更新日:2025/06/02

自己啓発とは|メリット・デメリットや具体的な方法を紹介

自己啓発とは|メリット・デメリットや具体的な方法を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

自己啓発を推奨する企業が増加しています。スキルアップした魅力的な従業員が、職場で幅広い活躍をすることを期待して、人材育成を行う企業も少なくありません。この記事では、自己啓発活動を実施する必要性と具体的な方法を紹介しています。

 

01自己啓発とは

自己啓発とは、主体的に自身の知識や能力を向上させる行動のことです。

会社から強制的に知識やスキルを習得させられる研修と異なり、あくまでも自身の内発的動機による主体的な学習行動という点が自己啓発の特長です。

自己啓発は、Off-JT(研修)やOJTに並んで、人材開発の代表的な手法です。終身雇用が前提だった少し前の時代までは、企業として自己啓発に注力する企業は多くありませんでした。しかし、VUCAと呼ばれる予測のつかない時代になり、自己啓発の重要性が増し、昨今では多くの企業が自己啓発に取り組むようになっています。

 

02自己啓発が注目を集めている理由

自己啓発は、VUCA時代と呼ばれるようになってきてから注目度が増してきています。その背景には、これまでのOJTとOff-JTが中心の人材育成だけでは成り立たなくなっている現状があるからです。

この章では、自己啓発に取り組む企業が増えている理由を解説します。

技術革新のスピードが急速になった

インターネットが普及した2000年代から、技術革新のスピードは急激に速まっています。そして、昨今はChatGPTに代表されるAIの技術が成長し、指数関数的に技術革新のスピードもさらに伸び、シンギュラリティが起こると唱えている人もいます。

このような時代において、企業が社員に必要な学びを与えているのではスピードが追いつきません。そのため、自己啓発(SD)を推進して社員が自ら必要な学びを掴み取ってほしいという企業のニーズが高まっているのです。

スキルが多様化

技術革新のスピードが遅かった時代は、仕事に求められるスキルも大幅に変わることがなく、Off-JTで社員の成長を支援することができていました。しかし、技術革新によって新たな職種が生まれ、新たなスキルが次々と出てきています。

このような中で、業務に必要な学びを企業が研修で提供することが不可能となり、OJTでも教えられる社員がいないという状態も増えてきています。そのため、自己啓発で自分で学んでもらわなければならないという必然性が出始めているのです。

キャリアオーナーシップが重要視されている

キャリアオーナーシップに注目が集まっていることにより、自己啓発も注目を集めています。キャリアオーナーシップとは、「社員(個人)が自分のキャリアに対して主体性(=オーナーシップ)を持って取り組む意識と行動」のことです。

医療技術の進化によって、人生100年時代が現実として意識され始めています。また、年功序列や終身雇用が限界を迎え、転職も当たり前の時代となってきました。このような背景で、企業が社員を選ぶのではなく、企業と社員は選び・選ばれる関係性へと変化しました。

そのため、自社でしか活躍できない社員を育成していては社員に選ばれない企業になってしまうため、企業として社員自身のキャリアプランに沿った成長機会を提供する必要性が出てきたので、自己啓発を推進しようとしているのです。

▶︎関連記事:キャリアオーナーシップの意味とは|メリット・デメリットや事例を紹介

 

03自己啓発のメリット

“自己啓発がもたらす効果”

自己啓発を行うことにより、仕事の質の向上・年収増加・仕事の満足度向上などの効果が見られることがわかっています。

特に仕事の質・仕事の満足度に関しては、自己啓発を行なっている人とそうでない人では、大きな違いが見えます。

この章では、自己啓発を推進することによって期待できる効果を、厚生労働省のデータをもとに紹介します。

▶︎参考:厚生労働省|主体的なキャリア形成に向けた自己啓発の効果と課題について

仕事の質

自己啓発を実施した2年後の仕事の質

自己啓発を行うことにより、仕事の質はどの年代でも向上していることがわかります。上記の数値は、担当している仕事が前年と比較した際に、「大幅にレベルアップした」・「少しレベルアップした」割合から「大幅にレベルダウンした」・「少しレベルダウンした」割合を差し引いた値です。

