公開日:2021/08/26
更新日:2023/01/17

アカウンタビリティが企業に求められる理由と実行策を解説

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アカウンタビリティとは、企業が株主や債権者などのステークホルダに対して果たすべき、会計上の説明責任を指す言葉です。本記事ではアカウンタビリティの背景や使われる場面、またアカウンタビリティ実行について紹介します。アカウンタビリティの導入を考えている人は、ぜひ参考にしてください。

 

01アカウンタビリティとは

ステークホルダーに対して説明が求められる状況になった際の対応や、改善に向けた取り組み、方針などを説明する場合は、全てアカウンタビリティとみなされます。このアカウンタビリティについて、さらに詳しく紹介します。

説明責任や説明義務をさす言葉

アカウンタビリティは、説明責任や説明義務をさす言葉として使用されます。説明や報告する責任が生じたときは、全てアカウンタビリティとされており、企業が株主や債権者から要求された場合には、経営方針などを説明する必要があります。 また、企業以外に政治や学校教育なども、関係者から活動や内容や結果の報告を求められたときは説明責任があるため、この場合もアカウンタビリティとされています。

アメリカの造語が起源

アカウンタビリティは、元々アメリカで生まれた造語です。アカウンティング(会計)とレスポンシビリティ(責任)の2つの単語を組み合わせた造語と言われており、1960年代に起きた出来事がきっかけでした。 1960年代に、「政府や公共機関は国民が納めている税金の使い道を説明する義務がある」という考え方が生まれ、この発想が拡大して企業にも適用されるようになりました。現在ではさらに拡大して、関係者が内容の理解を要求する際は、全てアカウンタビリティとして用いられるようになりました。

 

02アカウンタビリティとコーポレートガバナンス

コーポレートガバナンスとは、企業経営を行う上で、経営者や企業全体の不正や情報漏洩などのリスクを未然に防ぎ、サービスを安全に利用してもらうための仕組みのことです。金融庁と東京証券取引所が、コーポレートガバナンス・コードと呼ばれるガイドラインを公開しています。コーポレートガバナンス・コードは、以下の5原則で構成されています。

  • 1:株主の権利・平等性の確保
  • 2:株主以外のステークホルダーとの適切な協働
  • 3:適切な情報開示と透明性の確保
  • 4:取締役会等の責務
  • 5:株主との対話

コーポレートガバナンスは、2022年4月より再編された東京証券取引所の「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場において、適用されており、プライム市場に関しては、取締役会の独立性や諮問委員会の設置が義務付けられるなど、水準が厳しいものになっています。

一方で、非上場企業も透明性の高い経営を行っていること、その仕組みが整っていることを積極的に公表することによって、企業価値の向上に繋げることができます。この際にアカウンタビリティの視点が重要になってくるのです。透明性が高く、社会的な信用を得ることができると、人材の確保に寄与したり、従業員エンゲージメントの向上に繋がったりといったメリットが得られます。

【関連記事】コーポレートガバナンスの定義とは?企業で強化が求められる背景や事例について解説
 

03アカウンタビリティとレスポンシビリティの違い

アカウンタビリティとレスポンシビリティを混同してしまう人もいます。レスポンシビリティは、「責任」や「責務」という意味の単語なので、アカウンタビリティの「説明責任」と勘違いすることがあります。 ただ、アカウンタビリティは利害関係者に関して説明責任の義務があることに対して、レスポンシビリティは単に責任を負うという意味を持ちます。 つまり、レスポンシビリティには説明する責任は含まれていないため、この2つの単語は意味が異なります。言葉の詳細な内容が違うので、場面を見極めて使用しましょう。

 

04アカウンタビリティが求められる背景とは?

