更新日:2025/06/23

リベラルアーツとは?高まる必要性や効用・習得方法を解説

リベラルアーツとは?高まる必要性や効用・習得方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

リベラルアーツとは、思考力や判断力を鍛える汎用的なスキルであり、変化の時代に求められる教養です。本記事では、注目される背景や必要性、具体的な学び方についてわかりやすく解説します。

 

01リベラルアーツとは

“リベラルアーツとは”

「リベラルアーツ」は、直訳すると「自由技芸」や「自由に生きるための技術」を意味し、古代ギリシャに起源を持つ概念です。日本語では「教養」と訳されることもありますが、その本質は知識の量ではなく、学び続ける姿勢にあります。

Schooの講座『イェール大学の元助教授が教えるリベラルアーツの学び方』では、リベラルアーツを「一生学び続けるための作法や態度」と再定義しています。

現代では、正解のない問いに向き合い、自らの知識を更新しながら柔軟に対応できる力が求められています。リベラルアーツは、まさにそのための思考法や態度を育てる教育といえるでしょう。

各大学におけるリベラルアーツの定義

ここでは、国内の主要な大学が定義するリベラルアーツの方針を紹介します。それぞれの大学が共通して掲げているのは、専門分野にとどまらず、複数の視点や学問領域を横断しながら、自ら考え、行動する力を養うという目的です。

桜美林大学

桜美林大学では、専門を一つに限定せず、複数の領域を学びながら融合させていく力を重視しています。これは、現代社会の複雑な課題に多角的な視点でアプローチする「総合力」を育てるためのものです。リベラルアーツは、多様な知識を横断的に結び付け、現実の問題に柔軟に立ち向かうための素地として捉えられています。

▶︎参考:桜美林大学|リベラルアーツとは

国際基督教大学(ICU)

ICUでは、「いかに生きるか」を自らに問い続けることが、リベラルアーツ教育の出発点とされています。そのうえで、必要な知識や思考方法を主体的に学び取ることが重要だとされています。単に知識を得るのではなく、未知の課題にも向き合える力を育む教育として位置付けられています。

▶︎参考:国際基督教大学|リベラルアーツ教育

立教大学

立教大学は、専門分野という確かな軸を持ちつつ、広い視野と柔軟な思考を育てることを重視しています。多様な学問分野に触れることで、多面的に物事を捉えられる力を培い、複雑な社会課題に対応できるリーダーシップや課題解決力を身につけることを目指しています。

▶︎参考:立教大学|リベラルアーツの考え方

リベラルアーツの起源

リベラルアーツの起源は、古代ギリシャ・ローマ時代にさかのぼります。中世ヨーロッパでは「自由七科(septem artes liberales)」と呼ばれ、文法・修辞・論理・算術・幾何・音楽・天文学の7つの学問分野で構成されていました。

“リベラルアーツの起源”

この図は12世紀に作成された『Hortus deliciarum』の写本に描かれたもので、中心に座る「哲学」の女神を頂点とし、周囲に自由七科が配置されています。学問はすべて哲学を軸として成り立っており、知の体系そのものが視覚的に表現された貴重な資料です。


 

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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
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02リベラルアーツの必要性が高まっている背景

Schooの講座『イェール大学の元助教授が教えるリベラルアーツの学び方』では、リベラルアーツの必要性が高まっている背景として、以下の2点を紹介しています。

  • 1:生涯学び続ける能力と変化への適応
  • 2:現代社会で幸せに生きるため

テクノロジーの進化や社会環境の変化により、リベラルアーツの必要性が高まっています。変化に柔軟に適応し続ける力や、真実を見極めて自分らしく生きる力が重視されるなかで、リベラルアーツはその両方を支える基盤として注目されているのです。

1:生涯学び続ける能力と変化への適応

技術革新や価値観の多様化が進む現代社会では、従来の知識やスキルが急速に陳腐化する場面が増えています。その中で求められるのは、自らの知識や思考を柔軟に見直し、継続的に学び直す力です。リベラルアーツは、このような変化への対応力を育てる教育として注目されています。職業教育が短期的な即戦力を重視するのに対し、リベラルアーツは「生涯学び続ける姿勢」を育み、長期的な成長や環境適応力につながります。