特に35~59歳の世代においては、研修やOJTで学ぶ機会が減るため、自己啓発の有無で仕事の質に大きな差が出ています。また、35歳未満でも自己啓発に取り組んでいる人の方が成長しており、会社から学習機会を得ている若手時代においても自己啓発の有無で成長速度に大きな差が出ることが伺えます。

年収変化

自己啓発を実施した2年後の年収変化

自己啓発は年収にも良い影響を与えます。2年前と比較して、年収が10%以上増加した割合から 10%以上減少した割合を差し引いた値が上記の画像の数値です。

この結果を見ると、年功序列がいまだに風習として残っている日本において、自己啓発によって大幅に年収が上がっているわけではないようです。

一方で、2年間で10%増加した人の割合が多いという結果を見るに、自己啓発の継続した人の生涯年収は、行わなかった人と比較して大きな差が出ることが予想されます。

仕事の満足度

自己啓発による仕事の満足度への影響

自己啓発は仕事の満足度にも大きな影響を与えることがわかっています。上記の数値は、仕事の満足度について、「満足」・「どちらかというと満足」の割合から「不満」・「どちらかというと不満」の割合を差し引いた値です。

いずれの年代でも、仕事の満足度は自己啓発を行なっている人の方が高くなるという傾向にあります。主体的に学習行動をとっている人は、主体的に仕事に取り組むことも容易に想像できるため、この数値は当然の結果とも言えるでしょう。

 

04自己啓発のデメリット

自己啓発のデメリットには次のようなものが挙げられます。

  • 1.のめり込みすぎて周囲との関係が疎かになる
  • 2.信頼性の低い情報を鵜呑みにしてしまう

自己啓発には多くのメリットがある一方で、上記のようなデメリットも存在します。ここでは上記についてそれぞれ解説していきます。

1.のめり込みすぎて周囲との関係が疎かになる

自己啓発は個人の成長やスキル向上を目的とするため、意識的に取り組むことは有意義です。しかし、過度にのめり込んでしまうと、周囲との関係が疎かになる可能性があります。自己成長に集中するあまり、他人と共有する時間や対話の機会が減少し、家族や友人、同僚などの周囲の人々との関係が薄れる危険性があります。

特に、自己啓発の目的が他者からの評価向上に依存している場合、周囲の関係を自身の目標達成のための手段として扱ってしまうこともあります。これにより、利害関係や目的が合致しない人々との関係を軽視するようになり、結果的に信頼を失うリスクが高まります。自己啓発はあくまでバランスを保ちながら取り組むべきであり、周囲との関係を維持しながら進めることで、成果がより意義深いものとなるでしょう。

2.信頼性の低い情報を鵜呑みにしてしまう

自己啓発には、多様な書籍やセミナー、オンライン教材が存在し、情報も手軽に手に入ります。しかし、それらの情報の中には信頼性が低く、科学的根拠や実績が乏しいものも少なくありません。

過度に自己啓発を求める人は、自己成長への期待から、情報の真偽を吟味せずに受け入れてしまう傾向があります。特に、簡単に成功を得られる、瞬時に成果が出るといった主張には注意が必要です。信頼性の低い情報に依存することで、非現実的な期待を抱き、結果的に失敗や落胆を招くこともあります。自己啓発に取り組む際には、情報の正確さや根拠を確認し、可能であれば信頼できる専門家の意見を取り入れるなど、慎重な姿勢を持つことが重要です。

 

05自己啓発の具体的な方法

自己啓発施策の代表例は主に以下の6つがあります。

  • ・書籍購入制度
  • ・資格取得支援
  • ・外部セミナーなどの参加費用負担
  • ・勉強会などの開催支援
  • ・eラーニング
  • ・企業内大学

書籍購入制度は低コストで始められるため、多くの企業で導入されています。また、eラーニングの導入を進める企業も多く、特に昨今の人的資本経営やキャリアオーナーシップなどの流れを受けて、本格的に全社導入する企業も増えてきています。さらには企業内大学という形式でeラーニングや勉強会を総合した取り組みを推進している企業もいます。

