更新日:2025/10/15

CTOとは?役職の意味から求められる役割まで詳しく解説

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最近IT企業を中心に、CTOという役職を耳にすることが多くなりました。しかし元々はアメリカの企業における役職名のため、日本ではまだその意味や役割を良く理解できていない人も多いでしょう。この記事ではCTOとはどのような役職かから求められる役割まで詳しく解説します。

 

01CTOとは?

CTOとは最高技術責任者のことで、英語では「Chief Technology Officer」または「Chief Technical Officer」と表現されるため、その頭文字を取って名づけられました。 1980年代のアメリカで登場した役職で、日本の会社法などで定められている役職ではありませんが、外資系企業やスタートアップ企業を中心に少しずつ浸透してきています。 企業の技術領域においての最高責任者としての役割を担うため、経営層として意思決定を行う場面も多いでしょう。

CTOの責任の領域について

CTOの責任領域は企業の規模によって変化するため、2つの企業規模に分けてご紹介します。

小規模・スタートアップ企業の場合

小規模企業やスタートアップ企業の場合、比較的現場に近い距離感となり、プロジェクトマネジメント、チームの進捗管理など、企業における技術チームの成果を最大化させるための施策を立てて実行する役割が求められることが多いでしょう。 また、時にはエンジニアの採用担当として面接なども行うため、業務の幅は多岐に渡りますが、技術チーム内に限定されるため責任の領域はそれほど広いとは言えないでしょう。 企業の方針や業務内容の変化に合わせて臨機応変に業務を遂行し、その責任を果たすことが重要です。

中規模・大規模な企業の場合

中規模企業や大規模企業の場合、CTOの立場が取締役会レベルの経営上層部に位置するため、幹部としての影響力が大きくなります。 自社のビジネス戦略に基づいた技術方針の策定、投資などの意思決定、システム構築やその運用などを担うため責任の領域も広くなりがちです。 現場を率いる力だけではなく、技術力を駆使して会社をまとめあげる力が問われます

 

02CTOに似た肩書の意味と違い

CTOに似たような言葉に、CEO、CFO、COO、CIOがありますが、それぞれ異なる意味を持っており、ここで解説します。

CEO

CEOとはChief Executive Officerの略で、「最高経営責任者」という意味の役職です。経営責任者であるCEOは会社の経営方針や事業計画など、経営事項において責任を負います。

CFO

CFOはChief Financial Officerの略で、「最高財務責任者」という意味の役職です。CFOは財務に関する業務を管理・統括することにとどまらず、経営戦略の意思決定に深く関わり、経営戦略を踏まえた財務戦略の策定、並びに実行する役割を担っています。

COO

COOはChief Operating Officerの略で、「最高執行責任者」という意味の役職です。CEOが企業の経営についての全責任を負うのに対し、COOは経営について業務の執行に対して全責任を負います。

CIO

CIOはChief Information Officerの略で、「最高情報責任者」という意味の役職です。企業の情報戦略における全責任を負い、企業利益にとっての情報をマネジメントする役割を担います。

 

03CTOの役割

CTOの具体的な役割には以下が挙げられます。

  • ・技術戦略の意思決定
  • ・技術経営(MOT)
  • ・エンジニア採用と教育
  • ・組織文化の形成
  • ・経営と現場を繋ぐ

上記について、本節でさらに詳しく解説していきます。

技術戦略の意思決定

CTOは企業内で技術戦略の意思決定を担います。新規事業の立ち上げや既存サービスの改善において、どの技術を採用し、どの方向性で進めるかを判断します。最新の技術動向やコストを把握したうえで、経営目標の実現に最適な技術を選択することが求められます。技術判断のスピードと精度は、事業成長に直結します。

技術経営(MOT)

CTOは技術を事業価値へと転換する「技術経営(MOT=Management of Technology)」の中核を担います。研究開発を単なるコストとして扱うのではなく、収益に結びつける経営視点が必要です。技術を核に新たな市場機会を生み出し、事業戦略と連動したイノベーションを推進します。

エンジニア採用と教育

CTOは採用から育成まで技術人材マネジメントに深く関与します。人事部と連携し、必要なスキルセットや人物像を定義したうえで採用活動を主導するほか、採用面接に同席することもあります。また入社後の教育体制を整備し、エンジニアの成長を促す環境をつくることもCTOの重要な役割です。

組織文化の形成

CTOは技術組織の文化を形成し、健全なチームづくりを主導します。単にスキルを高めるだけでなく、失敗を恐れず挑戦できる雰囲気や、知識共有が活発に行われる環境を整えることが重要です。エンジニア同士が互いを尊重し、技術を軸に協働できる文化を育てることで、開発スピードと品質の両立が実現します。

経営と現場を繋ぐ

CTOは経営層と開発現場の橋渡し役を果たします。経営の意思決定を現場の行動に落とし込み、現場の課題や技術的制約を経営へフィードバックする役割です。両者の視点を理解し、共通言語で対話を進めることで、戦略と実行のズレを防ぎ、組織全体の一体感を生み出します。

 

