更新日:2026/01/30

成功循環モデルとは?活用するメリットや方法を解説

成功循環モデルとは?活用するメリットや方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

目先の成果や結果を追い求めるあまり、組織の雰囲気が悪くなってしまうことがあります。継続的に成果や結果を出し続けるためには、心理的安全性を高めて従業員同士の関係を良好にすることが重要です。成功循環モデルは、結果を出すために必要な要素やサイクルを示した組織開発フレームです。本記事では、成功循環モデルの考え方や活用メリット、改善方法について紹介していきます。

 

01成功循環モデルとは

成功循環モデルとは

オンライン学習サービスSchooの「評価者としての心得と評価の留意点」という授業で、コンサルタントマネージャーの越智 恵氏は成功循環モデルを以下のように説明しています。

成功循環モデルとは、マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱している組織開発のフレームワークです。これは「組織が成功していくには、まずは関係の質が重要」ということを謳っています。

関係の質が高まるから、思考の質、考え方の質が高まっていきます。考え方の質が高まっていくと、当然、行動の質も上がる。行動の質が上がると、今度は、結果の質も高まっていく。結果の質が高まると、関係の質がさらに高まる。このような成功循環をつくるには、まず関係の質から始めることが重要ということを提唱しています。

  • コンサルタントマネージャー

    株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパン コンサルタントマネージャー <経歴>小売業 統轄エリアマネージャー(22店舗担当)人事部部長、不動産業 人事課課長、大手販社 人材開発部マネージャー<得意分野>新入社員の接客・接遇・ビジネスマナーから上層階層のマネジメントスキルまで幅広く対応。クライアントの現状を細かくお伺いし、目指すべき姿を明確にし教育プログラムを構築します。<ひとこと>研修内容やプログラムも重要ですが、資本主義社会の中で生き抜くためのマインドを醸成することが重要だと考えています。現状の職場・職位・役割に関わらず、自ら存在価値を高めて行ける人材育成をモットーとしています。

▶︎参考:What is Your Organization’s Core Theory of Success?| Daniel Kim

成功循環モデルを構成する「4つの質」

成功循環モデルは、「関係の質」と「思考の質」「行動の質」、そして「結果の質」の4つの質で構成されます。

  • 1.関係の質
  • 2.思考の質
  • 3.行動の質
  • 4.結果の質

これらの4つの質が相互に影響し合い、組織全体を良い循環や悪い循環へと導きます。まず「関係の質」とは、従業員同士の関わり方のことです。具体的には、挨拶や声かけをはじめ、一体感や信頼関係などが挙げられます。

次に、「思考の質」は物事の考え方や思考、意識といった内容です。例えば、ポジティブ思考や当事者意識、創造力などがあります。3つめに「行動の質」とは、積極性や主体性のような人々の行動に関する内容です。アジャイルや支援行動、共創行動など、結果にダイレクトに影響する行動が挙げられます。

最後に「結果の質」は、組織全体の結果や成果のことです。組織全体の成功循環モデルというフレームを活用して捉えることで、現状や目指す姿を整理できます。そして目指す姿に向けて、どの質を高めてどのような行動を取る必要があるかを明確にできるでしょう。

 

02成功循環モデルにおける良い例と悪い例

「成功循環モデル」では、前述の通り組織が成果や結果を出し続けるために、4要素のサイクルを回す必要があります。成功循環モデルのサイクルの回し方として、良い例と悪い例について見ていきましょう。 成功循環モデルの良い例が「グッドサイクル」、悪い例が「バットサイクル」と言われています。それでは、それぞれのサイクルによる影響や質の状態について紹介していきます。

グッドサイクル

グッドサイクルは4つの質が相互に良い影響を与え、プラスに作用して循環している状態です。グッドサイクルは、まず従業員同士の相互理解や尊重する、といった「関係の質」を高めることから始めていきます。

「関係の質」の向上により、従業員同士のコミュニケーションが促進され、気づきや面白さが感じられるようになるでしょう。次に「思考の質」が向上することで、自発的・積極的な行動を取るようになり「行動の質」が高まります。

