ビジネスマインド研修とは?種類やポイント、注意点まで解説

ビジネスマインド研修は、社会人として求められる仕事への姿勢や基本的な心構えを身につける重要な機会です。リモートワークなど多様な働き方が普及する現代において、主体性や当事者意識、チームに貢献するプロ意識を持った人材の育成は不可欠となっています。本記事では、貴社が求めるビジネスマインドを育むための研修内容から、効果的な設計・実施のポイントまでを網羅的に解説します。
01ビジネスマインド研修とは
ビジネスマインド研修とは、仕事に対する姿勢や考え方、ビジネスパーソンとしての基本的な心構えを身につけるための研修です。主体性や当事者意識などのマインドセットを身につけ、社会人として求められる重要な土台づくりを目的に行われます。そのため、研修の対象者は主に新入社員や若手社員が中心となります。
ビジネスマインドとは
ビジネスマインドとは、仕事に対する姿勢や考え方や、ビジネスパーソンとしての基本的な心構えのことです。具体的には、主体性、相手の視点に立った思考や行動、成果志向、チーム貢献意識などの要素が含まれます。また、自ら積極的に業務に取り組むことや、周囲の期待に応えるプロ意識、自律的な成長意識も、ビジネスマインドと言えるでしょう。
ビジネスマインドが注目されている背景
ビジネスマインドは、環境変化に適応し、継続的な成果創出に必要なものとして注目されています。昨今はVUCAの時代と呼ばれ、過去と比べても環境変化が激しいのが特徴です。そのような環境下において、企業は戦略と戦術を柔軟に調整しながら適応していく必要があり、そこで働く従業員もその変化についていくことが求められます。
さらに現代のビジネスパーソンは、終身雇用の崩壊によってキャリア自律を求められ、スキルが陳腐化する速度が早まったことでリスキリングに対する要請も強まっています。ビジネスマインドは、このような環境の変化に対しても一貫して必要とされる、ビジネスパーソンが成果を出すための土台です。さらに自律的な考え方や主体性、組織視点で成果を追求できるマインドは、変化適応を促進し、キャリア形成や自律学習にも役立ちます。
02ビジネスマインド研修の内容
ビジネスマインド研修は、対象者が新入社員か若手社員かで目的・内容が異なります。新入社員向けは、学生から社会人になるにあたっての基本的なマインドセットの獲得が目的です。一方で若手社員向けは、「自律」が中心のテーマとなっています。この章では、ビジネスマインド研修の内容を紹介します。
新入社員向け
新入社員向けのビジネスマインド研修は、社会人としてのマインドセットを身につけることを目的に、仕事への基本的な心構えと姿勢を養います。具体的には、挨拶や報連相といったコミュニケーションの基本、コスト意識や整理整頓による働く環境の整え方、自ら学ぶ姿勢や自己研鑽の習慣、プロ意識やチャレンジ精神などを学び、自律的に業務に取り組む土台を築きます。
若手社員向け
若手社員向けのビジネスマインド研修は、自律し、周囲から信頼される人材となるためのマインドセットを身につけることを目的に行われます。具体的には、自ら率先して業務・役割・課題に取り組む「主体性」、安定したパフォーマンスを発揮する「プロ意識」、そして課題に対し自ら深く考える「思考力」が研修の内容となります。
03ビジネスマインド研修の実施形式
ビジネスマインド研修を外部に依頼する場合、実施形式としては主に以下の3つがあります。
- ・公開型研修
- ・講師派遣型研修
- ・eラーニング
公開型研修・eラーニングは、安価で受講できる反面、研修内容の自由度がありません。一方で、講師派遣型研修は、費用がかかるが研修内容を自由に決めやすいという特徴があります。次で詳細を解説します。
公開型研修
公開型研修とは、研修会社が日時・会場・内容を設定し、様々な企業から参加者を募って行われる研修形式のことを言います。他社の人と知り合う機会となったり、費用を抑えられたりするメリットがある一方、内容にカスタマイズ性がなく、自社が求めるビジネスマインド研修の内容ではない可能性がある点には注意しなければいけません。
講師派遣型研修
講師派遣型研修とは、外部の専門家や研修講師を自社に招き、特定のスキルや知識を習得するための研修を行う形式のことです。基本的にはオーダーメイドで研修内容をカスタマイズできるため、企業の課題やニーズに合わせた研修を実施できます。また専門性の高い講師からきめ細やかな指導を受けることが可能な点もメリットです。その一方、研修の設計・運用費用や講師の移動費など、コストは高くなる傾向にあります。
eラーニング