書籍購入制度

自己啓発の施策として簡単に始められるものが、書籍購入制度です。書籍の購入はランニングコストではなく、各部署に予算を割り当てておけば稟議の承認者も現場の管理職に全て委ねることができます。

簡単に開始できるというメリットがある反面で、ビジネス本を読むということはハードルが高く、制度の利用者があまり増えないという点が欠点かもしれません。

資格取得支援

資格取得支援も、書籍購入制度と同様に開始までのハードルは低い施策です。企業にもよりますが、資格を取得できた場合に受験費用を負担するというルールを設ければ、企業にとってデメリットが全くない施策となります。

一方で、合格しないと費用負担が受けられないというルールは制度の利用者を限定することになるので、どこまで企業として支援するのかは注意する必要があります。

外部セミナーなどの参加費用負担

企業外で開催している有料セミナーへの参加費用を、会社が負担するという制度を設けている企業もあります。外部セミナーは往々にして費用がそれなりにかかるので、能力向上に意欲的な社員には好まれる傾向にあります。

その反面、1人にかかる費用が大きくなってしまうので、仮に多くの社員が意欲的にこの制度を利用すると予算超過の危険性もあるので注意が必要です。

勉強会などの開催支援

社内で開催される勉強会の支援も、自己啓発施策の1つです。同じ企業に所属する、同じような課題を持った社員が集まるので、社員同士の新たな繋がりを生むことができます。また、基本的に社員が主導して実施されることが多いので、人事としては工数がそこまで割かれないというのもメリットです。

しかし、自発的に勉強会を開催して自己研鑽をしようとする社員は多くないので、最初は社内周知や企画などを人事が伴走し、勉強会を社員が自ら開催するような文化を長い視点で作っていく必要があります。

eラーニング

昨今、注目を集めている自己啓発施策がeラーニングです。働き方改革やコロナの影響でリモートワークを許容する企業が増え、オンラインで自由に学ぶことのできる環境が求められています。このような社会背景の中で、eラーニングを自己啓発の施策としてでなく、Off-JTの一貫として利用する企業も続々と増えているのが現状です。

▶︎関連記事:eラーニングって効果あるの?管理者と受講者双方の目線で解説!

企業内大学

社内勉強会やeラーニングなどの施策を統合して、企業内大学として自己啓発の支援をしている企業も増えてきました。特に大手企業で企業内大学への注目が高まっており、背景には社員が成長できる環境を整えて、社員に選ばれる会社を目指すという思いがあるようです。

▶︎関連記事:企業内大学とは|設立のメリットやポイントを企業事例とともに解説


 

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06自己啓発に対する支援の実施状況

自己啓発の重要度は社会背景を踏まえても疑う余地はありませんが、実態として企業はどの程度支援しているのでしょうか。この章では、厚生労働省が令和4年度に実施した「能力開発基本調査」をもとに、どのくらいの企業が自己啓発を実施しているのか、どのくらいの費用を使っているのかを紹介します。

▶︎参考:厚生労働省:令和4年度「能力開発基本調査」

自己啓発支援への費用支出状況

自己啓発支援への費用支出状況

厚生労働省が行った令和4年度調査における企業の教育訓練への費用の支出状況をみると、Off-JTと自己啓発支援に支出している企業は19.8%。自己啓発のみに支出している企業は4.0%なので、全体の23.8%の企業は自己啓発への支出をしているというのが現状です。

一方で、Off-JTのみに支出している企業は26.5%。Off-JTにも自己啓発に支出していない企業の割合が49.6%という結果となり、社員への教育投資を実施している企業の約40%は自己啓発施策も実施していることがわかります。

自己啓発支援に費用支出した企業割合の推移

自己啓発支援に費用支出した企業割合の推移

自己啓発支援に費用支出した企業割合の推移を見てみると、令和2年度から約4%ほど低下傾向にあることがわかります。

Off-JTに費用支出した企業割合の推移

同様にOff-JTに費用支出した企業割合の推移も見てみると、こちらも令和2年度から9%ほど下降しています。

この結果から、自己啓発だけでなくOff-JTへの投資も減少していることがわかり、社会全体として教育への投資が減少していることがわかります。この結果の要因としては、新型コロナウイルスの感染拡大による経営状態の悪化などが影響していると考えられます。経済活動が停滞したことにより、経営が悪化。企業としては、教育への投資を減らしてでも雇用を守るという対応を余儀なくされたのでしょう。

