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人件費削減で会社の競争力をアップさせるための5つの具体的な手法

公開日:2021/05/28
更新日:2021/05/31
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人件費削減で会社の競争力をアップさせるための5つの具体的な手法 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

人件費は企業活動にかかる経費の中でも、特に大きな出費の1つです。人件費を適正な水準に保つことは、企業が持続的に発展していくうえで欠かせません。この記事では、人件費を抑制すべき3つのメリットと3つのデメリット、そして削減するための5つの手法について解説します。

 

人件費とは?

人件費とは、簡単に言えば「企業が業務を遂行するために、従業員に支払う対価」です。従業員は、企業の意向通りに作業を行い、それに対して企業は報酬として金銭を支払います。 とはいえ人件費は、いわゆる「給料」のみを意味するわけではありません。特別な場合に支給される金銭や、福利厚生に関連する諸費用も、広い意味では人件費に含まれます。 人件費に含まれる諸費用を解説します。

人件費に含まれる費用

人件費には、主に以下のような費用項目が含まれています。

  • ・給与手当:労働契約によって定められた基本給や時間外労働手当・休日手当などが含まれます。
  • ・賞与(ボーナス):企業の業績に応じて従業員に支払われるお金です。必ず支払われるわけではありません。
  • ・役員報酬:一般労働者ではなく、取締役や監査役など、役員の立場にある人材に支払われるお金です。通常は株主総会による決議を必要とします。
  • ・退職金:退職する社員に対して支払われる金銭です。
  • ・福利厚生費:企業が企画する各種イベント(社員旅行や忘年会など)で発生する費用や、各種祝い金(結婚祝・出産祝など)、社宅費用などが含まれます。
  • ・法定福利費:法律により、従業員に関連して企業が支払うべきであると定められている費用です。代表的なのは健康保険料や厚生年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険などです。 このように、人件費に相当する企業の出費には様々な種類があります。

人件費は上昇気流に乗り始めている

現在の日本社会において、人件費は上昇傾向にあります。 財務省のシンクタンクである「財務総合政策研究所」が発表した「法人企業統計調査(令和元年度年次別調査(令和2年10月30日)」によると、2015~2019年にかけての人件費推移は以下のようになっています(単位:億円)。

  • ・2015年 1,982,228
  • ・2016年 2,018,791
  • ・2017年 2,064,805
  • ・2018年 2,086,088
  • ・2019年 2,022,743

2019年度の人件費は下がりましたが、全体的に上昇傾向にあるのが分かります。 人件費が上昇する原因の1つは労働力不足と言えます。現在の日本は少子高齢化社会で、労働人口の母数は決して多いとは言えません。みずほ総合研究所によると、2065年の労働人口は現在の約40%減になると予想されています。 求められる労働力に対して労働者の絶対数が少なければ、当然、給与額の上昇が生じる可能性は高まります。 人件費が上昇し続ければ経営が圧迫され、企業の存続が危うくなります。そのため、企業は人件費の適正値を見極め、必要であれば改善策を講じる必要があります。

人件費と販管費は必ずしもイコールではない

人件費は「販売管理費」と同義とされることがありますが、必ずしも同じものではありません。 販売管理費は「売上原価以外の費用」であり、これには営業や経理部門における人件費が含まれるのは確かです。しかし、製造部門に関連した人件費は、売上原価として分類されます。 つまり業務区分により、人件費は販管費の枠から外れることがあります。

 

人件費を抑制する3つのメリットとは

人件費を抑制するメリットは大きく分けて3つあります。それぞれのポイントを解説していきます。

総合的なコストカットにつながる

企業が利益を出すためには、出費を減らすことと売上を上げることが重要です。これらの目標を達成するプロセスは複雑ですが、人件費の抑制は出費削減の大きな要素となります。 もちろん簡単なことではありませんが、例えば、リストラを敢行して従業員数を減らしたり、業務効率化で時間外労働手当の発生を抑制したりすれば、給与として支払ってきた額面を抑えることになります。 また、それらの社員たちに関連した研修費や福利厚生費・光熱費なども削減されます。

