公開日:2019/09/10
更新日:2024/06/19

eラーニングとは|メリット・デメリットや企業の導入事例について紹介

eラーニングとは|メリット・デメリットや企業の導入事例について紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

さまざまな学習のスタイルがある中で、近年eラーニングは学習スタイルの主流になりつつあります。従来のような講師と受講者が対面で顔を合わせて行う講座形式の研修とは違い、場所や時間などを制限されないという点は、eラーニングの魅力の一つです。 この記事では、eラーニングのメリットやデメリットを紹介するほか、企業でeラーニングを導入する際のポイントなどもご紹介します。eラーニングに関する知識が曖昧になってしまっていた方や、今後eラーニングの導入を検討されている方はぜひお役立てください。

 

01eラーニングとは

eラーニングとは、パソコン・スマートフォンなどの情報機器や、インターネットを利用して学ぶ学習形態のことです。

eラーニングの仕組みは、教材コンテンツと学習管理システム(Learning Management System)で構成されています。学習に必要な教材を提供し、その学習効果を更に高めるサポートをLMSで行なうという仕組みです。 そのため、教材コンテンツとLMSは、切っても切り離せない関係にあるのです。

▶︎参考:総務省| eラーニングを活用しよう

▶︎参考:文部科学省|用語解説

eラーニングシステム(LMS)とは

eラーニングとは

eラーニングシステムとは、eラーニングを実施する際の基盤となるシステムのことです。Learning Management Systemを略して、LMSと呼ばれています。受講者がeラーニングの教材コンテンツを利用する際にアクセスするシステムで、教材の閲覧だけではなく学習内容や進捗を管理することができます。主な機能には次のようなものがあります。

LMSの主な機能 内容
1. eラーニングを配信・受講する機能 動画などのコンテンツをアップロードしたり、受講したりすることができる。
2. 学習進捗の管理といった管理機能 受講者一人ひとりの学習進捗を確認することができる。
3. レポートの提出 研修後のレポートを提出したり、提出状況の確認やフィードバックができる。
4. 受講者と管理者のコミュニケーション機能 研修開始の連絡やリマインドを送るなどのやりとりを簡単に行うことができる。

これらのシステムを利用することで、管理者にとっては学習効果の確認と改善に役立てることが可能となります。

 

02eラーニングの歴史

eラーニングの歴史を時系列で遡ると、以下のような流れになります。

                                                               
年代 学習教材 内容
1950年代〜 CAI 反復練習用のシンプルな内容
1990年代〜 CBT CD-ROMやパソコンのハードディスクへインストールして使用
1995年頃〜 WBT インターネットを介して教材を学習者に配信する方法でリアルタイムの通信が可能

eラーニングの原型は、1950年代の米国に登場した「CAI(Computer Aided Instruction)」と呼ばれるシステムです。CAIは、コンピュータと学習者が相互にやり取りしながら、教授・学習過程を進行させ、学習者に学習を成立させていくことを目的としたシステムである。その後メインフレームを利用し教授活動を代替するシステムが検討され、1970年代頃からパーソナルコンピュータの普及に伴い、幅広く利用されるようになりました。

1990年代、パーソナルコンピュータの普及に従って、CD-ROMを利用したマルチメディア教育「CBT(Computer-Based Training)」が生まれ、インターネットの普及に伴い「WBT(Web-Based Training)」へと発展しました。LMSの発展もWBTと同時に進んでいきました。

eラーニングの今後

eラーニングはAIの技術を活用して、今後さらに発展していくでしょう。AIを用いることで学習者の進捗や傾向を分析し、パーソナライズされた学習経験を提供することができるようになります。

また、VR(仮想現実)の技術革新もeラーニングの発展に大きく影響するでしょう。ゴーグルをつけることで、リアルに近い受講感覚を得ることができ、eラーニングによる体験向上が期待されます。

 