2:現代社会で幸せに生きるため

多様な選択肢や情報があふれる現代では、何が正しいかを判断する力や、自分らしく生きるための価値観の形成がますます重要になっています。リベラルアーツは、真実を見極める力や、多面的な視点で物事をとらえる思考力を養うことで、精神的な充実や人間関係の構築にも寄与します。経済的な成果だけでなく、「幸せに生きる」ための基盤として、自己理解や他者理解を深めるリベラルアーツの価値は高まり続けています。

 

03リベラルアーツで得られるメリット

Schooの講座『イェール大学の元助教授が教えるリベラルアーツの学び方』では、リベラルアーツを学ぶことで得られる具体的なメリットとして、以下の4点が挙げられています。

  • 1:自律した個人としての判断力と思考力の養成
  • 2:価値判断の軸(真善美)の醸成
  • 3:批判的思考力と外部情報参照の能力向上
  • 4:コミュニケーション能力と多様な視点の獲得

リベラルアーツは単なる知識の習得にとどまらず、自分の頭で考え、他者と対話しながら社会の中で自律的に生きる力を育みます。現代の複雑な社会において求められるのは、正解のない問いに対して多角的に考え、判断し、他者と共に価値を創造していく力です。以下では、その力がどのように形成されるのかを4つの観点から紹介します。

1:自律した個人としての判断力と思考力の養成

リベラルアーツは、自ら考え、他者と意見を交わしながら判断する力を養う教育です。変化が激しく多様な価値観が共存する現代社会では、誰かの意見に従うのではなく、自分の頭で考えて意思決定する姿勢が求められます。良い教育とは、知識を与えるだけでなく、一人の自立した個人として、自分の価値観や言葉で相手と対話し、間違いがあれば柔軟に修正できるような思考力を育てるものです。

2:価値判断の軸(真善美)の醸成

リベラルアーツでは、古代ギリシャから続く「真・善・美」の価値観が重視されます。「真」は何が本当かを見極める力であり、情報社会においてはデータや事実を分析する力として重要です。「善」は他者との関わりや社会的倫理に関わる判断軸であり、「美」は人間の感性やデザインの本質に関わる視点です。これらを学ぶことで、多様な社会の中でも自分なりの価値判断ができる土台が育まれます。

3:批判的思考力と外部情報参照の能力向上

現代における教養には、ただ知識を吸収するだけでなく、情報の正しさや妥当性を吟味する力が求められます。リベラルアーツ教育は、与えられた文章や意見を鵜呑みにするのではなく、外部情報をもとに自ら検証し、問いを立てる思考態度を重視します。ビジネスや研究でも求められるこの姿勢は、情報があふれる時代において、物事を主体的に判断する力の基礎となります。

4:コミュニケーション能力と多様な視点の獲得

リベラルアーツの学びは、他者との対話を通じて多様な視点を得ることにもつながります。異なる意見を持つ相手に共感し、時に距離を取りながらも想像力を働かせる力が、知性あるコミュニケーションを支えます。また、自分の意見を育てたうえで、相手の立場も理解する「ポジション・テイキング」の訓練により、対話的な学びと人間関係の構築力が磨かれていきます。

 

04現代版リベラルアーツの学び方

Schooの講座『イェール大学の元助教授が教えるリベラルアーツの学び方』では、現代において求められるリベラルアーツの学び方や姿勢について、以下の7つの観点で紹介されています。

  • 1:知識を得るための手法を学ぶ
  • 2:検証の手法(裏取り)を学ぶ
  • 3:文章を批判的に読み、外部情報を参照しながら学ぶ
  • 4:常に意見交換をしながら自分の誤りに気づき、軌道修正していく
  • 5:真善美を養い、自分の価値観を言語化・説明する
  • 6:他者の経験に共感し、多様な視点を持つ
  • 7:好奇心を失わず、謙虚な態度を持つ

リベラルアーツの学びは、単に知識を広く浅く身につける一般教養とは異なります。現代のリベラルアーツは、自ら問いを立て、裏付けを取りながら考えを深め、他者と対話しながら視野を広げていくプロセス型の学びです。ここでは、上記7点の観点から、現代的なリベラルアーツの学び方を紹介します。

1:知識を得るための手法を学ぶ

現代のリベラルアーツは、知識そのものを覚えるのではなく、「知識の得方」そのものを学ぶ教育です。日本の一般教養では情報の受け取りに重点が置かれがちですが、リベラルアーツは情報源に遡って知識を掘り下げる、いわば「井戸を掘る」方法を重視します。つまり、知識の背景や獲得プロセスを理解し、自らの問いを立てて学ぶことが求められるのです。

