公開日:2021/09/10
更新日:2022/09/21

ディスラプションとは?現代ビジネスで生き残るために必要な知識を解説

ディスラプションとは?現代ビジネスで生き残るために必要な知識を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

VUCAと呼ばれる変化の激しい現代において、革新的な変化はいつ起こるか予測ができません。すでにさまざまなディスラプションによって多くの産業で業界を刷新するほどの変化を経験しています。ではディスラプションに耐えるためには何が必要なのでしょうか。

 

01ディスラプションとは?

ディスラプションとは、そもそもは破裂や崩壊という意味の言葉です。しかし、ビジネスにおいて使われる際には「既存の者を破壊するような革新的なイノベーション」を指します。ディスラプションはデジタル技術の進歩によってもたらされることが多く、デジタルディスラプションと言われることもあります。 ビジネスにおいてディスラプションという言葉が使われたのは1992年のアメリカの新聞記事でした。その後、1997年にクリステンセン教授が提唱した「イノベーションのジレンマ」にて破壊的イノベーションの考えが生まれています。

ディスラプションとイノベーションの関連性

そもそもイノベーションには破壊的イノベーションと持続的イノベーションがあります。破壊的イノベーションとは、小企業が発明した製品により大企業の顧客が奪われ、大企業が転落する流れのことを指します。その仕組みのなかで生まれる新技術が既存製品にとってかわる現象のことがディスラプションです。 一方で持続的イノベーションとは、既にある製品の品質を高めて顧客のニーズに合わせる技術革新のことです。例えば、携帯電話は以前からありましたが毎年毎年新たな技術が付け加えられ、より便利で顧客ニーズにあっているものが発売されています。

デジタルディスラプションの脅威

デジタルディスラプションはあらゆる業界や職種、サービスにおいて起こります。携帯電話やカメラ、自動車、音楽などの製品やコンテンツをはじめ、人事や営業など仕事の手法も大きく変化を遂げました。 例えば以前はポケットベルやEメールが主流だった伝達手段ですが、今や通信技術やスマートフォンやPCの発展により見る影もありません。音楽業界においてもCDの売上は激減し今ではサブスクリプション型ビジネスや動画配信サイトでより便利に楽しめます。自動車業界においても今後ディスラプションはより加速するでしょう。電気自動車が主流になった際にはガソリンエンジンのメーカーやガソリンスタンドなどはなくなる可能性もあります。 今当たり前のように使っている製品・サービスはデジタル技術により大きく変わります。今までは希少性が高かった日本の伝統的なものづくり技術も、いずれデジタルに取って代わられる日がくるでしょう。

ディスラプションの動向

ディスラプションはいつ起こるか予測することは困難です。しかし確実に近い将来に起こるでしょう。データの活用におけるディスラプションは特に活発です。2021年4月にドイツのnxt statistaが作成した「Data Disruption Index(DDI)」では80%の企業が今後4年以内にデータディスラプションが到来すると予測しています。

また金融、保険、エネルギー、ITの分野でも変化が早く2~3年以内にディスラプションが起こると予想されています。消費財メーカー、自動車、エンジニアリング業界においては、今後2年以内により多くのデータを蓄積またはアクセスすることを目的としたM&Aが起こると言われています。ディスラプションとデータは切っても切れない関係にあります。次のディスラプションを起こすのはデータを正しく集めて活用した企業ではないでしょうか。
参考:『Data Disruption Index(DDI)』

 

02ディスラプションの事例

過去にディスラプションを起こして大きな変革を遂げた事例をいくつか紹介します。今生き残っているサービスの多くは何かしらのディスラプションを起こしたか、もしくはディスラプションを乗り越えた企業が提供しています。身近にあふれているものや何気なく普段使っている製品もすべて10年前と比べたら大きく変わっているでしょう。 事例を学んでも未来の予測は立てられませんが、既存のシステムに固執することの危うさを学ぶことは重要です。

自動車産業のディスラプション

自動車産業におけるディスラプションは今まさに起こっています。ストラテジーコンサルティングファームの調査によると、自動運転と電気自動車は広く支持を得ており、37%の消費者は電気自動車を魅力的に感じているとのことです。また自動運転が実用化されれば自家用車の購入を控える消費者は全世界で46%にもなります。

自動運転が実用化されるとロボットタクシーサービスが現実化し、より低価格で自由に利用可能になるでしょう。またシェアリングサービスも増えてきており、自家用車の購入ニーズは減る一方です。 そして電気自動車が主流になることで、電気自動車製造の技術をもたないメーカーの競争力は一気に下がります。今までの自動車業界の勢力図を大幅に書き換えることにつながります。 そもそも自動車産業はディスラプションの連続です。自動車の発明自体が既存の移動手段を大きく変化させました。日常的に必要性の高い製品のため、莫大な市場規模をもつ自動車産業はディスラプションを起こして新たなニーズを獲得することで大きなメリットが得られます。
参考:ストラテジーコンサルティングファーム

