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アンドラゴジーとは?今こそ企業に求められている理由と特徴をご紹介

公開日:2021/09/10
更新日:2021/09/11
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アンドラゴジーとは?今こそ企業に求められている理由と特徴をご紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

アンドラゴジーとは、一般的に成人学習と呼ばれる概念であり、近年企業において重要視されるようになってきています。本記事ではアンドラゴジーの起源やペタゴジーとの違い、社内研修を行う上で意識するべきポイントについて解説していきます。

 

アンドラゴジーとは

アンドラゴジー(Andoragogy)は、「成人」を意味するギリシャ語の「aner」と、「指導」という意味を持つ「agogus」が組み合わさってできた造語で、日本語では「成人学習」や「成人教育」として訳されることが多いです。 アメリカの成人教育に関する理論家である、マルカム・ノールズという人物によって体系化された学習理論であり、近年、企業の人材教育に活用していく流れが広まりつつあります。 アンドゴラジーは、「自己概念」「学習経験」「レディネス」「方向付け」「動機付け」という5つの観点からまとめられています。

アンドラゴジーの起源

アンドラゴジーは、19世紀前半のドイツが発祥と言われています。 当時、ドイツの教師であったアレクサンダー・カップという人物が、自身の担当である成人学生に対する教育方法について説明する際に用いたとされています。 しばらくはあまり広く普及されていきませんでしたが、1958年に同じくドイツ人のフランツ・ペゲラー教授によって書かれた「アンドラゴジー入門‐成人教育の基本問題」という本をきっかけに、ヨーロッパ全土に広がるようになりました。 その後、アメリカの成人教育に関する理論家であるマルカム氏によって理論立てられ、今に至っています。

ペダゴジーとの違い

アンドラゴジーと対比される形でよく登場する言葉に、「ペタゴジー」という言葉があります。ペタゴジーは、子供を意味する「paid」と指導を意味する「agogus」が組み合わさってできた概念です。 アンドラゴジーが成人への教育であるのに対し、ペタゴジーは子供を対象にした教育概念であるため、その教育対象が異なります。

主に看護の世界で重要視されている

アンドラゴジーは、企業における研修などの場において活用されることもありますが、主に看護の世界で重要視されている傾向にあります。 看護師は、臨床の際に患者に対して薬の飲み方や注意点、リハビリなどにおいて患者にある意味で教育を行う場面が多々あります。 その際に、何も知らない子供に接するのと同じように成人に対して教育をしていては効果がなく、かえって逆効果であるということが、看護師を目指す段階から教えられており、アンドラゴジーの考え方が定着しているようです。

 

アンドラゴジーが企業に求められている背景とは

ドイツ発祥の概念であるアンドラゴジーですが、企業になぜ求められるようになっているのでしょうか。 成人教育が重要になってきているという観点で、2つの背景をご紹介します。

終身雇用制度の崩壊

1つ目の背景として、「終身雇用制度の崩壊」が挙げられます。 一昔前までは、多くの国内企業で終身雇用制が基本となっており、新卒で入社した人材がそのまま生涯を通して1社で働き続ける、というケースが一般的でした。 しかし、働き方の多様化や大企業の倒産などによって、終身雇用制度はもはや崩壊しており、企業に所属した従業員が1箇所で働き続けるということは珍しくなってきています。人材が流動的になり、新入社員研修や中途採用社員への研修、幹部候補生への研修など、様々な機会で従業員に対して教育を行うケースが増えています。 そういった中で、従来のように画一的に成人に対して教育を行っているだけでは効果的とは言えず、それぞれに適した教育を行う必要が生じてきているのです。

少子高齢化による労働人口の減少

2つ目の背景として、「少子高齢化による減少」が挙げられます。 日本の少子高齢化は止まることを知らず、年々労働人口は減少を続けています。 そういった中で企業が人材を確保することも簡単ではなく、一人一人の従業員の生産性向上が求められています。そのためには従業員のスキルアップが重要になってきており、そのための教育を行う必要があるため、アンドラゴジーが重要になっているのです。

 

アンドラゴジーの5つの特徴

アンドラゴジーは「自己概念」「学習経験」「レディネス」「方向付け」「動機付け」の5つの特徴から成り立っているものですが、それぞれどういった特徴があるのか具体的に解説します。