アカウンタビリティが求められるようになったのには理由があります。企業は消費者や取引先に対して誠実な対応が大事ですが、不祥事を起こして相手に不利益を被らせることがあります。 不正が発覚した際は企業が謝罪を行いますが、アカウンタビリティの欠如がマスコミや世論を通じて指摘されるようになり、謝罪のみでは信用回復とならない事態に陥ってしまいます。 健全性を訴えるためには、アカウンタビリティによりしっかり説明する姿勢が求められるようになりました。アカウンタビリティには、以下のような重要性があることを認識しておく必要があります。

会社法により開示義務があるため

企業は、会社法によって情報を開示する義務があります。これは法によって決められた範囲の情報を開示するだけでなく、正確な情報を開示して相手に納得してもらう目的があります。 情報を開示したとしても株主や従業員、また取引先などが情報に納得できないなら、新たに求められた情報を開示する必要があります。情報開示の際に拒否や曖昧な態度を取るなら法に背いていることになり、会社側が不利な状況に陥ります。 企業は義務を果たすために、要求に沿った情報を開示していく必要があるのです。

社会的責任を果たすため

会社は利益を生み出すとともに、社会的責任を果たすことも大事です。今は社会全体が内容の説明を受け理解する姿勢を求めています。そのため、利害関係者にアカウンタビリティを果たしたうえで内容を納得してもらい、社会的責任を果たしている事実を示す必要があります。 相手が自社の責任で不利益を被っているのに説明責任を持たない、または「部下のしたことなので、分からない」と答えるなら、世間も相手も納得してくれず、社会的責任から逃げていると見られます。社会的な信用を得るために、しっかりと不祥事や過失の説明を行える体制を整えておくことが大事です。

企業経営の健全さを証明するため

企業経営の健全さを証明するために、アカウンタビリティを行うことも大事です。利害関係者から情報の開示を求められた場合、情報を隠すような行動を行うなら、経営に不正があることを疑われ、健全というイメージを持たれることはありません。 健全な経営でないなら、世論は企業へバッシングを行い、悪いイメージを持たれてしまいます。悪いイメージが1度付いてしまうと、信用回復を行うのは難しく、経営にも悪影響を与えます。 最悪倒産してしまう危機にも陥るため、情報要求された場合は健全であることをアピールするため、アカウンタビリティを行うのが大事です。

 

05アカウンタビリティが使われる場面は?

アカウンタビリティを使うなら、企業の社会的責任や健全なイメージを保つことができます。ただ、内部でもアカウンタビリティを活用する場面があるので、ポイントを押さえておくことが大事です。以下の場面でアカウンタビリティが必要になります。

従業員に対し人事異動の背景を説明する

人事異動の際に、従業員に対して背景を説明する必要があります。従業員は会社の方針に従って異動しますが、何の理由もなく「明日から〇〇の部署に異動」と言われると困惑してしまいます。 異動の際にアカウンタビリティが無いなら「自分は何かミスをしてしまったのか?」「自分の仕事は評価されなかったのか?」と不安と疑問が生じてしまいます。 従業員が会社に疑問を感じると仕事のパフォーマンスが落ちたり遺恨を残したりするため、異動の説明を果たして正当な評価をしていることを伝えるのが大事です。背景が分かれば従業員も納得して、異動後も不安なく仕事が行えます。

上司に対し人事計画の要点を説明する

上司に対して、人事計画の要点を説明することも大事です。人事計画を行うときは相手の能力やスキル・考え方などを把握して仕事の割り振りなどを行いますが、その仕事を任せている上司はなぜそのような割り振りにしたのか理解したいはずです。 説明がないまま人事計画を行うなら、上司は業務がスムーズに行われるのか不安を感じてしまうため、しっかり自分の観点について理由を述べて説明することが大事です。人事計画の要点を上司に理解してもらえれば、上司も納得することができ、不安を抱くこともありません。

従業員が自主的に成果を報告する

従業員が自主的に成果を報告することも大事です。従業員は業務を遂行していても、その成果が正当に評価されるとは限りません。現在ではテレワークの浸透により、常に上司や周りが自分の仕事状況を把握できるわけではないため、自分から成果を報告して自己説明できるようにすることが大事です。 自分で仕事の成果や内容を説明するなら、上司も正当な評価をしやすくなり、仕事のモチベーションを向上できます。周りの目の判断に任せるのではなく、自分で説明をして正しい評価を得られるように、意識改革を行う点でアカウンタビリティを活用できます。

 

06企業でアカウンタビリティを適切に実行するには?

