公開日:2022/02/01
更新日:2023/11/14

組織崩壊とは?崩壊のメカニズムや前兆、未然に防ぐための対策を解説

組織崩壊とは?崩壊のメカニズムや前兆、未然に防ぐための対策を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

変化の激しい現代社会で組織が長く生き残るためには、組織内部の危機管理に意識を向けることがとても大切です。そこで、昨今注目されるテーマが「組織崩壊」です。今回は、組織崩壊のメカニズムと、未然に防ぐための対策について詳しく解説します。組織崩壊に関する正しい理解を深めることで、会社の危機管理に役立てていきましょう。

 

01組織崩壊とは?

組織崩壊とは、組織崩壊は、組織が機能不全に陥り、効果的な運営ができなくなる状態を指します。つまり、組織が崩壊し、負の連鎖に陥った状態です。一般的に、組織崩壊は急激に起こるものではなく、組織内部の小さな違和感や綻びをきっかけに徐々に崩壊していく傾向にあります。 一度崩壊してしまった組織を再び立て直すことは、企業として様々な改善努力を要するため、まずはそのような崩壊を引き起こさせないために、組織を守り崩壊を阻止するための対策を立てることが肝心です。

組織崩壊が企業にもたらす影響

企業において組織崩壊は非常に深刻な問題です。 総じて、崩壊した組織は業績の悪化が顕著になります。組織崩壊をそのまま放置すれば、さらに崩壊が進行し、立て直しが難しい状態になります。最悪の場合には経営破綻にも繋がりかねないため、決して見過ごすことが出来ません。組織崩壊は、企業の業績悪化、労働環境の悪化、優秀な人材の流出などといった会社にとって致命的なダメージと悪影響を及ぼす可能性があります。

組織崩壊の原因

組織崩壊の原因は、企業により様々なケースがあるため原因をひとくくりに判断することはできません。しかし、組織崩壊の要因として全てに共通していることは、会社に関わる「人」の存在に何かしらの問題があり、崩壊の引き金になっているということです。 経営者、チームリーダー、従業員など、その会社で本来活躍すべき「人」が責任感や目的意識を失い、組織の中で上手く機能しなくなると、組織力が低下します。組織力の低下は、従業員のモチベーションの低下、離職、社員の健康問題、経営状態の悪化などといった、組織内部の悪循環を次々と引き起こす原因になるでしょう。


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02組織崩壊が起こる危険な兆候とは

組織崩壊は突如起こるものではなく、予め様々な兆候が見られるといわれています。ここでは、一般的に崩壊が起こる危険な前兆について詳しく解説します。

優秀な人材の離職率上昇

優秀な人材の離職率が上がることは、見逃すことの出来ない兆候のひとつです。 優秀な社員は、会社の問題点や将来性を見抜く力に優れています。そして、崩壊しつつある組織においてはじめに離職するのは、こうした優秀な社員であると言われています。 通常、優秀な社員は周囲からの信頼度が高く業務能力にも長けているため、責任ある仕事や大きなプロジェクトを多く任される傾向にあります。しかしながら、崩壊する組織では、このような優秀な人材に過度な業務負荷がかかりやすくなり、他の社員と比べて仕事量や業務内容の比重に顕著な差が見られるようになります。そのような状況が一定期間続き、改善が見られない場合、今まで頑張って会社に貢献してきた優秀な社員は、組織に対して不信感や不公平感を抱きやすくなります。そして、最終的に離職へと至るのです。 そして優秀な人材は、新しいことに取り組むモチベーションや業務能力が高く、他社にとっても大変魅力的な人材です。そのため、優秀な人材は条件の良い転職先も見つけやすく、躊躇なく離職に踏み切ります。 それらの結果として、優秀な人材が欠けてしまった組織は、組織として益々機能しなくなり、崩壊への歯止めが効かなくなってしまいます。優秀な人材がいなければ立て直すことも難しくなるため、優秀な人材の離職率が上昇することはとても危険な兆候といえます。

