公開日:2021/09/09
更新日:2023/11/26

リベラルアーツとは?高まる必要性や効用・習得方法を解説

リベラルアーツとは?高まる必要性や効用・習得方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

リベラルアーツとは知識ではなくスキルを学ぶ学問であり、人を自由にする技といわれています。本記事ではリベラルアーツが注目される背景やメリット、習得する方法について紹介します。リベラルアーツの導入を考えている人は、ぜひ本記事を参考にしてください。

 

01リベラルアーツとは?

リベラルアーツとは、「こうあるべき」という固定概念を廃して、現代人が自由に生きていくための手段を学ぶ学問と言われています。ギリシャ・ローマ時代を起源にもつ言葉であるリベラルアーツですが、知識を習得する学問と異なり、スキルを習得することがメインとされています。ここではリベラルアーツの起源や現代社会で求められている「リベラルアーツ」について解説していきます。

リベラルアーツの起源

リベラルアーツとは、日本語では「人文科学」と訳されますが、起源はギリシャ・ローマ時代の「自由7科」と言われています。自由7科とは、文法・修辞・弁証・算術・幾何・天文・音楽を指し、ギリシャ・ローマ時代に自由人として生きるための学問とされていました。中世の大学では、基本的な学問として、「人文学部」で学ぶべき学問とされていましたが、近代以降は主に中等教育で扱われるようになり、20世紀中頃からは一般教育とされています。

現代社会で必要なリベラルアーツとは

現代では、多様な価値観を選択していくスキルを習得する学問であり、例えば企業であれば、伝統に縛られ、年功序列で役職に就く制度となっている場合、若い人は能力があっても重要なポストにつくことができません。リベラルアーツは、この固定概念のような世の中の思考や思想による不自由さを取り払い、自由な思考を行うことができるようにする知識といえます。一般教養の違いとして、一般教養とは、専門的知識や職業的技能ではなく、社会人として働いていくための必要最低限持つべき知識を指します。 一方、リベラルアーツは、教養という知識をスキル化することが目的であり、明確な答えがない問いに対して対処します。 専門学科としてリベラルアーツを習得できるため、この点でも一般教養とは違いがあります。


 

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02リベラルアーツの必要性が高まっている背景

ここからは、リベラルアーツの必要性が高まっている背景について考えます。グローバル社会に対応するためや、固定観念にとらわれない考え方が求められているなど、いくつかの理由が挙げられます。以下で詳しく解説します。

急速に変化するグローバル社会に対応するため

1つ目は急速に変化するグローバル社会に対応するためです。今では海外進出や外国人との交流機会の増加などグローバル化が進んでおり、各国の文化や価値観を受け入れる必要があります。単に語学力があるだけでは意味がありません。相手に的確に物事を伝えるための論理的思考力や短時間で説得力を持って伝えるためのプレゼンテーションスキル、相手の話を傾聴するスキルなど、グローバル社会に対応するためにはこうした「コミュニケーション力」が求められます。

このような一般的なビジネススキルを保持することはグローバル社会で活躍する上で必要不可欠ですが、これらに加えて、求められるのがリベラルアーツです。背景として、グローバル社会では多様性が求められます。多様性を実現するためには、多様性が生まれる理由(なぜ人と自分は違うのか)を知る必要があるからです。

例えば、新興国で市場開拓を行う際、その国の宗教や価値観などを理解していないと、仕事に支障がでるおそれがあります。例えば、中東の国であればイスラム教の教えから豚肉を食べない、お祈りをする時間があるなど、さまざまな規律が生活の一部となっています。そのため、日本の文化や固定観念で、食事をしたり仕事をしたりしていては、相手に失礼な対応となり、悪いイメージを持たれることがあります。このように他国の文化や価値観を理解するためにもリベラルアーツの必要性が高まっているといえます。

固定観念にとらわれない新しいものの見方が必要とされている

2つ目は、固定観念にとらわれない新しい考え方が必要とされているためです。企業は、成長をし、知名度を高め、社会的地位の向上を目指す必要があります。企業が成功するためには新しい考え方を取り入れることは不可欠であり、ときには固定観念を取り払う必要があります。

リベラルアーツはこれまでビジネスにおいて軽視される傾向にありました。それは単にリベラルアーツを「学問の1つ」として学ぶことを求められてきたからです。しかし、Facebookを創業したマーク・ザッカーバーグは高校時代にリベラルアーツを学習し、ハーバード大学では心理学を専攻していました。多くの人が「マーク・ザッカーバーグは技術者」というイメージを持ちますが、リベラルアーツをはじめ様々な学問の素養があります。だからこそ、Facebookというイノベーティブな製品を世に輩出する事ができたと言えます。

このように 企業が成長していくためには、固定観念を取り除いた、新たな発想やインパクトを与えられる人材が必要とされています。そして、企業側もそうした新しい考えを取り入れる柔軟さが求められています。また、昨今の経営は複雑化してきていて、合理性だけでなく、状況に応じて適切な判断を行える人材が重要視されています。

例えば、自分の商品を販売するときに、どのような宣伝を行うのか、どの企業と取引を行うのか、どのように付加価値を与えることができるのかなど、さまざまな分野についての知見を求められます。その際に固定観念に捉われた方法のみで商品販売を行っていては、アピール不足で見向きもされない可能性があり、問題に直面した際は対処できなくなります。多面的な判断ができると、問題に対して冷静に対処でき、利益の貢献をしてくれるはずです。固定観念にとらわれた判断よりも、柔軟な判断が行える人は、企業にとって貴重な人材といえます。