企業でアカウンタビリティを導入するなら、適切に行えるようにする必要があります。アカウンタビリティのやり方が適当であれば、適切な効果を得ることができません。アカウンタビリティを行う際は以下のポイントを確認してください。

従業員の意識を浸透させる

まずは、従業員にアカウンタビリティの意識を浸透させることが大事です。アカウンタビリティの意識を浸透させるには、従業員に要因の報告と改善策へのステップを行わせることが重要です。従業員が行った業務で結果を報告させ、成果が良い場合は成功事例として次に生かすことができるように考えさせます。 もし、成果が悪いなら、どの部分を解決させるべきなのか現状分析や課題発見を求めて、報告するように意識付けさせます。要因と改善策の報告を意識付けさせることで、アカウンタビリティを無意識に行うことができるようになるはずです。

成功しなかった場合の改善策を確立させる

アカウンタビリティを意識付けさせるためには、見直しと改善の部分が特に大事です。見直しと改善を意識付けできるということは、仕事に対して責任感を芽生えさせ、自主的に責任を果たそうという思いを持つためです。 ただ、ミスを叱るだけだと部下はミスを隠そうという気持ちになり、また責任逃れをする意識付けとなるため、間違った育成方法となってしまいます。そのため、会社で部下が失敗やミスをしたときは、何が原因なのか、どんな部分を次回は注意すべきなのか考えさせるように、実証と検証を重視するようにしましょう。

人事評価体制を整える

従業員の人事体制を整えることも大事です。アカウンタビリティを行うためには従業員1人1人の意識が大事なので、アカウンタビリティによる報告を行なっているのか確認したり、評価体制を整えたりすることが求められます。 例えば、アカウンタビリティによる報告で成果を出しているなら、評価額を上げて待遇などに反映させることができます。また、失敗やミスをしても正確にアカウンタビリティができれば、評価額をプラスにするなどの仕組みを作ることも大事です。

 

07企業がアカウンタビリティを果たさないリスク

アカウンタビリティを果たさなかった場合に想定されるリスクは、主に以下の3つが挙げられます。

  • 1:法律違反
  • 2:資金調達への影響
  • 3:報道によるブランド毀損

企業によっては、会社法の開示義務違反となる可能性があるので、リスクについて認識しておく必要があります。

1:法律違反

2:資金調達への影響

投資家やVCは、企業の開示情報を投資の判断材料としています。そのため、開示情報に透明性があり、納得感があることが投資を受ける際に非常に重要になるのです。これはベンチャー企業であっても同様で、資金調達を受けるためにアカウンタビリティを果たすことが求められています。景気が悪化する中でも事業成長のために投資をしてもらう必要があり、法律で規定されていない部分の情報を公開する企業も増えているようです。

3:報道によるブランド毀損

報道によるブランド毀損もリスクとして捉えておく必要があります。仮に不祥事が発覚し、大々的に報道されれば、新規顧客の獲得はおろか、既存顧客が離れていく要因にもなります。また、上記のような状況になった際に開示情報が乏しいと、憶測による誤情報が拡散されるリスクもあります。事実無根だとしてもSNSなどで拡散された情報を全て訂正することは難しく、被害が拡大していく可能性もあるのです。


 

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08まとめ

企業をあげてアカウンタビリティを実施することで、従業員に説明責任を意識付けさせることができ、業務への責任を自覚させることができます。従業員1人1人が責任を自覚できるようになれば仕事のクオリティが増し、業務の成績も向上することが期待できます。アカウンタビリティを自社に導入してみましょう。

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