自己概念

自己概念とは「自分がどのような人間であるか」という問題に対し、自分自身が持っている回答のことです。一般的に、人間は成長するにつれて、自分自身を自分で管理することができているという自己概念が強くなっていくと言われています。 したがって、成人教育においては自己概念に基づき、与えられるだけの受動的な学習ではなく、自ら積極的に求めていく能動型の学習設計が重要になるのです。 一方、ペタゴジーでは自分のことを自分で管理するという概念が弱く、教えられるがままに学ぶという受動的な学習が中心になります。

経験

人間は生きた年数が長くなればなるほど成功や失敗など様々なことを経験し、成長していきます。 成人教育においては人生経験が豊富な人はその分知識やノウハウも豊富であるということを前提とし、各々が経験によって培ってきたものを活用することで、0から学習を行うよりも効果的になると言われています。 グループ学習を行う際は各自の成功体験とそれを元に学んだ知識やノウハウを共有し、お互いの理解を深めていくようにしましょう。 一方、ペタゴジーではまだ十分な経験がないことが多いため、経験を活用して学習するといったことはほとんどありません。

レディネス

レディネスとは心理学における概念で、学習のための準備状態を示す言葉です。物事を学習するにあたって必要となる条件や心身の準備、環境などが整っていて学習に対する準備ができている状態を指します。 このことにより、成人教育においては職業や役職、職位にフォーカスを当てて学習者の課題を捉えることが重要になっています。 一方、ペタゴジーでは年齢にフォーカスし学習のカリキュラムが決められることが多いため、個別の状況とは関係なく年齢に応じて一定の学習内容が決められます。

方向付け

方向づけとは「なんのためにその学習を行うのか」といった目的を重視する概念です。 成人教育においては、学習によって学んだ知識を活用してどうしたいのか、何に活かせるのかという目的が非常に大切になります。直面している課題を解決したり、自分の市場価値を向上させたりするという目的を持ち、そこから逆算して必要な学習を行うことが重要になります。 一方、ペタゴジーではテストでいい点を取りたい、学習内容を正しく理解したいという単純な目的で学習をすることが一般的です。

動機付け

アンドラゴジーには、「成人学習は外発的動機よりも内発的同期に基づいている」という前提の考え方があります。 内発的動機とは、趣味や関心といった人々の内面にある動機付けのことを指します。一方で外発的動機とは、お金や報酬、罰則などの外部による動機を指します。 成人教育においては外発的動機ではなく、内発的動機によって学習をさせる方が、より効果的に教育を進めることができるでしょう。 一方、ペタゴジーでは先生や親に褒められたい、間違えて叱られたくないといった外発的動機から学習に参加するようになることが多いです。

 

アンドラゴジーを意識した社内研修におけるポイント

アンドラゴジーは5つの特徴から成る成人教育の概念ですが、これらを実際の社内研修に活かす際には具体的にどうすればいいのでしょうか。 3つのポイントをご紹介します。

ワークショップなどを活用し参加者に主体性を持たせる

自己概念という特徴に基づき、成人学習においては参加者が主体性を持って学ぶことが重要とされています。 それを研修に活かすためには講義形式の座学を行うのではなく、ワークショップ形式で参加者が主体的に参加できるような研修の方が効果的です。 実際に手や頭を動かし参加者同士で発言し合い、体験を通して学びにつながるような研修を用意するようにしましょう。

役職やポジションが同じ人同士をディスカッションに参加させる

アンドラゴジーの経験という特徴から授業員への教育では、参加者それぞれの経験を活用して行うことで、より効果的に進めることができるとされています。 これを企業で活かすためには、役職やポジションが同じ人同士で過去の成功体験から得られた学びなどについてディスカッションを行わせることが有効でしょう。同じ立場であっても、それぞれ経験したことは異なるため、お互いの経験を共有することは深い学びにつながります。

研修に目的意識を持たせるための事前説明を行う

成人教育においては外発的動機ではなく内発的動機が重要視されます。そういった中で研修を行う場合は、参加者にしっかりと目的意識を持たせるように意識しましょう。 なんの前触れもなく、全社員に対して一斉に行われる研修に従業員を強制的に参加させても、目的意識を持たせることはできません。なぜその研修が必要なのか、参加することによってどういった効果が見込めるのかといった説明を事前に行うようにしましょう。 研修内容が自分にとって有意義であることが事前に分かれば、目的意識をもった上で従業員が研修に参加することができます。

 

まとめ

アンドラゴジーは成人教育に対する概念ですが、企業における社員研修においても非常に役に立つ考え方です。 アンドラゴジーの5つの特徴を意識し、従業員がより研修を通してより深い学びにつながるよう、社員研修を設計していきましょう。

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