その結果として、業績が上がり「結果の質」が向上します。さらに、業績が上がることで、関係性もより良くなり「関係の質」が向上するといった、良い循環が続くとされています。

バッドサイクル

バッドサイクルは、4つの質がお互いマイナスに働き、悪循環へ陥る状態です。バットサイクルの始まりは、結果を追い求めるあまり、目先の業績を上げようとする「結果の質」です。

無理に結果を出そうとすることで、命令や強制、対立などが生じ、「関係の質」が低下します。命令や強制された従業員は受け身の思考となり、面白さを感じず「思考の質」が下がっていきます。

「思考の質」の低下により「行動の質」も下がり、消極的な行動を取るようになります。その結果、求める成果も上げることができず「結果の質」が低下します。さらには関係性も悪化し、さまざまな問題の発生へとつながり、マイナスの循環から抜け出せなくなるとされています。

 

03関係の質を高める方法

成功循環モデルのグッドサイクルを回すためには、関係の質を高めるところから始める必要があります。関係の質を高めるためには、社員同士だけでなく、部下と上司の信頼関係や相互理解が欠かせません。この相互理解の基盤には、「心理的安全性」が必要です。つまり、関係の質を高めるには、心理的安全性を高めることが求められます。

心理的安全性を高める方法

心理的安全性を高める方法について、オンライン学習サービスSchooの「いまさら聞けない 心理的安全性のつくりかた」という授業で、株式会社ガイアックス 管理本部長の流 拓巳氏は1on1ミーティングや会議での平等な発言機会などの例を挙げています。この章では、Schooの授業をもとに心理的安全性を高める方法を紹介します。

  • 株式会社ガイアックス 管理本部長

    山口県出身。立教大学経営学部2017年卒業。株式会社ガイアックス新卒入社後、同社で採用担当から危機管理、セキュリティ、労務等、投資先対応など徐々に管掌範囲を広げ、2021年に人事総務部長に、2023年に管理本部長に就任。社外活動では、新卒1〜3年目の頃はいくつかの社外コミュニティの運営に注力し、現在はスタートアップ企業やNPOなど複数社で、アドバイザーや監査役等を務める。

1.1on1ミーティング

1on1ミーティングにおいて心理的安全性を確保することは、部下が安心して本音や弱みを話せる環境を作り、チームの信頼関係を高める大前提です。評価の場ではなく「部下のための時間」とし、上司が傾聴・受容する姿勢を示すことで、組織のパフォーマンス向上に繋がります。

1on1ミーティングでは、「傾聴」に徹することを意識する必要があります。相手の話の腰を折らず、否定せずに真摯に聴く姿勢が「受け入れられている」実感に繋がるのです。また、沈黙を恐れないことも重要です。間が開いてしまうのを恐れて、傾聴を忘れ、上司が話し始めてしまうのではなく、沈黙は部下が思考を整理する大切な時間と考え、待つ姿勢を持つ必要があります。

2.雑談のしやすいスペースや時間の設置

相互理解を深めるためには雑談も欠かせません。とはいえ、雑談をしていると仕事をしていないと周りに見られてしまうと、なかなか雑談がしにくい企業もあるでしょう。そのため、企業主導で雑談のしやすいスペースや時間の設置をする必要があります。

例えば、カフェスペースを設置したり、シャッフルランチ制度を作ったりすることで、企業として「心理的安全性」を大事にしていることが社員に伝わります。その他にも、先述した1on1を雑談の時間と割り切るのも良いでしょう。仕事の話は一切しないと決めて、その週にあったプライベートの出来事などを共有する場にすることで相互理解を深めることができます。

3.会議での平等な発言機会を設ける

会議において発言することが億劫な人、人前で話すのがそもそも苦手な人もいるでしょう。そのため、意図的に会議での平等な発言機会を設けることで、誰もが発言して良いという雰囲気を醸成することができます。

この際に、発言をしている際は割り込まず、一旦その人の話を傾聴するという姿勢を全員が持つ必要があります。もし、傾聴の姿勢を持たずにディスカッションになってしまうと、心理的安全性を高めることにつながりにくくなります、

