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ピーターの法則とは?ピーターの法則の概要と対策をわかりやすく解説

公開日:2021/09/10
更新日:2021/09/11
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ピーターの法則とは?ピーターの法則の概要と対策をわかりやすく解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

「優秀な人材が管理職に昇進したら、以前のように活躍できなくなってしまった」といった現象を目にしたことはないでしょうか。これは「ピーターの法則」といわれるもので、あらゆる組織において起こりうる普遍的な現象です。当記事では「ピーターの法則」の概要と、組織における人材の「無能化」を防ぐ対策について解説します。

 

ピーターの法則とは

ピーターの法則とは、「あらゆる人材は昇進により能力の限界に達すると無能化する」という説です。例えば、ある人材が実績を評価され、上のポストに昇進したとします。しかし、昇進したポストで求められるスキルを有していなかったため、そこでは成果を上げることができず成長が止まってしまいます。その結果それ以上昇進することはなく、そのポジションで成果を発揮できないいまま、「無能化」してしまうというものです。 これは、組織のあらゆる役職で起きうるもので、最終的にすべての役職はこうした「無能化した人」で占められ、組織運営は、まだ限界に達していない人材の力でまかなわれるというものです。

ピーターの法則の提唱者

「ピーターの法則」はアメリカの教育学者、ローレンス・J・ピーター氏が、レイモンド・ハル氏との共著『ピーターの法則 創造的無能のすすめ』のなかで提唱したものです。 著書のなかで「人は以前に有効だと感じたものを、ほかの場所でも有効だと信じて使ってしまう」という現象に注目し、これは企業などの組織における人材活用にもあてはまると提唱しました。

 

ピーターの法則のプロセス

ピーターの法則が成立してしまうプロセスは、誤った評価により適性がない人材を昇進させてしまうことから始まります。昇進後の上位ポストで必要とされるスキルを有しているかどうかの検証がされないまま、「前のポジションで能力を発揮していたから」という理由だけで、上位のポジションに昇進させてしまうのです。

能力の限界に達する

上位ポストに必要なスキルを有しないまま昇進することにより、その立場で求められる役割を果たすことができなくなります。この状態を提唱者のピーター氏は「無能」と表現しました。個人の成長の限界を迎え、求められる役割を果たせない状態で、人は「無能化」するのです。

無能な人が地位にとどまる

ピーターの法則で問題となるのは、「無能化」した人がそのポジションに、長くとどまりつづけることです。能力の限界に達しているためそれ以上の昇進はなく、結果として長い期間そのポジションは「無能化」した人材に占領されてしまうという現象が生じます。

限界に達していない人の力で組織は機能する

組織の多くのポジションが「無能化」した人々で占められた場合、実際の組織運営は誰の力により行われるのでしょうか。ピーター氏は、「組織の運営は、出世する余地を残し、まだ無能レベルに達していない人によって行われる」としています。 この説は、無能化した人材が役職につき、成長過程にある若手人材がそれを支えるという構図を良く表しているのではないでしょうか。

 

ピーターの法則が組織に及ぼす影響

ピーターの法則が成立することで、かつて優秀だった人材は「無能化」していきます。このことは組織にとって大きな問題であり、さまざまなリスクを組織にもたらすものです。 ピーターの法則が成立してしまうポイントは「ある仕事で有能な人材が、別の仕事でも有能であるとは限らない」という点にあるといえます。

生産性の低下・業績の低迷

例えば、優れた営業成績を上げた担当者はマネージャーとして部下をまとめる能力も優れているに違いないという思い込みがあります。担当者として売上を作る能力と、部下をまとめチームとして成果を上げる能力は異なるものです。 この思い込みにより、部下を統率する能力のない人材をマネージャーに昇進させてしまうと、マネージャーのポジションで「無能化」し、成果を上げることができないチームが生まれます。結果として生産性の低下と業績の低迷を招いてしまうのです。

人材の流出

ピーター氏は著書のなかで、「創造的無能」になることを推奨しています。組織において有能な人材でありつづけるために、実力をセーブしながら仕事をして昇進を避けるという働き方です。しかし、これは本来の実力を評価されないストレスが生じるためあまり現実的であるとはいえません。 むしろ現実的に人材の流出につながる原因は、ポストが空かないことにより、成長過程にある人材が本来の実力を発揮できるポジションで仕事ができないことなのではないしょうか。

人事評価が機能しなくなる

組織の重要なポストを「無能化」した人材が占めていくということは、正しく部下を評価できない人材により昇進人事が決められるようになるということです。将来にわたり、役職にふさわしくない人材が昇進しつづける可能性が高まり、組織にとってこの上ない悪循環となります。結果として人事評価制度が正しく機能しなくなり、組織が弱体化していくのです。

