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ヒヤリハットとは? 事故防止への取組みと安全教育の重要性について解説

公開日:2021/05/28
更新日:2021/06/02
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ヒヤリハットとは? 事故防止への取組みと安全教育の重要性について解説 | オンライン社員研修・eラーニング研修 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

「ヒヤリハット」とは、一歩間違えば重大な事故に発展したかもしれない「ヒヤリ」としたり、驚いて「ハッとする(ハット)」ような事象のことです。この「ヒヤリハット」事象を戦略的に活用し、労働災害防止に役立てる企業も多くなっています。当記事では企業における労働災害防止の取組みと、安全教育の重要性について解説します。

 

ヒヤリハットとは?

「ヒヤリハット」とは、労働の現場において重大な事故につながる可能性のある事象のことです。今回は事故には至らなかったが、重大事故につながる危険をはらんだ「ヒヤリ」としたり「ハッとする(ハット)」出来事のことをいいます。こうした事象は収集・分析されて事故を未然に防ぐ取組みに活用されます。

ヒヤリハットはなぜ起きる

そもそも「ヒヤリハット」はなぜ起きるのでしょうか。大別して次の二通りに分類されます。

  • ・設備等の不具合により生じるもの
  • ・人間に要因があるもの(ヒューマンエラー)

設備等の不具合は整備不良や老朽化により発生します。これは定期的なメンテナンスや交換により防げます。 作業への慣れ、不慣れ、油断や思い込み、パニックなどヒューマンエラーから生じるものは、事例を共有するといった安全教育を実施することが、防止のための有効な手段となります。

ハインリッヒの法則

重大な事故を未然に防ぐには「ヒヤリハット」の段階で対処することが有効です。その裏付けに「ハインリッヒの法則」というものがあります。 これは、「1件の重大事故の背景には、軽微な事故が29件、さらにその背後には300件のヒヤリハットが潜んでいる」という法則です。「1:29:300の法則」ともいわれます。ヒヤリハットを労働災害防止に役立てる取組みは、この「300の事象」に戦略的にアプローチしていくことといえます。

ヒヤリハット事例を活用すべき現場

ヒヤリハット事例は、労働災害が人命にかかわるような重大事故に発展しやすい建設・建築の現場や製造現場で多く活用されます。またちょっとしたミスが、人命の危機に直結する医療の現場でも積極的な取組みがなされています。

 

ヒヤリハットの事例

ヒヤリハットの事例を見ていきます。厚生労働省が運営する『職場のあんぜんサイト』には、さまざまな労働災害の事例が紹介されています。ヒヤリハット事例についても、イラスト付きで丁寧に解説されているので、そのなかから典型的なものを紹介します。


参照:職場のあんぜんサイト厚生労働省

建築現場でのヒヤリハット

事例:足場の組立工事で足場を歩行中、足場板のツメが破損して板が傾き、バランスを崩して転落しそうになった。 状況:建築工事の現場で足場組立工事をしていてた高さ5mの足場を歩行中、突然足場板のツメがちぎれて乗っていた足場板が傾き、バランスを崩して転落しそうになった。幸 い安全帯を着用していたので墜落せず、右膝の軽いかすり傷ですんだ。

工場など製造現場のヒヤリハット

事例:樹脂粉末のプレス成形作業で、プレスが下降中にプレス台に手を入れて、はさまれ そうになった 状況:作業場で樹脂粉末をプレス機で圧着成形する作業をしていた。プレス機から圧着後の金型を取り出す工程で、本来はプレスが上昇している時に手を入れて金型を取り出 すべきところ、プレスが下降中に手を入れてしまい手をはさまれまれそうになった。

医療現場のヒヤリハット

状況:午後2時半頃、手術患者が使用した点滴用具を盆に入れ廃棄する際、誤って盆をひっくり返しあやうく手指に針を指しそうになった。

 

事故を未然に防ぐ取り組みとは

もしかしたら重大事故に発展したかもしれないヒヤリハットの事例は、記録に残し共有することで事故防止に役立てるべきです。報告書のフォーマットを整備し、情報として蓄積していくと良いでしょう。 また「危険予知訓練」という手法もあります。職場の状況を描いたイラストを見て、そこに潜む危険についてディスカッションするというものです。こうした取組みを日常的に行うことで、労働災害防止への意識を高めることが重要です。

 

ヒヤリハット報告書作成のポイント

ヒヤリハット事例の共有には、報告書を作成し記録として蓄積することが有効な手段となります。ここでは報告書作成のポイントについて解説していきます。

いつ

ヒヤリハットが発生した日付と時刻を可能な限り詳細に記録します。時刻まで正確に記録する理由は、同じ発生時刻でも冬と夏では明るさが違うといった状況の違いを把握するためです。詳細に記録することで、検証と分析の精度を上げることにつながります。