03eラーニングのメリット・デメリット

この章では、eラーニングのメリット・デメリットを企業側と受講者側の視点から紹介します。

eラーニングのメリット

まず、企業側にとってのメリットについては以下の通りです。

メリット 内容
・平等な学習機会の提供 ・どこにいても同じ内容の研修が受けられるため、テレワークや時差出勤など、集合研修では対応が難しかった様々な働き方の社員に対応が可能。
・研修管理業務の負担軽減 ・教材配布、受講者への連絡、受講状況といった業務の負担を減らすことができる
・ 学習進捗をオンライン上で一元管理できるため、管理義務の工数を減らし、効率化を図ることが可能
・教材の更新が簡単にできる ・コンテンツ内容に変更があったときの差し替えや最新のものへアップデートなど、素早く対応可能

次に受講者側にとってのメリットについては以下の通りです。

メリット 内容
・時間や場所に縛りがない ・時間や場所にかかわらずいつでもどこでも学習可能
・自分のペースで学習を進められる ・受講前の条件や理解度など自分のペースで自由に学習を進めることが可能
・反復学習ができる ・同じコンテンツを繰り返し利用可能
・間違えた箇所を重点的に理解できるまで繰り返すことで、効率よく学習できる

eラーニングのデメリット

また、メリットだけでなく、当然デメリットもあります。企業側にとってのデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

デメリット 内容
・受講者のモチベーション維持が難しい ・学習の進め方が受講者のモチベーションに左右される
・インターネット環境の確保が必要 ・受講者側のインターネット環境が不十分な場合、動画コンテンツを視聴することができない

続いて、受講者側のデメリットについても見ていきましょう。

デメリット 内容
・講師や受講者同士の交流が図れない ・一方的な受講となるため講師や受講者同士の交流によって、相互理解を深めることが難しい
・ 実技をともなう研修には適していない ・個人がもつクセや特性を修正する必要があるため口伝えでは難しい
 

04eラーニングの実施に必要なもの

eラーニングを実施するためには、学習管理システム(LMS)・教材・学習環境の3つを準備する必要があります。この章では、それぞれどのような準備が必要なのかを解説します。

1. 学習管理システム(LMS)

LMS(学習管理システム)とは、eラーニングを実施するためのプラットフォームのことを指し、eラーニングシステムなどと呼ばれることもあります。このLMSの主な機能として以下2つが挙げられます。

  • ・受講者と使用教材についての情報管理
  • ・受講者の受講状況や学習の成果の管理

1つ目の「受講者と使用教材についての情報管理」とは、受講者の登録や編集を行ったり、使用する教材の更新やあらゆる設定を行うための機能です。これにより、受講者の情報を一元的に管理できるだけでなく、受講目的や学習状況に応じて使う教材を調整することもできます。また、教材のアップデートや登録も簡単に行えるため、受講者に最新の学習環境を提供しやすくなります。

2つ目の「受講者の受講状況や学習の成果の管理」は、受講者の学習の進捗状況や成績を把握できる機能です。受講者一人ひとりが今現在どのあたりまで学習を進めているのかといった学習状況を管理者側が把握することができます。また、テストの成績や合否なども同時に知ることができるため、今後の学習方針を成績を反映したものに更新するなど、受講者にとってより有効な学習のために活かすことができるのです。

LMSを導入することで管理者側はあらゆる情報を統一的に管理できるだけでなく、得た情報を活用して受講者の学習をより充実させることが可能になるのです。また、LMSを使えばプログラム等を作成して情報を管理する必要がないため、その分のコストを大幅に削減できるのも大きなメリットと言えます。

【関連記事】LMSとは?メリットやデメリット、導入事例をご紹介

2.教材

eラーニングを実施する上で、教材は受講者の満足度や成長度を左右する重要な要素です。教材コンテンツは大きく分けて次の4種類です。

  • 1:写真と文章で構成されたPowerPointの教材
  • 2:講義を動画に収録した教材
  • 3:学習の成果を図るためのテスト・問題集
  • 4:リアルタイムでの配信授業

知識と実践的なスキルをインプットしたい場合は2つの形式を組み合わせるなど、目的に応じて選ぶ必要があります。教材の作成は普通オーサリングツールという編集ソフトウェアを用いますが、近年はLMSに教材作成機能が付いていることもあります。