組織内コミュニケーションの低下

組織内のコミュニケーション低下も、組織崩壊の予兆として挙げられます。 なぜなら、コミュニケーションの低下により、社員同士の密な連携が取れなくなると、仕事の生産性と効率化に大きな影響を与えます。さらに、組織としての一体感や信頼関係も失われ、組織内部の指揮系統に混乱が生じやすい状態となります。 そうした状態は、業務の効率が悪くなる上にミスの発見や問題解決に遅れが生じます。最悪の場合には、社内でコンプライアンス違反や重大な不正行為が起きた際、早期発見や迅速な対応が難しくなるでしょう。 このような脆弱化した組織は簡単に崩壊しやすく、コミュニケーションの低下は組織崩壊が起こる前触れとして決して無視できません。

従業員の意欲低下

従業員の意欲低下は、組織パフォーマンスの低迷に影響を及ぼします。社員の仕事に対するモチベーションが低くなると、ひとりひとりの能力が発揮しにくい状態になります。それにより、会社の業績悪化や業務の非効率化が起こる可能性が高まります。 このような従業員の意欲低下は、組織の活性化という観点において非常にネガティブで、組織全体のポテンシャルが発揮できない状態が続くと、最終的には経営悪化に陥ってしまいます。 従業員の意欲低下は組織力を失うきっかけとなり、放置すれば組織崩壊へと直結するために危険な兆候として注意が必要なのです。

 

03崩壊しやすい組織の特徴

それでは、崩壊しやすい組織とは具体的にどのような特徴を持っているのでしょうか?それぞれの特徴を知ることにより客観的な目線を持ち、組織の見直しや今後の組織改善に役立てましょう。

責任感の欠如

まず挙げられるのが、社員の責任感の欠如です。 業務における権限の範囲が明確でないために責任の所在がはっきりとせず、問題が発生しても従業員同士が責任を擦り付けあうような状況下では、責任感が欠如した社員が生まれてしまうでしょう。。 責任感に欠けた社員の行動は、業務トラブルや重要な課題の放置といった、組織運営において大きな問題となり得るリスクを抱えています。さらに責任を取りたくない社員は重要な業務やポジションに就くことに消極的になるため、組織内部のパフォーマンスが停滞します。結果として組織力が低下し、崩壊しやすい組織が形成されます。

明らかに残業時間の多い過重な労働環境

膨大な仕事量により、長時間残業を強いられた労働環境は注意が必要です。 そのような労働環境では、業務効率が低くなり、社員のモチベーションも下がってしまいます。また、過重労働による疲労とストレスが蓄積されることで、社員の健康が損なわれたり、メンタルヘルスに不調をきたしたりといった健康問題を引き起こすかもしれません。 最悪の場合は、社員が会社を休職したり退職しなければならない事態を招く恐れもあります。そうなると、ますます1人あたりの業務量と残業時間が増えてしまい、組織内部の悪循環が広がることで健全に機能しなくなり、組織崩壊へとつながります。

社内の風通し・職場の雰囲気の悪化

社内の風通しの悪さや、職場の雰囲気の悪さは、社員の不安感、会社に対する不信感、仕事に対する苛立ちなどといった様々な感情が表面化していることもあり、長年の蓄積によって生み出された負の要素の塊だと捉えることができるでしょう。それらは組織体制の悪化が可視化されている危険な状態といえます。こういったネガティブな環境の組織内部では、メンバー同士の連帯感も失われているため、ひとつの組織として成り立つことが非常に難しいでしょう。

 

04組織崩壊の予防策とは?