自己啓発支援に支出した費用の労働者一人当たり平均額

自己啓発支援に支出した費用の労働者一人当たり平均額

自己啓発支援に支出した費用の労働者1人当たり平均額を見てみると、平成30年度から横ばいで3千円を維持しています。

一方で、Off-JTに支出した費用の労働者1人当たり平均額は1.3万円という結果でした。

Off-JTに関しても自己啓発に関しても、企業がOff-JTまたは自己啓発に支払った費用を、全社員数で割った数値です。そのため、研修を受けた人数や自己啓発を実際に実施した人数で割ると、実際の1人当たりの費用はもっと高いと想定されます。

自己啓発の今後3年間の見立て

自己啓発の今後3年間の見立て

正社員に対する過去3年間の自己啓発支援に支出した費用の実績は、増加したが9.3%。減少したが6.1%という結果となっています。一方で、今後3年間を見てみると増加させる予定と回答した企業は27.8%とかなり増加傾向にあります。また、過去3年間で自己啓発を実施していなかった企業は70.1%もいましたが、今後3年間も実施しないと答えた企業は56.3%に減少しています。この結果の要因としては、コロナの終息に伴う教育投資の復活と、自己啓発の必要性が浸透してきていることが考えられます。

この傾向は正社員以外でも見られ、今後3年間で自己啓発支援費用を増加させる予定と回答した企業は14.6%でした。まだまだ正社員以外への投資は少ないというのが現実ですが、少しでも上昇傾向にあるという希望が見える結果となっています。

 

07自己啓発を推進していく上での課題

社員の自己啓発を企業が支援する際に、主な課題となるのは以下の3点です。

  • ・手が上がらない(参加率が低い)
  • ・利用されない
  • ・学習が続かない

それぞれの課題について、以下で詳しく紹介します。

手が上がらない(参加率が低い)

eラーニングや外部セミナーなどの自己啓発施策の希望者を公募で集めようと思っても、社員の手が上がらないという課題があります。こちらは、社員への周知がしっかりと出来ていないという要因が考えられます。日々の業務で忙しい社員にとって、いわゆる会社から出されるお知らせは頭になかなか残りません。そのため、複数回にわたって告知をしたり、告知を社長や役員、現場の管理職から発信してもらったりなどの工夫が必要になります。

利用されない

自らの意志で利用したいと表明した人と言えども、実際はなかなか利用しません。それもある意味で仕方のないことで、社員にもプライベートの時間があります。朝起きて、会社に通勤し、帰宅してからは家族と過ごす時間も、リラックスする時間も必要です。このような状況の中で、自身の成長のために時間を確保して学ぼうとする人の方が珍しいでしょう。

そのため、企業として自己啓発を人材開発のオマケ施策として考えるのではなく、主体的に学び成長する社員が本当に必要という組織での意志統一をする必要があります。そして社員が自ら伸ばしたいスキルや能力に向かう時間を、会社として用意してあげることも時に必要かもしれません。例えば、月に1時間は業務を止めて自由に学ぶ時間を作ってもらうというルールを課している企業もあります。

学習が続かない

一度は自己啓発施策を利用したが、利用が継続しないという課題もあります。習慣化することが苦手な人も多く、いつの間にか使わなくなり、いつの間にか忘れ去られてしまうという状況は想像に難くありません。

この課題を解決するには、定期的なリマインドが効果的です。社内チャットツールや社内イントラを活用しながら、定期的に発信を続け、利用者に思い出してもらい興味関心を持ってもらう仕組みが必要なのです。また、これを人事担当者だけで行うのも工数的に厳しいということもあるでしょう。そのような場合は、社員が自発的にレコメンドし合うような文化をつくると良いです。例えば、チャットツール内に利用者だけのチャンネルを作成し、試聴したコンテンツを投稿してもらうルールを設けるだけでもリマインドとして非常に機能します。

 

