公開日:2022/01/21
更新日:2022/07/15

ディーセントワークとは?導入メリットや具体的な取り組みなどを解説

ディーセントワークとは?導入メリットや具体的な取り組みなどを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

ディーセントワークとは従業員の満足度を上げ、組織を継続的に発展させていくためには導入を検討したい働き方です。ディーセントワークを導入することで従業員と企業双方にとって様々なメリットがあります。 当記事ではディーセントワークについて、メリットや具体的な取り組みを解説しています

 

01ディーセントワークとは

ディーセントワークとは人間らしい仕事を継続に営める労働条件のことです。1999年の第87回ILO(国際労働機関)総会で局長からの報告にて初めて用いられ、日本含め世界的にディーセントワークの考えは広がっています。

ディーセントワークの定義

ディーセントワークの定義としては「権利が保障され、十分な収入があり、適切な社会保護や約束された仕事」といった意味です。日本語に略すと人やサイトによって少し表現が異なりますが、要するに人間らしい生活を送れる労働条件のことを指します。具体的には、継続的に生活に十分といえる収入があること、男女平等はもちろん、あらゆる人が差別を受けることなく仕事と家庭を両立しつつやりがいをもって働ける環境のこと を指します。日本では2019年4月に働き方改革法案が施行されたことをきっかけに、このディーセントワークの実現に向けて労働環境を整備する企業が増えてきました。

SDGsとの関係について

SDGsとは誰一人取り残さない世界を目指す国際目標です。2015年9月の国連サミットで採択され、全部で17のゴール・169のターゲットから構成されています。そんなSDGsの8番目の目標が労働です。その条文には「すべての人々のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセントワークを推進する」出典:外務省「SDGsとは?」 とあります。このことから、ディーセントワークはSDGsの目指すべきゴールの1つということが分かります。そしてSDGsの中でもディーセントワークは重要と言えます。なぜなら労働環境は生活の基本であり、ディーセントワークの目標である誰も人間らしい生活を送れる労働環境という理念はSDGsの「誰一人取り残さない世界」と同じ方向性を向いているからです。SDGs達成にはディーセントワークを満たすことが必須と言えるでしょう。

参照:「SDGsとは?」※外務省HPより

 

02ディーセントワークを導入するメリット

ディーセントワークの導入は従業員としては望ましいことは明らかですが、企業としては手間がかかる面があります。しかし大変なだけではなく、導入には様々なメリットがあります。いくつか紹介していきましょう。

従業員満足度の向上

最初に企業で働く従業員の満足度を向上させることが挙げられます。例えば、現状では短時間勤務やフレックス制度、フレキシブルな育児・介護制度についてなかなか認められていない企業も多いでしょう。ディーセントワークの考えに則り、多様性を認めていけば、自ずとその働き方を求めていた従業員の満足度は上がります。これは一つの例にすぎませんが、ディーセントワークを導入すれば従業員満足は上がり、満足度が上がれば離職率の低下にもつながります。少子高齢化が進む中で多くの企業は今後人材不足に陥るとされています。その中で既存の経験豊かな従業員の満足度を上げ、離職率を下げることは企業の将来を考えてもとても重要なことです。

生産性の向上

ディーセントワークを導入することで企業の生産性を向上させることができます。ディーセントワークでは長時間労働を避けます。長時間労働を避ければ、短い時間で成果を出す必要が出てきますので、自ずと産性が向上されます。生産性を上げることは企業が持続的に発展していくためには必須です。ディーセントワークを導入すれば、会社経営の肝となる生産性を上げることにつながることは導入するきっかけになります。

企業イメージの向上

従業員の権利が保障されており、社会的な責任を果たしていることは世間的な企業イメージの向上につながります。一方で、長時間労働やハラスメントといった社内の問題は一旦世間に公表されると、その影響はあっという間に企業のイメージ低下につながります。そのような中で、ディーセントワークを導入して従業員にとって良い環境を積極的に整えている企業は良いイメージとなり、結果的に業績にも影響していきます。前述した社内の従業員の満足度を上げるとともに、社会に対してのイメージも高めることができるということになります。

 

03ディーセントワークを導入する際のポイントとは

ディーセントワークを導入する際のポイントについて紹介していきます。ディーセントワークを導入する際にはなんとなく進めるのではなく、きちんとポイントを押さえて導入することで導入するメリットを十分に発揮できます。

