DESC法とは?4つのステップと注意点について解説する
ビジネスにおいて、相手納得してもらう方法にDESC法があります。DESC法を活用すると相手に自分の言いたいことが伝わり納得させることができることが可能になります。ビジネスにおいては、相手の説得は非常に重要な役割をになっています。本記事では、相手を納得させるための方法、DESCについて解説していきます。
- 01.DESC法とは
- 02.DESC法の4つのステップ
- 03.DESC法を用いるメリットとは
- 04.DESC法を用いる際の注意点とは
- 05.類似している手法との違い
- 06.まとめ
01DESC法とは
DESC法(デスク法)とは、相手を不快にすることなく自分の言いたいことを伝え、納得感を持たせる会話技法のことです。英語の「Describe(描写する)」「Express(説明する)」「Suggest(提案する)」「Choose(選択する)」の頭文字を取った言葉で、アメリカの心理学者ゴードン・バウアーらによって提唱されました。DESC法では、Describe→Express→Suggest→Chooseの順に会話を展開し納得性の高い結果を導いていきます。DESC法は、ビジネスにおいて有利に働くアサーションスキルの1つになり、相手を思いやりながら自分の意見を伝えるコミュニケーション方法だと理解していきましょう。
02DESC法の4つのステップ
DESC法は、アサーションスキルを体系的にまとめ4つのステップに分解したものです。「Describe(描写する)」「Express(説明する)」「Suggest(提案する)」「Choose(選択する)」の4つのステップで会話を進めることで、有効な意思伝達を行い相手を納得させていきます。次に、この4つのステップについて解説していきます。
Describe(描写する)
Describe(描写する)では、解決しようとしている課題に対して、現状の状態や相手の行動を客観的に描写した上で事実のみを相手に伝えます。あくまで、事実のみを伝えることが大切なため、自分の感情を入れたり推測で話を進めることがないように意識しておく必要があります。推測などが入れば、正しい情報を相手には伝えきれないというデメリットを生じさせるため注意が必要です。
Express(説明する)
Express(説明する)では、Describe(描写する)した内容に対する自分の意見や感じていることを伝えます。Express(説明する)の代わりに、Empathize(共感する)やExpose(見せる)、Explain(説明する)と表現することもあります。ここで伝えることは、あくあまで自分の気持ちや感情を素直に表現していくことが大切です。ただし、感情を押し付けすぎることで、事実と論点がずれてしまったり攻撃的にならないことに注意が必要です。
Suggest(提案する)
Suggest(提案する)では、課題を解決するためのアイデアや代替案などを提案し、相手に承諾して欲しいこと、対応してもらいたいことを具体的に伝えます。Specify(具体的に挙げる)と表すこともありますが、あくまで提案なので、命令や強制ならないようにする必要があります。
Choose(選択する)
Choose(選択する)では、相手がこちらの提案を受け入れた場合と受け入れなかった場合、それぞれに対して結果や選択肢を示します。Consequences(結果を伝える)と表されることもあります。提案が全て受け入れられるとは限らないことに注意が必要な場面になります。また、そうした場合でも、より良い提案ができるように再度、Suggest(提案する)を実施することも必要です。
03DESC法を用いるメリットとは
DESC法を用いることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。DESC法によるメリットについて理解することで、自社においてもその概念を定着させる効果を想定し、人材育成に役立てていきましょう。それぞれのメリットを確認していきましょう。
コミュニケーション力の向上
相手に自分の考えを正しく理解してもらい、納得(説得する)させるDESC法を用いることで、より意見の交換が活発になり結果として、高いコミュニケーション力の構築を組織単位で実現することができます。個々人のコミュニケーション力だけではなく、組織全体の向上ができれば、業務の円滑な運営や情報共有の活性化による新サービスの構築などにも期待できる結果を生んでいきます。
信頼関係の構築
自分の考えを正しく相手に伝えることができることで、信頼関係の構築を実現していきます。信頼関係とは、正しい意思の疎通から成り立ちます。DESC法を用いることで、自分の考えを伝え、相手からの理解を受けることができる関係性の構築は、信頼関係を構築し業務の円滑な運営を実現していく効果を発揮していきます。
提案力の強化
