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タスク・イニシエーションとは?定義から人員配置に活かす方法まで詳しく解説

公開日:2021/09/10
更新日:2021/09/11
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タスク・イニシエーションとは?定義から人員配置に活かす方法まで詳しく解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

日本では終身雇用制度が崩壊し、転職市場も年齢に関係なく活発化してきており、企業では今後の人事制度のあり方について見直しを進める必要性が出てきています。このような背景の中、人事マネジメントにおいて重要視されるタスク・イニシエーションについて詳しく解説します。

 

タスク・イニシエーションとは?

英語のinitiationは本来、「ある集団や組織内で1人前の構成員として認められるための儀式」という意味を持ちます。 この言葉から、タスク・イニシエーションとは企業における人材開発の分野で、新入社員や転職者が新しい企業という組織に適応するためにくぐらなければならない試練や課題を乗り越え、仕事で一定の成果を挙げることで周囲に認められることを指すようになりました。 また仕事面で貢献することとは別に、新たな組織での人間関係になじむことをグループ・イニシエーションと呼びます。

通過儀礼の1つとしてのタスク・イニシエーション

人生の節目に経験する、誕生・成人・結婚・死などの人生儀礼、特定の場所から別の場所に移動する際に行われる移行儀礼、入社式などの加入儀礼の3つを合わせて通過儀礼と呼びます。 通過儀礼は、民俗学や文化人類学などでよく使用される言葉ですが、人間が成長していく過程で社会的に次の段階へと移行する際、重要な節目として経験する儀式だと言えるでしょう。 このことからタスク・イニシエーションは、通過儀礼の中の1つである加入儀礼としての側面を持つことがわかります。

リアリティ・ショックを防ぐ方法としてのタスク・イニシエーション

リアリティ・ショックとは、入社前に抱いていた企業や職場に対する「理想」と、実際に職場に入って仕事をしながら経験する「現実」とのギャップに衝撃を受けることを指し、アメリカの組織心理学者E.C.ヒューズによって提唱されました。 リアリティ・ショックが深刻化すると、そのまま離職することにも繋がりかねないため、企業としては原因を追求し、対処することが必要ですが、2019年にパーソル総合研究所が1700人を対象に行った「就職活動と入社後の実態に関する定量調査」の結果によると、「入社後になんらかのリアリティ・ショックを受けた」と回答した人が76.6%という結果でした。 しかし、リアリティ・ショックを受けた人全てが離職するわけではないため、新入社員や転職者が理想と現実を埋める過程を大切にし、会社や組織に馴染めれば仕事を続けることができるとわかります。 これらのことから、リアリティ・ショックを防ぐためには、タスク・イニシエーションとグループ・イニシエーションを、本人の努力と人事担当者や所属する組織の従業員のサポートで乗り越えることが重要だと言えるでしょう。
参考:パーソル総合研究所「就職活動と入社後の実態に関する定量調査」

 

タスク・イニシエーションを意識した人員配置が行われる背景

企業においてタスク・イニシエーションを意識した人員配置とは、新入社員や転職者が新しい職場で正しく業務を学べるように配慮した人員配置を指しますが、近年このような人員配置が良く行われる背景にはどのようなことがあるのでしょうか。 終身雇用制が成り立っていた時代の日本では、多くの人はタスク・イニシエーションを新入社員の時に一度経験すれば良いだけでしたが、近年は、転職市場が活発化し、若い世代から中高年までどの年齢層においても、タスク・イニシエーションを経て組織に馴染む必要が出てきました。 このように、タスク・イニシエーションを経験する人数もバリエーションも増加してきているため、企業で人員配置をする際はあらかじめタスク・イニシエーションを意識して行うのが望ましいと言えるのです。

 

タスク・イニシエーションを意識した人員配置を行うメリット

企業において、タスク・イニシエーションを意識した人員配置を行うメリットを3つご紹介します。

人材育成のスピードが上がるため成果を上げやすくなる

タスク・イニシエーションを意識した人員配置を行うと人材育成のスピードが向上するため、組織で成果を挙げやすくなるでしょう。 具体的には、新入社員や転職者の能力や経験に配慮し、適性のある業務を行うことのできる部署に配属することや、教育に長けたマネージャーがいる部署に配属することで新入社員や転職者は能力を発揮できる可能性が高くなると言えます。

人材育成にかかるコストが削減できる

タスク・イニシエーションを意識した人員配置では、新入社員や転職者のリアリティ・ショックを和らげて離職者を減らすことや、人材育成のスピードが上がった分だけ人材育成にかかる人的・時間的コストを削減することができます。 新入社員や転職者がある程度仕事をこなせるようになった段階で離職した場合、企業が育成にかけたコストは回収できないままとなってしまうでしょう。 また人材育成のスピードが上がるほど、時間あたりでかかるコストは下がっていきます。 これらのことからタスク・イニシエーションを意識して人員配置を行った場合、費用対効果の高い人材育成ができるのです。

