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ジョブディスクリプションとは?導入が加速する背景や期待できる効果を解説

公開日:2021/07/07
更新日:2021/07/28
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ジョブディスクリプションとは?導入が加速する背景や期待できる効果を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

ジョブディスクリプションの定義や導入が加速する背景、導入で期待できる効果を、本記事では紹介しています。また、ジョブディスクリプションの作成におけるステップ、導入時のポイント、導入事例も紹介していますので、ジョブディスクリプションの計画策定にぜひお役立てください。

 

ジョブディスクリプションとは

ジョブディスクリプションとは、担当の職務内容について詳細を記した文書を意味します。ジョブディスクリプションは職務記述書とも呼ばれ、担当の職務ごとに必要とされるスキルや期待される成果を記述するもので、人事評価や人材活用の場面で活用されています。

 

ジョブディスクリプションの導入が増えている理由とは

ジョブディスクリプションは元来、ジョブ型雇用を行う欧米を中心に採用されてきたものですが、昨今では日本においても広く導入されるようになっています。ジョブディスクリプションの導入が増えている背景には、グローバル化や価値観の変化などの理由があげられます。ここでは、なぜジョブディスクリプションの導入が増加しているのかについて解説します。

経団連が以前から導入を働きかけてきた

日本経済団体連合会(以下、経団連)が2020年1月に発表した、春季労使交渉の経営側の指針によると、経済のデジタル化にともなう先行きの不透明性から、従来の企業内部での長期育成は困難を極めていると指摘されています。したがって、採用の段階において、いかに入社希望者のスキルや適性を見極めるかが重要になります。しかし、現行の短期集中型の新卒一括採用では採用者の能力を見極められないため、長期的な観点で採用者の専門的なスキルを見る「通年型のジョブ型採用」など採用形態を多様化することを、経団連は提言しています。 また、2021年1月に経団連が発表した経営労働政策特別委員会報告においても、「自社の事業戦略や企業風土に照らして、組織としての生産性を高めるべく、メンバーシップ型を活かしながらジョブ型を最適に組み合わせた、「自社型」雇用システムをつくり上げていくことが大切である」と述べ、ジョブ型雇用の導入に前向きな姿勢を示しています。
参考:「経団連が2020年春季交渉指針 日本型雇用制度を見直し|三菱総研DCS」

参考:「2021年版経労委報告|日本経済団体連合会」

個人の専門性を高め国際競争力を養うため

ジョブディスクリプションに基づく雇用では、該当する職務に適した人材を採用し、職務に合わせた専門的スキルを長期的に育成します。結果として、従業員個人の専門性が大きく成長し、国際的な競争の場において多大な成果を残せるため、ジョブディスクリプションの導入を加速化させていると考えられます。

ITエンジニアなど専門職の人手不足

日本においては、社会全体にITエンジニアなどの専門職が不足していることが後押しとなって、ジョブディスクリプションの導入が加速しています。これは、ジョブディスクリプションを活用すれば、企業に専門的スキルを備えた人材を配置しやすくなるためです。

ダイバーシティ経営に基づく外国人雇用の増加

多国籍の人材を採用するダイバーシティ経営を行った結果、日本とは異なりジョブ型雇用を前提とした諸国の外国人が増加します。ダイバーシティ経営の結果として外国人従業員増加が起こり、ジョブディスクリプション導入も加速しています。

同一労働同一賃金が適用されるようになるため

従来の年功賃金と異なり、職務内容などで賃金を決定する「同一労働同一賃金」がさまざまな企業で適用されるようになっています。同一労働同一賃金を適用するうえでは、職務内容が詳細に示されたジョブディスクリプションの導入が有効となるため、注目が集まっていると考えられます。

 

ジョブディスクリプションを活用することで期待できる効果とは

ジョブディスクリプションを用いて職務内諭を明確化する理由はいくつかあります。たとえば、ジョブディスクリプションを人事評価や人材活用の場面で活用することで、優秀な人材の採用や適材適所の人材配置、専門性の強化などの効果を期待できます。ここから詳しく解説します。

適材適所の人材活用と生産性向上の両立が見込める

ジョブディスクリプションを活用した人材配置においては、職務内容に適したスキルや適性を持つ従業員を配置します。したがって、従来のジョブローテーション制度とは異なり、人材のスキル育成にかかる時間や労力を省力化できるといえます。また、適性を考えた人材配置によって、従業員は潜在的な能力を職務に十分に発揮できると考えられるため、企業全体の生産性向上に寄与します。

客観的な評価基準で人事評価の公平性が保てる

人事評価における「評価制度」「等級制度」「報酬制度」の要素を連動させる役割を持つのが、ジョブディスクリプションです。ジョブディスクリプションによって職務内容や目指すべき成果など客観的な評価基準を明らかにし、人事評価の公平性が保たれます。

優秀な専門人材の採用ができる

ジョブディスクリプションを活用したジョブ型雇用によって、スキルや能力が備わっており、自己研鑽の意識が高い優秀な人材の採用が見込まれます。また、働き方改革や価値観の変化に伴い、勤務地や職務内容が限定された専門職を希望する人が増えています。ジョブ型雇用を取り入れることで、採用人数の増加につながると考えられます。

人事マネジメントの効率化につながる

ジョブディスクリプションにおいて、職務内容や責任範囲、評価方法を明らかにすることにより、人事側と従業員側とでこれらに関する認識のズレが生じにくくなります。結果として、人事マネジメントの効率が上がると考えられます。