金融機関の査定改善を見込める

人件費削減により出費を引き締めると、会社の財務状況は少なからず改善します。この場合、銀行をはじめとする金融機関からの評価は上昇し、融資の見通しも立ちやすくなります。市場が反応して株価が上がることも期待できます。 もちろん、人件費をどれだけ切り詰めても、もし生産性や競争力が低下し続けていたり、ほかの支出状況が悪化しているようでは意味がありません。

他の用途への資金供給の道が開ける

人件費削減により「浮いた」お金は、業務効率を上げるための設備投資や、新規事業への参入など、他の用途への資金繰りに転用できます。 余剰金を使って老朽化した設備を刷新したり、成長が見込める分野に投資したり、既存社員への研修を行ったりすると、生産性向上や新たな収益元の確保を期待できます。

 

人件費を削減する3つのデメリット

一方で、人件費削減にはデメリットも伴います。メリットとデメリットの境界線は、各企業の財務状況や人件費削減の手法などにより異なりますが、最低限押さえておくべきポイントについて解説します。

社員のモチベーション低下を招く

人件費削減の代表的な手法は、リストラや賞与の停止・賃金カットなどです。これらの手法は実行するのが比較的簡単とはいえ、社員のモチベーションを大きく低下させます。 リストラを実行することで、従業員に心理的なダメージがあるほか、労働に対する対価が抑制されてしまうことで、労働意欲も損なわれます。

離職が続けば人手不足に陥る

社員が、待遇の改悪や人件費削減の手法に疑念を抱いた場合、離職を招きかねません。また社員数が減っても労働量が変わらなければ、社員1人当たりの負担増となり、これもまた離職を促す結果になり得ます。 社員の離職に伴って新たな採用をするとしても、即戦力となる社員を雇用しない限り、負担の早期的な解消は望めません。あるいは採用自体をしない場合、負担はさらに増し、それが別の社員の離職を招くという悪循環に陥るリスクも考えられます。

会社のブランドイメージを損ねるリスクもある

給与や賞与のカット・リストラを企業側が提案・実行すると、世間におけるブランドイメージが下がるリスクがあります。削減案を巡って労働者側との対立が起き、それがニュース報道されるような状態になれば、企業への不信感が生まれかねません。 削減の手法や必要性・程度などにより異なるとはいえ「人件費を削減しないと経営が危ない会社は、サービスや商品の質も落とす可能性がある」と見なされかねません。

 

自社の人件費が適切かを知るためのインジケーター

自社の人件費が適切な状態にあるか判断するには、以下の2つの指標を参考にできます。

労働分配率

「労働分配率」は「粗利益における人件費の割合」です。以下の計算式で算出できます。 「人件費÷粗利益(付加価値額)×100」 労働分配率が50%前後が相場ですが、業種により開きがあるため、財務状況の良い競合他社の労働分配率と比較できます。 労働分配率が低い場合、低賃金問題が起きていない場合を別として、人件費にかかるコストは良好です。一方で高い場合には、従業員が待遇に満足している可能性も考えられますが、経営が圧迫されることが危惧されます。

売上高人件費率

「売上高人件費率」は「売上高における人件費の割合」です。以下の計算式で算出できます。 「人件費÷売上高×100」 粗利益を売上高に置換するのみで算出できます。この指標では、売上高に対して、どれほど人件費が発生しているかが示されます。売上高人件費率が低ければ、人件費負担は抑えられている状態であるといえます。 労働分配率同様、この値は業種により相場となる値が変わります。サービス業なら50%前後、小売業なら25%前後など、業種別の適正値を求める必要があります。

 

人件費を抑制する5つの手法

ここからは、人件費を抑制するための具体的な5つの手法をご紹介します。

売上高アップを図る

従業員1人あたりの生産性が上がると、売上高全体が上がります。売上がアップすれば、収益拡大につながり、財務状況の改善を期待できます。 例えば、長時間労働による作業効率の低下やストレスの蓄積を防ぐために、福利厚生を充実したり、社内コミュニケーションを円滑にするなどして労働環境を改善することは、生産性向上の大きな要素となります。