指導する側も経験を積める

タスク・イニシエーションを意識して人員配置を行った場合、新入社員や転職者の育成に携わった従業員も指導や管理などの貴重な経験を積むことができます。 自分の担当する業務をこなしているだけではわからない、新入社員や転職者に寄り添った問題解決の方法を考える能力が高まるのはもちろんのこと、信頼関係を築くためのコミュニケーションとはどのようなものかを経験し、今後に活かすことができるのです。 将来的に管理職を目指している従業員の場合、積極的に育成に携わってもらうのも良いでしょう。

 

タスク・イニシエーションを意識した人員配置を行う際の注意点

タスク・イニシエーションを意識した人員配置を行う際の注意点も併せてご紹介します。

中途採用の社員と新入社員の研修方法を同じにしない

タスク・イニシエーションを意識した人員配置を行う際に気を付けたいのは、新入社員と転職者の研修方法は異なる内容にした方が良いということです。 新入社員の場合研修で業務をしっかりと教える必要がありますが、転職者の場合前職での知識や経験がある程度活かせるため研修で1から業務を教える必要はありませんし、業務の遂行の仕方に迷った際に、適切なアドバイスや指示ができる体制にする方が本人も気持ちよく仕事を覚えていけるでしょう。 しかし、転職者の中には周囲にサポートや助言を受けるのが苦手だったり、前職での仕事のやり方を変えられなかったりする人もいるため、コミュニケーション能力の高い人にサポートについてもらうのが望ましいと言えます。

 

タスク・イニシエーションを考慮した研修方法

企業がタスク・イニシエーションを考慮した研修を行うことで、新入社員や転職者はよりそれを乗り越えやすくなるでしょう。 新入社員や転職者がタスク・イニシエーションを乗り越え、成果を挙げやすくするための研修方法を3つご紹介します。

OJT

OJTとは「On the Job Training」の頭文字を取った言葉で、直訳すると「仕事を介した訓練」ですが、企業においては実際に新入社員や転職者に仕事をしてもらいながら、マンツーマンで指導を行う育成手法のことです。 第一次世界大戦時のアメリカで、たくさんの軍人を育成するために生まれた「4段階職業指導法」がOJTの起源とされており、指導の4段階とは「やってみせる(Show)」「説明する(Tell)」「やらせてみる(Do)」「評価をする(Check)」を指します。 OJTでは実務を体験しながら学ぶことができるため、仕事で成果を挙げるための知識を身に着けやすくなり、タスク・イニシエーションを乗り越えやすくなるでしょう。 またOJTを通じて新入社員や転職者と育成担当者の信頼関係も構築されるため、グループ・イニシエーションも乗り越えやすくなります。

エルダー制度

エルダー制度とは新入社員に対するOJT制度の1つで、先輩社員が実務の指導だけではなく精神的なケアも含めてマンツーマンで指導を行う育成手法のことです。 先輩社員は年の近い若手社員から選ばれる場合もあれば、年配の熟練した社員から選ばれる場合もあるのが特徴的と言えるでしょう。 エルダー制度では、マネジメントや別の仕事も多く抱えている直属の上司が指導を行うのではなく、先輩社員が指導を行うことで新入社員の早期育成を図るのを目的としているため、タスク・イニシエーションを乗り越えやすくなります。 また新入社員のメンタルのケアも同時に行うため、リアリティ・ショックを和らげ早期離職の防止にも繋がります。

メンター制度

メンター制度とは、先輩社員が仕事における悩みの解消やキャリア開発など、幅広い支援活動を行う育成手法のことです。 先輩社員は知識が豊富で職業経験がありながらも年齢が近く、業務上の接点が少ない他部署の社員が選ばれることが多いでしょう。 OJTやエルダー制度との明確な違いは、キャリアプランや課題解決など私的なことを含めて相談を受けることです。 新入社員は業務上で成果を挙げるための方法について、同じ部署の先輩から受ける助言とは異なる意見を取り入れ、幅広い視野で物事を考えられるようになるため、タスク・イニシエーションを乗り越えやすくなるでしょう。

 

まとめ

タスク・イニシエーションとは、新入社員や転職者が新しい企業という組織に適応するための試練や課題を乗り越え、仕事で一定の成果を挙げることで周囲に認められることを指しますが、これに配慮した人員配置を行うことで企業にはコストカットや成果を挙げやすくなるなど、さまざまなメリットがあるとわかりました。 タスク・イニシエーションを受ける人の数もバリエーションも増加してきていることを意識し、リアリティ・ショックによる離職を防ぐためにも、適切な人員配置を行うことが大切です。

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