専門分野やスキルに特化した人材の育成ができる

ジョブディスクリプションに基づく雇用では、職務内容に求められるスキルを有した人材の採用や、職務内容に沿ったスキル育成を前提としています。したがって、専門分野やスキルに特化したスペシャリストの育成が可能になります。

 

ジョブディスクリプションの作成におけるステップとは

人事の観点から考えると、ジョブディスクリプションの作成は、従業員とのミスコミュニケーションを防ぎ、離職防止やパフォーマンスアップに繋がる重要な書類です。ここからは、ジョブディスクリプション作成時の3つのステップを紹介しますので、ジョブディスクリプション計画策定時にお役立てください。

対象となる職務の情報収集と従業員へのヒアリングを行う

ジョブディスクリプションに関する職務について、対象職務に関する情報収集と職務を担当している従業員へのヒアリングを行います。職務内容や職務等級、必要とされるスキルなど詳細な情報を集め、さらに現場の声を取り入れることで人事側と現場側とで意見の相違がないようにします。

調査に基づき具体的な業務内容を決定する

人事や部門のリーダーを中心に、収集した情報を精査しながら、職務の具体的な内容を決定します。職務に必要な作業を「なぜ」「何を」「どのように」という観点で定義づけし、作業に重要度や優先順位をつけていきます。そして、重要度順に作業を並べていくことで、職務の具体的な内容が把握できるようになります。

精査した職務情報をもとにジョブディスクリプションを作成する

精査した職務情報を基に、1枚の紙に職務内容をまとめます。インターネットなどで公開されているフォーマットを参考に、自社で必要と考えられる項目を盛り込むと良いでしょう。また、ジョブディスクリプション作成後は、現場の担当者に確認してもらうことで、現場の認識とのズレを解消できます。

 

ジョブディスクリプション導入時に注意すべきポイントとは

ジョブディスクリプションを導入する際には、いくつかのポイントに注意して運用することが必要です。ジョブディスクリプションに基づく人材活用を円滑に行うために、気をつけるべきポイント3つを紹介します。

自分の担当業務しか取り組まなくなる

ジョブディスクリプションに記載されている職務内容のみが評価対象になると考える従業員にとっては、記載されていない雑用は行う必要がないものと判断されるおそれがあります。誰かがやらなければならない雑用があったとしても、特定の従業員のみが行うことによって、不公平性が出てきてしまうのです。 人事評価の方法やルール作りなどの方法によって、ジョブディスクリプションに記載されていない業務を全従業員が公平に行うようにすることが大切です。

実際の業務内容と隔たりがないか定期的に見直す

業界を取り巻く環境や経済全体の状況、企業の経営状態が変化することによって、職務内容や責任の範囲が変わるものです。したがって、一度策定したジョブディスクリプションは、定期的に見直し、実際の業務内容と隔たりがないか確認する必要があります。

業務全体の効率化を図るためさまざまな人の意見を取り入れる

ジョブディスクリプションを作成する担当者は、人事部門の従業員であることがほとんどですが、ジョブディスクリプションに記載する内容には、現場の多くの従業員の意見を取り入れることが大切です。特定の従業員のみからヒアリングするだけでは偏った内容になってしまうため、多角的な意見を盛り込み、業務全体の効率化を図っていくことが欠かせません。

 

ジョブディスクリプションを導入している企業を紹介

経団連が以前から導入を呼びかけていたジョブディスクリプションに基づくジョブ型雇用ですが、新型コロナウイルスの蔓延を機に雇用形態を見直し、多くの企業がジョブディスクリプションを導入しています。ここでは、ジョブディスクリプションを導入した企業を3つ紹介します。

日立

日立は10年程前から、世界情勢に合わせて雇用形態を変化させてきましたが、2020年4月からジョブ型雇用を一層強化しました。採用者の学歴別の一律初任給額ではなく、一部のジョブを対象に採用者のスキルや経験、職務内容に合わせた個別の処遇設定を行います。また、事務系職種でも職種別採用コースを設定し、企業全体としてジョブ型雇用を強化しています。
参考:「ジョブ型人財マネジメント|日立」

富士通

富士通では、2020年度から管理職を対象にジョブ型雇用を導入しています。2021年4月には富士通社内の600件の新任課長枠に簡易的なジョブディスクリプションを用意し、希望者が立候補する形で登用を行っています。今後は、管理職だけではなく、徐々に一般社員にもジョブ型雇用を拡大する予定です。
参考:「富士通のジョブ型人材マネジメント-DX企業への変革に向けた人材哲学|富士通」

資生堂

資生堂は昨今の社会情勢を鑑みて、企業に変革を起こさなければならないと危機感を抱いており、そのための多様な人材の確保に向けてジョブ型雇用を採用しています。2021年1月から一般社員3800人を対象に、ジョブ型雇用を採用しており、従業員の多様なバックグラウンドを個性として経営に活かしたいと考えています。
参考:「資生堂流人事の極意 “脱・年功序列”で会社が変わる?|NHK」

 

まとめ

グローバル化や価値観の変化などダイバーシティが進む現代社会、また新型コロナウイルス拡大によって既存の概念が覆された昨今の情勢においては、従来の一括新卒採用ではなく、ジョブディスクリプションを活用した採用および人材配置が求められています。 本記事で紹介した、ジョブディスクリプションの作成ステップや注意点を参考に、自社でもジョブディスクリプションの策定を検討してみてはいかがでしょうか。

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