08自己啓発を成功させるポイント

自己啓発の施策を成功させるポイントは、主に以下の3つがあります。

  • 1:最初は社員の意向に任せない
  • 2:自ら学んでもらえるよう促す
  • 3:OJTやOff-JTと併用する

これら全てを取り入れることは難しいかもしれませんが、1つでも取り入れてみることで成功に大きく近づくことができるはずです。

1.最初は社員の意向に任せない

これまで研修とOJTが中心の施策だった企業に、唐突に自己啓発としてeラーニングや企業内大学を導入して「自分で学んでください」と言われても、多くの社員は何を学べば良いのかもわからず、学ぶ必要性すら感じていません。

最初は一定のルールを設けて、強制的に学ぶ時間を確保すると良いでしょう。最初は強制で習慣化することを目指し、徐々にルールを緩くしていくといった状態変化に合わせた施策の推進が成功の鍵と言えます。

2.自ら学んでもらえるよう促す

さまざまなメリットを得られる自己啓発ですが、社員が自己啓発を「やらなければいけないこと」と認識している状態は、決して好ましい状態ではありません。自己啓発においては、あくまでも従業員一人ひとりが自主的に勉強しようというモチベーションを持ち、実際に行動へと移すことが重要となるのです。

社員の内発的動機を刺激するためには、上司のフィードバックやキャリアデザインの明確化が必要です。つまり、自己啓発の施策だけを見て成否を決めるのではなく、マネジメント研修でフィードバックが適切にできる管理職を育成したり、キャリアデザイン研修で社員それぞれに自身のキャリアと向き合う訓練を実施したりと、1つの施策ではなく複合的に施策を実施して、自ら学ぶ必要性を感じるような状態を目指すと良いでしょう。

3.OJTやOff-JTと併用する

自己啓発は、職場で実際に仕事をしながら学ぶOJTと、職場から離れてセミナーや研修などで学ぶOff-JTの両者を上手く組み合わせて行うことをおすすめします。

例えば、OJTやOff-JTで教わった内容の復習として自己啓発を利用するように促したり、Off-JTのインプット部分を自己啓発として導入したツールに任せたりといった組み合わせによる利用促進を意識しましょう。

▶︎関連記事:成功するOJT研修とは?

▶︎関連記事:OFF-JTとは?OJTとの違いやメリット・デメリット、活用方法を解説

 

09自己啓発を推進している企業事例

社員が自己啓発を進めることは、本人のみならず企業にとってもメリットとなることから、現在さまざまな企業が社員の自己啓発に対して支援をしています。この章では、実際に自己啓発を推奨している大手企業の導入事例をご紹介します。これから自己啓発を自社内に取り入れたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

旭化成株式会社

旭化成株式会社 ロゴ

日本を代表する総合化学メーカーの旭化成株式会社では、社員の自律的な学びを支援するため、社内学習プラットフォーム「CLAP(Co-Learning Adventure Place)」を導入しました。この取り組みは、2022年春に発表された中期経営計画で掲げた「終身成長」の方針に基づいており、社員が自らキャリアを考え、成長し続けることを会社として後押しする狙いがあります。

CLAPにはSchoo for Businessをはじめとした社内外の多様な学習コンテンツが搭載され、社員が興味や課題に応じて自由にコースを選べる仕組みになっているのが特徴です。

また、全社員約2万人にIDを付与することで、学びたいときに誰でもアクセスできる環境が整備され、導入からわずか10日で半数以上が利用を開始するなど、自己啓発の習慣化が進んでいます。

トライアルでは、集合学習イベントや周知活動を実施した結果、約49%の社員が「個人の成果が出た」と実感しています。全社展開後は、わずか10日間で約1万人がCLAPにアクセスし、業務への応用も見られるようになりました。現在は、学習目標を共有する小規模コミュニティの構築や、目標管理面談との連動を進めており、社員の学習意欲を継続的に高める取り組みを強化しています。

旭化成株式会社の事例をさらに読む

サントリーホールディングス株式会社

サントリー ロゴ

サントリーホールディングス株式会社では、社員の学びを支援するプラットフォームとして「寺子屋」を運営しています。寺子屋は、社員が自発的に企画した勉強会の開催や、Schoo for Businessを含む外部コンテンツの受講ができる場として、社員同士のつながりや学び合いを促進しています。