eラーニングによる研修は、パソコンやスマートフォンなどのデバイスを使って、場所や時間にとらわれずに研修を受講することができるという利点があります。また、公開型・講師派遣型研修よりも1人あたりの研修費用は安価に抑えられることが多く、繰り返し視聴によって反復学習しやすいのも特長です。
一方、公開型と同様に研修内容の自由度はなく、すでに作成された動画を視聴することになります。また個々人の環境で受講する形式の場合は、集合研修と比べて集中力が散漫になりやすいため、適宜ワークと組み合わせるなどの工夫も必要です。
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04ビジネスマインド研修で身につくこと
ビジネスマインド研修では、主体的に考え行動する姿勢や、業務を「自分ごと」と捉える当事者意識・責任感を育みます。また、チーム貢献意識と円滑なコミュニケーション力を習得し、プロとしての自覚と組織への貢献を促します。
主体的に行動する姿勢
ビジネスマインド研修を通じて身につけるべき重要な姿勢として、「主体的な行動姿勢」があります。言われたことをこなすだけでなく、主体的に思考して、組織貢献や成果創出のために積極的に行動をすることは、年次を問わず重要です。研修では、そもそもなぜ主体性が重要なのか、「仕事ができる」とはどういった状態を指すのか、などの前提から考え、主体的に行動するコツを学びます。
当事者意識と責任感
ビジネスマインド研修では、自分ごととして業務を捉える「当事者意識」や「責任感」も身につけることができます。特に若手社員においては、自分の目の前の業務だけではなく、所属するチームや組織にも目を向けながら自ら責任領域を広げていく動きが期待されます。そこで研修では、自分自身の役割について言語化したり、周囲と連携しながら業務推進するためのコミュニケーションの方法や目的思考について学んだりすることで、当事者意識と責任感の醸成を図ります。
チーム貢献意識とコミュニケーション力
チームで成果を出す重要性を理解し、全体最適の観点から行動できることも、ビジネスマインド研修で習得できる能力です。チーム貢献意識が低いと、独りよがりな仕事ぶりとなりがちであり、業務の生産性が落ちるだけでなく上司や同僚からの信頼も獲得しづらくなります。研修では、このような「組織視点」の重要性や、チーム貢献に必要な思考法、コミュニケーション手法を学び、能力の向上を目指します。
05ビジネスマインド研修を設計する際に確認すべきこと
ビジネスマインド研修を企画・設計する際にまず大切なのが、「研修の目的設定」です。研修をすることが目的にならないように、研修でどのような変化を起こしたいのかを明確にしましょう。
また研修に先立ち「参加者の課題や強み」を分析することも大切です。研修受講者が新入社員か若手社員かで注力するべきビジネスマインドは異なることに加え、世代や社風によっても傾向は異なるため、適切に課題設定することで最適な研修内容を設計できます。
加えて「研修効果の測定方法」も確認しておきましょう。ビジネスマインド研修をすることで、受講者にどのような行動や言動を期待するのか、その測定を誰がいつ、どのように行うのかを事前に決めておくと、研修後に混乱が生じないでしょう。
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06ビジネスマインド研修を実施する際のポイント
ビジネスマインドは仕事をする上で非常に重要ですが、いわゆるハードスキルと異なり受講者によって受け止め方はさまざまです。そのため研修を実施する際には、ビジネスマインドがなぜ必要なのかを体感させる、納得感ある設計が成功の鍵です。実務と繋がる実践的な学びに加え、継続的なフォローアップで行動変容を促し、学んだビジネスマインドの定着を図りましょう。
受講者の納得感を得る工夫
ビジネスマインド研修で受講者の納得感を得るには、単なる知識伝達に留まらず、「なぜそれが必要なのか」という本質的な理由を伝えることが重要です。グループワークで他者視点の重要性を認識させたり、チームで成果を出す意味を体感させたりすることで、受講者の納得感を高めることができます。また、ビジネスマナーや報連相はロールプレイングを取り入れることで、その意義を実践的に理解させることが可能になります。
実務とのつながりを意識した設計
ビジネスマインド研修に限らず、研修は実務とのつながりを意識した設計が成功の鍵となります。ビジネスマインド研修においては、実務で活きるマインドセットを養うため、その意義と行動への接続を重視すべきです。そのためには、具体例やケーススタディで深い理解を促し、ロールプレイングやグループワークで実践的に体感させると効果的です。これにより、受講者は学んだビジネスマインドを日々の業務で実践し、成果に繋げられます。
研修後のフォローアップ体制の構築
