公開日:2021/05/28
更新日:2023/11/21

ジョハリの窓とは?自己分析に活用する方法や注意点について解説する

ジョハリの窓とは?自己分析に活用する方法や注意点について解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

ジョハリの窓を利用し自己分析を行うとどのような結果がでるのでしょうか。本記事では、ジョハリの窓を利用し自己分析と成長に繋げる方法について解説します。

 

01ジョハリの窓とは

対人関係をテーマにしたセミナーにおいて、グループワークで利用されるジョハリの窓とはどういうものなのでしょうか。ジョハリも窓とはなにか、ジョハリの窓による4つの区分について解説していきます。ジョハリの窓がなぜ利用されるかについても理解していきましょう。

ジョハリの窓は自己分析を行う心理学モデル

ジョハリの窓とは、サンフランシスコ州立大学の心理学者ジョセフ・ルフト (Joseph Luft) とハリ・インガム (Harry Ingham)に考案され、二人のファーストネームから「ジョハリの窓」と呼ばれる心理学モデルです。アメリカで注目を浴びたのちに、日本で普及され企業内におけるコミュニケーション促進や能力開発、自己分析ツールとして活用されています。ジョハリの窓を使うことにより、自分と他人の認識のズレを発見し理解することができます。ジョハリの窓は他者と自分の認識の相違点を元に自己分析、自己への気づきを行い人間関係やコミュニケーションの円滑な進め方を模索することを目的として活用していきます。

ジョハリの窓の4つの区分

“ジョハリの窓”

ジョハリの窓は、自分の特性や自分に対する理解を4つの領域(窓)に分類します。4つの窓は、「開放の窓」「盲点の窓」「秘密の窓」「未知の窓」と呼ばれ、自己分析と他社分析の結果を統合し整理を行うことで新たな気付きを発見し分析していきます。通常、解放の窓を広げ未知の窓を狭くすることを目的として実施されることになり、そのプロセスを通じて自己分析を深めていく仕組みだと理解しておきましょう。

 

02ジョハリの4つの窓の持つ意味とは

次にジョハリの4つの窓が持つ意味を解説していきます。4つの窓には意味があり、それぞれの意味を理解しておくことが自己分析には必要です。4つの窓がどのような意味を持ち、そこに当てはまったことから何が分かるかを理解していきましょう。

開放の窓

開放の窓は、自己分析と他者分析で共通している事柄が該当します。「自分自身も知っていて他人も知っている自分の性質」とも呼ばれ、この窓に該当する項目が多い場合には、自分の内面や能力は他人が分かるように表に出している(自己開示)傾向が強いと判断できます。この窓に該当することが少ない(窓が小さい表現する)場合には、自己開示傾向が低く相手に自分のことを理解されていない可能性が高いと判断できます。

盲点の窓

盲点の窓は、「自分は知らないが他人は知っている自分の性質」という意味です。この窓が大きいと「自己分析ができていない」「自分が気付いていない部分が多い」ことを表し自己理解を深めることが可能です。自分ではきがついていなかった部分を理解し受け入れることで、この項目は解放の窓に移動していきます。

秘密の窓

秘密の窓は、「自分は知っているが他人は知らない自分の性質」という意味です。この窓が大きいと「内に秘めている部分が多い」「自己開示をしていない」「自己開示ができていない」と判断します。この窓が小さい場合には、「自己開示がうまくできている」と判断でき自分の個性を発揮していると捉えることができます。

未知の窓

未知の窓は、「自分も他人も気付いていない」「まだ開発されていない」性質を表します。この先、新たなチャレンジで気が付くことや開発されている可能性がある性質です。この性質を開発することで、その性質は未知の窓以外の窓に移動していきます。

 

03ジョハリの窓を活用するメリット

ジョハリの窓を活用することでどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、主なメリットを3つ解説します。

自分と他人の認識のズレを洗いだせる

ジョハリの窓を利用する最大のメリットは、「自分と他人との認識のズレを洗い出せる」ことです。自分自身が認識している自己像と他人が見ているイメージの間に生じているズレを洗いだすことができます。例えば、自分では気づいていない特定の性格の特徴や行動パターンが、他人からのフィードバックを通じて明らかになることがあります。このズレを認識することで、自己理解を深め、他人との相互理解を高めることができます。

コミュニケーションの改善点を把握できる

またジョハリの窓を通じて自己理解が深まることで、他のメリットにも繋がります。具体的には他人との認識のズレが軽減されることで、コミュニケーションが円滑に行われ対人関係がスムーズになる、ストレスを軽減できるなどの期待効果もあります。参加しているメンバーが気付きを得ることで職場全体のコミュニケーションが活性化し、業務を今まで以上に円滑にできるのは企業としては非常に魅力的な効果と言えるでしょう。