同社がSchooの導入を決めた背景には、学びの選択肢を社員に広げ、自律的な成長を促す狙いがありました。特に自己啓発については、受け身になりがちな学習環境からの脱却を目指し、コンテンツの多様性や学習体験のしやすさに着目してSchooを採用。社内限定の生放送配信などと連動した取り組みで、エントリー数は20名以上増加するなど、利用促進の成果が表れています。

加えて、人事部門ではSchooを活用した反転学習形式の勉強会を企画し、共通の動画を視聴したうえでディスカッションを行うことで、社員同士の相互理解や具体的な課題解決に結びつく学びの場を創出しています。こうした取り組みを通じて、社員が「思い立ったときにすぐに学べる」環境づくりを強化し、自主的な学習文化の醸成を実現しているのです。

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株式会社ポーラ

株式会社ポーラ ロゴ

ポーラでは、「自ら手を挙げて学びを選ぶ」姿勢を醸成するために、Schooの利用にあたって社内公募制度を導入しています。利用希望者を募る形にすることで、受け身ではなく自律的に学びに向かう姿勢を育てることが狙いでした。業務と両立しながらも学びを楽しむ社員の姿が社内で徐々に広がり、「Schooを導入してくれてありがとう」「毎日楽しく学んでいる」といった前向きな声も多く届くようになりました。

こうした自律的な取り組みは、個人の知識習得にとどまらず、上司との対話や部署内での情報共有のきっかけにもつながっています。加えて、個人利用にとどまらず、事業部単位での一括活用や新人研修での導入も進んでおり、組織全体として学びの輪が広がっています。

導入から時間が経つにつれ、学習に対する心理的ハードルが下がり、「Schooの授業をきっかけに別の学びにも取り組むようになった」といったように、学びの連鎖が生まれていることも印象的です。自己啓発を自然な行動として組織文化に根付かせるための仕組みづくりとして、公募制と学びの共有は非常に効果的だったといえます。

株式会社ポーラの事例をさらに読む

大鵬薬品工業株式会社

大鵬薬品工業株式会社

大鵬薬品工業株式会社では、多様化するキャリアやスキルへの対応として、社員が自ら目的を持って学ぶ「学びの自律化」を掲げ、「タイホウマナビバ」という取り組みをスタートしました。これにより、集合研修に加えて自発的な学習の場を整備し、従来の通信教育からより実務に直結した学びへと進化させています。

Schooの集合学習機能や自律型研修パッケージを活用し、推奨授業の選定やワークショップの設計など、受講者が継続的に学べる仕掛けを導入。第1期(2024年6月〜9月)には144名が応募し、そのうち約4割が管理職でした。受講率はおおむね90%以上を維持し、高い学習定着率を実現しています。

学ぶ内容の自由度を確保する一方で、目的設定と振り返りを重視したワークショップを必須化し、学びの質と意欲を高めました。さらに、学習の成果を社内で共有することで学習が拡散し、第2期では応募者が増加。社員同士が学び合う「学びの自走化」も見られるようになっています。

大鵬薬品工業株式会社をさらに読む

株式会社ミロク情報サービス

株式会社ミロク情報サービス

株式会社ミロク情報サービスでは、「プロフェッショナル人材の育成・教育」を基本方針に掲げ、社員の知識習得や能力開発の基盤としてSchooを導入しました。キャリア採用者を含め多様なバックグラウンドを持つ社員に対し、個別ニーズに対応できる学習環境を整備しています。

学びを個人任せにせず、四半期ごとの学習時間の確保をルール化するなど、習慣化に向けた工夫を実施。受講は業務の一部として扱われ、業務時間内での視聴も推奨されるなど、日常の中に学びを組み込む体制を構築しています。その結果、受講率は80%以上を維持し、継続的な学習が定着しています。

さらに「カリキュラムセレクト」を活用し、管理職向け研修にもSchooを導入。アセスメントテストの結果をもとに、必要なスキルに対応した授業を個別に提供することで、より実践的な学びにつなげています。こうした取り組みにより、学びが業務に直結し、営業現場などでも成果が見られるようになりました。

