公開日:2023/07/25
更新日:2023/10/13

目的志向とは?ビジネスで重視される理由や育成する方法を解説

目的志向とは?ビジネスで重視される理由や育成する方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

目的志向とは、達成したい目的や目標を掲げることでモチベーションを高め、目標達成を目指して自律的に行動するタイプのことです。問題を回避したいということが行動のモチベーションになるタイプと反対で、こうなりたいと思うことが大きなモチベーションとなり行動につながります。 この記事では、目的志向がなぜビジネスで重視されるのか、目的志向のメリットや目的志向の人材を育成する方法などを解説します。

 

01目的志向とは

目的志向とは、達成したい目的や目標、理想の姿を掲げることによって、それに向かおうとする気持ちが生み出され、強いモチベーションにつながる考え方を指します。 具体的にこうなりたい、こうしたいとイメージできれば、それを実現しようという強い気持ちが生まれて行動につながっていきます。

目的思考との違い

目的思考とは現在取り組んでいることについて、何の目的のためにやっているのかということを常に意識していく考え方のことです。 目的を考えずに機械的にこなしていると、無意識のうちに意図していた目的と離れていってしまうことがあります。だからこそ目的をしっかり意識することが重要です。 目的思考を高めることで改善や工夫が生まれ、生産性を高めていくことができます。

問題回避型との違い

問題回避型とは、問題発生やリスクを避けようと考えることが行動の原動力となる考え方のことです。 目的志向とはモチベーションが発生するポイントが大きく異なります。目的志向では達成の喜びがモチベーションの源となりますが、問題回避型では、トラブルになりたくないという危機回避の思いが行動を促しています。

人によって目的志向と問題回避型の割合は異なりますし、場面によっても変わってきます。 マネジメントをする際には、人間にはこうした2つの志向の違いがあるということを理解しておく必要があります。

原因思考との違い

原因思考とは、ものごとの発生の原因を突き止めようと思考することで、なぜ・どうしてと繰り返し問い続け、本質にたどり着こうとすることです。 原因思考は行動を起こすときのモチベーションにも影響し、何かをするにはマイナスの原因を取り除くためと考えてしまうことがあります。

例えば、売上アップを考える際にも、目的志向であれば、この商品を投入して売上を20%アップしよう、営業スタッフを増やし研修を実施しようと考えます。一方で原因思考では売上が上がらないのはなぜかという原因を追求し、それを潰していけば売上がアップすると考える傾向があります。

 

02目的志向型の特徴とは

目標を掲げてそこに向かっていくことがモチベーションの源となる目的志向のタイプには、以下のような特徴があります。具体的に解説していきましょう。

  • ・目標達成までコミットする力がある
  • ・ゴールまでの優先度付けが得意
  • ・目指すべきゴールや目的がないとモチベーションが下がる

目標達成までコミットする力がある

目的志向型の人は目的を達成することが大きな原動力となっており、その実現のために努力を惜しまず達成するまでコミットします。 目標を達成した瞬間の喜びを味わいたいと思う気持ちによって、多少の困難にも打ち勝ち、前に進もうとする力が湧いてくるのです。 目標達成のために、周りの人も巻き込み組織で動かすこともあります。リーダーにとっては大切な考え方だといえるでしょう。

ゴールまでの優先度付けが得意

何をやれば目標に近づくのかを常に考えているため、ゴールまでの優先度を付けるのが得意というのも目的志向の特徴です。 ゴールを迎えるために、やるべきことを洗い出し優先順位をつけて実施していくことで、効率的に達成しようとします。 目的志向では、無駄なことをなるべくやらず、一刻も早くゴールに向かおうと考えます。ゴールが見えてくるとさらにモチベーションが上がるのも大きな特徴です。

目指すべきゴールや目的がないとモチベーションが下がる

目的志向では目標を掲げてそれを実現しようと考えてモチベーションとしています。しかし逆に言うと、目指すべきゴールとなる目的がないと、モチベーションが大きく下がってしまうということです。 また、与えられた目的が自分が思うものとは違っている場合も、同様にモチベーションが下がる要因となります。 目的志向のタイプを動かすためには、上から目標を押し付けても効果がありません。自分で本当に達成したいと考える目標が必要ということです。

問題回避型との違い

目的志向型は問題回避型と比較することでその特徴がよくわかります。 例えば、新商品の開発を検討する場合に、問題回避型では、この機能はトラブルが起きる可能性があるから付けるのをやめて、安定して稼働するこちらの機能にしよう、と問題発生を避けることを優先して考えます。 これに対して目的志向では、売り上げ目標達成のためにはこの機能が必要だ、ただしトラブルが起きる可能性があるので、トラブルを解消する方法を早急に検討しよう、と考えます。 問題回避型の思考でリスクをなくすことができますが、根本的な課題解決にはなりません。目的志向であることで、困難はありますが新たな問題解決策が生まれる可能性があります。

