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KKDとは?日本の製造業で培われてきたKKDを解説

公開日:2021/09/10
更新日:2021/09/10
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KKDとは?日本の製造業で培われてきたKKDを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

昨今、AIが人間の仕事を奪うという話題が上がるようになりました。AIが分析して判断をして業務を行うことが可能になれば、確かに人間の仕事は減るかもしれません。ですが、AIに取って代わられないであろう領域もあります。それこそが人間が今まで培ってきた経験と勘と度胸です。当記事ではKKD(経験・勘・度胸)について解説します。

 

KKDとは?

KKDとは経験・勘・度胸の頭文字を取ってできた言葉で、日本の製造業を中心に尊重されてきた手法です。トラブルが起きた際には長年の経験と勘により打開策を見つけ、度胸によって施策を実行します。 日本では古くから製造業を中心にKKDが尊重されてきました。製造業に限らず物づくり大国である日本において職人技と言われる技術は経験、勘、度胸の賜物でしょう。日本料理の世界においても、かつてはレシピを作らない店舗もありました。日本の文化に限らず世界的にも経験、勘、度胸の積み重ねで発展してきた業界は多数あります。 近年、ITの分野でも活用されており、長年の経験から判断してプロジェクトの見積もりを算出する方法をKKD法と呼びます。

 

KKDを利用したフレームワーク

KKDを元にプロジェクトの見積もりを算出するKKD法ですが、人により判断基準が変わってしまう恐れがあります。そこでKKD法のほかにもプロジェクトマネジメントではOCOMO法やLOC法と呼ばれるフレームワークがよく使われます。各フレームワークの特徴を捉えて適宜利用していくのが良いでしょう。

KKD法

前述のとおり経験・勘・度胸に頼る部分の多いフレームワークです。主にIT分野で使われます。長年の経験や過去の事例を基準に判断を行います。確かに経験や過去の事例を元に判断することにより決断スピードも早くなり、経験豊富な人が行うことで失敗も少なくなるでしょう。 しかしKKD法では人によって判断が変わってしまうことも考えられます。また、新しい状況には適用できません。そして経験をもっている人材の退職によって、経験者不在になったときに蓄積されたノウハウがなくなってしまうというリスクがあります。

OCOMO法

1981年に提唱されたソフトウェア開発の工数や開発期間を見積もる手法です。過去のデータを基に構築された統計を参考にします。近年、ビッグデータを扱えるようになり属人化していた知識やノウハウ、経験などの抽象的な考えもすべてデータ化することが可能になりました。 OCOMO法はデータをデータベース上に蓄積させるまでに時間がかかりますが、十分なデータが集まればKKD法のデメリットを打ち消すことができるでしょう。

LOC法

LOC法とはソフトウェアの規模を計測する手法です。ソースコードの行数を数えて見積もりを出します。古くから存在する手法で今でも多くのソフトウェア開発の際に使われています。しかし、あらかじめ標準的なコードの記載方法を定めなければならず、途中からのイレギュラーな仕様変更やルール変更には対応できないことが難点です。 KKD法と異なり、客観的な判断が下せることが利点ですが、臨機応変な変更には対応できないというデメリットもあります。

 

KKDのメリット、デメリット

KKDは製造業を中心に昔から使われていた手法ですが、決して製造業だけ使われていたのではありません。上述のようにIT分野で使われることもあります。また、どのような産業であっても経験や勘、度胸などの属人的なノウハウによる判断は少なからずあるでしょう。今よりもデータ技術が発展していなかったころには経験値こそが会社の資産でした。では、現代においてKKDを活用することにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

KKDのメリット・デメリット

前述のとおりKKDでは判断スピードが早くなり、意思決定までのスピードを上げることが可能です。また新しい領域の仕事にも応用できます。新しい領域では、データを活用した分析手法では過去のデータは役に立ちません。しかし、今までの経験や勘は応用が可能なのです。過去のノウハウを新しい領域に活かすことで成功率を高められる可能性があります。未知の領域では論理的な思考よりも直感的な発想が求められることも多く、KKDは有効でしょう。

KKDのデメリット

KKDの経験や勘、度胸は属人化されているため、退職に伴うノウハウの消失というリスクが発生します。また、人によって判断基準が異なるなど一貫性もありません。論理性や合理性にも欠けているためデータ分析と比べて客観的な根拠に乏しいともいえるでしょう。 そして、経験を積んだからといって正しい判断ができるとは限りません。あらゆる面で個々人の能力に頼るということは、サービスを拡大していく上で障害となってしまうでしょう。

 

KKDを活用する注意点

KKDのメリットとデメリットについて解説しましたが、KKDだけに頼る必要はありません。過去のデータや外部からの情報、AIなどと組み合わせることでKKDのデメリットを打ち消すことも可能です。 データ分析が主流の現代において、いまだにKKDという手法が活用されているのにはそれなりの理由があります。下記に挙げる注意点を参考に効果的に取り入れるのが良いでしょう。