ワーク・ライフ・バランスを積極的に推進する

ディーセントワークを実現するには、ワーク・ライフ・バランスを進めること必要不可欠です。残念ながら現在の日本では長時間労働や有給休暇の取得率の低さ、男性の育児休暇取得率の低さなどが課題となっています。そのような状況では仕事と私生活両方の充実を図ることは不可能であり、ディーセントワークの考えを満たすことはできません。仕事だけでなく、家庭や地域活動や自己啓発などが無理なくできる労働環境づくりが必要です。そのためには、単に労働時間を減らすだけでなく、例えば特別休暇制度の作成や柔軟な労働時間を認める制度なども考えられます。

公平な人事・社内制度の整備

全ての労働者が公平な人事・社内制度にて働ける社内制度の整備もポイントです。性別や雇用形態などに関わらず能力が正当に評価され、人事的に誰もが平等に扱われることが必要です。また、従業員と企業が対等な関係で労働条件や職場環境に対して議論しあえる環境を整備できるかどうかも重要な点です。義務だけを押し付けるのではなく、従業員の権利を尊重し、労使がともに健康的に過ごすことができる職場づくりをしていきましょう。

働きがい働き甲斐のある環境整備を進める

働きがい、つまりはやりがいのある環境整備を進めることも必要です。働くことは収入を得るためとはいえ、ただ勤務するだけでは人間性が尊重されているとはいいがたいです。一人一人がやりがいをもって働くことはディーセントワークの理念につながります。やりがいのある労働環境を整備するには、従業員がもっている能力を十二分に発揮できる環境や適材適所の要員配置、充実した研修制度の活用などの手段があります。また、やりがいをもって働くと結果的に会社の利益向上にも貢献することとなります。

設備と精神的な安全性の確保

働くうえでの土台に存在しているのが安全です。いくらライフ・ワーク・バランスが取れており人事制度が納得のいくもので働き甲斐があるとはいえ、命の危険が伴う仕事では安心して働くことは難しいでしょう。従業員の安心という点では、まずは設備や器具といったハード面の安全があります。そしてハード面だけではなく良好な人間関係や何かあった時のためのヘルプラインの設置といった精神的な安全の確保も重要です。ハード面とソフト面両方の安全性が確保されていてこそ、充実した会社生活を送ることができます。

 

04ディーセントワークを実現するための取り組みとは

最後に、ディーセントワークを実現するために各社がどのような取り組みを行っているのかを紹介していきます。実際に導入を検討していく企業は是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

組織の生産性を向上させる

最初に組織の生産性を向上させることが挙げられます。ディーセントワークでは生産性の高い働き方が求められるため、長時間労働を慢性化させることは不適切です。長時間働くことは人間の権利の尊重に反しますし、長時間労働ありきの会社のあり方は組織としてあるべき姿ではないでしょう。生産性を向上させ、より短い時間で付加価値の高い仕事を産み出すことが大切です。生産性を上げることはディーセントワークはもちろん、様々な点からみても会社として不可欠です。常に現状から改善を行い、コストを下げて利益を上げることができれば市場での競争力をさらに上げることができるでしょう。

リモートワークの推進や導入

 コロナ禍というのもあり、2020年以降リモートワークの導入が大きく進みました。リモートワークを導入することで働く場所に拘らない多様な働き方が広がっていきます。リモートワークは自分のライフスタイルに合わせた働き方を実現できます。例えば自宅で育児や介護をしながら働くことも可能ですし、田舎に住居を構えつつ東京の人たちと一緒に仕事ができます。通勤時間が無くなることで、そのストレス減少やまた違った時間の活用をすることができるようになるでしょう。

誰もが働きやすい環境の整備

誰もが働きやすい環境の整備に取り組んでいる企業もあります。例えば、育児支援として職場に保育所を設けたり、特別休暇の制度を設けている場合もあります。また、勤務時間についてもフレックス制度やリモートワークを活用するなど、より効率的だったり一人一人に寄り添った制度はディーセントワークの実現に直結します。他にも障がい者用の駐車スペースを整備したり、バリアフリー設計にするなど、誰もが働ける環境を整備している企業もあります。

明瞭・明確な人事評価制度

ディーセントワークを推進するには、環境整備と共に仕事の成果を適切に評価し、また適切に評価されていると従業員自身が納得することが大切です。企業によって取り組み方は様々なですが、従業員の仕事を適正に評価することは働き甲斐や生産性の向上にも繋がります。ブラックボックスだらけの制度は廃止し、明瞭・明確な人事評価制度を構築しましょう。


 

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05まとめ

近年は以前も増しディーセントワークは注目されており、導入することで自社にとっても大きいメリットがあります。是非積極的に導入し、従業員と会社がともに成長していける環境構築をしていきましょう。

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