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マズローの欲求とは? 概要と活用方法について解説

公開日:2021/05/28
更新日:2021/06/02
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マズローの欲求とは? 概要と活用方法について解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

マズローの欲求はマーケティングや人材育成の分野で幅広く活用されています。自己実現理論」とも呼ばれ人材育成においてはモチベーションに関連して、たびたび登場する概念です。当記事ではマズローの欲求の概要と活用方法について解説します。

 

アブラハム・マズローが提唱

アブラハム・ハロルド・マズローはアメリカの心理学者で「人間性心理学」の生みの親とされています。人間性心理学とは主体性や創造性・自己実現といった人間の肯定的な側面を強調した、心理学の新しい潮流といえます。マズローは「人間は自己実現に向かい絶えず成長する」と強く唱えています。

 

マズローの欲求5段階説

マズローは人間の欲求には5つの段階があるという理論を展開しました。人間は、「生命の維持に最低限必要な物質を欲する」という低次の欲求から、「自己実現」といった高次の欲求まで段階的に成長していくという理論です。そして、次の欲求が満たされるともう一つ上の欲求をもつようになると伝えています。それぞれの段階を「職場で働くこと」になぞらえながら解説していきます。

生理的欲求

5段階の最下層にある生理的欲求とは生きていくために必要な本能的な欲求ともいえます。「食欲」「睡眠欲」などが当てはまり、これが満たされないと生命を維持できません。「職場で働く」という側面で考えると、睡眠時間が確保できないような長時間労働がない、体力の回復をはかれる休日がある、生活給が保障されている、といったところでしょうか。

安全の欲求

生命維持に必要な最低限の生理的欲求が満たされると、次に生じるのが安全への欲求です。心身の安全が確保された、安定した生活を送りたいという欲求です。職場においては、安全対策がとられ労働災害が起きない、明るさや空調など環境が整えられている、ハラスメントがなくメンタルを病む心配がない、雇用が保証されている、といったことが安全の欲求が満たされている状態といえます。

社会的欲求

社会的欲求は帰属欲求ともいわれます。なんらかの組織、会社や学校チームに属し、そこに受け入れられたいという欲求のことです。組織に属し、そこで自分の存在が必要とされることで満たされます。職場の仲間として受け入れられていることはもちろん、自分が担当する仕事が会社・職場の役に立っていると実感することで満たされる欲求です。

承認欲求

承認欲求は自尊心を満たす欲求であるといえます。世間や所属する組織から能力や人としての価値を認められ尊重されたいと思う欲求のことです。出世して役職に就く、重要なプロジェクトを一任されるなど、責任と権限を与えられることで満たされます。また優秀な成績を収め表彰され、周囲の羨望を集めるといったことも承認欲求を満たす要素となります。

自己実現の欲求

マズローの欲求5段階説の最上層がこの自己実現の欲求です。見返りは求めず「理想とする自分になりたい」と思う欲求で、下位の4段階のすべてが満たされて初めて生ずるとされます。例えば、会社や組織で承認欲求が満たされていても、本当に自分がやりたい仕事で得たものでなければ自己実現の欲求は満たされていないといえます。この段階にある人は優秀な人物であることが多く、一定の地位を得ていても「この職場では自己実現ができない」と判断すると転職する可能性があります。エース級社員の退職はこれが理由の場合が多くあります。優秀な人材を流出させないためにはこの点、十分に注意が必要です。

 

5段階欲求の分類

マズローによる5段階の欲求はそれぞれの性質によりグループ分けされることがあります。 ここでは、3つの分類方法について見ていきましょう。

外的欲求と内的欲求

欲求の対象が外部にあるか、内部にあるか、で分類しています。生理的、安全、社会的欲求の3段階は自身の外部にある環境を満たそうとするものであるため「外的欲求」、承認~自己実現の欲求は自身の内面を満たすものであることから「内的欲求」と分類されます。

物質的欲求と精神的欲求

生理的~安全の欲求は水や食料、住むところといった生きていくために必要な「物」に対することから「物質的欲求」とされ、社会的~承認~自己実現の欲求の3段階は「物」ではなく「心」の満足にかかわるので「精神的欲求」と分類されます。

欠乏欲求と成長欲求

生理的~承認欲求までの4段階は自身で満たされていないと感じるものを欲しがるので「欠乏欲求」、自己実現欲求はすべてが満たされた状態から、さらに上を目指したいという欲求なので「成長欲求」と分類されます。

 

マズローの欲求6段階説も

マズローは晩年、5段階の欲求階層の上にもう一つ、「自己超越の欲求」があると唱えました。これは「世界の貧困をなくしたい」「世の中から戦争をなくしたい」といった社会全体に貢献したいという壮大な欲求であるといえます。そこに個人のエゴが入ることはなく「社会そのものを良くしたい」という理想を求める欲求といえます。マズローによればこの段階に達するのは全人類の2%程度であるとのことです。

 