どこで・なにをしたとき

「足場の組立て工事で足場を歩行中」「作業場でプレス機を作業中」というように、発生場所と作業内容、状況について簡潔かつ詳細に記入します。

どうなったか

「転落しそうになった」「はさまれそうになった」というように起きたかもしれない事故が明確に分かるように記入します。

原因と自身の状況について

原因については「作業方法や手順に間違いはなかったか」「機械や設備の劣化はなかったか」考えられることを記録します。またそのときの自身の状況「ぼんやりしていたのか」「焦っていたのか」「体調が悪かったのか」といったことも記入していきます。

起きたかもしれない重大な事故について

今回はヒヤリハットで終わりましたが最悪の場合どうなっていたか、あらゆる可能性を想定し記録します。ここがヒヤリハット事例から潜在リスクを洗い出す重要なプロセスとなります。

提案や要望を盛り込む

最後に改善提案や要望を記入します。自分の体調や不注意が原因の場合は今後どのように対処していくか、設備や環境が原因の場合は「照明を明るくしてほしい」といった具体的な要望を記入し改善を提案します。

 

KYT(危険予知訓練)

「ヒヤリハット報告書」と並び、安全衛生の分野で活用されているものに、「KYT」があります。K=危険、Y=予知、T=トレーニング(訓練)とそれぞれのローマ字の頭文字をとったものです。危険予知訓練は、作業や職場に潜む危険要因を発見し、解決する能力を高める有効な手法として採用する企業も増えています。

KYTの手法

KYTは次の4つの段階で行われます。自由なディスカッションを促すため、5~6人のチーム編成で行うと良いとされています。

 

  • 1.業務中のワンシーン描いたイラストを用意し、そこに潜む危険を各自が想定して自由に発言します。
  • 2.1の段階で洗い出された項目を選別し、重大事故の可能性があるもの、対策に緊急を要するものに絞りこみます。
  • 3.メンバーは1の段階で絞り込まれた項目に対し「自分ならこのように対策する」と意見を述べあいます。
  •  
  • 4.3の段階で出された対策のうち、チームとして「必ず実施する対策」を決めチームの行動目標とします。
  • 最後に「〇〇のときは、〇〇しよう! ヨシ!」というように行動目標を指差し呼称で確認します。

KYTの意義

KYTを実施する意義は、危険に関する感受性を高め、安全を確認してからの行動を習慣化することにあります。業務に精通した複数のスタッフで実施することで、職場に潜む危険要素をすべて洗い出し、対策を練ることが可能になります。そして顕在化した危険要素を、日常的に指差し呼称で確認して潜在意識に叩き込み、安全な行動を習慣化するものです。

 

職場の事故を防ぐ安全教育とは

職場における事故を防ぐために、企業はさまざまな対策を実施する必要があります。そのなかでも重要なものが安全教育です。労働安全衛生法において事業者の義務として、次に挙げる3つの安全教育は必ず実施しなくてはならないと定められています。 ・従業員を雇い入れたとき ・作業内容を変更したとき ・職場リーダーへの教育 この3つは適時、実施しなくてはなりません。

会社として取組んでいることを明確にする

労働災害を起こさないためには、管理職をはじめ、従業員一人ひとりの安全意識を高める機会を作る必要があります。たとえば、リスクアセスメントを実施する際の「危険の洗い出し」や「リスクの見積」は、すべての従業員の意見を集約するといった取組みが有効です。そして従業員から集約したリスクに対し、会社はどのような対策を講じたかを周知することで取組む姿勢を明確に示すと良いでしょう。

ヒヤリハットの事例が重要であることを認識してもらう

企業として安全への取組みに注力していることを示したうえで、「今、あなたが体験したヒヤリハットが、明日起きるかもしれない重大事故を防ぐ」というメッセージを発し、職場で起きる、一見些細と思われるヒヤリハットが重要であることを認識してもらいましょう。

ヒヤリハット事例を報告しやすい環境を整える

事例を報告しやすい環境を整えることも大切です。たとえば、朝礼や終礼で発表する機会を作ったり、ヒヤリハットメモやノートを作成するなど、職場に合った方法で事例を収集します。これをヒヤリハット報告書の作成材料に活用すると良いでしょう。

 

まとめ

ヒヤリハット事例は、明日発生するかもしれない労働災害を未然に防ぐ貴重な情報です。収集しやすい環境を整備し、確実に活用することが重要です。従業員の安全意識が高く、活発に意見交換がなされることが理想といえます。そのためには、「雇い入れ時の安全教育」のあり方を工夫し、入社時から安全意識を高める取組みを検討してみてはどうでしょうか。

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