーダーが集うGlobal Summit of Women(GSW)東京大会の招致に関わり、実行委員を務めた。また、2019G20大阪の公式エンゲージメントグループW20運営委員会委員として政策提言に携わった。 国際ファシリテーターズ協会認定プロフェッショナルファシリテーター(CPF) Standing in the fire認定(2015年)ダイバーシティスペシャリスト。
怒りをコントロールするための「アンガーマネジメント」入門を無料視聴する
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
ダイバーシティマネジメントの考え方
この授業では、職場における多様な属性をもつメンバーの個々の力を活かしながら、組織力を高めるためのアプローチ手法、「ダイバーシティマネジメント」について学びます。 組織を束ねるマネージャーやリーダーたちが多様性について理解を深め、マネジメントをする上での留意点や効果的な関わり方を把握し、ダイバーシティマネジメントを実践できるようになることを授業のゴールとしています。
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(株)クオリア代表/プロフェッショナルファシリテーター
都市計画コンサルタント会社、NPO法人理事、会社経営等を経て、株式会社クオリアを設立。 長年女性の能力開発、キャリア開発、組織活性化などのコンサルティングを実践。 1996年、米国訪問時にダイバーシティのコンセプトと出会い、以降、組織のダイバーシティ&インクルージョン推進を支援している。意識や行動変容を促進するプログラムには定評があり、アンコンシャス・バイアストレーニングや女性のリーダーシップ開発など高い評価を得ている。 2017年、世界94ヶ国1400人の女性リーダーが集うGlobal Summit of Women(GSW)東京大会の招致に関わり、実行委員を務めた。また、2019G20大阪の公式エンゲージメントグループW20運営委員会委員として政策提言に携わった。 国際ファシリテーターズ協会認定プロフェッショナルファシリテーター(CPF) Standing in the fire認定(2015年)ダイバーシティスペシャリスト。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
07まとめ
許容力を高めることで部下を正しく育成することができます。許容力を身につけるには、まずは感情をコントロールするトレーニングを行うことが大切です。緊急時であっても、落ちついて行動できるだけのメンタルを身につけましょう。