マズローの法則に対する批判

マズローの法則は、人間の欲求についてよく整理されておりモチベーション管理の分野で有用に使われるものです。しかし一部では批判的な見方もあります。欲求の段階に上下をつけている点です。例えば「お金を得るために働く人」と「自分の理想を求めて働く人」がいたとします。マズローの説によると前者はレベルが低く、後者は尊いことになってしまいます。人それぞれの価値観の違いは反映されていないという点が批判の種になります。 また、欲求の段階は人により順番が変わったり、前段階の欲求が満たされていなくても高次欲求の実現に邁進する人もいます。例えば芸術の分野で優れた作品を残したが没後に評価された人は、存命中に承認欲求が満たされなくとも自己実現に邁進した人といえます。自分の夢のために貧乏を我慢する、理想の実現のために寝食を忘れ没頭するという人は大勢います。画一的に整理しすぎている点に批判が集まりやすいといえます。

 

マズローの欲求の活用方法

マズローの欲求5段階説は、組織マネジメントやマーケティング、モチベーション管理をはじめとした教育分野において幅広く活用されています。

組織マネジメントに活用

現代の企業では下位の生理的欲求や安全欲求は、おおむね満たされているといえます。その前提を下敷きとして、従業員の欲求水準に合わせたマネジメントにより効率的な組織運営が可能になります。例えば、年次の浅い若年層には社会的欲求を満たしてもらうべく、基礎的なことを習得させることで組織の一員として認めたり、戦力になっていることを自覚してもらいます。また承認欲求を満たそうとする段階の中堅層には難易度の高い要求をし、実現することでポストを与えるといったマネジメントも有効です。働く人の欲求をうまく活用したマネジメントに活用できるでしょう。

マーケティングに活用

マズローの5段階欲求説は、マーケテイングの分野でもしばしば活用されます。例えば自社のターゲット層がどの欲求水準に当たるのかを分析し、そこに合わせた広告施策を投入するといった具合です。また新商品を開発する際、その商品が顧客のどの欲求水準に支持されるのかを検討することで効果的な販売戦略を練ることが可能になります。

モチベーション管理に活用

マズローの唱える5段階欲求説は、自身に足りないものを埋めたり、成長したいという動機付けに関わる理論です。そのため、モチベーション管理の分野で広く深く活用されるのは自然なことといえます。「部下が仕事に何を求めているか?」を把握することで、それぞれに応じた接し方でモチベーションを引き出すことが可能になります。また適材適所の考え方にも応用ができます。給与やインセンティブが強い動機付けになる従業員は営業職に、人の役に立ち感謝されることがモチベーションになる従業員は、秘書や総務といった職務を担当させることで成果を上げやすくなるでしょう。この効果を意識して行う人員配置は、組織的なモチベーション管理ができているといえます。

 

マズローの欲求と人材育成

前述の通り人材育成の分野では、マズローの説はモチベーション管理によく活用されます。モチベーションは人が成長するための原動力といえます。従業員一人ひとりの動機づけを後押しして、行動を促す「モチベーションマネジメント」の考えを取り入れると人材育成は飛躍的に成果をあげます。

育成対象者の欲求がどの段階か見極める

マズローの欲求を利用したモチベーションマネジメントを行うためにはまず、育成対象者の欲求がどの段階か見極めることが第一歩となります。例えば、若手社員の集団でも下位の欲求が強い者、すでに自己実現の欲求を強くもっている者、それぞれの価値観によりさまざまな人がいます。また若手社員の場合は全員に社会的欲求を満たす施策を講じることも有効です。「あなたは会社にとって重要で、必要な人材です」というメッセージを常に発し、帰属意識を高める工夫も必要でしょう。

段階に応じたアプローチを行う

見極めを行ったら、それぞれの段階に応じたアプローチをしていきます。特に自己実現欲求を強くもっている社員に対しては、十分な配慮をする必要があります。そのような社員はおおむね優秀な人材であることが多く、将来にわたり企業に大きな成果をもたらす可能性を秘めています。適切な時期に難易度の高い仕事を担当させるなど、成長の道筋をしっかりと描いて育成すると目覚ましい成長を遂げるでしょう。

自己実現に向けた行動を促す

組織の成果を高めるには、すべての従業員に自己実現に向けた行動を促すことが必要となります。将来のあるべき姿をイメージさせ「実現のために今何をすべきか?」という短期目標を設定し、しっかりと行動できる環境を整えましょう。日々のOJTや定期的な集合研修などで進捗を確認し刺激を与え続けることも重要です。

 

まとめ

従業員に適切なモチベーションを保ち続けてもらうためには、マズローが唱える第3段階の「社会的欲求」までは最低限満たせる環境を整える必要がありそうです。従業員一人ひとりに、自分が「必要とされている」「認められている」という意識を強くもたせる工夫が必要です。それがモチベーションの土台となります。その上で自己実現へむけた取り組みを促す教育を検討してみてください。

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