2:検証の手法(裏取り)を学ぶ

現代の学びでは、得られた情報を鵜呑みにせず、どのように確かめるかという「検証の技術」が重要です。リベラルアーツでは、歴史や社会のテーマを深く掘り下げ、背後にある構造や文脈を議論しながら理解します。これは、知識を多角的に検討し、仮説をもって確かめていく思考スタイルを身につけることに繋がります。

3:文章を批判的に読み、外部情報を参照しながら学ぶ

文章を読む際、書かれている内容をそのまま信じるのではなく、情報の正確性や意図を疑いながら読み解く姿勢が求められます。リベラルアーツでは、外部の専門家の意見やデータと照らし合わせながら、文章の妥当性を検証することが前提とされます。このように、常に複数の視点を持ちながら読み進める力を養います。

4:常に意見交換をしながら自分の誤りに気づき、軌道修正していく

独学は視野が狭くなりがちなため、他者との対話を通じて自分の認識や考えの誤りに気づくことが重要です。リベラルアーツの学びでは、意見を交わしながら柔軟に立場を見直し、修正していく力を育みます。これは、一方的に教えられるのではなく、自らの思考を鍛え合う協働的な学びを意味します。

5:真善美を養い、自分の価値観を言語化・説明する

物事を判断するうえで「真・善・美」という3つの軸が有効です。真は事実に基づく判断力、美は人に伝わるデザインや表現、善は倫理や共生といった価値観です。これらの軸を意識することで、価値の多様な社会において、自分の判断や行動の根拠を他者に伝え、理解される力が養われます。

6:他者の経験に共感し、多様な視点を持つ

リベラルアーツでは、他者の立場や経験を想像し、共感する力も重視されます。共感とは感情をなぞるだけでなく、距離を取りながら理解しようとする姿勢です。さらに、異なる意見に対して仮説的に考える「ポジション・テイキング」の訓練を通じて、多面的に世界を捉える視野が育ちます。

7:好奇心を失わず、謙虚な態度を持つ

変化が速く、情報も多様化する現代では、知識を固定化せずに柔軟に学び続ける姿勢が求められます。リベラルアーツは、そのための土台となる好奇心や、他者や未知のものに対して謙虚であることを重視します。「学びは一生続くもの」という前提に立ち、自分をアップデートし続ける態度が必要とされているのです。

 

05リベラルアーツを学べるSchoo for Business

Schoo for Business

オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、社員研修から自律学習まで幅広い目的で導入いただいております。また、講座も汎用的なビジネススキルから職種に特化した専門スキル、心理学や社会課題まで幅広く、リベラルアーツを学ぶことのできるツールとしても活用できます。

受講形式 オンライン
(アーカイブ型)
アーカイブ本数 9,000本
※2023年5月時点
研修管理機能 あり
※詳細はお問い合わせください
費用 1ID/1,650円
※ID数によりボリュームディスカウントあり
契約形態 年間契約のみ
※ご契約は20IDからとなっております
 

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リベラルアーツに関するコンテンツ一覧

講座 時間
イェール大学の元助教授が教えるリベラルアーツの学び方 40分
「自分の頭で考える力」を養う本の読み方 1時間
自分力を高めるアート鑑賞 3時間
デザインを学ぶ人のための人類学 2時間
学びが身につき 人生が豊かになる勉強術 5時間

大企業から中小企業まで4,000社以上が導入

Schoo導入企業ロゴ

Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで4,000社以上に導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、階層別研修やDX研修としての利用もあれば、自律学習としての利用もあり、キャリア開発の目的で導入いただくこともあります。

導入事例も掲載しているので、ご興味のあるものがあれば一読いただけますと幸いです。以下から資料請求いただくことで導入事例集もプレゼントしております。そちらも併せて参考にいただけますと幸いです。

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06まとめ

リベラルアーツは、知識や教養を広く深く学ぶことで、変化の時代に対応するための土台となります。本記事では、現代におけるリベラルアーツの意義や学び方、そして組織や個人にとっての実践的な活用方法について紹介してきました。思考の枠を広げ、多様な価値観に触れることで、柔軟な判断力や創造性が育まれます。研修においても、専門性のみに偏らず、汎用的な教養を高める機会を設けることで、より自律的かつ主体的に学び続ける人材の育成につながります。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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