 

03目的志向が重要な理由

組織において、目標に向けてモチベーションを高め力を発揮しようとする目的志向は重要です。その具体的な理由を下記に紹介します。

  • ・目的を達成するための力を育成するため
  • ・環境変化に適応していくため
  • ・結果や成果につなげるため

目的を達成するための力を育成するため

そもそも企業組織は、理念を掲げミッションを実現するために運営されています。そこには常に達成すべき目標があり、従業員はその目標達成のために、それぞれの業務に取組んでいます。 組織全体が目的志向となれば、自ずと組織が掲げる目標の達成のために何が必要かを考え行動します。行動を続けていくことで、実現するための力が育成されていくのです。

環境変化に適応していくため

現代は、VUCAの時代と言われ、これから何が起こるか不確実で予測不能です。しかしどんな時代の中でも、企業組織は環境に適応しながら目的を達成することが求められています。 目的志向であることで、目標達成に協力にコミットする意識が生まれ、なんとか実現しようと最大限の努力していくでしょう。 どのような環境であっても、目標に近づこうという熱意がなければ、適応し切り開いていくことはできません。

結果や成果につなげるため

ビジネスの世界ではプロセスも大切ですが、何よりも結果が求められます。従業員一人ひとりにも、結果につながる思考や行動が必要になってきます。 目的志向であることは、目標達成を常に考え行動していくことです。結果や成果を出すことにこだわるようになっていくことが期待できます。

 

04目的志向のメリット

企業組織にとって、目的志向であることは、どのようなメリットがあるかを解説します。

  • ・自主性を持った社員の育成につながる
  • ・組織やチームの生産性が高まる
  • ・自主学習や学び直しの機会にもつながる

自主性を持った社員の育成につながる

実現したい目的に対する思いが強く、達成への意識が高ければ、自らモチベーションを保ち、行動する人材となっていきます。 目標達成に必要な課題を自主的に見つけ、そこに対して粘り強く解決方法を探る取り組みを続けていけるでしょう。 上司が細かく指示しなくても適格に考えて行動する、自走できる人材となります。

組織やチームの生産性が高まる

個人の目標だけでなく、チームの目的を達成するための意識が高まり、チーム内に目的志向の考え方を醸成することができれば、目標達成も実現しやすくなります。 そして、ゴールに最短で近づく成果を出そうとするため、チームの生産性の向上も期待できます。 目的志向を持ったリーダーが育成できれば、メンバーを巻き込んでさらに成長を加速させていくでしょう。

自主学習や学び直しの機会にもつながる

目標達成するために、自分が今持っている知識やスキルでは不十分な場合もあります。そのような場面においても、目的達成のために必要な知識やスキルを自ら学び習得していこうとします。 目的志向は、進んで学習する人材育成だけでなく、チームづくりに役立つと考えられます。組織のメンバー全体が課題意識を持って学ぶようになれば、組織は自ら成長していくでしょう。

 

05目的志向の人材を育成する方法

組織内で目的志向の人材を育成するにはどうすれば良いのでしょうか。具体的な方法を3つご紹介します。

  • ・メンター制度を導入する
  • ・1on1を実施する
  • ・コーチングを取り入れる

メンター制度を導入する

メンター制度を導入し、若手従業員のモデルとなるような先輩が支援するようにします。 メンターを通じて目的志向の考えを伝え、行動の指針を示してもらいます。 現場に則した形でその場でアドバイスが受けられるため、指導を受ける従業員にもしっかり伝わり定着すると考えられます。

1on1を実施する

定期的な1on1ミーティングの機会を設けて、それぞれの従業員の目的設定や行動進捗を聴き取ります。上司から適切なフィードバックを行うことで目的志向を高めていくようにします。 注意すべき点は、上司が目標達成を強制するようにならないことです。あくまでも従業員自らが目標に対して動くように促すことが重要です。

コーチングを取り入れる

コーチングの手法を導入することも有効な手段です。目的の設定から具体的なアクションプランまで、相手に寄り添いながら思考と行動を導いていくといいでしょう。 定期的なコーチングの機会を設けて、自走できるようになるまでサポートしていきます。コーチングは指導とは異なり、自ら考えるように対話を通して思考を引き出していく必要があります。


 

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06まとめ

目的志向となることで、自ら掲げた目標に対してモチベーションを高め、実現のために粘り強く取り組むようになります。 失敗を恐れてリスク回避を優先するのではなく、実現した時に感じる喜びを目指して仕事に取り組むことで、活き活きと働く社員が増えていくでしょう。 また成果にこだわるようになり、組織としての取り組みも前向きになることが期待できます。 企業全体が成長していくために、目的志向の人材育成を御社でも検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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