人的リソースの見直し

業務に必要な従業員数のみに絞ってリストラを敢行することや、残業を可能な限り発生させない業務体系を作り上げることも、人件費削減の定番手法です。 ただし先述の通り、強引なリストラは反発を招く恐れがあるため、慎重に行うべきです。また残業を画一的に禁止すると、必要な業務が遂行されず、かえって問題を引き起こしかねません。 残業発生前に必要なタスクを終えられるよう、後述する業務効率化の対策も視野に入れる必要があります。

アウトソーシングの利用

他業者に一部の業務をアウトソーシングすることも有効です。固定給与を支払う自社社員にではなく、必要な場合のみ成果報酬で外注することで、固定費を変動費にできます。 また自社社員として雇用する場合は社会保険料が発生しますが、外注先スタッフに対しては発生しません。 このように、業務をすべて企業内で完結させようとするのではなく、アウトソーシングを積極的に取り入れることで、人件費削減を達成可能です。なお、大きな会社組織にではなく、報酬額を比較的抑えることのできるのフリーランスへ外注するなど、アウトソーシング先に関しても工夫を図れます。

業務効率化ツールの導入

業務効率化ツールによって、必要なマンパワーを減らしたり、先述の生産性向上を達成したりすることも人件費削減につながります。 例えば、サポートセンターの負担を減らすためにチャットボットを導入したり、Web会議システムを導入して無駄な出勤を減らしたりなど、作業効率を上げるのは賢明です。 30名で行っている業務を、効率化ツールにより25名で行える作業にすれば、将来の採用活動も含めて人件費を削りやすくなります。

採用活動の適正化

既存社員の給与カットやリストラは、社員とのトラブルや世間の評価を考えると、慎重を期すべき手法です。しかし、「将来の社員」に関してはしがらみはないため、採用活動を適正化することは良い方法です。 例えば、広告媒体の見直しで採用活動のコストを見直したり、業務へのマッチング率が高い人材を発掘できるよう、人事担当者に研修を施したりできます。 採用活動は、ここまで紹介してきたほかの手法と併用するのが望ましいです。例えば業務効率化や、アウトソーシングの活用などによる必要従業員数のスリム化や、予定採用人数の減少ができれば、その分人件費の発生を抑えることができます。労働環境改善を図れば、採用した人材の定着率を高めやすくなります。

 

人件費削減の成功事例

ここからは、人件費削減に成功した事例を2つご紹介します。

勤怠管理システムで残業時間の削減ができた事例

店舗数75店舗を持つあるスーパーマーケットは、勤怠管理システムを導入しました。以前はシフト管理や、タイムカードからの給与計算業務に問題を抱えていて、無駄な残業が発生していました。 システムの導入によるシフト組みや人時管理がシンプルになり、残業時間の38%カットに成功しています。

設備導入で人件費と作業ミスを軽減した事例

ある食品会社は、工場のライン作業に「食品重ね合わせ装置」を導入しました。以前は人手によるオペレーションが必要で、人件費は月に47万円以上発生していましたが、装置の導入以降、そのほとんどが不要になりました。 この事例の場合、装置の導入費用は84万円であり、おおよそ2か月の稼働で投資金額の回収は済む計算になります。

 

まとめ

人件費は、企業の必要経費において大きなウェイトを占めます。そのため、人件費を適正な状態にキープすることは、企業活動の持続性や発展の可能性を大きく左右すると言えます。 闇雲に既存社員の意欲を損ねる人件費削減対策を打ち出すのはNGですが、必要な手法を取ることは長期視点では賢明な「投資」です。 労働力不足の背景があることを踏まえると、人件費削減の取り組みは急務と言っても過言ではありません。本記事にて言及された手法を意識しつつ、必要であればコンサルティングを受けながら、人件費適正化を講じることは賢明です。

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