業務分掌の意味やメリットとは?具体的な作り方や既定のサンプルもご紹介
業務分掌は、日々の業務が滞りなく行われるためには欠かせないものです。各部門やチームごとに責任や権限を明確化して業務を行うことは、会社や労働者にとってもメリットが多いです。業務分掌は、会社全体の業務の効率化にも役立ちます。 この記事では、業務分掌をするメリットとデメリット、似た言葉「職務分掌」「セグリゲーション」との違いなどについて、わかりやすく解説します。最後には、業務分掌規定表の作り方、作り方のコツもお伝えするので、業務分掌を考える際に役立ててください。
- 01.業務分掌とは?
- 02.業務分掌と似た言葉との違い
- 03.業務分掌をする4つのメリットとは?
- 04.業務分掌をする2つのデメリットとは?
- 05.業務分掌の作り方
- 06.業務分掌を簡単に作る方法とは?
- 07.まとめ
01業務分掌とは?
「業務分掌(ぎょうむぶんしょう)」とは、どのような意味があるのでしょうか。務分掌とはどのような意味があり、会社や労働者にどのようなメリットがあるのか、この記事で詳しく解説しますので、業務分掌の導入や作成を検討している企業は活かしてください。
各部署やチームごとに職務内容・責任・権限を分けること
業務分掌は、会社などの組織で、各部署やチームごとの業務内容、責任、権限を明確化することです。 これまで曖昧だった各部署やチームごとの知業務内容、責任、権限をはっきりと決めることで、以前より格段に働きやすくなった、という従業員も声も聞かれます。また、業務分掌の魅力について解説するビジネス書、ビジネス向けサイトも増えてきました。
メリットが多く導入する企業も増えている
業務分掌にはメリットが多く、取り入れる企業も増えてきました。組織内に業務分掌を取り入れると、各部署やチームが職務範囲や権限を把握したり、責任感を持つこともできます。 このことにより、労働者一人一人がどこまで作業すれば良いのか困ることがなくなり、責任感を持って日々の職務をこなすことができるのです。こうしたメリットを感じて、業務分掌を検討する企業も多いです。
02業務分掌と似た言葉との違い
業務分掌と似たビジネス用語は2つあります。言葉を混同してしまう人もいるので、どのような意味があり、どのような違いがあるのか、この機会に違いをしっかりと把握しておきましょう。 業務分掌と名称が似ている言葉は「職務分掌」、業務分掌と意味が似ている言葉は「セグリゲーション」です。
業務分掌と職務分掌の違い
業務分掌を知りたい場合に頻出する言葉が、「職務分掌」です。職務分掌とは、職務や、会社の代表取締役、専務取締役の役割などを明確化したものです。 ・業務分掌は「業務」に関する責任や権限などをはっきりと表したもの ・職務分掌は「職務や役職」に関する責任や権限などをはっきりと表したもの ここで言う「業務」とは、各部署やチームが担当するものです。これに対して「職務」とは、人が担当するものです。しかし、規模の小さな会社では、この限りではありません。
業務分掌や職務分掌は文書化も
業務分掌や職務分掌は、特に大きな企業などは文書にして保存しています。業務分掌や職務分掌を規定化した文書は、「職務分掌規定」「職務分掌表」と呼ばれ、組織内で共有されます。一人一人が業務分掌規定を理解することは必須です。
業務分掌とセグリゲーションの違い
職務分掌と同様に、業務分掌と間違得やすいビジネス用語が、「セグリゲーション」です。 セグリゲーションは、従業員によるや不正、間違った知識や考えを未然に防ぐことを目的として、業務上の執行者と承認者の権限や職責を明確化することです。 業務分掌は各部署やチームごとに業務の責任や権限を明確化することで、従業員による不正や誤った知識や考えにまでは触れていません。この点がセグリゲーションとは異なるとわかります。
03業務分掌をする4つのメリットとは?