Uberがもたらしたディスラプション

日本で広く知られているのはUberEatsですが、アメリカに本社を置くUber Technologies, Incは世界でディスラプションを起こしています。 Uberはスマートフォンを活用した配車サービスを手がけています。車を持つユーザーと利用したいユーザーをマッチングさせることで、タクシー業界やバスや鉄道などに大きなインパクトを与えています。 従来のサービスと異なる点は遊休資産を活用していることです。使われずに眠っている資産を活用することで低価格での提供を可能にしました。このサービスもデジタル技術の進歩に支えられています。デジタルを活用してユーザーが自分のスマートフォンから移動手段を手に入れられます。車の配車から乗車、決済まですべてアプリで完結されるためユーザーのニーズにマッチしました。

Netflixがもたらしたディスラプション

Netflixは映像ストリーミング配信を行う企業です。映画やドラマの配信サービスは近年では当たり前のように使われていますが、その先駆けはNetflixです。従来、映画を見るためには店舗でDVDを借りるかテレビでの放送を待つしかありませんでした。しかしNetflix以降オンラインでの動画視聴が主流になりました。その結果、TSUTAYAやGEOといったレンタルDVDを扱う店舗の売上は激減しています。TSUTAYAでは2015年~2018年までに100店舗以上を閉店しています。音楽もサブスクリプションサービスが増えた今ではレンタルCDの売り上げも激減しており、現在のTSUTAYAはCDやDVD、書籍の販売やレンタルコミックなどで事業を展開しています。TSUTAYA自身もTSUTAYAオンデマンドという配信サービスを運営するようになりました。

Amazonがもたらしたディスラプション

Amazonは小売業界にディスラプションをもたらしました。豊富な品揃えをもつネットショップを展開するAmazonでは店舗に行かなくても気軽に買い物ができます。AmazonだけでなくGAFAと呼ばれるGoogle、Amazon、Facebook、appleのアメリカの大手IT企業はそれぞれ各業界にディスラプションを起こし既存の市場を破壊して大きな成長を遂げています。

 

03ディスラプションを生き抜くために必要なこと

ディスラプションは業界を再編するような大きな力をもっています。変化の激しい現代において安泰なサービスなどありません。GAFAですら新しい分野への研究や投資を惜しみなく行っています。しかし、資本の少ない企業にとっては新規の開発や投資に充てる余裕はないでしょう。ディスラプションに乗り遅れずに生き抜くためには何が必要なのでしょうか。

新規市場の開拓

既存の顧客ではなく新しい顧客に目を向けて新規の市場を開拓することは有効です。現在もっているノウハウや技術を活かして市場を変えることで、少ないコストで新製品を生み出せます。 例えば株式会社富士フイルムのアスタリフトも象徴的な事例の一つです。カメラ業界はスマートフォンの台頭により売上が激減しました。スマートフォンにディスラプションを起こされたのです。しかし富士フイルムはアスタリフトという女性用のスキンケア商品のヒット商品を生み出すことで、別の収益を獲得しました。アスタリフトは元々はフィルム技術から生まれた商品です。アスタリフトはフィルムの技術をもっているからこそ生まれた新商品なのです。他社の化粧品メーカーには真似できない技術であるため、今度は逆に富士フイルムが化粧品業界にディスラプションを起こしました。

レガシーシステムからの脱却

レガシーシステムとは、古くなったコンピューターのシステムや技術です。長年使っているシステムを変えることは大きなコストが必要です。今まで情報を詰め込み使い続け、自社のサービスに合わせて使い込んできたシステムは非常に使いやすいでしょう。また、使い込むうちにシステムが派生して複雑化してほかの部署をも巻き込んでいる場合もあるので簡単には変えられません。 しかし既存のシステムに固執していては時代の流れにはついていけません。ディスラプションは一つのアイディアや新しい技術から生まれます。そのときには最新のシステムへの適合が必要です。レガシーシステムからいつかは脱却しなければならないでしょう。

データを活用した客観的な現状評価

データ活用の技術は目覚ましい進歩を続けています。既存のデータはすぐに古くなり使えなくなってしまうでしょう。データをどう活用するのか、データをどうやって収集するのか、データからどうやって新しい知見を発見するのかが今後のディスラプションに耐えるには必要になってきます。 ビッグデータを集めることが容易になるなかで、求められるのは正しいデータの活用です。データを活用して自社の客観的な現状評価を行い、市場を見極めることで戦略的にディスラプションを起こすことも可能かもしれませんディスラプションを起こせずとも、今起こっている変化に目を向けるだけで最低限の対処が可能です。


 

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04まとめ

ディスラプションは既存の企業にとって脅威です。新興企業が増えてきて、いつ追い抜かれるかわからない現代においてディスラプションへの備えは欠かせません。しかし、ディスラプションはチャンスでもあります。ディスラプションに上手く乗ることができれば一段と飛躍することができるでしょう。これを機に社外の情勢に目を向けて次の施策を検討してみてはいかがでしょうか。

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    法政大学大学院政策創造研究科 教授

    NEC、GE、米系ライフサイエンス会社を経て、現職。越境的学習、キャリア形成、人的資源管理、タレントマネジメント等が研究領域。日本労務学会副会長、人材育成学会常任理事等。主な著書:『越境学習入門』(共著)、『日本企業のタレントマネジメント』、『地域とゆるくつながろう!』(編著)、『会社人生を後悔しない40代からの仕事術』(共著)等

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