 

04ジョハリの窓の実施手順を解説

次にジョハリの窓を実施する手順について解説していきます。手順に従って実際にワークをしながら理解を深めていきましょう。ジョハリの窓の特徴である「他人がどう思っているか」を知るために必ず2名以上で行うことが必要です。自己分析としてのみ実施する方法もありますが、効果を理解するためには複数人で実施するのが良いでしょう。実際に行う際に気を付けておきたいことは、自分の印象をどう受けているかについて反発したり意見しないことです。あくまで、自分と他社の認識の違いを理解するワークであることを理解して実施していきましょう。

4つの窓を用意する

紙とペンを用意し、1人1枚の紙に4つの窓(枠)を書きます。窓には以下の項目を記載していきます。

  • 左上:解放の窓(自分も他人も知っている)
  • 左下:秘密の窓(自分は知っているが、他人は知らない)
  • 右上:盲点の窓(自分は知らないが、他人は知っている)
  • 右下:未知の窓(自分も他人も知らない)

対象者の特徴や性格を洗い出す

次に、分析を行う対象者を決め、対象者自身と他人それぞれが、対象者の特徴や性格を洗い出していきます。洗い出した内容は、後から整理を行うために各人色が違うポストイットに書いていきましょう。一人の対象者にかける時間は5~10分程度とし、時間がきたら終了とします。時間をかければいいということではなく、決まった時間内に思いつくことを洗い出すことも必要です。時間を決めることで、相手に強く思う印象を洗い出すことができます。

4つの窓に入れる

洗い出した特徴や性格について、まず対象者自らが書き上げたものを説明し張り出します。その上に同じ項目を記載したものを張り合わせて照らし合わせます。この整理を行った後に、用意している4つの窓別に分類を張り付けていきます。ポストイットを利用することで、自分が知っていることと他人が認識していることをまとめやすくなります。

気づきを共有する

最後に気付きを共有します。自己分析を深く行うためには、自分が知らない特徴や性格について、どうしてそう感じているかをヒヤリングすることが必要です。特に、自分ではそうではないと思っている特徴をあげている場合には、なぜそうもっているかに興味がわいてきます。その興味が、自己分析を促進させ自分の特性の理解や見直すべき事柄である気付きとなります。

 

051人でもジョハリの窓は実施可能

基本的にジョハリの窓は他者からの評価を経て気づきを得る取り組みなので、複数人で行うものです。しかし、数人を自力で集めるとなると時間や手間がかかるでしょう。また、参加者によっても結果が変わってしまうのが、ジョハリの窓の特徴です。関係値の深さ・積極的に発言できるタイプなのか温厚的な性格なのかによっても内容が変わってきます。もしジョハリの窓を試してみたいものの、メンバーを集めるのが困難な方は、1人でできる診断ツールもあるため、使用してみてください。

ジョハリの窓以外の自己分析方法

自己分析の方法はジョハリの窓だけではありません。この章では、自己分析の方法を学べるSchooの授業を紹介します。

市場価値を高める自己分析の方法

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この授業では、自己実現のための市場価値の重要性や、やりがいや強みを見極める自己分析の方法を学ぶことができます。

  • アクシス株式会社 代表取締役 兼 転職エージェント

    新卒でリクルートキャリア(旧リクルートエージェント)入社。リクルーティングアドバイザーとして様々な業界・企業の採用支援に携わる。その後、サイバーエージェントに転職し、アカウントプランナーとして最大手クライアントを担当し、インターネットを活用した集客支援をおこなう。2011年にヘッドハンター・転職エージェントとして独立。2012年アクシス株式会社を設立し、代表取締役に就任。月間40万人の読者が読む転職メディア「すべらない転職」の運営やキャリアに特化した有料パーソナルトレーニングサービス「マジキャリ」など多岐にわたるキャリア支援サービスを展開。転職エージェントとして20代向けの転職・キャリア支援を行いながら、インターネットビジネスの事業開発や大学・ハローワークでのキャリアについての講演活動、ヤフーニュースや東洋経済オンラインでの寄稿など幅広く活動している。