業務分掌を行うメリットについて、具体的にお伝えします。業務分掌を行うことで得られるメリットは、3つもあります。メリットを得られるのは、企業だけでなく従業員も同様です。では、具体的にどんなメリットが得られるのか、一つ一つ紹介しましょう。
メリット1:業務をする上で責任の所在を明確にできる
メリットの一つ目は、業務分掌をすることで、業務上の責任の所在を明確にできる点です。このことにより、トラブルが起こった時にも、スムーズな解決を図れます。責任の所在がはっきりとわかることで、今後のトラブル防止策を練ったりすることもできます。
メリット2:職場の不正な事柄に対するリスクを減らせる
業務分掌を行うことで、職場内の不正な事柄に対するリスクを減らせる点も、魅力です。万が一従業員が不正な事柄を働いてしまったとしても、業務内容がはっきりとわかっているため、該当する従業員も見つけやすいからです。 横領など、不正を働いた従業員がわかりやすい組織では、自然と不正を働く従業員も減るというわけです。
メリット3:従業員一人一人が責任を持つことができる
業務分掌を行うメリットは、まだあります。それは、業務分掌を行うことで、従業員一人一人が日々の業務を責任を持ってこなすことができる点です。 従業員一人一人が責任感を持って日々の業務をこなすことは、従業員にとっても良い影響があります。責任感を持つことで、業務のやりがいやモチベーションアップにつながるのです。
メリット4:特定の部署・チーム・従業員に負担が生じない
業務分掌を行うと、特定の部署やチーム、従業員に負担が生じることも防げます。この点は、健全な職場を作るためにも、欠かせない要素です。 製造業での一例をあげます。その製造業は、これまで特定の部署、チーム、従業員に負担がかかっていました。該当従業員の肉体的な負担や精神的な負担も相当のものでした。しかし、実際に業務分掌を取り入れたことで、特定の従業員にかかる負担が見事に解決されました。業務分掌を導入して、このように成功した事例もあるのです。
04業務分掌をする2つのデメリットとは?
では、業務分掌を行う場合に、デメリットはないのか、解説します。企業が業務分掌を導入するには、いくつかのデメリットもあります。具体的にどのようなデメリットがあるのか、解説します。
デメリット1:規定外の業務をしない従業員が出てくる
業務分掌を行うデメリットの一つ目は、業務分掌の規定外の業務をしない従業員が出てくる点です。業務分掌規定に、自分の部署やチームの仕事はこここまで、とあるので、その範囲外の仕事はしないという、言わば放置されてしまう業務が出てくる可能性があります。 また、従業員同士で業務の責任転嫁が起こる可能性もあり、これは企業としても、非常に悩ましい点です。
デメリット2:イレギュラー発生時に担当かどこなのか判断しかねる
業務分掌のデメリット二つ目は、業務上でイレギュラーが発生した場合、担当者や責任が誰なのか判断しかねる点です。自分の所属する部署やチームが持つレギュラー業務では、このような問題は起こりません。 しかし、人手不足などが原因で、業務内容や持ち回りがある企業では、職務分掌規定にはない業務が発生することもあり、イレギュラー対応に困る可能性もあります。 イレギュラー発生頻度が多くなると、業務分掌の規定自体があいまいなものになることも考えられます。最悪の場合、現場が混乱してしまい、納品が遅れるなど業務に支障が出ることも想定されます。
05業務分掌の作り方
業務分掌の実際の作り方を説明します。業務分掌は、正しく作らないとリスクを伴う場合もあるので、ぜひ正しい作り方を覚えてください。
作り方1:会社の経営陣や各部門やチームの担当者の声を聞き取り
業務分掌を作成するうえで、会社の経営陣や各部門やチームの担当者の声を聞き取ることは、欠かせません。規定と現実とのギャップ、それによる負担や不満を生み出さないためにも、しっかりと聞き取りを行いましょう。
作り方2:会社の各部門やチームの責任を明確化する
続いて、会社の各部署やチーム、それぞれの責任を明確化しましょう。各部門、部署、係、チームごとにどんな責任を負ってもらうのかを定めます。 この作業では、これまでの責任の所在が見直されることもあります。
作り方3:会社の各部門やチームの権限を明確化する
各部門やチームの責任を明確化したら、次は各部門、部署、係、チームごとに、どんな権限を持ってもらうのかを定めます。 この作業では、これまでになかった業務権限が規定に組み込まれることもあります。
作り方4:明確化した責任や権限を一覧にまとめる
最後に、各部署やチーム毎に明確化した責任や権限を、一覧にまとめます。そして、業務分掌の表が完成したら、従業員全員にしっかりとアナウンスすることも忘れないようにします。
06業務分掌を簡単に作る方法とは?
最後に、業務分掌を簡単に作る方法について、解説します。特に業務分掌を作るのに時間を避けない企業にとっては、役立つ方法です。2つのやり方を紹介するので、業務分掌作成に役立ててください。
業務分掌は規定サンプルを参考にすると作りやすい
業務分掌には、規定サンプルというものが存在します。規定サンプルを参考にして業務分掌を作ると、わかりやすく作業も進みます。インターネット上にも規定サンプルはありますので、企業に合ったタイプを見つけて、参考にしてください。
組織変更があった場合に備えてエクセルで管理するのが便利
業務分掌作成は、組織変更があった場合のことも考えて、エクセルで管理しておくと大変便利です。組織変更があった場合に、該当箇所を書き換えるだけで済みます。業務分掌作成の際には覚えておくと便利です。
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・自己啓発への活用方法 など
07まとめ
業務分掌の意味、メリット、作成方法について解説しました。近年、業務分掌を導入する企業が多いのも、理解ができたと思います。企業が業務分掌の導入を検討する際は、実際のメリットとデメリットをしっかりと理解したうえで、活用するかどうかを決めてください。