株式会社ミロク情報サービスの事例をさらに読む

株式会社アトレ

株式会社アトレ

株式会社アトレでは、社員の学習機会を増やすことや個々のニーズに対応した研修設計が課題となっており、2023年度の従業員サーベイを機にオンライン研修の導入を検討しました。特にワーキングマザーを含む社員にとって、限られた時間の中で柔軟に学べる環境の整備が必要とされていました。

また、人事制度の改正を契機に、行動指針「自ら考え自ら行動する」を実現できる前向きな社員に学びの選択肢を提供するため、幅広いジャンルと豊富なコンテンツ数を持つSchooを導入。資格取得だけでなく、日常生活にも活かせるテーマの多さが社風に合っている点も評価されました。

導入後は、主任・副主任研修や担当課長研修、キャリア研修などでSchooを活用しています。受講者が自ら必要なコースを選択する形とし、職位ごとの役割や評価項目に合わせてコンテンツを設計。さらに、担当課長研修では事前にSchooの動画を視聴し、当日のディスカッションにつなげることで、効率的な研修運営と理解促進を実現しました。

研修後は、Schooのレポート機能を活用し、受講者が選択理由や今後の活用方針を記載。その内容を上長へ共有することで、育成に活かす取り組みも行われています。社員からは「自分のペースで学べて良かった」「課題に合ったテーマを選べた」などの声が寄せられ、学習意欲の向上にもつながっています。

株式会社アトレをさらの事例をさらに読む

ニッポンレンタカーサービス株式会社

ニッポンレンタカーサービス株式会社

ニッポンレンタカーサービス株式会社では、社員の学習意欲の低下や評価制度との乖離といった人材育成の課題を抱えていました。従来の研修は「やらされ感」が強く、実際の評価制度と研修内容のズレが、社員の理解不足や学びへの関心の薄れにつながっていたのです。

このような背景から、会社の重点施策に「人材育成」が明確に掲げられたタイミングで、研修の在り方を見直すこととなりました。Schooを活用し、評価制度と連動した学習内容を整備することで、学ぶ目的や意味を明確化し、受講者の納得感を高める施策を推進しています。

現在は、各階層ごとに10時間の必須研修を設け、Schooの講座と人事制度の要件定義を紐づけたカリキュラムを構築。受講後には業務への応用を記載したレポートを提出してもらい、学習内容の定着と現場実践を後押ししています。また、自律学習の機会も開放されており、希望者は業務時間内でも自身の関心や課題に応じたテーマを自由に学べる環境が整備されています。

導入に際しては、所属長と受講者への事前連携を丁寧に行い、研修に対する理解と協力体制を構築。さらに、1年間で10時間という無理のない学習量に設定することで、日々の業務と両立しやすくなっています。

ニッポンレンタカーサービス株式会社の事例をさらに読む

 

10自己啓発の支援ならSchoo for Business

Schoo for Business

オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、様々な種類の研修に対応しています。また、講座も汎用的なビジネススキルから職種に特化した専門スキルまで幅広く、自己啓発の支援ツールとしても利用いただいております。

研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。

受講形式 オンライン(アーカイブ型)
アーカイブ本数 9,000本(2023年5月時点)
研修管理機能 あり(詳細はお問い合わせください)
費用 1ID/1,650円(ボリュームディスカウントあり)
契約形態 年間契約のみ(20ID以上〜)

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大企業から中小企業まで4,000社以上が導入

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Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで4,000社以上に導入されています。利用用途は、階層別研修やDX研修、自律学習、キャリア開発などさまざまです。

導入事例も掲載しています。資料請求いただくことで事例集も併せてお渡ししています。

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11まとめ

自己啓発は人材の質を上げることにつながる投資ですので、これからの時代に非常に有効な施策です。社員一人ひとりが「よりよい自分」や「より大きな成功」を達成するために奮闘できる手段であるため、企業はぜひサポート体制を整えてあげてください。方法がわからないということであれば、プロの講師が提供する、オンライン研修の実施がおすすめです。自社にマッチした最適なプログラムを正しく活用することが、企業の更なる発展につながることでしょう。

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この記事を書いた人
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Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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