ビジネスマインド研修の効果を最大化するには、研修後のフォローアップ体制の構築が不可欠です。研修は学びのきっかけに過ぎず、実際に職場での行動変容を促し、その姿勢を定着させるには、継続的な支援が必要だからです。そのためには、上司や先輩が日々の業務で学んだビジネスマインドを実践できているかを確認し、フィードバックできるような仕組みを作ると良いでしょう。これにより、学びが単発で終わらず、持続的な成長へと繋がります。
07ビジネスマインド研修にはeラーニングが効果的
ビジネスマインド研修においてeラーニングを活用することは、柔軟な学習機会を提供し、受講者の主体的な学びを促進する上で効果的です。主なメリットとして、時間や場所に縛られずに自身のペースで学べる点が挙げられます。これにより、多忙な業務の合間でも継続的にビジネスマインドの定着を図れます。
また、繰り返し視聴して理解を深めることが可能なため、概念的な内容もじっくり習得できます。ただし、他者との対話により学びを深めることもできるため、eラーニングと集合研修を組み合わせるといったブレンディッドラーニングも検討すると良いでしょう。
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・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
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・自己啓発への活用方法 など

08ビジネスマインド研修のおすすめ講座
ビジネスマインド研修に活用できるSchooの講座例は以下のとおりです。
- ・頼られる新入社員になるために今すぐ身に付けたいこと
- ・自ら考え、動くための「心構え」
- ・できる若手は、チームを動かす
- ・ぶれない“仕事観”をつくるためのコンセプチュアル思考
上記の動画以外にも、ビジネスマインドに関する動画は多くご用意しています。人事担当・育成担当の方向けに10日間の無料トライアルもありますので、ぜひご活用ください。
頼られる新入社員になるために今すぐ身に付けたいこと
この授業では「思考」「実行」の2つの視点で、すぐに現場で実践できるビジネスに必要な力を習得できます。仕事ができるための「思考」として、目的思考・なぜなぜ思考。仕事ができるための「実行力」として、想定力・やり切る力を解説しています。
頼られる新入社員になるために今すぐ身に付けたいことを無料視聴する
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
自ら考え、動くための「心構え」
この授業では、上司や先輩に言われたことだけをやるのではなく、自分が成長するために何をするべきなのか、自分で考えながら動くための考え方を学ぶことができます。好奇心・主体性・論理性といった心構えを解説した上で、それらを育てるポイントも紹介しています。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
できる若手は、チームを動かす
この授業では、自身の成長だけに留まらず、チームや組織に影響を与える優秀な若手社員に共通する3つの型を紹介しています。「上司の上司」を意識することであったり、先輩たちとの違いで貢献をすること、周囲の観察がなぜ必要かなどを解説している授業です。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
ぶれない“仕事観”をつくるためのコンセプチュアル思考
この動画では、仕事やキャリアを考えるうえで重要になる自身の「観」を見つけるための考え方として、コンセプチュアル思考を紹介しています。自分なりの「ぶれない仕事観」を見つける方法について、『働き方の哲学』や『コンセプチュアル思考』の著者である村山昇先生に解説していただいています。
ぶれない“仕事観”をつくるためのコンセプチュアル思考を無料視聴する
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09まとめ
ビジネスマインド研修は、主体性や当事者意識といった仕事への基本的な心構えを身につけ、プロとして成果に貢献する人材を育成するための重要な研修です。
研修設計では目的と参加者の課題を明確にし、実施においては「なぜ必要か」を体感させる納得感ある内容とし、実務との連携を意識した実践的な学びを提供することが成功の鍵です。
さらに、学んだマインドを定着させるための継続的なフォローアップ体制も不可欠です。eラーニングを活用すれば、場所や時間にとらわれず自身のペースで学習を進めることができ、効果的な学びを支援できます。