教材の手配の方法

自社作成、外部のものを利用、外部に制作依頼など eラーニングの実施に必要な教材の手配方法は主に次の3つがあります。

  • 既製品を購入する
  • 教材を自社で作成する
  • 外部に作成を依頼する

既製品を購入する場合は会社独自の内容は盛り込めませんが、一定のクオリティを保証できます。ビジネスマナーやPCの使い方など基礎を学ぶ場合、十分な網羅性があります。 教材を自社で作成する場合には教材作成ツールを用いて自社独自の内容を入れて作成しましょう。 外部に作成を依頼する場合は、eラーニングの提供会社に作成を依頼します。コストはかかりますが、簡単に教材を手配することができます。

3.学習環境の整備

eラーニングは好きな場所や時間で学べる一方、モチベーションの維持が難しいという難点があります。そのため、受講者のモチベーションを保つ工夫が重要です。

コミュニティ・ラーニングはeラーニングのモチベーション維持を目的に、先進的な企業で取り組みが加速しています。企業内大学や勉強会といったような立て付けで、複数人で学習を進めようという取り組みです。1人だと学び始めない。学び続けられないという課題に対して、コミュニティーのアプローチで解決しようとしています。

 

05eラーニングと集合研修を比較

eラーニングと集合研修を各項目で比較した表が以下です。

項目 eラーニング 集合研修
1. 内容 ・均質な学びを提供することができる。
・繰り返し受講して理解を深められる。
・受講者によって理解度がバラバラになる
・基本的には一度しか受講できない
2. 時間 ・時間の制限がない ・決まった日時に受講する必要がある
3. 場所 ・インターネット環境さえあれば、どこでも受講可能 ・決められた会場に集まる必要がある
4. 管理者 ・受講状況を管理することができる。
・ある程度のIT知識が必要
・受講状況を管理することができる。
5. コスト ・講座代(買い切りタイプ)
・ID費用(定額制タイプ)
・初期費用
・講師への報酬
・講師の交通費
・会場費
6. 受講者 ・モチベーションの維持が必要 ・モチベーションを維持しやすい

さらにここでは、集合研修とeラーニングの現状や、それぞれ向いている研修内容について解説します。

集合研修からeラーニングへの移行が進んでいる

eラーニングはこれまでにも存在していましたが、「働き方改革関連法」が施行されたことによって、これまで以上に注目されています。

これまで日本国内では当たり前のように習慣化されてきた長時間労働も見直されるようになり、残業時間の抑制も行われるようになりました。効率的というだけでなく、場所や時間に対する制約の少ないという利点から、eラーニングを導入する企業が増えているのです。

▶︎参考:厚生労働省資料:働き方改革~ 一億総活躍社会の実現に向けて ~

テレワークで研修に参加できる体制が求められている

eラーニングは場所や時間に対する制約がありません。スマートフォンやタブレット端末が普及し、一人一台所有するのが当たり前になっている現代においては、職場から離れた場所で研修を受けることが可能です。

子育て世帯においては待機児童問題なども重なり、産休育休期間を終え職場に復帰したくてもできない人がいます。また、家族介護など通勤できないため就労を諦めるという人たちも今後さらに増加していくことも考えられます。こうした社会的な背景を考慮すると、集合研修のみにこだわらず、オンライン対応できる研修が求められていることがわかります。

集合研修・eラーニングがそれぞれ向いている研修内容

集合研修とeラーニングはそれぞれの良し悪しが異なるため、向いている研修も異なります。ここではそれぞれどのような研修が向いているのかを解説します。

集合研修が向いている研修内容

グループワークやロールプレイング形式のようなコミュニケーションをとる内容は集合研修が向いています。昨今ではオンラインでこういった研修を行う企業は少なくありませんが、受講者同士でのコミュニケーションをとることが難しいため、向き不向きという点では集合研修がおすすめと言えます。

eラーニングが向いている研修内容

ビジネスマナーやコンプライアンスといった知識系のインプットに関する研修はeラーニングでの実施がおすすめです。業務手順の解説などもオンラインに向いています。一度の説明では忘れてしまう内容も、eラーニングであれば繰り返し視聴することができるため、内容の理解が深まります。