4.部下から上司へのフィードバック制度

部下から上司にフィードバックをする機会を設けることで、普段は言いにくいことを言う機会が創出できます。例えば、「言うことが数日で変わるのを治してほしい」や「〇〇さんと〇〇さんに対しての態度に違いがあるのが気になる」など、普段は査定する側の上司を部下が査定することで、上司の意識変革にもつながります。

とはいえ、査定をするのは上司なので、ネガティブフィードバックをすると仕事で気まずくなる、査定に響くのが怖いと本音を言わない人も少なくないでしょう。そのため、匿名性にして人事部が取りまとめるなど、誰が何を言ったかがわからないような工夫が必要です。

5.表彰制度

表彰制度は、結果だけでなくプロセスや挑戦を評価することで「心理的安全性」を高めることができます。表彰制度で、失敗を恐れず挑戦する姿勢や、互いの貢献を称える文化を醸成することで、チームの連帯感を向上させることができるのです。

たとえば、過程を評価する「プロセス評価」や、成果に至る前の「着想」を称える表彰が効果的です。また、心理的安全性を高めるような取り組みをした社員自体を、心理的安全性AWARDとして表彰するのも良いでしょう。その際には、具体的な発言や行動を抽出して、模範的な社員として会社が紹介することで、徐々に社員に浸透していきます。

6.従業員の価値観や経営戦略の共有

従業員の価値観や経営戦略を共有することで、部下と上司だけでなく、組織全体で心理的安全性を醸成することができます。

まず、価値観を共有することで、互いの価値観を認め合い、共通の認識を持つことができます。これにより、安心して発言できる空気が醸成されます。また、経営戦略が明確に共有されていることも社員の安心につながります。従業員は「何を根拠に判断すべきか」が分かり、不安や無能と思われる不安が解消されます。

 

04成功循環モデルを実践する際のポイント

成功循環モデルを実践する際は、以下のポイントを意識しましょう。

  • 1.結果の質を急がない
  • 2.成功循環モデルを理解してもらう
  • 3.経営が主導する

この章では、これらのポイントを詳しく解説します。

1.結果の質を急がない

成功循環モデルは、すぐに結果が出るものではありません。ただし、企業には目標数値があります。どれだけ関係の質を高める時間が必要とわかっていても、結果を出さなければならず、優先順位はあくまでも目標数値の達成になってしまうでしょう。

結果を出すことは大前提として、その出し方を管理職は意識しなければなりません。最低でも、管理職は関係の質を悪化させないようなコミュニケーション、ピープルマネジメントを習得し、成功循環モデルが回るようにする必要があります。

2.成功循環モデルを理解してもらう

成功循環モデルを成功させるには、社員が成功循環モデルについて理解しなければなりません。人事部と管理職だけが理論を知っていても効果は弱く、全社員が成功循環モデルについて理解して、主体的に関係の質を高めようと個々の社員にも行動してもらう必要があります。

具体的には、研修という形式で成功循環モデルについて学んでもらう場を設けたり、全社員総会などで社長自らが説明したりすると効果的です。後者のように、経営が主導していることを伝えれば、社員への浸透速度も高まります。

3.経営が主導する

成功循環モデルを成功させるには、経営が主導する必要があります。管理職に対してのコミュニケーション研修、雑談をする場所や時間の創出、部下から上司へのフィードバック制度の設置など、これらのような施策を迅速に推進していくためには、経営が主導するのが理想的なのです。

全面的に主導しなくとも、全社プロジェクトとして社長が発令し、人事部長に権限を移譲するなど、成功循環モデルを経営も推奨していることを社員全員に伝えるということが重要です。


 

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05まとめ

成功循環モデルを活用することで、組織の状態を客観的に把握できたり、従業員同士のコミュニケーションが活発になったりします。本記事では、成功循環モデルの考え方や活用メリット、組織を良い状態に改善する方法について紹介してきました。本記事を参考に、成功循環モデルを組織開発に活用してみてください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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