勘に頼りすぎずデータも活用する

KKDに加えて、AIやビッグデータも合わせて活用していくことが大切です。KKDと相反する手法にデータドリブンがあります。データドリブンはアルゴリズムとデータを活用して分析する手法です。 現代においては、いまだ人間の推論のほうがAIの推論に勝っています。しかし、今後AI技術が発達し、ビッグデータを解析するようになれば状況は逆転するでしょう。 人の勘や経験だけでなく、データも活用していくことでより成功率の高い解決策を導けるでしょう。

スキルや知識が属人的になりがち

KKDの大きなデメリットはノウハウが属人的になることです。職人の技術などは属人的でデータ化できないことが多いでしょう。しかし、ある程度対策を講じることは可能です。

仕事を分散する

仕事が特定の人物に集中してしまうと属人化が起きやすくなります。その業務への権限や責任を分散させることで、1人の人のみでなく多数の人でノウハウを共有することが可能です。また休暇制度を設けて、一定期間別の人に業務を任せるという手法も有効です。

業務の仕組みを簡単にする

誰でもできる単純業務であれば属人化は起こりません。複雑で難解な業務にこそ属人化が起こります。そのため、業務の仕組みを簡単にして一つひとつの工程をシンプルにする業務フローに変えることで、難しい業務をなくすという手法が生み出されました。業務に使うツールを少なくして、共通のツールを社内で利用することや業務を細分化することも有効です。

ナレッジマネジメントシステム

社内の知識を共有するITツールを活用することで、経験豊富な従業員の退職によるリスクを減らすことができます。ナレッジマネジメントシステムとは属人化した知識やノウハウといったナレッジを、組織全体で共有するシステムです。共同化・表出化・結合化・内面化の4つから形成されています。 ナレッジマネジメントシステムを導入すれば情報を一括で管理することができます。ツールを使って管理することで検索時間を短縮して、生産性の向上にも期待できます。 例えばマニュアルを作成してシステム上に格納しておけば、ほかの従業員でも活用できる知識として活かせます。 しかし、システムに知識を詰め込むのにはある程度の時間がかかります。そのため日々の日課としてデータを残しつづけることが重要でしょう。

 

KKDは時代遅れなのか?

経験、勘、度胸に頼るKKDはデータ分析が主流になっている現代において、時代遅れといわれることも少なくありません。しかし、多くの企業ではデータだけではなく今までの経験を頼りにしているでしょう。 なぜKKDは、いまだに活用されているのでしょうか。そして、KKDはこれから先も有効な手法なのでしょうか。

そもそもKKDは2000年代中盤から注目されていた

KKDという言葉自体はなかったものの、経験、勘、度胸は昔から企業の成長を支えてきた手法です。日本の製造業だけではなく、古くから人は経験や勘、度胸に頼って仕事をしてきたことは疑いようがありません。 2000年代中盤になってKKDが注目されてきたのは、そのころ人材開発に学術的な知見や理論が導入されるようになったからです。今までのKKDに頼った手法が疑問視されはじめました。そしてIT技術が進歩してデータに基づく情報分析が主流になっていき、KKDは古い手法というイメージになりました。 しかし当のIT業界では、前述のとおりKKD法を活用しています。最先端の手法が現れたからといってKKDは現場では必要とされている手法なのです。

データを活用の台頭

データを活用する技術が開発され、2010年代中ごろからはデータ分析という言葉があらゆるところで聞こえるようになりました。データは蓄積ができ客観性も論理性も高いため非常に有効です。しかし肝心のデータを使いこなすためには、今はまだKKDが必要なのです。

先の読めない時代にはKKDも必要

この先、ビッグデータが活用されAIによる分析が進み、ノウハウの蓄積も手間なく簡単に行えるようになるでしょう。しかしAIにできるのは過去の事例から判断することです。先の読めない現代においては、人間独自の思考力や感覚、経験、勘こそが必要になるでしょう。 AIが得意な業務は今のところ、下記の3つの要件を満たす業務だけです。

  • ・業務に必要な情報を「デジタル形式」で取得できる
  • ・AIが分析できる範囲内である(指数的爆発を起こさない)
  • ・物理的に執行環境が整備されている
  • (引用:10年後に食える仕事食えない仕事 著:渡邊正祐)

AIを業務に使うときには情報を収集して分析して執行するというプロセスを必ずたどります。経験や勘、度胸は必ずしもデータ化できるものばかりではありません。 前述のようにKKDは単純作業においては必要ありません。またAIは単純作業が得意です。反復した作業やマニュアル化できる仕事に関してはAIの領域となり、より高度で経験が求められる判断を下す仕事はKKDの領域となるでしょう。

 

まとめ

IT技術が進歩するなかで、人間の仕事が奪われるという話をよく聞きます。KKDはまさに人間にしかできない手法です。デメリットもあり非効率で論理的ではないといわれますが、データ活用が活発になったからこそ、再度注目されるようになった手法でもあります。IT技術の進歩とともにKKDも今後進歩して、さらに洗練されていくことでしょう。

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