 

06eラーニングの導入事例

では実際にeラーニングを活用して、効果的に研修を行なっている企業はどういうことをやっているのでしょうか。ここではSchoo for Businessを導入いただいている3社の企業事例を紹介しています。

コニカミノルタジャパン株式会社

コニカミノルタジャパン株式会社は、職場での変革推進について社内でヒアリングを行った結果、「研修を受けても実践をイメージしにくく、その場限りの学習になっている」「業務に必要なスキルを学ぶ機会が少ない」という課題がありました。そこでSchoo for Businessを導入し、研修を受ける前の事前学習と、研修後に自分が学びたいことや課題感から授業を選び、主体的に学習する習慣化づくりを推進しています。

【関連記事】スクーによる「知識習得」と研修による「意識改革」のセットで職場での行動変容を促進

株式会社USEN-NEXT HOLDINGS

通信・エネルギー事業、店舗・施設支援事業、コンテンツ配信事業など多岐に渡るビジネスを展開している株式会社USEN-NEXT HOLDINGSでは、学ぶ習慣をつけてもらうことを目的に、Schoo for Businessを導入しました。「オンライン×自律的×多様な成長機会」をテーマに、入社1年目は自由学習と必修学習の両軸でカリキュラムを設定し、学ぶ習慣をつけてもら研修を実施し、2年目以降は自律性をより重視し、受講者が自ら学習カリキュラムを決めたて学ぶことで自律学習の習慣づけを行なっています。

【関連記事】若手社員がスクーで自律的に学び、キャリアの可能性を自ら広げる

SOMPOコミュニケーションズ株式会社

SOMPOグループ唯一のコンタクトセンター運営会社であり、お客さまからの事故連絡の受付業務や保険設計相談、システムヘルプまで幅広く対応しているSOMPOコミュニケーションズ株式会社では、新入社員同士の横のつながりを強めてもらう機会を提供するために、Schoo for Businessを活用した新人研修を実施しています。研修の受講だけでなく、グループワーク・チーム発表の形式を採り入れたことで、新入社員同士の関係構築の促進に繋がりました。

【関連記事】新入社員育成にSchooを活用。グループワークを通じた研修で相互理解とコミュニケーションスキルの向上を実感

 

07Schoo for Businessの紹介

Schoo for Business

オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約8,500本の講座を用意しており、様々な種類の研修に対応しています。階層別研修からDX研修、部署別の研修まで幅広いコンテンツで全てを支援できるのが強みです。

受講形式 オンライン
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アーカイブ本数 8,500本
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大企業から中小企業まで幅広く導入

Schoo導入企業ロゴ

Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで幅広く導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、階層別研修やDX研修としての利用もあれば、自律学習としての利用もあり、キャリア開発の目的で導入いただくこともあります。

導入事例も掲載しているので、ご興味のあるものがあれば一読いただけますと幸いです。以下から資料請求いただくことで導入事例集もプレゼントしております。そちらも併せて参考にいただけますと幸いです。

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08まとめ

eラーニングはインターネットを利用した学習スタイルのことであり、近年はマルチデバイス対応のeラーニングが普及しています。eラーニングのメリットは、学習の場所や時間を限定されずに学習でき、提供側は、受講者の進捗管理や情報修正がスムーズに行えることです。一方で、デメリットは受講者のモチベーションが維持できなかったり、実技を伴う研修には適していなかったりする点にあります。

また、業務の中で指導できなかったところを補完したり、必要な知識やスキルを集中的に学ばせたりするには、OFF-JTを積極的に取り入れる必要があります。OFF-JTを実施する際、eラーニングであれば、大勢の社員を一度に集合させる必要がなく、各々の都合に合わせて受講させることができるので、近年再注目されている研修手法と言えるでしょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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