 

ピーターの法則が発生する理由

ピーターの法則が発生する原因は「ある仕事で有能な人材が、別の仕事でも有能であるとは限らない」という点を理解しないまま昇進人事を決めてしまうことにあります。この理由でピーターの法則が発生するプロセスをさらに整理していくと、次に挙げる3点に集約されます。

役職に求める要件が明確ではない

昇進したポジションの役職に求められる要件が明確ではないことが理由の一つです。言い換えれば、その役職に昇進する判断基準が明確ではないということです。そのため、現在の業務で優秀な人材は、そのポジションにおいても優秀でありつづけるだろうという思い込みにより昇進人事が決まってしまうのです。

育成の仕組みがない

そのポストに必要なスキルをもたない人材を昇進させてしまったとしても、昇進後に必要なスキルを身につけられるような育成の仕組みがあれば、「無能化」は防ぐことができます。ピーターの法則が発生する組織は、前項に挙げたように役職に求められる要件が明確ではないため、育成の仕組みも整備されていない場合がほとんどなのではないでしょうか。

降格の仕組みがない

ポストにより求められる能力が違い、昇進後に対応できないのであればそのポストでは成果を上げることはできないでしょう。成果を上げられないのであれば、そのポストから降りて、可能性があるほかの人材がその役職に就くべきです。しかし現実的にはポストの固定化を防ぐ仕組みが正しく機能している組織は少なく、一度昇進してしまえば、よほどのことがない限りそのポジションにとどまるということになってしまうのです。

 

ピーターの法則を防ぐ対策

ピーターの法則が発生してしまうことで、組織の成長は低迷し人材の流出などさまざまな弊害が生じてきます。組織としては、あらゆる対策を講じて防ぐ必要があります。ピーターの法則の発生を防ぐためのポイントは、昇進した管理職に対し「自己成長の意識づけ」を確実に実施しつづけることであるといえます。

階層別の研修を充実させる

昇進が一つのゴールだと錯覚させないためにも、階層別の研修を実施することが有効です。そのポジションが果たすべきミッションを明確にし、そのために必要なスキル要件を研修により理解してもらいます。この研修により自分に足りないものをはっきりと自覚してもらい、ギャップを埋めるための支援を継続して行っていくと良いでしょう。

降格基準を明確にする

そのポストにおけるミッションや必要なスキル要件が明確で、それに達していない場合、あるいは今後も達成する見込みがない人材がそのポジションにいるのであれば、降格してもらい可能性があるほかの人材にポストを委ねることが組織にとっての正解であるといえます。 しかし、現実的には降格人事を発令することは困難であり、現実的な対策とはいえません。ただ、降格基準を明確に設定することは危機感を与えるという点において「自己成長の意識づけ」には必要な要素であるといえます。

多様なキャリアを用意する

ピーター氏は「無能化」を防ぐために「創造的無能」になることを推奨していました。「出世とは管理職になること」といった概念から一度離れて考えてみると、現実的なものに思えてきます。専門的な技術職などスペシャリストとして活躍できる複線的なキャリアが用意されれば、無理をして管理職を目指す必要はなくなり、無能化を避けられます。自身の得意分野で存分に能力を発揮できる環境があれば、モチベーションも保てるのではないでしょうか。

 

ピーターの法則の本当の問題とは?

ピーターの法則が発生することで、組織における要職が「無能化」した人材で占められるということは、組織の成長を阻害し、さまざまな弊害をもたらします。こうしたことは大きな問題ですが、ピーターの法則がもたらす本質的な問題は若手人材にもたらす悪影響にあるといえます。

有能な若手人材のモチベーション低下を招く

成長過程にあり、伸びしろが未知数の若手人材のモチベーションを下げてしまうことは、企業にとってこれ以上ない損失であるといっても過言ではありません。 組織におけるポストが「無能化」した人材で埋まることは、若手人材の活躍の場が奪われていることでもあります。また、「無能化」した管理職は若手人材にとっては「悪いお手本」となってしまいます。このような状態がつづけば、組織を支えている「まだ限界を迎えていない人材」のモチベーションまで下げてしまい、組織の存続に危機的な状況をもたらしてしまいます。

 

まとめ

ピーターの法則は組織の健全さを徐々に破壊し、危機的な状況をもたらすものです。管理職登用の人事は明確な要件を定め慎重に実施し、登用後も育成の施策を講じ自己成長の意識づけを継続的に行う必要があります。若手人材が将来に希望をもち、高いモチベーションで仕事をするためには、管理職の役割は重要であり重大な責任があるのではないでしょうか。

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