自らの考えを正しく伝えることは、提案力の向上・強化にもつながります。提案力の強化には、自分の考えを簡潔に分かり易く伝えることが必要です。自分の考えを相手に伝え、説得する、納得させるDESC法は提案そのものといえます。そのため、顧客への提案にも大きな効果を発揮する際の訓練になるといえます。
生産性の向上
DESC法を用いて、社内や部署の人材の間でDESC法が活用されると、意思の疎通がスムーズとなり結果的に、生産性の向上につながります。生産性の向上は、業務を円滑に行うだけではなく、精度や品質の向上にも大きく影響していきます。生産性が継続的に向上することで、業績だけでなく、結果的には顧客満足度の向上にもつながることが期待できるでしょう。
企業成長の促進
顧客満足度の向上にも影響するDESC法を促進することで、品質の向上、新たなサービス創出が期待できます。こうした一連の活動を通して、顧客からの信頼度の向上にも期待でき、結果として企業成長の促進にもつながる効果を期待できます。継続した企業経営には、顧客からの信頼度が無くてはならないものであり、経営課題としても最大のテーマになるため、その効果が期待できるDESC法の有効性は高いといえます。
04DESC法を用いる際の注意点とは
DESC法は高いメリットがあり、企業においての有効性は高いものです。その反面、注意しておきたい事項もあります。次に、効果のあるDESC法を実施するために注意しておきたい点について解説していきます。どのような事柄にも、メリットと注意しておきたい事項があることを理解し注意点を確認していきましょう。
Choose(選択する)
DESC法の組み立てには、結論となるChoose(選択する)から考える方法があります。相手に伝えたい事柄を結論とし、それに基づくDESCを組み立てていく方法です。これが、全てではありませんが、結論、つまり、納得して欲しいことは何かを先に整理することで、より効果的な組み立てができるようになることを意識しておくことが有効です。何を納得させたいのかが不明瞭であれば、相手に伝えたいこと、その道筋が曖昧となり分かりずらい説明となります。結果的に納得性の低い結論となり求めている効果を発揮できない可能性があります。このような事態ならないためには、その組み立ての順番を意識しておくことも必要です。
相手は思い通りにはならないことを理解する
DESC法を用いたからといって、全て相手に納得してもらえるとは限りません。あくまで、納得性を高めるための手法であると理解し、DESC法に依存することがないように注意することが必要です。DESC法はあくまで手法の一つです。最も必要なことは、相手に何を伝え納得して欲しいかという部分を明確にすることができるかということです。その上で、納得をしてもらうための説明を行うことが必要となる点を理解し、手法に依存することなく目的意識をもった説明を行うことが必要だと理解しておきましょう。相手が常に自分の思い通りにはいかないということを理解し、誠実に丁寧な説明をすることで、納得性の高い提案を行う気持ちが大切です。
05類似している手法との違い
次に、DESC法と類似している2つの手法について解説していきます。ビジネスシーンにおいて類似していると説明される手法ですが、その構成に違いがある点を理解し、より効果的な方法を選択して活用していきましょう。こうした類似した手法を理解することで、その場にあった方法を選択し円滑な説明や納得性の高い提案を行っていくことも必要です。
PREP法
PREP法とは「Point(結論)」、「Reason(理由)」、「Example(実例・具体例)」、「Point(結論)」の順番で話を構成していく手法です。PREP法では最初に結論を述べ、最後にまとめとしてもう一度結論を述べる構成となっているため、話の要点が分かり易くなります。聞き手は話の要点がなかなか見えないとストレスを感じやすいとされています。そのため、最初に要点を伝え、聞き手にムダなストレスを与えず、関心の強い状態で最後まで聞いてもらえる環境を構築します。PREP法はプレゼンや営業以外にも、就活や上司への報告などのシーンで利用されることが多いため、意識して活用していきましょう。
SDS法
SDS法では「Summary(要点)」、「Details(詳細)」、「Summary(要点)」の順で話を組み立てます。最初に全体の概要を伝え、次に具体的な説明、最後に全体のまとめとしての要点を伝える方法となります。ニュース番組などで利用される方法で、スピーチ、プレゼンなどでも利用されます。
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06まとめ
本記事は、DESC法をテーマにその仕組みやメリット、注意点について解説しています。DESC法はあくまで、相手を納得させることを促進する手法です。手法に依存していくことではなく、納得性のある話し方や説明の仕方として活用することで、より効果を発揮する点を踏まえて、ビジネスシーンで活用していきましょう。