ここからは、組織崩壊を未然に防ぐために有効な対策について解説します。予防策を上手く組織運営に講じることで、組織の内部崩壊を食い止めるだけでなく、組織の活性化やパフォーマンスの向上に活用することが期待出来ます。

情報共有できる社内ネットワークシステムで仕事の簡略化を目指す

情報のオンライン化や、社内ネットワークシステムの導入による仕事の簡略化は、組織崩壊を防ぐためにとても有効です。 従来の複雑な事務手続きや書類申請は、従業員にとって業務以外の余計なストレスとなるだけでなく、完了までのプロセスに時間がかかるため非効率だといえます。ネットワークシステムを積極的に導入することにより、社員同士がいつでも情報共有しやすい環境が構築でき、業務効率の改善に役立てることができます。 情報管理の観点からも、仕事のエラーや組織の問題点を見つけやすく、課題の早期解決につなげることが出来るでしょう。社内システムを整備することによって組織体制の強化が可能となるため、崩壊を未然に防ぐためのひとつの方法として注目されています。

社員の満足度を上げる働きやすい職場環境

働きやすさを意識した職場環境は、従業員の満足度を上げるだけでなく、社員が組織に定着しやすくなるというメリットがあるため、組織運営において安定した人材確保が可能になると同時に、離職率の低下が期待できます。 満足度の高い職場環境を実現するためには、社員のワークバランスを考えた内部体制を整えたり、人材育成に力を入れることが有効です。それにより、組織全体のパフォーマンスが継続的かつ健康的に向上するため、組織崩壊を予防する手段となります。

チームの信頼関係構築

崩壊しない強い組織を作り出すためには、社員同士の信頼関係を構築することが大切です。 信頼関係が築かれた組織は、緊急時や危機的な場面においても団結して壁を乗り越えることが出来る逆境に強い組織といえます。チームの一員として信頼関係を築くために、社員の意見交換や情報共有の場を定期的に設けることで職場のコミュニケーションが活発になり、お互いに助け合える良い組織を作り出すことが出来ます。 良好な信頼関係により成り立った組織は、社員の向上心とモチベーションの維持に役立ちます。それらはチームとして組織を支え、崩壊を防ぐため対策として効果的です。

分かりやすい人事評価基準を設ける

シンプルで分かりやすい人事評価基準は、社員の納得感や満足度に繋がり、この先も長く同じ会社で働き続けるためのモチベーションとなり得るでしょう。 また、組織内で社員の能力が適正に認められることにより、社員の組織に対する信頼度と組織としての士気が上がります。それらは、組織の業績悪化や、社員の意欲低下の食い止めに繋がるため組織崩壊の予防策となるでしょう。

組織マネジメントの強化

組織マネジメントとは、組織を円滑に運営管理するために「人・モノ・お金・情報」を上手く活用したマネジメント手法のことを言います。 組織マネジメントの見直しを図り改善していくことによって、組織全体の生産性が向上し円滑な組織運営が可能になります。それにより、リスクや変化に強い組織に変革することが出来るため、組織崩壊の防止策になります。


 

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05まとめ

組織崩壊は、様々な問題点が蓄積された結果「崩壊」という形で私たちの前に出現します。しかしながら組織が崩壊に至るまでには、水面下で様々な予兆が起こるため、まずはそういった予兆を見逃さずに組織がしっかりと問題に向き合うことで崩壊の危機を免れることが出来ます。今回解説した組織崩壊のプロセスを正しく理解し、組織運営に積極的に活用することで崩壊の防止と組織の改善に役立てましょう。

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    ループス・コミュニケーションズ 代表取締役

    1991年、日本IBMを退職、ICT技術を活かしてベンチャーを創業。携帯テクノロジーが注目され、未上場で時価総額 100億円超。その後、組織論と起業論を専門として 学習院大学 客員教授に就任。幸せ視点の経営講義が Z世代に響き、立ち見のでる熱中教室に。現在は ビジネス・ブレークスルー大学 教授として教鞭をふるう。2018年には、社会人向け講座「hintゼミ」を開講。卒業生は 600名を超え、三ヶ月毎に約70名の仲間が増えている。

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