04企業のフェーズごとに求められるCTOのタイプ

企業が成長するフェーズごとに求められるCTOのタイプは以下の4段階に分けられます。

  • ・シード(準備期間)
  • ・アーリー(創業期)
  • ・ミドル(事業成長・拡大期)
  • ・レイタ―(事業発展)

上記について、本節でさらに詳しく解説していきます。

シード(準備期間)

シードとは起業前の準備段階を指します。 この段階で求められるのは率先して開発業務を行うことのため、マネジメントスキルの高いCTOよりも、基礎となる技術力の高いタイプのCTOが求められます。 プロトタイプの開発などを行いながら、自分の持つ技術スキルをさらに高めていく姿勢が重要だと言えるでしょう。

アーリー(創業期)

アーリーとは創業してまもない時期を指します。 この段階で求められるのは商品やサービスのリリースとその運用・改善のため、自社の持つ開発技術の確立や方針の策定などを、技術チームを率いて行うことのできるマネジメントスキルが高いタイプのCTOです。 将来を見据えて、技術チームとの信頼関係を築くコミュニケーションを行うことが大切です。

ミドル(事業成長・拡大期)

ミドルとは事業の成長や拡大を図る時期を指します。 この段階で求められるのは経営戦略やブランディングなどを策定する、経営層としてのスキルを持つCTOです。 エンジニアの採用から育成、人事評価、トラブル対応、社外への発信など業務の幅が少しずつ広くなることを見据えて仕事に取り組みましょう。

レイタ―(事業発展)

レイタ―とはシード、アーリー、ミドルで行ってきたことが実を結び、企業が行う事業がより発展していく段階を指します。 この段階で求められるのは人数が増加した技術チームを率いるマネジメントスキルや、後任のCTOを育成するスキルに長けたCTOです。 最新技術や次世代システムのビジョン作成など技術に関わる意思決定はもちろんですが、経営層として会社を率いるという、より高度なマネジメントを求められているのも忘れてはいけません。

 

05CTOに求められるスキル

CTOに求められるスキルには主に以下の 4つがあります。

  • ・ビジネス面での柔軟性
  • ・事業・経営面も含めたマクロな視点
  • ・技術を運用・活用するための思考
  • ・リーダーシップ

上記について、本節でさらに詳しく解説していきます。

ビジネス面での柔軟性

技術を運用する人に限った話ではありませんが、ビジネスにおいて行き詰まる大きな原因の1つには、固定観念にとらわれ過ぎているということが挙げられます。 次々と新しい技術が開発されていく時代の流れの中、それを適切に運用したり自社で新しい技術を創り上げたりするためには、当然と考えられることに疑念を抱き別の視点から眺めてみるといった柔軟性を持つことが重要です。 斬新なアイデアは常識の範囲外から思いつくことが多いということを頭に留め、目の前にあることを俯瞰して捉え、判断していくスキルがCTOには求められるでしょう。

事業・経営面も含めたマクロな視点

CTOは企業における経営陣として、技術を用いて企業にどのような利益をもたらすことができるかを考えなければなりません。 技術を用いて自社の利益を最大化するためには、事業・経営面も含めてマクロな視点で俯瞰して物事を捉えることが重要だということです。 具体的には技術を開発・運用するだけではなく、それを使う場所を変えたり、お客様の要求に合わせて応用し、別の技術として新しく作り直したりといった、利益を生む活用方法を考えなければならないのです。 この意味で企業はCTOに対して、単なる技術分野のマネージャーとしてのスキルだけを求めているのではないことがわかるでしょう。

技術を運用・活用するための思考

技術についての知識や経験が深ければ開発業務を行うことは可能ですが、CTOの仕事においてはその技術についての見識を企業の戦略に沿って「いつ」「どこで」「どのように」運用するのが望ましいかを考える思考力が求められます。 技術の運用にはコストや不確実性といったリスク、また納期などさまざまな要素が絡み合うため、それを鑑みた上で利益を生む最善の選択は何かを考える必要があるのがCTOだということです。

リーダーシップ

CTOには技術力や思考力だけではなく、リーダーシップも求められます。 企業が目標を達成するための技術戦略を適切に実行するためには、技術チームに所属するたくさんのエンジニアやプログラマーに協力してもらわなければなりません。 人に協力してもらうためには、トップダウンといった一方通行のコミュニケーションでは難しく、双方向のコミュニケーションを意識的に行う必要があります。 双方向のコミュニケーションで信頼関係という土台を築いた上でなければ、いくら部下といえども会社の方針に耳を傾けたり、同じ目標に向かって成果を挙げるために行動してくれたりはしないでしょう。 技術チームが同じ方向を向いて、企業の目標達成のために各自のポジションで能力を発揮できる環境を整えられるかどうかはCTOの持つリーダーシップ次第だと言えます。

 

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07まとめ

CTOとは最高技術責任者のことで、日本の会社法などで定められている役職ではありませんが、外資系企業やスタートアップ企業を中心に、少しずつその名前を耳にするようになりました。 技術面から会社の戦略を支えるので、現場とのつながりが深く会社の成長段階によって求められることも変わりますが、柔軟性やマクロな視点を持ち、技術を会社の利益を生み出すためにどう活用するかを常に考えて実行する必要がある役職だとわかりました。 この記事も参考にして、ぜひCTOという役職について理解を深めてみてください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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