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ビジネスパーソンに必要な内省と自己分析

市場価値を高める自己分析の方法
 

この授業では、自分の内側にしかない正解をどのように導き出すのか、その必要性を交えながら紹介しています。

  • ZaPASS JAPAN株式会社 代表取締役

    2012 株式会社イルグルム 新卒入社→製品企画・戦略 入社後3年連続MVP、最年少マネージャーを経て、国内シェアNo1製品の製品企画・戦略に従事。 2017 AnyMind Group 香港法人の立ち上げ→グローバル全体の社長室 香港移住・拠点立ち上げから2年で35名の組織へと成長。その後香港・台湾・フィリピンの日系リージョナルヘッドとして組織を牽引。 帰国後はグループ全体の社長室でインフルエンサーD2Cブランド、ものづくりプラットフォーム等の3つの新規事業責任者・M&A・プロダクトマーケ・広報・採用戦略等を兼務。 2019年 ZaPASS JAPAN株式会社創業、代表取締役CEOに就任 日本・オランダに拠点でコーチングプラットフォームの開発・提供を行っている。 約2000名ほどのビジネスパーソン向けコーチング活用支援や、200名を超えるコーチ養成講座卒業生を輩出。

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06ジョハリの窓で得た結果の活用方法

ジョハリの窓は、自己分析・他己分析の手法にすぎません。その結果を得て、どのように自分を変え、自己成長に繋げるかが重要なのです。この章では、ジョハリの窓の診断結果を自身の成長に繋げるための一例を紹介します。

開放の窓が少ない場合

開放の窓は、他人も自分もわかっている性格を記載する場所です。この箇所が少ないということは自己開示が不得意ということかもしれません。もしくは自分分析が苦手という可能性もあります。自己開示が苦手であると感じた場合は、秘密の窓を減らして、解放の窓を増やすというアクションが必要になるでしょう。自己分析が苦手という場合は、盲点の窓を減らして解放の窓を増やすというアクションが求められます。

未知の窓を意識する

未知の窓は、自分も他人もわからない、知られていない性格などを記載する場所です。つまり、ここには無限の可能性が眠っていると言っても過言ではありません。新しいことに挑戦していき、自分も他者も気づいていない自分を見出すことも、自身の大きな成長に繋がるでしょう。

 

07ジョハリの窓を実施する際の注意点

次にジョハリの窓を実施する際の注意点について解説していきます。実際に実施する際には、ジョハリの窓が得意とすることや実施する意味について理解して進めていくことが必要です。ジョハリの窓を使い自分自身を知ることや気付きをえることが大事だという理解をしてすすめていきましょう。特に、運営を行うファシリテーターは予め実施手順や実施に際しての注意点を理解して運営していくことが必要です。

忖度しない

注意する点として「率直になる」ということが大事です。自分自身や他人が持つ印象について洗い出していきますが、相手に嫌われたくないなどの思いでジョハリの窓を実施することはおすすめできません。ジョハリの窓の実施目的は、自分自身や相手の自己分析をしていくこと、気付きを得ることが目的です。過度な気遣いにより、思っていないことを書き出してしまうとジョハリの窓が持つ意味を損なってしまいます。なぜジョハリの窓を行うかの意味を参加者全員で確認し意義のあるワークを行うことを心掛けましょう。

ポジティブワードで行うこと

ジョハリの窓の大前提は、相手を否定しないことです。洗い出す際に使う用語は、ポジティブワードに統一します。例えば、「短気」と洗い出すような相手を否定する用語を使用することを禁止とします。ジョハリの窓は、相手の悪い性格を洗い出すものではなく、良い点や改善点に気付くためのものです。表現に難しい特徴を示す必要がある場合には、事例を交えて洗い出すやり方や、他の特徴から書き出すようにしましょう。ネガティブワードが重なってしまうと参加者のモチベーションが下がり、意見交換の場も有効な意見を出しあえなくなります。ファシリテーターは洗い出している意見を確認しながら、ネガティブ用語がある場合には、適切な表現に変更する指示を出していきましょう。

深刻にならない雰囲気作り

メンバーの中に、相手を批判するネガティブワードを利用する方がいる場合には、分析対象にストレスとなり深刻な雰囲気を作り出してしまいます。雰囲気が悪化しないためにポジティブワードでの分析を進める必要があります。万が一、深刻な雰囲気を感じた場合には、ファシリテーターによる分析を実施し、雰囲気の改善を行う必要があります。相手を非難することで進んでいくワークにならないためには、ファシリテーターの役割は重要だと理解して進めていきましょう。


 

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08まとめ

本記事では、自己分析に有効なジョハリの窓について、特徴や実施方法について解説しています。多くの企業が取り入れているジョハリの窓を通じて、自己分析を進めることでより成長が期待できます。本記事を参考にぜひ、ジョハリの窓を実施してください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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