テクノロジーを使いこなす力が必要とされているため

3つ目はテクノロジーを使いこなす力が必要とされているためです。昨今ではAIの発達によりさまざまな仕事がAIに取って代わると言われています。ですが、AIを活用する我々人間が正しく価値判断できるようにならないと、AIの能力が高くても致命的な問題回避ができません。正しい価値判断をするためには、基礎的な物事を判断できる能力や知識、つまりリベラルアーツが求められます。リベラルアーツを学んだ人は多様な観点でものを考える事ができると言われているからです。

 

03リベラルアーツで得られるメリット

リベラルアーツを学ぶことによるメリットには、何があるのでしょうか。固定観念にとらわれなくなると、考え方が深まったり、揺るぎない思考の軸ができ信頼を築けたり、論理的思考ができるといったメリットの内容を詳しくみていきます。

固定観念にとらわれなくなる

リベラルアーツを習得できると、固定観念にとらわれなくなります。リベラルアーツは、理想を具現化することを目指すため、何かを考える際に固定観念に捉われることはありません。 固定観念にとらわれた状態は、物の見方が狭く、判断や決断も画期的なものにはなりません。例えば、学歴を重視する固定観念があると、相手のスキルや経験は考慮しないため、本当に必要な人材を確保できなくなるおそれがあります。 また、固定観念が強すぎる場合、自分の判断の障害となってしまうことがあります。自分の考えに疑問を持ち、違う価値観を受け入れるリベラルアーツは、適切な判断を行える助けになると考えられます。

揺るぎない思考の軸ができ信頼を築ける

リベラルアーツは、ゆるぎない思考の軸ができ、信頼を築くことができます。リベラルアーツは、そのままの概念を受け止めるのではなく、論理的に考えて解決する力を鍛えるからです。 固定観念に捉われている人は、考えること自体が少ないため、ある議題に対して質問された際、論理的に説明する事ができません。例えば、取引先から「クジラ漁についてどう思いますか?」と質問された際、クジラ漁についての知識を持っていても、論理的にクジラ漁の良し悪しを思考しているわけではないため、説明することができません。 質問に対して説明や、自分の意見を言えないままでは、相手から信頼を得ることは難しいといえます。リベラルアーツで論理的思考を鍛えると、どのような物事にも論理的に答える型が身につき、自分の意見を述べられます。意見を述べられる人は相手から信頼を勝ち得やすく、ビジネスでは大きな利点となります。

質の高い課題解決をすることができる

リベラルアーツは、みずから課題を創造し論理的思考力を鍛えることができます。課題があると、目的を持ち、新たな発想や考え方を生み出し、自分を成長させてくれます。 課題は、いつでも自分の目の前にあるわけではないため、みずから見つけることが必要です。課題を見つけるために、さまざまな学問や文献に触れ、その内容について考えることで論理的思考力を鍛えられ、見方を広げて判断できるようになります。

新しい価値を創造できる

リベラルアーツは、新しい価値を創造する力を育みます。例えば、スティーブ・ジョブスは、新しい価値を生み出す際、マーケットリサーチに頼りませんでした。新しい価値を生み出す際に、できてもいないことを人に聞いても意味がないと考えたためです。 すべてを自分の能力に頼ったわけではなく、さまざまな意見や物事からヒントを得て、iPhoneなどの新しい価値を生み出すことに成功しました。リベラルアーツは、このような新しい価値を作り出す際に、必要となる考えであるため、ビジネスに大きく役立つといえます。

 

04リベラルアーツを習得する方法とは

次に、どのようにリベラルアーツを習得すべきか、その方法について理解しておくことも重要です。あらかじめ理解しておくことで、ビジネスシーンで効果的な活用ができます。以下で、詳しい方法について解説します。

自分の関心を持てる分野に特化した題材を選ぶ

リベラルアーツは、歴史や経済学が仕事の役に立つといわれていますが、自分が関心のある分野に特化した題材を選ぶことをおすすめします。自分の関心を持てる分野であれば、学習意欲もわき、継続して情報と知識の吸収を行っていけます。

仮説・検証の反復で多様なものの見方を身につける

仮説と検証を反復して、多様なものの見方を身につけることも重要です。その結果、物事をいろいろな角度から見られるようになります。物事の角度を見られる範囲が広がれば、多様性も増えるため、どのような小さな内容であっても、仮説と検証の反復をするようにしてください。

仕事と他の分野との共通点・類似点を探索する

仕事と他の分野の共通点や類似点を探索すると、観察力の向上や多様性をみにつけられます。そうすることで、ビジネス上のヒントを得るきっかけをつかめたり、新たな創造ができたりする可能性があります。自分の趣味や活動においても、ビジネスとの類似点や共通点を探し、新しい価値を生み出すヒントの範囲を広げるようにしてください。

論理的思考の鍛錬を行う

論理的思考の鍛錬を行うことも重要です。論理的な思考は、ビジネスの疑問や問題改善の際に役立ちます。論理的思考を鍛錬するためには、哲学書や歴史書を読んで、なぜこのような思想や結果になったのかを論理的に考えるようにしてください。 また、さまざまな人とのコミュニケーションやAIなどの新しい技術を学習することも、論理的な思考を鍛えるための教材になります。積極的に最新技術などのニュースを取り入れるようにしてください。

▼リベラルアーツについて詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】リベラルアーツ(教養・学問)の全授業

 

05リベラルアーツを学べるSchoo for Business

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06まとめ

リベラルアーツは、論理的思考とあわせることで、まったく新しい価値を生み出す力になるなど、ビジネスシーンにおいて重要な要素があるといえます。専門的知識と併せて、教養的な知識を強化してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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